メインコンテンツへスキップ
見出し画像

僕達は家族三人で宇宙からやってきた 第14話 レジは尋問システムかもしれない

    「ねえ、何でレジは色んなことを質問するの?」

    僕がお父さんに聞いた。

    「きっと情報を集めているんだ」

    お父さんは即答した。

    「分析しているのよ。でも、聞きすぎよね」

    お母さんも頷く。

    「……これは、地球人が本当に平和に暮らしているのかを調査しているのかもしれない」

    「ということは、何かの機関でチェックしているってこと?」

    「それしか考えられない」

    レジは必ず聞いてくる。

    ・ポイントカードはありますか?

    ・クーポンはありますか?

    ・レジ袋はご利用ですか?

    そして最後に、

    「レシートはご利用ですか?」

    ……あやしいだろう。

    「情報収集項目が多すぎる。地球人の監視システムに違いない」

    「私たちを尋問しているのよ」

    お母さんがぼそっと呟いた。

    「……」

    三人は固まった。

    「いや、わからないぞ。本当は良いことに使われているのかもしれない」

    「……確かに」

    「地球は住みやすい星だ。だから、そんなに怪しいことを考えているわけでもないかもしれない。……きっと」

    三人は静かに頷いた。

    納得できない。

    そこで、僕たちは母星へ連絡を取った。

    「もしもし。我々、地球の調査に来ているスピカ隊です」

    「どうかしましたか?」

    「地球のスーパーのレジが、住民を尋問しているようなのです。不審に思い、報告いたしました」

    「なるほど」

    「尋問内容は?」

    「ポイントカード、クーポン、レジ袋、レシートです」

    「……」

    「生活習慣を調査しているのでしょうか」

    「現在も監視を継続します」

    本部で緊急分析が始まった。

    星の本部が本気になった。

    「本件は重大案件として扱います」

    通信の向こうで、誰かがそう告げた。

    「追って連絡します。それまで、そちらで待機してください」

    「わかりました」

    通信は切れた。

    そして、数日が過ぎた。

    一本の通信が入った。

    「一度、状況なども把握したいので帰還してください。本部で直接報告をお願いします」

    「わかりました」

    お父さんは通信を切った。

    「帰るの?」

    僕が聞いた。

    「ああ。一度、星へ戻るぞ」

    「本部が本気になったのね。やっぱり重大なことだったのよ。私たちが考えたとおりね」

    お母さんが言った。

    「やっぱり地球のレジは何かあったんだ」

    「そうみたいだな」

    三人は頷いた。

    「また地球へ来ることになるだろう。一次帰還というところだ」

    お父さんが言った。

    「小学校にも伝えないといけないわね」

    お母さんが言った。

    僕たちは小学校へ挨拶に行った。

    それから、仲良くしてくれた銀二君の家にも向かった。

    別れの挨拶を済ませると、僕たちは宇宙船に乗り込み、星へ帰還することになった。

    第一部 完

     
     
    桐原悠真です。 小説を書いています。 物語になる前の、まだ名前のない感覚から 文章が立ち上がることがあります。 ここには、その記録を置いています。

    あなたへのおすすめ