
20000327 音訳
音訳でその漢字の意味も元の外来語に合わせてある、という言葉はそれ程多くない。というより作るのはなかなか難しい。
前回話題にした疾走線の場合、音は元のシッソイドに合わせてあるが、意味は「疾走」とはあまり関係ない。瓦斯、倶楽部なども音だけを当てている。
フェーン現象は山火事などの原因になるので「風炎(ふうえん)現象」とも書く。簿記はブックキーピングbookkeepingの音訳である。これも漢字の意味が言葉の意味によくあっている。
乱数はランダムナンバーrandom numberの音訳である。更にrandomの音に近づけて乱動数とも書く。「乱れ動く」数というのはいかにもrandom numberのようである。
これは一見、音と意味が合ってそうだが、もともとrandomは無作為という意味だから「無作為に選んだ数」のことであって「数(の並び)が乱れている」わけではない。無作為に抽出した結果、数の並びがバラバラに見えるが、乱数の本質は無作為抽出であって数の並び方を示したものではない。
以前から信号という言葉が怪しいと思っていた。signalの音訳ではないかと。少し無理があるが、signalという綴り字と「しんごうsingou」は一致している部分が多い。
しかし最近、これは偶然のような気がしてきた。信号の「信」は便りや合図、「号」も合図の意味である。signalに対する日本語または漢語を作ろうとした時、signalの「si」に対してよく似た音の合図を表す「信」の字をまず当てたのだろう。それに「記号」「符号」「暗号」などのように合図という抽象的な一般的概念を表す「号」の字を付けたのではないか。
*1 中国語の外来語
*2 20000309 疾走線
*3 Cissoid
*4 フェーン現象
*5 株式会社オフィス オオノギ
*6 乱数:ラン スウ (random number) 第3-1型
*7 電信の歴史