
なぜ義母からの手土産は、いらなくても断れないのか
おっかさんというのは、なぜ帰り際にお土産をわんさか持たせたがるのでしょう。
夫の実家からの帰り道はトランクがいっぱいである。
みかん、ネギ、玉ねぎ、レトルトカレー、サバの缶詰、レトルト味噌汁、白いタオル、白いバスタオル、台所用スポンジ(なぜ?)などなど。
「食べないし、使わないから持ってって!」
と、ありとあらゆるものをくれる。
(台所用スポンジは使えるのでは…)
大変ありがたく受け取るモノもあれば
「これはウチもいらないかなぁ…」
というものもある。
その中でも、もっともいらない品物NO1は、
ダサいTシャツ、ダサTである。
「おとなりの山下さんが、Tシャツの工場で働いてるじゃない。それでもらったのよぉ。
ほらッ。使わなかったらパジャマでもいいじゃない?だからこんなに!もってって!」
や、山盛り!
「こんなに使いきれないよぉ」
「誰かにあげてちょうだい」
ダサTを?
「使わなかったら窓拭き用の雑巾にしちゃえばいいんだからッ」
しぶしぶ山盛りのTシャツがどっさり入った巨大ビニール袋を我が家に持ち帰る。
◾️
帰宅後しばらくは私も夫もそのビニール袋に触れようとしない。腐らないのをいいことにリビングの端っこにしばらく放置されていた。
10日ほど経って、本当に腐ってないか確かめるように、ようやくビニール袋から一枚つまみあげ、びろーんと広げてみる。
…やっぱりダサい。
真ん中に
「P」
とか
「A」
とか
ローマ字一文字だけが巨大にプリントされている。プリントTシャツ業界は知らないけど、とても「簡易」に作られているのが伝わる。
ワンポイントだったらまだ良かったんだけどな…。
一体どこでこのTシャツが売られているんだろう。裏返してTシャツのタグを見ると、見たこともないローマ字が書かれていて、謎の安いショップで売られているやつかもな。と想像した。
しかし、新品ピカピカのTシャツを雑巾にするのもなんだか勿体ないなァ…
ということで


しかしまだ大量に在庫がある。
私と夫は死ぬまでこのパジャマを着て眠るのだろうか。そのうちこのパジャマじゃなきゃ眠れなくなったりするのだろうか。やだな。
いらなかったのに、
なぜ断れなかったのだろう。
このTシャツだけでなく、いつもいらないものまでもらってしまう。
だって帰る前から当たり前のようにすでに玄関に準備されていて、お土産仕様に紙袋に入っていたり、変な包装紙に包まれているのだ。
すでに『お持ち帰り用』に準備されているのでなかなか断りづらく、いつもいつも
「あ、ありがとう…」と一旦もらってしまう。
受け取ると、義母があまりに嬉しそうに笑うので。
忙しさを理由に遠のいている義母へのお詫びのようなものから私と夫はこのTシャツを着ているのかもしれない。
ごめんね、最近あんまり会いに行かなくて。
これ着るね。というそんなきもちで今日もダサTを着て眠るのかもしれません。

おしまい