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#88 今後の本屋の構想 vol.1

    小林祐介

    〜そもそも書店って、いるんだっけ?〜

    最近、ふと考えることがあります。
    「そもそも、書店ってこれから先も必要なんだっけ?」と。

    これは別に投げやりな気持ちからではなく、ちゃんと書店をやっている身として、真剣に問い直している問いです。というのも、業界全体を見渡しても、書店を取り巻く環境はどんどん変わっているからです。


    書店を支えていたもの

    街の本屋さんが潰れていっている、という話は耳にしたことがあるかもしれません。その背景には、じつはあまり知られていない構造があります。

    多くの地元書店は、小中高の教科書販売によって利益を出してきました。
    本だけではなく、学校教材を扱うことが大きな収入源だったんです。

    でも、その教科書販売もどんどん減っている。
    だから書店は、いわば「足元の柱」が崩れている状態なんです。


    電子化の波と大学

    さらに追い打ちをかけるように、大学でも「電子教科書」の波が来ています。

    iPadやタブレットが当たり前の世代にとって、紙で本を持つ理由がどんどん薄れてきている。
    それは効率の問題かもしれないし、持ち運びや検索性の問題かもしれません。

    そうなってくると、僕たちが大学内に拠点を置いて運営している書店にも、問いが突きつけられます。

    「紙の本が売れないなら、書店はもういらないんじゃない?」


    書店の“機能”を分解する

    でもここで「じゃあ潰そう」となる前に、ちょっと立ち止まって考えてみたい。
    “書店”って、そもそも何をする場所だったんだっけ?

    ・知の入口であること
    ・誰かの価値観や世界観を届ける媒体であること
    ・本を通して人と人が出会う場所であること

    そう考えると、僕たちがやるべきは「本を売る」ことそのものじゃなくて、
    “思想を届ける”ことや、“共鳴のきっかけ”をつくることなんじゃないかと思うんです。


    「この会社の世界観、1冊でわかる。」

    たとえば、地元企業と学生の接点をもっとつくっていくには、企業が大切にしている価値観や世界観を、“1冊の本”で体験してもらうという仕組みはどうだろうと考えています。

    企業に「この考え方がうちのベースなんです」と言ってもらい、その内容に近い本を学生に配る。
    そこからイベントが生まれたり、感想を届けあったり、共鳴した学生と企業がつながっていく。

    つまり、本という媒体を通じて、文化をつなぐ中間支援のような役割が果たせるかもしれないのです。


    ということでたまに書店の構想についても発信していければと思っています。

    (続く)


     
     
     
    株式会社県大文化通信(大学内書店)代表|本屋|まちづくり|草薙カルテッド|チームゆら(宇宙食開発)|しずおか共育ネット(キャリア教育)|色々やってますが、まとめると静岡市で大学生・商店会・町の人と一緒にコツコツ動いています。