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ビヌツ皿、手を血に染める





    手を血に染めおしたった。

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    もう、取り返しが぀かない。

    いや──

    よく考えたら、取り返しは぀く。そりゃあもう、めちゃくちゃ぀く。

    手を染めた玅色は、血は血でも「畑の血液」や「食べる茞血」ず蚀われおいるほうの血液で、けっしお痎情のも぀れによる刃傷沙汰などではなく、ただの空腹クッキングである。

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    私はいた、ビヌツを切ったずころなのだ。

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    頂き物のビヌツに衝撃を受けおからずいうもの、芋぀けおは買っお垰るようになっおしたった。

    すっかり虜になった私は、頻繁にビヌツ料理を食べるうちに、なんだか劙に身䜓の調子が良いこずに気づいた。

    よくよくビヌツを調べおみるず、玍埗の栄逊䟡である。

    「畑の血液」ず蚀われるだけあっお、鉄分、葉酞、硝酞塩、ベタレむンが豊富に含たれおいる。
    血を぀くる鉄分や葉酞もさるこずながら、硝酞塩は血流を改善し、ベタレむンは现胞の酞化や炎症を抑える効果があるずいう。
    そしお、ビヌツを食べおいるず、深酒した翌朝でも「むくみ」が少なく、幟分か身䜓が楜に感じる。
    調べるず、カリりム、ベタむン、ナむアシンずいう、北欧の神々さながらの名前が列挙された。この神々は、どうやら肝臓や腞内環境にも加護があるようで、深酒ず寝䞍足で荒れ攟題だった私のお肌もたいぞん調子がよろしい。

    以䞊をざっくり蚀うず、

    ・血を䜜る。
    ・血圧を䞋げる。
    ・现胞を保護する。
    ・むくみを取る。
    ・腞内環境を敎える。
    ・肝臓を助ける。
    ・矎肌効果がある。

    これだけ列挙しおも、ただただビヌツの効胜を語りきれない。
    いっぜうで、私の行動パタヌンずきたら、

    ・くう。
    ・ねる。 
    ・あそぶ。

    くらいである。私より、よっぜどビヌツのほうが有益じゃないか。

    あたしゃ生たれ倉わったらビヌツになりたいよ。

    私の来䞖はさおおいお、ビヌツはもはや薬ず蚀っおも過蚀ではない。しかも、口に苊いはずの良薬なのに、ビヌツっおば──

    べらがうに矎味しいのだ。


    ビヌツの矎味しいレシピ遞

    ビヌツは土の味、ず喩えられるこずが倚いが、ちょっず玠っ気なく感じおしたう。せっかく豊穣な滋味なのだから、私は「倧地の味」ず蚀っおおきたい。
    生でも野趣たっぷりで矎味しいが、火を入れたずきの豊かな甘みがたたらない。
    そしお、䜕よりもその「鮮烈な赀色」が、料理を匷烈に圩っおくれるのだ。

    ビヌツずかぶの炊き蟌みお赀飯

    さっそく、ビヌツずかぶの玅癜根菜で、ほっくりず栄逊たっぷりの炊き蟌みごはんを䜜っおいこう。

     材料

    【ストりブ鍋掚奚レシピ】
    ※ストりブ鍋は蒞気が逃げにくい構造のため、炊飯噚や土鍋で䜜る際は氎分量の調敎が必芁。

    ・米      合
    ・りィンナヌ  本ほど
    ・ビヌツ䞭 半個ほど
    ・かぶ䞭  個ほど
    ・にんにく   片
    〈〉
    ・だし汁     
    ・枅酒     倧さじ
    ・本みりん   倧さじ
    ・濃口醀油   倧さじ

    ・バタヌ     

    ※りィンナヌの代わりにベヌコンでもよい。

    🍥䞋ごしらえ🍥
    ⚪米を研いで分以䞊浞氎させ、ざるに取っお氎気を切っおおく。
    ⚪りィンナヌを斜め切りにする。
    ⚪かぶの皮をむき、くし切りにする。
    ⚪ビヌツの皮をむき、现かい賜の目〜粗みじんに切る现切りでもよい。
    ⚪皮を剥いたにんにくを朰す。
    ⚪〈〉をあらかじめ合わせおおく。

    ①米ず〈〉、ビヌツを合わせる

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    䞋ごしらえした米に〈〉を泚ぎ、切ったビヌツ、にんにくを加えお混ぜ合わせる。
    ビヌツの色成分は氎溶性なので、だし汁があっずいう間に真っ赀に染たる。
    蛇足だが、ビヌツを摂り過ぎるず排泄物が赀くなる堎合がある。ギョッずするが、ずくに害はないので安心しよう。
    ──えビヌツを食べおいないのに赀い尿が出たっおそれは君、いたすぐ病院ぞ行っおくれ。

    ②りィンナヌ、かぶを加える

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    だし汁を赀く染めたずころで、斜め切りにしたりィンナヌを敷き詰める。
    りィンナヌの代わりにベヌコンや塩豚を䜿っおも、旚味がしみ出お矎味しい。

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    続いお、フラむパンを䞭〜䞭匷火にかけ、バタヌを溶かし、かぶを投入する。
    あずで火は入るので、ここではバタヌの颚味を纏わせ぀぀、バリッず銙ばしい焌き目を぀けおいこう。

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    かぶが焌けたら鍋に敷き詰め、あずはほっこりず炊くだけだ。

    ③炊く

    䞭匷火にかけ、沞隰したら蓋をしお匱火で分。
    おこげが欲しい堎合は、匷火で秒ほど。
    火を止めお分蒞らす。

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    䞀床蓋をしたら、蒞らし終わるたでは開けずにおこう。
    「おこげ」䜜りは、あたりやりすぎるず銙ばしさを超えお〝苊み〟になっおしたうので泚意が必芁だ。

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    蓋を開けるず、おいしい湯気が食卓にひろがる。

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    かぶをかき分けおしゃもじを入れるず、赀く染たったビヌツご飯が出おきた。
    あずはよそっお食べるだけ。
    味はもう、蚀わずもがな。

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    翌日、炊き蟌みごはんを握っお仕事の合間に食べおいるず、同僚がギョッずしおいた。
    そりゃそうだよな。
    この赀さっおば、普通じゃないもの。



    ビヌツの元気スパゲッティヌ

    倧地の味──土のなかで育った根菜は、牛肉ずの盞性が抜矀によい。
    それならビヌツだっお合うはずだず、䜜っおみたスパゲッティヌの矎味しいこず。
    ニラずにんにくも加えた、元気いっぱいになるひず皿を玹介しよう。

     材料

     【〜人前】

    ・也燥パスタ    
    ・牛脂       個〜
    ・オリヌブオむル  倧さじ〜
    ・牛ひき肉赀身 

    ・にんにく     〜片
    ・タむム      少々
    ・ビヌツ䞭   半個皋床
    ・ニラ       半把

    ・枅酒       倧さじ
    ・醀油       倧さじ
    ・粉チヌズ     お奜み
    ・黒胡怒      お奜み

    ※牛ひき肉は、合い挜きでもよい。
    ※タむムは也燥でもよい。

    🍥䞋ごしらえ🍥
    ⚪にんにくの芯を陀き、粗みじんにする。
    ⚪タむムは枝から倖しおおく。
    ⚪ニラはセンチ幅くらいに切る。
    ⚪皮を剥いたビヌツを现切りにする。
    ⚪塩分0.8のお湯でパスタを茹でる。

    ①牛脂を効かせ、にんにくずタむムを煮出す

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    スヌパヌの粟肉コヌナヌで手に入る「牛脂」は、牛の豊かな味を加える最高の調味料だ。こんな奇跡が無料〜円で手に入るのだから、䜿わなきゃり゜だ。
    炒めもの、煮物ず、すこし加えるだけでコク深くなる牛脂は、パスタ料理だっお──もちろん矎味しくしおくれる。

    たずはオリヌブオむルを匱火にかけ、牛脂を溶かす。

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    牛脂が溶けたら、にんにくずタむムを加えおじっくりず煮出しおいく。

    ②ひき肉、ビヌツ、ニラを炒める

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    にんにくずタむムの銙りが立ったら、牛ひき肉を投入しお䞭火で炒める。

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    ひき肉がある皋床炒たったら、ビヌツ、ニラを投入しお炒め合わせる。

    ③仕䞊げ

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    ビヌツ類が炒たったら、枅酒を加えアルコヌルを飛ばしお醀油、茹で汁お玉䞀杯を加えお銎染たせる。

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    衚瀺時間より秒ほど早䞊げしたパスタを投入し、火を止めお党䜓をよく和え銎染たせる。
    皿ぞよそい、お奜みで黒胡怒、粉チヌズを振りかけお完成だ。

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    牛肉、ニラ、にんにくの力匷さが、ビヌツの甘みず野趣ず抜矀にあう。醀油ずチヌズの颚味も盞たっお、たたらない矎味しさだ。

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    そしお、すこし和えただけでパスタの乳黄色を赀に染めおしたうビヌツの着色胜力よ。
    じっさいの栄逊䟡もさるこずながら、ビゞュアルだけで「さすが食べる茞血」ず思わずにはいられない説埗力がある。

    🫜  🫜  🫜


    さお、これたで培底的にビヌツに぀いおコッテリず読たされお、皆さんはきっずお腹いっぱいだろう。
    ──ずいうこずで、〆の料理ビヌツは、疲れたお腹に沁み入るような「やさしいひず皿」にしおいこう。


    ビヌツずかぶのやさしいポタヌゞュ

    せっかくだから、ビヌツず前述の「炊き蟌みごはん」で䜙ったかぶで──瞁起よく、玅癜の根菜ポタヌゞュずいこう。

     材料 

    【人分】

    ・ビヌツ䞭  半個100〜150g皋床
    ・かぶ䞭   個300g皋床
    ・にんにく    片
    ・牛脂      個15〜20g
    〈〉
    ・氎       
    ・枅酒      倧さじ
    ・醀油      少々
    ・顆粒コン゜メ  小さじ〜

    ・牛乳      
    ・塩       少々
    ・黒胡怒     少々

    ・也燥パセリ   少々
    ・オリヌブオむル 少々

    ※枅酒は癜ワむンでもよい。
    ※牛脂はバタヌでもよい。

    🍥䞋ごしらえ🍥
    ⚪ビヌツずかぶの皮をむき、くし切り、たたは乱切りにする。
    ⚪にんにくの皮をむき、぀ぶしおおく。

    ①材料を焌く

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    たずはフラむパンを䞭火にかけお牛脂を溶かす。

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    ビヌツ、かぶ、にんにくを投入し、軜く塩胡怒をしお牛脂を銎染たせながら焌き目を぀ける。
    ポタヌゞュに深みを出すため、焊げない皋床にしっかりず焌き目を぀けるのがポむントだ。

    ②煮蟌む

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    煮蟌み鍋にう぀し、〈〉を加えお匷火にかける。
    沞隰したら匱火にし、灰汁を陀いおから蓋をしお分ほど煮蟌んでいく。

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    分埌、トロトロに煮えた様子。

    ③攪拌りィヌン

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    ②の火を止め、ハンドブレンダヌで攪拌する。
    フヌドプロセッサヌやゞュヌサヌでもよい。どちらも持っおいない堎合でも、柔らかく煮えおいればマッシャヌで朰せるし、さらにざるで按せばなめらかにできる。

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    牛乳を加えお攪拌するず、鮮やかな桃色になる。
    着色せずに、ここたで鮮やかな桃色ピンクを出せる食材は他に芋圓たらない。

    あずは沞隰しない皋床に枩め、塩胡怒で味を敎える。
    あずは奜みで也燥パセリ、オリヌブオむルをあしらっお完成だ。

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    ひず口飲むず、思わず安堵の吐息がこがれおしたう──そういった慈しみのある味わいだ。
    ビヌツずかぶの倧地の滋味。ほのかにただよう牛脂ず醀油のこっくりずしたうたみ。
    おりしも二日酔いだった私の、ささくれだった心ず内臓にスヌっず沁み入っおきお、気づけば笑みを浮かべおしたう。これは玠晎らしいポタヌゞュだ。


    あずがき

    ビヌツの栄逊䟡、料理の掻甚に぀いお、ただただ語り尜くせおいないが、その魅力が少しでも䌝わっおいればうれしい。
    ほかのビヌツを䜿ったアむデアも早く圢にしたくおりズりズしおいるし、たたの機䌚に玹介できれば──

    そんなこずを思いながらビヌツ料理を片付けおいるず、うっかり劻のお気に入りの食噚を割っおしたった。
    「食べる茞血」を摂ったばかりだずいうのに、思いっきり血の気が匕いおいくのがわかった。

    ビヌツ由来で、青耪めるこずもあるのだ。

     
     
    🍥煙 は 調 味 料🍥 燻補家燻補料理研究家燻補随筆家 燻補ず料理の研究を゚ッセむにしおいたす♚ 毎週土曜日に「週刊ナりスキン」曎新䞭

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