メインコンテンツへスキップ
見出し画像

MY Sweet Olive Family~第1章①

    【第1章】 女勇者Atashi召喚

    (第1話)「汚部屋とネッズーとアタシ」

    母の部屋の前。
    2重マスク、軍手+ビニール手袋の重装備。
    大きなため息の後、のどが鳴った。
    襖の引手に手をかける。

    正直、アタシが恐れているのは臭いじゃない。
    ネッズーとかビーヘとか。
    未確認物体とか。
    そう、未知との遭遇そして再会にビビっているのだ。

    だって、この前見たんだもん。
    部屋の隅に黒い米粒(?)たちを。
    ってことはいるんですよ。
    ネッズーたちには”溜めふん”という習性があり、
    同じ場所にふん尿をし続けるって云うし。
    ひーーーーーーーーーん。

    アタシ、見たことあるのよ。
    粘着シートで磔の刑になったネッズーの最期を。
    ネットとかじゃない。リアルで。
    あの衝撃映像だけは、絶対に更新しちゃいけない。
    ダメ。絶対。

    「無理無理無理無理!ご対面だけは(ヾノ・∀・`)ムリムリ」
    とはいえ襖を開ける手を止めるわけにはいかない。

    汚部屋の主と化した母だって昔は違ってた。

    アタシの記憶の中の母は、料理上手で働き者だった。
    お手製弁当のレギュラーメンバーは、甘~い出汁巻き玉子と、ショウガの効いた醤油味の鶏の唐揚げ。
    配色は見事に茶色だったけど、美味しかったなあ。

    学校から帰ると、茶の間では取り込んだ洗濯物と格闘する母の姿。
    洗濯物のたたみ方とアイロンがけは、引くほど完璧だった。
    シャツ一枚、ハンカチ一枚にすら、しわを赦さない。
    まだ温かいアイロン台の上のハンカチは、
    母の執念でしわひとつなく、すべすべに整えられていた。
    そういえば、嫁いだ頃、
    父のブリーフにまでアイロンかけてたんだ、とドヤ顔で言ってたっけ。。

    目の端で白いエプロンが揺れた。
    懐かしい気配に、思わず振り返ると
    そこには、二階へ続く古びた階段だけ。

    ああでも、あの頃は、たしかに存在していたのだ。


    🎮この物語は全5章予定の家族クエストです💫
    汚部屋、段ボール、そして母の影
    ──女勇者Atashiの冒険はまだまだ続く。(たぶん)
    また覗きに来てくださると嬉しいです🌕


    🔖【次回予告】女勇者、現実逃避からのテツトモ召喚!?
    次回、第2話「家族ルール、アップデート完了?」
    10数年ぶりに実家と向き合うアタシに、まさかの“召喚イベント”発動。
    世界(家族)はすでに、知らないルールで動いていた──。

    #創作大賞2025 #エッセイ部門 #オールカテゴリ部門 #家族 #過去の思い出 #片付けられない #召喚された女勇者


     
     
     
    書いてるのは「あたし」、語ってるのは「アタシ」。 異世界では女勇者「Atashi」として旅してます。 モヤっとする言葉を勝手に翻訳したり、 家族ダンジョンを笑いで攻略したり。 夢は、猫と暮すシェアハウスのオーナー。 誰かさんの”しんどさ”に、寄り添えることができたら嬉しいです。

    あなたへのおすすめ