
散策ノート|のびやかなひととき『CASICA』(東京 新木場)
新木場駅で降りるのは、ここへ行くため。
目的地はCASICA。


駅から少し歩いた先にある、古い木材倉庫を改装した広い空間。初期コンセプトは「日本古来の見立て文化」だというこのお店は、「現代の東京に千利休がいたら、どんなお店にするだろうか?」という考えが元になっているのだそうです。
店内には異国情緒を、あるいは古くからの日本を感じさせるような品々。


不思議なのは、ルーツが異なるものが沢山並び、多くの人が訪れているのに、博物館のような静けさと上品な調和を感じるところです。
私はこの店を歩くたび、「買い物をする」というよりも、放課後の理科室や美術室で、「好きなものを選んで持ち帰ってもいいよ」と声をかけられ、のびやかに、けれど慎重に歩くような感覚に陥ります。

CASICAさんのコンセプトは「生きた時間と空間を可視化する」なのだそう。
公式サイトには、このように記されています。
『国籍も年代も有名も無名も関係なくモノが並ぶ。木でできた日本の古家具や古道具に現代のプロダクトや、作家さんの作品、世界中から集められたものを組み合わせ、編集して魅せることで新しい空間が現れる。』
整然と並んだ古道具や古家具。
サンルームの珍しい植物たち 。
古い木箱、作家作品、花器にお香、織物…。
ひとつひとつが美しく置かれていて、何一つ見逃したくない気持ちになります。
特に好きなのは光。
窓から落ちる柔らかな光が、品物の輪郭を浮かび上がらせます。
明るさだけでなく、影までもが美しい。


訪れる人々は決して少なくないのに、なぜか静けさに満ちた時間が流れています。ここにいると、ものを選ぶ時間そのものが少し特別なものに感じられるんです。
店内では食事もいただけます。
料理も焼き菓子もヘルシーで美味しく、気づけば長居してしまいそう。

これまで何人かの友人とここを訪れましたが、
後日「焼き菓子を買うためだけに新木場まで来た」と聞いた時は嬉しく誇らしい気持ちになりました。
自分が好きな景色を、大切な友人も気に入ってくれたような気がしたから。
新木場といえば、夢の島熱帯植物館や夢の島公園へ向かう人も多くいらっしゃいます。
デザフェスやコミケなどが開催される、東京ビッグサイト(国際展示場)の最寄り 国際展示場駅 からはりんかい線で2駅の距離。
もしそのあたりを訪れるご予定があるのなら、少しだけ足を伸ばし、お友達とゆったりした時間をお過ごしになるのはいかがでしょうか。

博物館や理科室、美術室のような空気が好きな人なら、きっと次はこのお店のために、新木場駅に向かいたくなるのでは。
私にとってCASICAは、降り注ぐ光の中、のびやかなひとときを味わいに行きたくなる場所なのでした。

※写真は全て過去に撮影したものです。現在とは異なる部分がありますが、私が出会った頃のCASICAの風景としてお楽しみいただければ幸いです。