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【家族信託リアル体験記 その13】信託のカタチ決定。親子だからこそ報労金は明確に。

    ももん ♡

    ■2021年7月22日(木曜日)

    Sセンターの松岡さんとの面談以降、義母イノコは、今まで以上におかしくなってしまった。

    近所の人たちへの悪口や、つじつまの合わない言動が増え、体調が悪いと言っては熱もないのに村の診療所に通うようになった。

    突然家の中をひっくり返して掃除し始めたり、この暑さの中、一日中裏庭の畑に出て、まだ熟していないトマトやきゅうりを大量に収穫しては、そのまま放置していた。

    もっと困ったのは、お金に執着し始めたことだ。

    👱「この家を修理したら、きっといい値段で売れると思うの」
    👱「車の車検も、もうそろそろだから」
    👱「畑の肥料は、結構お金がかかるの」
    👱「インプラントをしないといけないと思うの」

    と、どうにかしてお金を使う方向へ持っていこうとする。

    そんなに信託口座にお金を預けたくないのだろうか。たとえ信託口座に移しても、それはあなた自身の財産だと、何度言ったらわかってくれるのか。

    「説明しても無駄だから」とオットは言うが、食事の支度、掃除、洗濯のたびに相手をさせられる私は、精神的にも限界だった。

    不眠だけでなく、閉経したと思っていたのに、また生理が始まってしまった。



    ■2021年7月24日(土曜日)

    土曜日の午後、再び家族会議を開くことになった。テーマは、松岡さんから出された3つの宿題について。

    オット一家の遺産相続に関わる話なので、私は会議に参加せず、キッチンで食器を洗いながら、二人の会話に耳をそばだてていた。

    👦「まずは一番簡単そうな3番の宿題から行くね。家族信託契約の内容を変更する場合だけど、これは両者合意の上でいいね?」

    👱「いいわ」

    👦「じゃ1番目の宿題は?」

    👱「どうしてほしいの?」

    👦「それはあなたが考えることでしょ?信託契約に何も書かなかったら、そのまま法律に則って遺産分割することになるだけだし」

    👱「じゃあ三分割しろってこと?」

    👦「それを決めるのはおふくろだって言ったろ?あれから3日もあったのに、まだ自分で答えを出してなかったのか?」

    後から聞いた話だが、水曜日のZoom面談のあと、私の扱いをめぐってオットとイノコが揉めたらしい。

    権利帰属者をどうするかという話になった時、イノコは「子供たち2人で分ければ」と言ったそうだ。

    オットにしてみれば、信託業務どころか「お母さんの面倒なんて看ないから!」と平然と言い切る妹と、私を同列に扱われるのは心外だったし、なにより私に対して申し訳ないという思いがあったらしい。それで、

    👦「これから先、おふくろの世話をしてくれるのはももんだよ?なのに、もし俺がおふくろより先に死んだら、ももんは1円ももらえない。それでいいの?」

    と言ったのだという。

    なぜ年寄りは、嫁が義理親の面倒を見ることを当然だと思うのだろう。
    なぜ他人をタダ働きさせるのだろう。
    なぜ労働に対する正当な見返りがないのだろう。

    そうした私の気持ちを、オットはちゃんと理解してくれていた。
    そのことが、心から嬉しかった。

    そこまで言われても決断できず、モゾモゾと言い渋るイノコの態度にうんざりして、私はまた2階へ上がってしまった。



    以下は、家族会議を終えたオットから聞いた内容だ。

    宿題①:権利帰属者について
    『オット、まるき(義妹)、ももんの3人で三分割する』

    宿題②:信託報酬について
    『報酬は受け取らない。ただし、イノコの介護や不動産売却に係る交通費等、実務に係る実費は信託口座から支払う』

    宿題③:契約内容を変更する場合
    『両者合意の上で』

    (宿題にはないが):イノコ存命中に不動産売却ができなかった場合
    『息子(オット)が相続する』

    👦「三分割って案は、おふくろが自分で言い出したんだ。ももんがいなくなったら、一番困るのは自分だって、ちゃんとわかってるから」

    ……そうかな。本当に、わかってるのかな。

    それでも、この決定は素直に嬉しかった。
    オットの一言がなければ、三分割なんて案は出てこなかっただろう。それでも、大好きな娘(まるき)の取り分を削ってまで嫁の分を確保すると決心してくれたのだから。

    さて、これからどうするべきか。
    イノコにお礼を言うべき?
    なんで私が頭を下げなきゃいけないの?
    でも……。

    多少の抵抗感はあったが、やはり感謝の気持ちは伝えるべきだろう。
    私は1階へ降り、リビングでお茶を飲んでいたイノコに、三分割の件についてお礼を伝えた。

    それを聞いたイノコは、満足そうな笑みを浮かべて、こう言った。

    👱「あら、そんなこと当然よぉ」
    👱「財産なんて、ほとんど残らないと思うけど。でも、そういうこともきちんとしなきゃね」
    👱「縁あって親子になったんだから、お互いに思いやらないとね」

    ……だと。
    いい気なもんだ。

    それでも、信託の内容がほぼ決まったのは本当にありがたかった。

    私たちがイノコと同居を始めてから、ここに至るまで、もう4か月。
    ここから巻き返していかないと、いつまで経っても自分たち2人だけの、穏やかな生活には戻れない。
    早く帰りたいよー。

    ちなみに、報酬について。

    「あの人は他者への感謝なんてないんだから、子供にお礼なんて絶対払わない。でも、実際に介護が始まったら、こっちの負担はどれだけ増える?だから『交通費等、実務に係る実費』にしといた」

    とオット。

    元財務会計のプロであるオット曰く、この「等」が大事なのだという。
    要は、必要な経費だと説明がつけばいいのだ。この一文のおかげで、今のところ我が家の負担はだいぶ軽減されている。これから家族信託を考える人には、ぜひおすすめしたい。

    また、不動産(義実家)はオットが相続することになった。
    何度も書くが、私たちはこんな負動産はいらない。
    だからイノコが生きているうちに、なんとしてでもこの家を売却しなければならない。新たなミッションが、また一つ増えたわけだ。はぁ……。

    何にせよ、方向性が決まったのは大きい。
    ここから一気に、手続きを進めていくぞ!



    ★困った義母イノコはこんなヒト

    ★イノコは娘まるきを怒らせることを何よりも怖がっている。精神的支配・被支配の関係って本当にたちが悪い。

    ★マガジン【家族信託リアル体験記】もぜひご覧ください!

    ※このnoteでは、義母イノコと家族信託を締結するまでの道のりを綴っています。ここに書かれていることはすべて当時の話であり、現在と状況は異なる可能性があります。また家族信託を検討中の方は、私の体験談を参考程度にとどめ、必ず専門家にご相談ください。

     
     
     
    視覚障害のあるオットとお気楽2人暮らし。 発達障害バリバリの義母イノコの終活も支援中。 家族信託や介護、イノコの摩訶不思議な言動を 綴っています。 旅行と料理、自然が好き。 2人旅やご近所ピクニック、 日々思うことをつらつらと。

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