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【ステロむド垝囜蚘14】護る薬たち

    炎症は止たらなかった。
    赀黒い光が倧地の奥を這うように広がっおいく。
    たるで垝囜そのものを喰らおうずしおいるかのようだった。

    「ッ 将軍ッ・・・」

    「地䞋䟵食確認」

    「垝郜方向ぞ移動しおいたす」

    副官たちの声が飛ぶ。矀衆から䞊がる悲鳎。
    ざわめきはさらに倧きくなった。

    誰もが炎症を芋おいた。
    そしお、その先にいる䞀人の薬も。

    マむザヌ将軍。

    垝囜最匷。
    これたでも幟床ずなく垝囜を救っおきた英雄。

    「将軍を」

    「マむザヌ将軍なら」

    誰かが叫び、それは次第に広がっおいった。


    助けおくれ。救っおくれ。終わらせおくれ。
    神ぞの祈りに䌌た叫び。その党おがマむザヌぞ向いおいた。

    マむザヌは応えなかった。
    そしお、ロコむドを芋た。

    「ロコむド少将。お前が蚀ったな」

    赀黒い光が二薬の軍服を照らしおいる。
    熱感を䌎った颚が、二薬を取り巻く。

    「火力では収たらないず」

    ロコむドはマむザヌを正面から芋返した。

    「  はい」

    「ならば芋せろ。 お前の戊い方を」

    矀衆に地割れのようなざわめきが走った。
    誰も予想しおいなかった展開だ。

    将軍が指揮暩を枡した。
    それも、匱ステロむドの少将に。




    ロコむドは䞀瞬だけ目を閉じる。そしお息を吐いた。

    逃げられない。そしお、逃げる぀もりもない。

    「承知したした」

    マむザヌず亀代する圢で、ロコむドは前ぞ出る。
    癜い軍服が颚になびき、通る声が指瀺を出す。

    「保湿剀郚隊、前ぞ」

    軍薬も矀衆も凍り぀いた。

    「保湿剀だず」
    「戊闘郚隊ではないぞ」

    怒号が飛びかう䞭、前ぞ出たのはヒルドむド隊長だった。
    その隣にはプロペト隊長。

    さらに埌方から保湿剀たちが続く。

    「保湿壁展開」

    穏やかな声だった。

    青癜い光が地面ぞ走る。
    也燥し、ひび割れた倧地ぞ氎分が流れ蟌んでいく。

    炎症が䞀瞬だけ足を止めた。

    副官が叫ぶ。

    「䟵食速床䜎䞋」

    矀衆か軍薬か、想定倖の事態に動揺の声が䞊がる。

    だけれど、ただ終わらない。
    ロコむドは続けた。

    「OSM郚隊」

    地平線の向こうから青い軍服の䞀団が珟れた。
    胞元には芋慣れないOSMの王章。

    『浞透圧郚隊』

    火力偏重の垝郜では存圚を知る者さえ少ない、目立たない郚隊。
    塗薬ず聞いたずき、圌らの姿を最初に思い出すものはいないほど。

    それでも圌らは迷いなく前ぞ出る。

    「保氎陣圢成」

    巚倧な杭が地面ぞ打ち蟌たれた。
    同時に無数の光の筋が倧地を走る。

    たるで氎路だった。

    也いた土地ぞ氎が流れ蟌む。
    厩れかけおいた地盀が再び繋がっおいく。

    赀黒い炎症がそこで停滞した。

    「反応枛衰」

    「地䞋䟵食速床さらに䜎䞋」

    副官の声が震えおいた。

    信じられない。
    その堎にいた誰もがそう思った。

    最匷のフッ玠化郚隊でも、名門のクロロ特殊郚隊でもなかった。
    保湿剀ず浞透圧郚隊が炎症を止めおいる 

    ロコむドは剣を抜いた。

    「Medium郚隊、前ぞ」

    癜い軍服の兵士たちが駆け出す。

    キンダベヌト准将ず若い兵士たち。
    ヌヌ垝囜で軜芖されおきた匱ステロむドたち。
    キンダベヌトずロコむドは䞀瞬顔を芋合わせお笑った。
    そしお2薬は同時に薬効を発揮した。柔らかな癜い光が広がっおいく。

    「防衛線維持」

    「炎症を広げるな」

    炎症が抌し寄せお、兵士が吹き飛んだ。
    吹き飛んだ兵士の代わりに、埌ろの兵士が立ち向かう。
    キンダベヌトが吹き飛ばされた兵士を支えながら前進する。炎症の返り血に染たりながら、ヒルドむドずプロペトは皮膚を護っおいた。


    兵士たちは傷付き、倒れおいった者もいた。
    それでも、立っおいる者はみな退かなかった。


    守る。

    守る

    俺たちはこの囜皮膚を守る 


    

    どれくらいの時間が経っただろう。

    矀衆は固唟をのんで芋守っおいた。
    目が離せなかったずいう方が正しいかもしれない。


    そしお、副官が叫んだ。

    「炎症域拡倧  停止」

    誰も声を発しなかった。
    だけれど皆が息を呑む音が聞こえた。

    炎症は消えおいない。
    だが確かに止たっおいた。

    倧きく息を吐いたロコむドの背䞭をキンダベヌトが叩く。

    終わらない炎症が止たった。
    それは垝囜最匷の軍ではなく、垝囜で最も軜芖されおきた者たちによっお。


    矀衆からは歓声が䞊がったが、
    ロコむド、マむザヌは芖線は炎症から離さなかった。鋭い眞で、炎症を芋据える。

    赀黒い光はただ脈打っおいる。
    炎症は死んでいなかった。

    地䞋深くで、や぀はただ生きおいる 


    「  やはり」

    ロコむドは唇を噛む。

    「封じるこずしか出来ないか」


    その時だった。
    埌方から杖の音が響いた。
    戊堎には䌌぀かわしくない、子䟛たちの声ずずもに。


    「なかなか良い壁じゃぞ、護りの軍薬たち」

    老いた者の声。
    しかし、その声はよく通った。

    誰もが振り返る。
    アンテベヌト䞭将が息を呑み、埌方で戊況を芋守っおいたマむザヌ将軍が、目を芋開いた。

    「あなたはあの時の 」
    「いかにも」
    驚くロコむドに、老薬は茶目っ気たっぷりに笑う。

    「じゃが若いの」


    いかにも奜々爺ずいった老薬。
    そしお、圌が連れおきた色ずりどりの子䟛たち。


    「それではただ、治らんぞ」


    そう蚀っお老薬➻
    プレドニゟロンは、若い軍薬たちの奮闘を讃えるように埮笑んだ。


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    薬剀垫・䜜家。薬孊を題材にしたファンタゞヌず、新期を舞台にした地方文孊を執筆。 閉鎖空間研究宀・医療職・孊校での生き延び方・逃げ方も茉せおいたす。 🐟有料note・チップは地域猫の医療費に倧切に䜿わせおいただいおいたす。🐟地域猫を守っお、土地護りを継ぐ。

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