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【ステロむド垝囜蚘17】護る薬ず蚎぀薬



    「党軍――反撃を開始する」

    マむザヌ将軍の声が、戊堎を裂いた。

    地䞋で蠢く巚倧炎症が、倧地を揺らす。
    䜓内に逃げ蟌んだ炎症はプレドニゟロンが祓った。
    海底ぞの䟵攻は垝王デルモベヌトが止めた。

    だが、地衚では終わっおいない。
    地䞋を逃げた炎症が、今床は各地から噎き出そうずしおいた。

    「地䞋反応分散」
    「垂街地ぞ向かっおいたす」
    「䜏民がただ取り残されおいたす」

    副官たちが叫び、赀黒い亀裂が、垝囜のあちこちぞ走っおいる。

    そうしおヌヌヌ倧地が裂けた。
    避難しおいた䜏民たちの悲鳎が重なった。

    「子䟛がただ向こうに」
    「誰か  」
    「助けおくれ」

    マむザヌが反射的に芖線を向けた先には、ヌヌロコむドが築いた防衛線。

    保湿剀たちが傷぀いた䜏民を支え、
    OSM郚隊が厩れた地盀を繋ぎ、
    匱ステたちは呜を匵っお壁を守っおいる。

    ――火力だけでは、この壁は築けなかった。


    マむザヌは䞀瞬だけ目を䌏せた。
    そしおヌヌ口を開く。


    「  ロコむド少将」

    「はい」

    「私の火力に巻き蟌たせるな」


    䜎い声は倉わらない。
    だけど、ロコむドが背䞭で聞いたその声は、蚓緎校で聞いた声に䌌おいた。

    「䜏民を退避させろ」
    ロコむドは目を芋匵った。

    「この先は、私が焌く」

    マむザヌは剣を抜く。
    黒い軍服が翻るず、炎症の赀に染たった。

    「撃぀たでに、䞀人残らず退避させろ」

    迷いのない声は、呜什だった。
    そしお同時に――ロコむドには、信頌のように聞こえた。

    ロコむドは背䞭合わせで敬瀌した。

    「  承知したした」

    そしお、ロコむドは駆け出した。

    「保湿剀郚隊」

    ヒルドむド隊長ずプロペト隊長が同時に振り向く。

    「䜏民誘導を開始したす」

    「OSM郚隊」

    「地䞋亀裂呚蟺の地盀維持を」

    「Medium郚隊」

    「高霢者区画を優先しおください」

    次々ず呜什が飛ぶ。そしお、誰䞀人ずしお迷わなかった。
    FもClも持たなかった「持たざる者」。
    それでもあきらめなかった、人々を助け続けたロコむドの声は、䞍思議ず人を動かした。

    

    「こっちです」
    泣き叫ぶ子䟛を抱き䞊げお、転倒した老人ぞ肩を貞す。
    保湿剀たちが、その埌ろを支えた。

    「倧䞈倫ですよ」

    「ただ終わっおいたせん」

    「必ず護りたす」

    炎症が再び地面を砎り、巚倧な炎が䜏民ぞ迫る。

    「ロコむドさん」

    若い兵士の悲鳎に、ロコむドは迷わず前面に出た。
    そしお剣を地面ぞ突き立おる。

    「防衛線」

    癜い薬光が広がった。
    炎症が䞀瞬だけ勢いを倱う。

    「今です」

    「走っおください」

    子䟛たちが駆け抜け、老人たちが支え合っお進む。

    ヒルドむド隊長が䜏民の最埌尟を守り、プロペトが厩れた皮膚を芆う。
    ロコむドは誰䞀人眮いおいかなかった。

    ロコむドは最埌の䞀人が安党圏ぞ入るたで、
    決しお埌ろを向かなかった。

    フッ玠化郚隊。クロロ特殊郚隊。
    圌らの頌もしさは、蚓緎校時代から、悔しいくらい知っおいる。
    そしお圌らを束ねる、マむザヌ将軍の匷さも同様に。


    「ロコむドさん」

    小さな少女がロコむドに向かっお手を振っおいる。
    先ほど転んで泣いおいた少女が、笑っおいた。


    怖いものはもう消えたずいう様子で笑っおいる子どもたちの姿は、巚倧炎症にも負けない垌望に芋えた。

    ((子どもたちは、この囜の未来じゃよ))
    ヌヌそういっお朗らかに笑った老薬  プレドニゟロン卿には、同意するしかないな。


    子どもたちの笑顔を芋届けお、ロコむドは静かに息を吐いた。

    「  党員、退避完了です」

    


    「逃がさん」

    マむザヌは巚倧炎症を芋据えおいた。

    ロコむドが築いた防衛線。
    保湿剀たちが護る壁。

    その内偎には、もう䜏民はいない。
    ならば、手加枛の必芁もない


    「  今床は地䞋ぞ朜らせん」

    マむザヌが右腕を掲げるず、凄たじい薬圧が集束しおいく。

    先ほどずは違っおいた。
    無闇に焌く火力ではなかった。

    退路を断ち、逃げ道を封じ、䞀点ぞ叩き蟌むための火力。


    ロコむドたちヌヌ「護る薬」が副䜜甚からこの垝囜を護っおくれおいる。
    ならば、ヌヌ私たち「蚎぀薬」は党力で行く

    「党軍」

    誰もが息を止めた。そしお呌吞を合わせる。

    「照準を合わせろ」

    フッ玠化郚隊。
    クロロ特殊郚隊。

    垝囜最匷の軍勢が、䞀斉に構えた。

    その最前線に立぀のは、
    誰よりも患者を救い、誰よりも患者を芋送っおきた䞀人の軍薬。
    マむザヌゞフルプレドナヌト。


    その瞳からは、迷いは消えおいた。
    そしお、炎症を宿したような苊しみの焔も。


    「――反撃だ」

    その声ずずもに、垝囜最匷の薬光が倜を貫く。
    赀黒い巚倧炎症が、初めお倧きく埌退した。


    保湿剀が護った。

    OSM郚隊が繋いだ。

    匱ステロむドが時間を皌いだ。

    プレドニゟロンが内郚を祓った。

    デルモベヌトが海を護った。

    そしお、マむザヌたちは炎症を蚎぀。


    それぞれの戊堎で、
    それぞれの薬が、
    同じ皮膚を守っおいた。

    それは誰かを焌くためではなく、
    守るべきものたちのために。


    垝囜最匷の火力が、巚倧炎症を蚎ち果たさんず倜空を真っ向から切り裂いた。


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    薬剀垫・䜜家。薬孊を題材にしたファンタゞヌず、新期を舞台にした地方文孊を執筆。 閉鎖空間研究宀・医療職・孊校での生き延び方・逃げ方も茉せおいたす。 🐟有料note・チップは地域猫の医療費に倧切に䜿わせおいただいおいたす。🐟地域猫を守っお、土地護りを継ぐ。

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