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【ステロむド垝囜蚘倖䌝】戊地赎任前倜

    倜は静かだった。
    明朝、マむザヌは戊地ぞ赎く。
    垝王を陀き、垝囜最匷ず名高かったマむザヌは、難攻䞍萜ず炎症郚ぞ出陣呜什が䞋っおいた。

      ベリヌストロングでも、勝おるかどうかわからない戊。

    窓の倖では雚が降っおいた。
    フルメタは暖炉の火を芋぀めながら、小さく息を吐いた。

    「先茩」
    呌ぶず、マむザヌが顔を䞊げる。

    「なんだ」
    い぀もず倉わらない声で圌は答えた。

    それが無性に腹立たしかった。
    明日には死ぬかもしれない。
    垝囜の誰よりも危険な堎所ぞ向かうのに。
    どうしおそんな顔ができるの。
    もっずご自分を倧切に扱いなさい。

    「  怖くありたせんの」

    マむザヌは少し考えたあず、苊く笑った。
    その倧人びた顔に心臓が鳎った自分が銬鹿みたいで悔しい。

    「怖いさ」
    意倖な答えだった。

    「ですが先茩は」
    「怖くないわけがない」

    暖炉の火が揺れた。
    炎は匷い。
    だからこそ、自分を燃やすこずをやめられない。
    薪がなくなるたで燃え続ける炎は、呜に䌌おいる。

    「それでも行かなければならない」
    ヌヌそのために、俺は匷ステに生たれたんだろう。


    静かな暪顔。
    芚悟を決めた男の顔だった。
    ヌヌ䜕よりもこの囜の平和を遞べる、戊う男の顔。自分の生死も幞犏も安寧も呑み蟌んで。

    フルメタは唇を噛む。
    そんな顔をしないでほしかった。
    そんな颚に遠くぞ行かないでほしかった。

    そしお、それを蚀えば困らせるこずも分かっおいた。だから蚀えなかった。

    ずっず䜕幎も蚀えなかった。
    自芚したのはい぀からだったろう。

    憎らしいほど穏やかな沈黙が蚪れた。
    い぀もなら心地良い時間なのに、どうしようもないくらい胞がざわ぀いた。

    雚音だけがうるさかった。

    「  垰っおきおくださいたし」

    ようやく出せた蚀葉に、マむザヌは目を䌏せた。

    「玄束はできない」

    そう答えるこずは分かっおいた。
    困らせるこずも知っおいた。


    ヌヌあなたの考えそうなこずは、痛いほど分かっおた。

    フルメタは立ち䞊がる。
    そしおマむザヌの前たで歩く。

    圌が驚いたように顔を䞊げた。

    「フルメタ」
    「嫌ですわ」

    声が震える。

    「玄束しおくださいたし」

    「  」

    「垝囜も患者も倧切でしょう」

    涙が滲んだ。

    「ですが」

    蚀葉が詰たる。息ができない。
    蚀っおしたえば戻れない。
    それでも、貎方がそばにいるのは今だけだ。


    「わたくしは」
    ➻戻れなくおも、いい。


    マむザヌの息が止たった。
    初めお芋たフルメタの顔。
      それずも、芋ないようにしおきただけだろうか。


    垝郜䞭の誰よりも気高くお、
    誰よりも匷情な女。

      その女が今にも泣きそうだった。
    芚悟を決めた䞀人の女が立っおいた。


    暖炉の火が揺れる。
    雚音が遠くなる。

    マむザヌはしばらく䜕も蚀わなかった。

    やがおゆっくりず手を䌞ばす。
    気が付けばそうしおいた。
    その手が頬に觊れた瞬間、フルメタの目から涙が零れた。

    「  ずるいですわ」

    「そうだな」

    マむザヌは苊く笑った。
    それが答えだった。

    い぀からか暖炉の火は消えおいた。誰も薪を足そうずはしなかった。


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    薬剀垫・䜜家。薬孊を題材にしたファンタゞヌず、新期を舞台にした地方文孊を執筆。 閉鎖空間研究宀・医療職・孊校での生き延び方・逃げ方も茉せおいたす。 🐟有料note・チップは地域猫の医療費に倧切に䜿わせおいただいおいたす。🐟地域猫を守っお、土地護りを継ぐ。

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