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芋出し画像
Photo bymiike_neeko

沈み蟌む゜ファず、倢の囜の倜。 | ゚ッセむ

    私の寝るスペヌスが、ない。
    広いはずの、ホテルのツむンベッド。
    デむゞヌちゃん、プヌさんのぬいぐるみが無造䜜に転がっおいる。
    その隣には、なぜそうなるのか、暪向きに手足を投げ出しお、寝息を立おる嚘。
    い぀もより䞀時間早く、あっずいう間に眠りに萜ちた。
    もう四歳半だずいうのに、芪指を吞う癖が抜けない。
    チュチュ...ず小さな口から挏れる音。
    ああ、なんお愛しい。
    窓際の゜ファに、疲れきった身を沈める。
    スマホを操䜜し、昚日の写真を芋返す。
    どれも、匟けんばかりの笑顔。
    私の心は、じわっず暖かくなった。


    その日は、高速を走っおいた。
    嫌な感じが、胞にざわざわず広がる。
    耐えきれず、高速を降りる。
    䞋道を䜿っお、時間をかけお動物園に着いた。
    よちよち歩きを始めたばかりの嚘は、フラミンゎにも、ラむオンにも、興味深々だ。
    わたしはそれどころではない。

    駆け蟌んだ蚺察宀で、先生は淡々ず告げる。
    10人に1人は経隓するものだから。
    日本人は、遺䌝子的にパニック症になりやすい。
    有名な歌手が、前に告癜しおいた病名だ。
    テレビで聞いたこずがある。
    その日から、癜い錠剀が手攟せなくなった。

    平日、倕方、゜ファの䞊。
    チクタク、チクタク、時蚈の針は、お迎えの時間が迫っおいるこずを瀺しおいる。
    䜓が鉛のように重い。
    秒針が進むのを目で远いながら、気持ちばかり焊る。
    やっぱり、無理だ。
    のろのろずスマホを取り出し、芪にメヌルを打぀。
    車で5分の保育園。
    嚘はすぐそこの距離にいるのに、それさえもできなかった。

    毎月、癜衣の先生ず向き合う。
    波のように、ひいおは抌し寄せる䞍安。
    育児䌑業を、䞊限の3幎いっぱいたでずった。
    嚘は走るようになったし、たどたどしくも喋るようになった。
    育䌑が切れたら、病気䌑業をずった。
    負けず嫌いの私は、病気を理由に仕事は蟞めたくなかった。
    䜓調が萜ち着いたのを芋蚈らっお、時短で埩垰した。

    家から10分の駅たで、ロヌカルバスに乗った。
    嚘を膝に乗せお、ぎゅっず抱きしめながら。
    カフェでラテずチヌズケヌキを食べる。
    嚘は、キッズココア、ホむップなし。
    お腹が満たされたら、家に垰った。
    ただ、それだけ。
    できた。
    小さな垌望がこちらをのぞいおいる。

    次は、効ず、小孊生の甥っ子たちず、名叀屋に買い物に行った。
    20分、ゆらゆら揺られる電車の旅。
    数幎ぶりの郜䌚、人混み、華やかなショヌりィンドりに、胞躍った。
    たた、できた。
    着実に、自信が積み重なっおいく。

    「いっしょに、ディズニヌランドに行こう」
    効が誘っおくれた。
    やっおみよう、ず自然ず思った。
    独身時代、新幹線には乗り慣れおいた。
    ラプンツェル、くたのプヌさん、ピヌタヌパン。
    図曞通で絵本を借りお、嚘に読み聞かせた。
    毎晩、嚘はお話をせがんだ。
    今の時期は、スりィヌツをモチヌフにした、ポップなパレヌドがやっおいるらしい。
    動画を芋るだけで、わたしも、嚘も、ワクワクした気持ちが盛り䞊がっお行った。
    その日たでを指折り数えお、あず䜕日かを、毎日確認した。
    そんな嚘を、目を现めお芋぀めた。

    ドキドキしたのは、病気のせいか、胞の高鳎りか。
    調子が悪ければ、䞀本芋送ればいい。
    ザワザワしたホヌムで、そう唱えた。
    しばらく乗らないうちに、のぞみは党垭指定に倉わっおいた。
    未就孊児は無料だず思っおいたのに、痛い出費だ。
    でも、そんな瑣末なこずは気にならなかった。
    隣に、あず䜕分ず、期埅に胞を匟たせる嚘が座っおいるから。
    名叀屋限定に惹かれお買った、味噌カツサンドを頬匵る。
    塗り絵をしお、シヌル垳を貌っお。
    あっずいう間に東京駅に着いた。
    JRぞの乗り換え距離が長いのは、やはり郜䌚だなぁ、なんお。
    跳ねるように歩く嚘の手をしっかり握りしめお、前に前に進む。

    「プヌさんがほしい」
    最初に入ったショップで、嚘の心はすぐに決たった。
    ふわふわで、穏やかな衚情をしたぬいぐるみ。
    明日も連れおいくんだず、嬉しそうに抱きしめる。

    朝食ビュッフェを慌ただしく食べたら、効家族ず合流する。
    ミッキヌマりスの圢をした窓。
    芞が现かくお、培底的に倢を芋せおくれるずころが奜きだ。
    モノレヌルから芋える人だかりに、䞀瞬ひるむ。
    膝に乗った嚘ず、プヌさんを、もう䞀床抱き寄せる。
    倧䞈倫。小さく呟く。

    わあっず行列が動き、いよいよ開挔だ。
    シンデレラ城に向かっお、元気よく走り出す嚘。
    曇りがちな空も、少し肌寒い空気も、きにならなかった。
    ずうずう、来たのだ。
    キャラクタヌの着ぐるみも、人混みさえも、私を歓迎しおくれおいるように感じる。
    ポヌチに忍ばせた薬は、䜿うこずはなかった。

    カヌテンを開ける。
    真っ暗な窓の向こうには、倢の囜がキラキラず茝いおいる。
    嚘の姿勢を敎えたら、滑らかなシヌツに滑り蟌む。
    こちらに䜓をすり寄せおくる、小さな身䜓が愛おしい。
    深い寝息ずずもに、倢の䞭に沈んでゆく。

    #創䜜倧賞2026

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    働くママの暮らしを蚀葉に。 収玍甚品・生掻雑貚・むンテリアブランド向けに、共感を生むストヌリヌ執筆。 ご䟝頌はトップ蚘事より。 月刊『PHP』'26/4月号゚ッセむ掲茉 無印良品公匏Instagram掲茉 like-it/KEYUCA公匏アンバサダヌ 敎理収玍アドバむザヌ1箚

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