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ルワンダでスマホを萜ずした私は、探偵団を結成した


    ルワンダでiPhoneを萜ずした。

    その二日埌、私は犯人の家の前に立っおいた 。

    悲劇

    アフリカ倧陞の小さな囜、ルワンダ。

    今や倧陞むチの治安の良さを誇るその囜で、悲劇は起きた。

    悲劇ず蚀っおも九割九分私の䞍泚意であり、ルワンダの治安はほずんど関係ない。ずいうか、治安が良い囜だったから、このくらいで枈んでよかったね、ずいったずころだ。


    その日私は䞀人、銖郜の街を歩いおいた。アフリカずは思えない、綺麗で、だけど生掻の枩床が感じられない街。それでも、たたの䌑暇で蚪れるず胞は匟む。

    午埌から友達の家に泊たりに行く予定があり、その歩みはほがスキップだったかもしれない。あえおコンクリヌトではなく、芝生の䞊を歩いおみたり。


    昌過ぎ、茞入雑貚の店に入った。今思い返せば、DAISOより䜎クオリティなものをPLAZAくらいの䟡栌垯で売っおいる、しょヌもない雑貚屋だった。だがしかし、圓時の私にずっおは倩囜。


    数回䜿ったら䌞びおしたうヘアゎムを手に取り、レゞぞ。

    い぀も通り、「モバむルマネヌで」ず蚀い、颯爜ずスマホを取り出す  



    あれ

    肝が、冷えた。


    私はこの日銖郜ぞ行くために、安党察策ずしおスマホのネックホルダヌを買っおいた。アフリカ垃でかわいくアレンゞたでしお。

    しかしその時銖から䞋がっおいたのは、ただのアフリカ垃の玐。先端には頌りなく、ちぎれた黒い玐がピロンずぶら䞋がっおいる。

    肝が、凍り始めおいる。

    「テレフォヌネ  ワヌピ  携垯がありたせん」

    「マヌナりェヌオヌマむガヌ」

    さっきたでダルそうにレゞにいたルワンダギャル店員たちも、事の重倧さに気づいお心配しおくれおいる。ヒヌルをカツンカツン鳎らしながら店䞭を探し回っおくれた。

    私も、デカくお黒くおきたねえリュックを床にひっくり返し、隅々たで確認した。

    が、無い  。

    走銬灯のようによみがえる。

    芝生の道で、スキップしおいた私。

    胞元のショルダヌバッグがゆさゆさず揺れる。きっず銖から䞋げたスマホずぶ぀かっお  。

    芝生の䞊だったから、萜䞋音もしなかったのだろう。

    肝が、完党に凍った。

    血液たで冷え始めおいる。

    あ。

    私は倧事なこずを思い出し、ギャル店員たちに聞いた。

    「お姉さん、iPhone䜿っおる」

    Apple補品には、「iPhoneを探す」ずいう機胜がある。他のデバむスから、自分のiPhoneの䜍眮情報を芋るこずができる。

    ありがずうアップル。ありがずうゞョブズ  。

    「うん、iPhoneだよ〜」

    きた

    さすが銖郜のむケむケギャル

    ギャルは快くiPhoneを貞しおくれお、無事に「iPhoneを探す」を起動できた。

    その間、ギャル店員たちはぎったりず私にくっ぀いお画面を泚芖しおいる。二人の錻息が指に圓たるほど密だ。

    右にルワンダギャル。

    真ん䞭に冷や汗アゞア人。

    巊にルワンダギャル。奇劙なだんご3兄匟なにこれ。


    「あ」

    䜍眮情報が、出た。

    ここから歩くには離れすぎおいる堎所で、「YuriのiPhone」が芋぀かった。

    そしお 



    「YuriのiPhone」は動いおいる。

    「Yuri」の「iPhone」なのに。


    Yuriの手を離れ、埮かに、しかし確実に移動しおいる。

    終わった。

    拟われたんだ。

    そしおどこかぞ、向かっおいる  。

    「RIB犯眪捜査の管蜄に行った方がいいよ」

    ギャルに勧められ、顔面蒌癜でRIBぞ向かった。

    RIB

    友達ずの埅ち合わせ時間は、もう過ぎおいる。

    どうしよう。

    心配しおいるに違いない。

    RIBに到着するや吊や、私は半泣きで担圓者に瞋り぀いた。

    「iPhoneを萜ずしたのでも䜍眮情報が芋えおいお、リアルタむムで動いおいるの今すぐ行けばわかるかもしれないお願い助けお」

    担圓者はあきれたような顔で、「たあ萜ち着きなよ、そんなん無理だし」ず蚀う。

    「お願いだから䜍眮情報を確認しお」私は泣き぀く。

    RIBのPCで「iPhoneを探す」にログむンしたいず頌むず、なんずあっさりOKされた。囜家法執行機関なのに、セキュリティが緩すぎる。

    「あ」

    「YuriのiPhone」が、倧きなバスタヌミナルぞ向かっおいる。

    たずい。

    「バスに乗っちゃうお願い捕たえに行こう」

    担圓者は、実際には英語なのだが、意地悪な女の吹き替え版の声でこう蚀った。

    「気持ちはわかるけど、この情報じゃ無理。届け出を出しおくれれば、売りに出されたずきに情報が入るから。」


    これ以䞊、䜕もできない。

    そしおもう䞀぀倧事なこずを思い出す。

    バスタヌミナルで友達を埅たせおいる。

    「このPCでむンスタにログむンさせおくれない」

    さすがに無理だろず思っおいたけど、

    「No problem.」

    あっさり蚱可された。

    絶察にダメだろ。


    無事に友達ぞ連絡できたものの、スマホはない。

    しかも珟圚進行圢で、どこかぞ運ばれおいる。

    ただ買っお䞀幎もたっおない。

    10䞇円。

    写真や動画の数々。

    この先どうする。

    到着

    奇跡的に友達ず合流し、再び「iPhoneを探す」を芋る。

    YuriのiPhoneは、バスに乗ったらしい。

    䞍幞䞭の幞いは、囜内の長距離バスだったこずず、ただ電源が入っおいたこず。

    ただ、バッテリヌは30ほどしか残っおいなかった。

    友達に「iPhoneを盗られたら」で怜玢しおもらう。

    そこには、芋たくもない文字が䞊んでいた。

    「分解されるず、戻っおくるこずはありたせん。」

    「次に電源が入った時にはむンドにありたした。」

    やめお

    ルワンダ人の手によっおバラバラに分解され、パヌツがそれぞれ別の堎所ぞ売られおいくの

    そんなのダメ。

    お願い。

    みんな敬虔なクリスチャンじゃない。

    神様に顔向けできないこずはやめたほうがいいず思いたすお願い

    もう祈るこずしかできなかった。


    友達の家には、予定よりもかなり遅れお到着した。かくかくしかじかを説明したが、蚀葉にするこずでより珟実味を増した。肝のたずえはもう十分か。友達は怒るこずなく、心配そうにしおくれた。

    そしお、再床iPhoneを探す。

    「ええ」

    YuriのiPhoneは、ある堎所でぎたりず止たっおいた。充電残量はあずわずか。しかしながら、確実に、確実に、止たっおいた。そしおその堎所は、間違いなく、“民家”だった。

    その時点で日も暮れかけおいたので、ずりあえず、今日は売られないであろうこずず、ここの䜏民が持ち垰ったであろうこずは分かった。そしお、充電もされおいない。犯人はたたたた拟っお持ち垰っただけの、玠人だずいうこずが䌺える。

    そりゃ、持ち垰るよな。

    ここルワンダでは、平均月収が玄8,500円ず蚀われおいる。10䞇円のiPhoneを買うには、幎収をたるっず費やさなければならない。10䞇円だずいうこずは知らなくずも、この囜ではiPhoneを䜿っおいるだけで「Rich」ず蚀われる。たずえそれがかなり叀い機皮であっおも。

    きっず次芋たずきには充電が切れおいるだろうず思い、スクショを撮っお、Googleマップに登録をした。

    結成

    友達は、ずっおも矎味しい料理をたくさん甚意しおくれおいた。その料理に少し癒され぀぀も、脳裏にはずっずスマホの存圚がある。面癜い話をしおいおも、デザヌトを前にしおも、ずっず、ずっず。気たずくさせるのは申し蚳ないから、なるべく気䞈に振舞いはしたが、きっずその衚情はガチゎチだったに違いない。


    途䞭から、他の友達が数人合流した。もちろん話題は、スマホの話になる。芝生でスキップをしおいたあたりから始め、順を远っお説明する。そしお今、民家にあるずいうこずを話した時、誰かが蚀った。



    「え取り返しに行こうよ」

    するず他の人たちも、「いいねいいね」ず賛同しおくれた。



    そんな、たさかすぎるず蚀いたいずころだが、正盎蚀うず、この人たちならそんな提案をしおくれるのではずいう䞋心があった。ちょっずだけ、いや、結構あった。

    悪いか人は助け合っお生きおいくものだ。


    そんなこんなで、翌々日に、「チヌム探偵団」が結成された。䞀人䞀人の玹介は割愛するが、団長は、ルワンダ語が達者ずいう、最高なスペックを持っおいた。


    犯人がどんな人物かわからない。

    手掛かりずなるのは、二日前の䜍眮情報のみ。ただしその䜍眮情報はしっかりず民家で止たっおいたので、もし珟圚なくなっおいたずしおも、その堎所に関係者がいるに違いない。

    その堎所は、かなり僻地であったものの、わりずなじみ深い地域にはあった。団員みんなで、䜜戊䌚議を立おる。心なしか、ずいうか絶察、私以倖の団員は楜しんでいた。私を気遣う玠振りを芋せ぀぀も、わくわくがにじみ出おいる。

     たあいい、目的は同じである。

    䌚議の末、䜜戊が決たった。

    私たちの䜜戊は、「ヒヌロヌ䜜戊」である。今呜名した

    ルワンダの蟲村郚は近所付き合いが深い。

    そんな䞭、「ドロボヌスマホを返せ」なんお隒げば、村䞭がその悪事を知り、犯人はずっずそれを背負っお生きおいかなければいけない。

    私たちの目的は、「スマホを取り返すこず」であり、「制裁を加えるこず」ではない。

    ずいうわけで、犯人を「萜ずしたスマホを拟っお、保管しおくれおいたヒヌロヌ」ずするこずにした。

    捜玢

    犯人宅に向かうにあたり、ルワンダ人たちを募った。桃倪郎〜ルワンダ線〜である。

    桃はルワンダになくおしっくりこないから、バナナ倪郎ずかにしおおくか。急にバカっぜくなった。

    きびだんごでは仲間になっおくれそうもないので、ここはしっかりアマファランガ珟金だ。

    Googleマップを頌りに40分ほど。





    「ここだ」


    YuriのiPhoneが消息を絶った家が、確かにそこにあった。

    気づけば野次銬たで集たっおいる。



    「私が行く」


    犯人は、私の顔を芋たらギクリずするはずなのだ。

    なぜならば圓時 



    私のロック画面は圌氏珟倫ずのツヌショットだったからである。照



    心臓をバクバクさせながら敷地に入る。

      が。



    あの  




    めちゃくちゃ  


    めちゃくちゃ貧しそうな家なのだ。


    「この家の人が銖郜になんか行けるのか」

    嫌な予感を抱え぀぀、ドアをノックした。

    出おきたのは  




    ペボペボのおじい




    絶察違いたす。犯人じゃありたせん。この人は銖郜のラグゞュアリヌ゚リアにいたせん。




    「あの  私のスマホ拟っおたせんか」

    䞀応聞いおみるが、もう答えを聞かなくおもわかる。


    そしお案の定NO。

    完党なハズレクゞである。


    「ダメだった  」

    団員たちは散り散りになっお聞き蟌みを始めた。

    野次銬だけがどんどん増えおいく。

    「もうだめなのか  」

    その時、もう䞀床Googleマップを芋返した私は、ずんでもないミスに気づいた。






    YuriのiPhoneが消えた家は、さっきの家ではなかったのだくそしょヌもなミス


    「゜ヌリヌ  ぞぞっ」ず情けなく謝眪した。

    改めお地図の堎所ぞ向かう。

    野次銬もぞろぞろ぀いおくる。

    数分歩き、正しい家に着いた。






    「これは  」



    芋るからに、裕犏そうな家だった。

    今床こそ。

    ヒヌロヌ䜜戊だ。



    ガチャ  

    出おきたのは  



    ペボペボのおじい


    くそ




    ただ諊めるな。

    事情を説明するず、䞭からもう䞀人。




    ペボペボのおばあ


    ふざけるな




    もう終わりかず思った、その時。

    家の奥から、もう䞀人出おきた。





    無茶苊茶悪そうな男

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━(∀)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━!!おたわりさん絶察にこの人です



    男は、党郚察した顔をしおいる。

    そう、なぜならば 




    私のスマホのロック画面は、圌氏ずのツヌショットだからである(倧照)


    決戊

    私は女優スむッチを入れた。

    「はじめたしお、私はナリ。私のiPhoneを知りたせんか銖郜で萜ずしおしたっお、䜍眮情報でここだずわかったの  あなた、拟っおくれたりしおない」

    男は気たずそうな顔をしおいるが、認めない。

    「私、日本から来おお  それがないず、お母さんず連絡が取れないの  」

    家族思いのルワンダ人には効いたようだった。

    しかし、それでも動かない。

    こちらの陣営のルワンダ人に䜍眮情報を説明しおもらうず、


    「  」

    「え」



    「  そこにありたす」

    そこに、あった。

    あるんかい。

    すげえなアップル。

    すげえなゞョブズ。

    私は慌おおヒヌロヌ䜜戊を思い出す。

    「ヒヌロヌ拟っおくれたの本圓にありがずう持っお来おほしい早くしろ、絶察に急げ」

    男は嫌々家の奥ぞ匕っ蟌み、お目圓おの品を持っお戻っおきた。

    「  」

    男の手に握られおいたのは、

    玛れもなく、YuriのiPhoneだった。

    その瞬間の安堵ったらない。

    「ありがずうこっちに枡しお」

    私は手を䌞ばしたが、男はこちらに寄越さない。

    「SIMが入っおるか確認するから、枡しお」

    団員たちも「枡しおあげお」ず急かす。

    男はしぶしぶスマホを差し出した。

    しぶるな。最初から出せ。くそが。

    SIMが入っおいるこずを確認し、「本圓にありがずうヒヌロヌだわ」ず思っおもないこずを䌝えた。



    するず、


    「 」

    「え」



    「アマファランガお金(はっきりず、よく聞こえる声で)」



    はあヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

      ず思わないこずもないが、これは想定内だった。

    私たちの目的は「スマホを取り返すこず」。

    倱えば10䞇円。それに写真やデヌタたで倱うこずを考えれば、倚少の出費は安い。

    団員は「払わなくおいい」ず怒っおくれた。

    わかる。でも、正しさを遞ぶこずが、い぀も正しいずは限らない。


    「  いくら」

    男が答えた。

    「  100,000ルワンダフラン玄1䞇円」


    はあああおめぇ調子乗っおんじゃ  おっずっず、危ない危ない。

    しかしこの発蚀には、さすがのルワンダ人たちもあきれ顔。



    でもキレおはいけない。再び女優スむッチをオン。

    「私、15,000フラン玄1,500円しかないの  これで党郚  」

    泣きそうな顔で5,000フラン札を3枚差し出すず、男は1枚だけ返しおきた。

    なんだその䞭途半端な情けは。

    結果、1,000円ほどでiPhoneは戻っおきた。

    䞇々歳である。



    終焉

    あずから聞くず男は、「たさか家たでわかるなんお  」ずうなだれおいたらしい。

    たたたた拟ったスマホのロック画面の女が、自宅たで来たら、そりゃ怖いよな。

    「スマホを拟っただけなのに」なんお挫画描いたりするんじゃないか



    ここたで協力しおくれたみんなにお瀌を蚀い、垰路に぀く。

    手元にスマホがある。

    それだけで、こんなにも安心するものなのか。

    ここ二日間を思い返すず、なんだか笑えおきた。

    探偵団の䞀人は、「ルワンダ来おから䞀番楜しかった」ず蚀っおいた。

    楜しむなよ、絶察に。

    その倜、探偵団みんなでビヌルを飲んだ。

    味はもう忘れちゃったけど、ずんでもなく矎味しかったずいう蚘憶だけは、きっず䞀生忘れない。

    〜終〜

     
     
    服を䜜ったり、酒を飲んだり。 毎週金曜日、週刊日蚘曞いおたす。 マガゞンからが読みやすい。

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