
まって、まだいちご食べてないよ!
「じいちゃんの命が危ない。」
そう聞いて、実家へ一足早く帰ってきた。
ずっと会いたいと思っていた。
きっと私が島留学を終えるのを、待っていてくれてたんだろう。
ビデオ電話をもらったのは、一昨日。
前回じいちゃんに会ったときから、また細くなっていて、喋るだけでぜーぜーなって息がしにくくなってしまう。
会話もままならないほど衰弱していた。身体の肉もほとんどない。
想像できないほど、しんどいんだと思う。
そんな中でも一生懸命話そうとしてくれる。
心がきゅーっとなった。
なにかできないかと、その時思いついたのは、
じいちゃんが食べたいものを持っていくこと。
「なにたべたいー?」ってきくと、
「ひひお、ひひお」って返ってきた。
どうしても、何か分からない。
でも、母はわかった。
「いちご」だと。
親子だから?
いや、ずっと看病をし続けてくれていたからだ、きっと。
ありがとうって思った。
とびっきり美味しいいちごをもっていこうと思った。
母も朝から探してくれていたみたいだけど、
時期的に売っていなかったらしい。
ん---何とか手に入らないか。
いちごと言えば、、、
そうだショートケーキ!!!
ショートケーキの上にのってるいちごが美味しくないわけない。
なんなら、その🍓食べるためにケーキ食べるやんと思うくらい、
超主役のいちごじゃん!と思い、ショートケーキを持ってくことにした。
久しぶりの都会。
駅ビルの中にある何軒ものケーキ屋さんで、どれにしようか迷った。
ぐるぐる、うろちょろ。
でっかい荷物もって、変な奴だ。
最終的に選んだのは、ケーキの上に3ついちごがのっているケーキ。
ショートケーキにそんなことがあっていいのか!と思ったけど、今回はいい。一緒にいちごが食べたいと思ったから。
「一人で食べるよりも、誰かと一緒に食べるご飯が美味しい」と、島で教えてもらったから。

久しぶりに会ったじいちゃんは、面影が分からないほど細くなっていた。
「じいちゃーん、会いに来たよ」
って視界の中に入る。
そしたら、一瞬で顔がほころび、わたしに気づいてくれたことが、言葉がなくてもわかった。待ってくれていたんだと。
手を持ち上げることさえままならないのに、
目を押さえようとしていた。
じいちゃんが、泣いている。
だめだ、わたしもこらえられなかった。
会いたいと思う人がいる。
それは生きがいになるのだと思った瞬間だった。
気持ちが高ぶったからか、呼吸が荒くなって、しんどそうだった。
少し落ち着いたかと思ったら、頭上に何かみえていて手をのばしたり、目を動かしていたり。
すると、だんだん意識が遠のいていって、半目になりかけた。
まって、まだいちご食べてないよ!
「じいちゃん、じいちゃん」呼びかける。
ちょっとずつ意識が戻ってきて、
「いちご食べる?」って話しかけると、「うん」と返してくれた。
ひやひや、はらはらだ。
どきどきさせないで~🫨
まるごとは食べられないから、いちごをつぶして果汁を口に運ぶ。
美味しかったのか、何回も口を開けてくれた。
自分で食べたいんじゃないかと思い、手にクリームをつけると自分で手を動かして、口に運んで「ぱくっ」ってしてた。
満足そうだった。
食べた量は、私の小指の爪にも満たない。
でも、本当においしかったんだろうな。
食べたいと思うものを食べられること。
それは生きる喜びの一つになるんだと思う。
あんまり長いこと居るとじいちゃんも疲れてしまうから、
短い時間だったけど、会えて本当によかった。
じいちゃん、一緒に畑したの楽しかったねって声かけると、
その日一番顔がほころんだ。
あの顔を見て、本当に畑が好きだったんだなと思った。
好きなことを、誰かと一緒にやること。
好きに夢中になること、これからも続けたい。
じいちゃんが、大切なことを思いださせてくれた。
生きていてくれてありがとう。
待っていてくれてありがとう。
(p.s. このnote、お母さんに読んでもらったんだけど、いちごって分かったのはじいちゃんが☝️✋ってやってたかららしい。笑
やるなっじいちゃん!👴🏼🤜🤛🔥)