Claudeが最大45%値下げ。計算したら、逆に高くなる条件が見えました
「Claudeの利用料が最大45%下がるらしいですよ」
先日、経営者仲間との集まりでそんな話題が出ました。
スマホでニュースを見せてもらうと
たしかにどの記事にも
「最大45%のコスト削減」と書かれています。
その場にいた全員が「それはありがたい」
という顔をしていました。
僕も最初はそう思ったんです。
ただ、事務所に戻って改めてHPで
料金表を開いてみて、少し引っかかりました。
安くなったのは、料金表の中で一番単価が安い項目でした。
そして同じ発表資料の別のページに
一番単価が高い項目の使用量が増える、と書かれていたんです。
これは計算してみないと分からないな・・
と思いました。
■ 何が起きたのか
2026年9月1日、Anthropic社が
「Claude Fable 5.1」という新しいモデルを発表しました。
Claudeを使っている方なら、モデルを選ぶ画面で名前を見たことがあるかもしれません。
料金でいうと、キャッシュ読み込みという項目が4分の1になりました。
一度読ませた資料を、次のやり取りで安く使い回す仕組みのことです。
公式の説明では、通常の使い方で約25%、AIが長時間ひとりで作業を続けるような使い方では最大45%のコスト削減になるとのことでした。
ここまでは、報じられているとおりです。
■ ただ、同時に起きていること
公式ドキュメントには
「Fable 5から変わった挙動」という項目があります。
そこにこう書かれていました。
小さな修正でも、ファイル全体を書き直しがちになった。
結果は同じでも、出力トークンと時間を余計に使う。
推測ではありません。
作った側が自分で書いていることです。
そして「出力」は、料金表で一番単価が高い項目でした。
100万トークンあたり50ドル。
値下げされたキャッシュ読み込みの0.25ドルと比べると、200倍の単価です。
一番安いものが4分の1になって、一番高いものの使用量が増える。
この2つが同時に起きているわけです。
■ 実際に計算してみました
うち会社の1か月分の業務量で試算しました。
セミナー資料を月4本、提案書と議事録を月20件、記事を月12本。
これをトークンに換算して、両方の単価をかけます。
結果はこうなりました。
Fable 5 : 月80.50ドル
Fable 5.1: 月56.65ドル
29.6%下がります。
公式が言う「通常で約25%」と
だいたい合う数字です。
ただしこれは、AIが書く量が
今までと変わらなかった場合の話です。
■ 分かれ目は「1.91倍」
ここで言う「出力量」とは
AIが書いて返してきた文章の1か月分の合計のことです。
こちらが打ち込む指示の長さではありません。
たとえば10ページの資料の1行を直したいとき。
「この部分だけ直して」で通じれば、AIが書くのはその段落だけです。
ところが資料を丸ごと書き直されると
10ページ分をもう一度書くことになります。
同じ1行の修正でも、書く量がまったく違う。
これが積み重なったものが、ひと月の出力量です。
では、出力量が増えるとどうなるか。
1.5倍 → 月69.75ドル(13.4%安い)
1.75倍 → 月76.30ドル(5.2%安い)
2.0倍 → 月82.85ドル(2.9%高い)
境目を計算すると、1.91倍でした。
ここを超えると、前のモデルより高くなります。

「小さな修正でもファイル全体を書き直す」
という挙動を思うと、資料の修正が多い仕事では
十分に届く数字だと思います。
■ 今日からできる3つのこと
対策はあります。
どれもすぐ試せるものです。
①修正を頼むときに
「変更する箇所だけ直してください。全文を書き直さないでください」
と添える。
これが一番効きます。
②長い成果物は、章ごとに分けて出してもらう。
③じっくり考えてもらうのは
判断が必要な工程だけにして、清書や整形のときは軽くする。
■ そもそも、どれを使えばいいのか
ここまで読んで、結局
「5と5.1のどちらを使えばいいのか?」
と思われたかもしれません。
切り替えはできます。
アプリなら入力欄の近くでモデル名を選び直すだけです。
そして、これは知っておくと得だと思うのですが。
Claudeのモデルは2つではありません。
Fable、Opus、Sonnet、Haikuと並んでいて
上と下では単価が10倍ちがいます。
面白いのは、Anthropic社自身が
「ほとんどの用途はClaude Opus 5から始めてください」
と書いていることです。
最上位のFable 5.1をすすめてはいないんです。
同じ業務量でモデルだけ変えて
計算すると、こうなりました。
Fable 5.1 : 月56.65ドル
Opus 5 : 月40.25ドル
Sonnet 5 : 月16.10ドル
値下げされたばかりの最上位モデルより、ひとつ下のほうが3割安い。
日々の資料づくりが中心なら、さらに下でも足りることがあります。
もちろん得意なことは違うので
安いほうに変えれば同じ成果が出る、という話ではありません。
自分の仕事で試して確かめる必要があります。
■ 本当に書きたかったこと
ここまでAIの話をしてきましたが
この試算をして一番強く感じたのは、もっと手前のことでした。
経費を見直すとき、多くの人はまず単価を見ます。
もっと安いプランはないか、値引き交渉はできないか。
それ自体は正しい動きです。
ただ、従量課金のものは、単価と同じくらい使用量が効きます。
今回のケースでは、単価が4分の1になったのに
使い方しだいで請求が増えるという結果になりました。
単価だけを見ていたら、この逆転にはまず気づけません。
通信費も、決済手数料も、広告費も、光熱費も。
毎月出ていくお金の多くは、単価と使用量の掛け算で決まっています。
単価を叩くのは一度きりの成果ですが
使い方の設計を直すと毎月効き続けます。
再現性があるのは、後者なんですよね。
難しく考えなくて大丈夫です。
まず何にいくら使っているかを、費目ごとに分けて見る。
そこからで、何とかなります。
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この記事は、fulfull.jpのコラムをnote向けに短くまとめたものです。
試算の前提条件や、公式ドキュメントの該当箇所、月額の内訳まで詳しく書いたものはこちらにあります。
Claudeが最大45%値下げ? 試算で見えた逆に高くなる分かれ目
https://fulfull.jp/2026/09/02/ai-cost-fable51-breakeven/
モデルの使い分けについては、別の記事にまとめました。
Claudeのモデルの選び方。Opus・Sonnet・Haikuの使い分け
https://fulfull.jp/2026/09/02/claude-model-selection-guide/
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