
フィルターのかかった世界 #151
二年くらい前から、私の世界にはフィルターがかかってる。
白くてちょっと薄暗いそんな世界。
初めはそこには何もなくて、
ふんわり、ぼんやりした感覚だった。
そこから手に感覚が戻って、
カーテンの外から優しい光が差し込んで、
色が重なって、
音が入り込んできて、
自分がどこにいるのか分かったような気がした。
その瞬間から、世界が変わった。
あいかわらずフィルターはかかったままだけど、
フィルター越しにみる景色も
前とは少しちがうけど、すごくきれい。
人の幸せが嬉しいし、
人の悲しみが悲しいし、
私は、今を生きているんだなぁと思う。
だけど時々、
カーテンを閉めたくなる。
優しい光が差し込んでるってわかっていても、
カーテンを閉めて、
何も考えずに
ただボーっとしてたい。
人から見て意味のない時間かもしれないけど、
私には大事な時間。
悲しみがあふれた時はそうやって
心を凍らせる。
人の悲しみと
自分の悲しみを
比べることはできない。
だから自分で受け止めて
向き合って
時々心の奥にしまって、
また向き合っての繰り返し。
これが私が生きてきた中で学んだ
私なりの対処法。
今日は、
天気が良くて、とても暖かい。
優しい光が入り込んでくる。
カーテンを半分だけ開けて、
ゆっくり過ごそうかなぁと思う。
おしまい。