手帳で、ぬり絵。――色を塗る時間が、心を整えてくれた
先日、友人のまーるさんが「切り絵」を使ったマインドフルネスに取り組まれていることを知りました。
一つひとつの作業に静かに向き合い、目の前のことに集中する。その時間を通して心を整えていく様子が、とても素敵だなと思いました。
まーるさんの記事はこちらです。
記事を読んでいるうちに、私も何か、デザインに関わることを通してマインドフルネスに挑戦してみたくなりました。
そこで思いついたのが、「ぬり絵」でした。
『ちいさな宝箱』から、気になる図柄を一つ
今回使ったのは、ジョハンナ・バスフォードさんの『ちいさな宝箱』という本です。
ページを眺めているだけでも楽しくなるような、小さくてかわいらしい図柄がたくさん収められています。その中から、きのこと花が描かれた図柄を選びました。
本に直接色を塗るのではなく、今回は個人で楽しむために図柄をコピーし、形に沿って切り取って、ほぼ日手帳のページに貼りました。
この1週間、仕事の忙しさや悩みのせいか、手帳を開いてもなかなか書けない日が続いていました。そこで、「ぬり絵」に没頭して心をほぐしてからなら手帳が書けるのではないか?そう思ったため、この形になりました。
「何色にしよう」と考える時間が楽しい
始める前は、ぬり絵に対して「きれいに塗れるだろうか」という気持ちも、少しありました。
けれど、実際に色を選び始めると、その不安はすぐにどこかへ消えていきました。
大きなきのこは赤にしよう。
模様は黄色にしたら、明るく見えるかもしれない。
小さなきのこは青にして、花は鮮やかなピンクにしよう。
そんなふうに、一つひとつの色を選ぶことが、思っていた以上に楽しかったのです。
少し塗るたびに、白かった図柄がだんだん色づいていく。その変化を見ると、続きを塗りたくなります。「次はどこを、何色にしよう」と考えるたびに、小さなワクワクが生まれました。
うまく塗ることよりも、自分が心惹かれる色を選ぶこと。
正解を探すのではなく、その瞬間の「この色がいい」という感覚を大切にすること。
その時間は、自分の内側の声を聞くことにも、少し似ているように感じました。
頭の中が静かになる、「塗る時間」
色を塗っている間は、自然と目の前の小さな範囲に意識が向きます。
線から大きくはみ出さないように手を動かすこと。色の濃さを見ながら、少しずつ塗り重ねること。隣り合う部分との組み合わせを考えること。
そうして手を動かしていると、普段は頭の中を行き来している仕事のことや、これからしなければならないことが、少しずつ遠のいていきました。
何かを無理に考えないようにするのではなく、夢中になっていたら、いつの間にか余計なことを考えなくなっていた。
私にとっては、その感覚がとても心地よいものでした。
私はこれまで、心を整える方法として「書くこと」を選ぶことが多くありました。思っていることをノートに書き出したり、手帳に出来事や感情を残したり。言葉にすることで、自分の状態を整理してきました。
けれど、疲れているときには、言葉がなかなか出てこない日もあります。自分の気持ちを見つめて文章にすることさえ、少し重たく感じる日もあります。
そんなときは、無理に言葉を探さなくてもいいのかもしれません。
ただ色を選び、手を動かす。
それだけでも、心は少しずつ静かになっていく。
今回のぬり絵を通して、「書くこと」以外にも、私の心を整えてくれる方法があるのだと気づきました。
手帳に増えた、もう一つの楽しみ
完成したぬり絵を眺めると、鮮やかな色から元気をもらえるような気がします。
上手に塗れたかどうかよりも、「この色を選んでいる時間が楽しかった」「塗り終わったとき、気持ちがスッキリしていた」という体験そのものが、私にとっての小さな宝物になりました。
まーるさんの切り絵をきっかけに始めた、手帳でのぬり絵。
方法は違っていても、手を動かしながら「今、ここ」に意識を向けるという点では、どちらも同じなのかもしれません。
毎日続けなければならない習慣にはせず、「少し心を休ませたいな」「今日は言葉を書くより、色に触れたいな」と思ったときに、また楽しんでみたいと思います。
手帳の中に、心を整えるための選択肢が一つ増えました。
次は、どんな図柄に、どんな色を重ねようかな。
そう考えるだけで、今から少しワクワクしています。
