
㊗️特別編 〜ビバ!長女初めての打ち上げ〜
「ねー、大変!お母さん、絶対にビックリするよ!!」
今から2週間ほど前、高校から帰宅した長女が興奮気味に言った。
「ん?何、なに?どうしたの?」
こちらまでドキドキするじゃない。
「あのね!今日学校でね、友達から〝打ち上げ”に誘われちゃいましたー!」
長女が声高々に発表した。
先に帰宅して、テレビを見ていた妹たちが、一斉に長女のもとへかけよってきた。
「えっ!すごいじゃん!誰と?どこで?いつ?」
「すっごーい!!やったねぇー!」
「ていうか……なんの打ち上げなのよ?」
3人で長女を質問攻めにして、まるで緊急記者会見だ!
「おっ、おぅ……え〜っと、日にちは――2週間後の日曜日!試験の打ち上げだって♪
今のところ女子5人なんだけど……男子も行きたいって言ってるみたいで、まだ増えると思う♡
場所はね、焼肉のバイキング〜!」
「おぉーーーー!!」
〝リビング会場”から謎の拍手が湧き起こった。
みんな、それぞれに顔を見合わせて、
「良かったねぇ」と笑顔になる。
……こんなとき、私は、いつも思い出してしまう。
この子の、辛かった日々のことを。
運動会も、文化祭も――
これまでたくさんの行事があったけれど、
クラスメイトは、当たり前のように打ち上げを計画して、
その中に、当たり前のように長女の名前はなかった。
そして、当たり前のように、キラキラした写真や動画を、“ご親切に”送ってきたりした。
この子に、こんな日が来るなんて――。
今のお友達に出会えたことは、決して大げさではなく、この子の人生を変えてくれたと思っている。
本当に、本当に、ありがとう。
何度口にしても足りないくらいの
「ありがとう」を……
毎日、そっと胸の中で思っている。
そして、今日。
ついに『長女の打ち上げデビュー』の日。
打ち上げは夕方からなのに、家族みんなが浮き足だっていて……
朝っぱらから、やけに口数が多くて家の中がとっても賑やかだ。
約束の時間が近づく。
着ていく洋服も、履いていく靴も、バッグも……
前の日までにはすべて決めていた!
「いってきまーす」
玄関まで見送った。
「気をつけて、いってらっしゃい」
『よっしゃー!
しっかり、打ち上げてこい!!』
長女の肩をポンッと叩いて送り出した。
娘からのお迎え要請を受けた主人が、長女を迎えに行った。
勢いよくドアが開いた。
「たっだいまーーー!」
おっ!大満足なご様子♪
「あのねー、もうすっごく楽しかった!
いろんな話してさ、もちろんテスト勉強の話もしたよ。
ちゃんと反省会もしといた 笑。
テストも終わったし、みんなで遊びに行きたいねー!って話したり。
あっ!楽し過ぎてさ、焼肉も食べ過ぎちゃって…
たぶん、私、男子より食べてた♪」
また、これから——
リビングは緊急記者会見の会場と化すだろう。
私は、コーヒーを淹れながら、
ちょっと長くなりそうな取材に備えることにした。
読んでいただき、ありがとうございました。
娘の“はじめて”の記念に、特別編として綴りました。
これからも、こんなふうに――
嬉しい「初めて」が、特別な思い出としてたくさん増えますように……。