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ウエイトレスをクビになった私に、「自信を持って」と言われても

私は、学生のとき、アルバイトのウエイトレスをクビになった。

いつものようにバイト先の喫茶店に行ったら、昨日までのバイト代を渡された。

「新しい人が入ったから、もう来なくていいから」

そんなふうに言われた。

ウエイトレスといえば、学生のアルバイトの代表みたいなものだと思っていた。

それが、私には出来なかった。

お客さんが少ない時はいい。

でも、ランチで混んでくると、お客さんは勝手に動く。

さっきまでここにいた人が違う席に座っていたり、次々と注文が入ったりする。

その中で、何を先にすればいいのか分からなくなる。

臨機応変に動くことが、出来なかった。

クビになって、

私は、誰でも出来ることが出来ないんだ。

と思った。

そんな私が、ずっと後になって、意識のスクールで講師になるためのオーディションには何度も立った。

人前で話すのは怖かった。

緊張して、誰が見ても分かるくらい顔が引きつってしまう。

声も喉で詰まって、あごの辺りから擦れて出てくる。

オーディションの様子は動画に撮られていたけれど、自分で見るのが嫌で、一度も見なかった。

自分の声を聞くのも、ものすごく嫌だった。

人からもらったフィードバックだけを聞いて、直して、またオーディションに立った。

なぜ、そんなことが出来たのだろう。

どうしても掴みたかったからなのか。

負けたくなかったからなのか。

何度か受けたオーディションの中で、自分がイメージしていた以上に出来たことがある。

楽しかった。

自分の中の天才が出てきたように感じた。

私って、もしかして……。

でも、

「私は出来る」

と思ったわけじゃない。

出来た。

のだ。

それからも、何をするにも緊張するのは変わらなかった。

自信がなくて、やっていないこともたくさんある。

今なら、インスタライブやYouTube。

みんな、普通にやっているけれど、私は足がすくんでしまう。

ウエイトレスとは全然違うのに、どこか似ている。

最近、自信があった時のことを思い出そうとしていた。

でも、出てこなかった。

そもそも、自信って何なんだろう。

自分がやったことなら、

出来た。

出来なかった。

という事実がある。

一度出来ても、次に出来るかは分からない。

何度も出来ていたって、次も出来る保証はない。

何かしようとしたとき、

「自信を持って」

と言われることがある。

まだやっていないことに、どうやって自信を持つんだろう。

出来たことから、

「私は出来る」

と思う。

出来なかったことから、

「私は出来ない」

と思う。

ウエイトレスは、出来なかった。

オーディションは、出来た時があった。

怖くてもやったことがある。

怖くてやらなかったこともある。

失敗して落ち込んで、辞めたこともある。

それでも私は、私を辞めていない。

限りなく「出来る」と確信した時、

それを自信というのだろうか。

分からない。

私は、自信があった時のことを、思い出せない。


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