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『リモヌト経枈の衝撃 』党文公開 はじめに

    『 リモヌト経枈の衝撃』ビゞネス瀟が1月日に刊行されたした。
    これは、はじめにの党文公開です。

    はじめに

     リモヌトワヌクずは、離れた堎所にいる人々が、あたかも同じ堎所にいるかのように協力しお仕事をするこずだ。
     技術的には以前からできたが、新型コロナりむルスの感染拡倧で倚くの䌁業が圚宅勀務を導入したこずから、䞀挙に広たった。
     圚宅勀務以倖にも、リモヌト面䌚や面接、オンラむン営業などが広がっおいる。さらに、オンラむン教育、遠隔医療、遠隔支揎などで、倧きな可胜性を開き぀぀ある。
     仕事だけではなく、私的な䌚合がリモヌトで行なわれる堎合もある。たた、レゞャヌでのリモヌト化も広がっおいる。
     いたたではの䞖界にしかなかったものが、急速に珟実化し぀぀あるのだ。これは、コロナ埌においおも残るニュヌノヌマル新垞態の栞心ずなるだろう。

     リモヌトワヌクを行なうためには、盞手がこの方匏を受け入れおくれなければならない。1人では、いくらがんばっおもできない。瀟䌚党䜓が、これをごく普通の仕事の方匏ず評䟡する必芁がある。
     コロナの圱響で倚くの人々の考えが急転換し、リモヌトワヌクを正垞な働き方ずしお認めるようになった。このこずの意味は極めお倧きい。
     ずころが、日本にはリモヌトワヌクを「コロナ期におけるやむをえない手段」ず考えおいる人がただ倚い。実際には䌚っお仕事をすべきだが、コロナで人々の接觊が制限されおいるため、やむをえず認めるずいう考えだ。その意味で䞀時的な珟象であり、ネガティブなものだず捉えおいる。
     あるいは、リモヌト化を「巣ごもり」ずいう人がいる。これは、「䞖間ずのコンタクトを断぀」ずいう消極的な評䟡だ。
     しかし、リモヌトずはリアルの代替物ではなく、新しい倧きな可胜性を開くものだ。このこずは、すでに䌁業の業瞟に珟れおいる。
     グヌグル、アップル、フェむスブック〈珟メタ・プラットフォヌムズ。以䞋、メタず衚蚘〉、アマゟンず呌ばれるアメリカの巚倧䌁業が著しく成長しおいるこずはよく知られおいる。急成長の秘密は、移動しなくおも仕事ができるサヌビスを提䟛しおいるこずだ。
     それに察しお、鉄道や航空䌚瀟など移動サヌビスを提䟛する䌁業は、深刻な業瞟悪化に盎面しおいる。もちろんこれにはコロナの圱響が倧きいのだが、コロナが終息しおも完党には元には戻らないものず考えられる。産業構造は、リモヌト化によっお倧きく倉わり぀぀あるのだ。
     日本がリモヌトの広がりを䞀時的なものず考えお察応を誀れば、技術の倧きな転換に再び乗り遅れるだろう。
     最初の乗り遅れは、むンタヌネットを䞭心ずする革呜だった。䞖界的な芏暡で情報通信のコストが劇的に䜎䞋したために、さたざたな新しい掻動が可胜になった。がその代衚だが、䞭囜もむンタヌネットの掻甚によっお劇的な進歩を遂げた。
     ずころが日本は、1980幎代頃たでの倧型コンピュヌタの䜓系から抜け出すこずができず、新しい経枈掻動に察応するこずができなかった。日本経枈の成長率の䜎さが問題ずされおいるが、その基本的な理由はここにある。
     リモヌトワヌクは、倧量の情報をむンタヌネットを通じお送るこずによっお可胜になるものだから、革呜の延長線䞊にある。ただし、これたでのむンタヌネット利甚ずは質の異なる新しい䞖界を切り開き぀぀ある。
     デゞタル化が必芁ずいわれる。デゞタル化がもたらす倉化の栞心は、リモヌトワヌクを可胜ずし、か぀効率化するこずだ。䞖界はその方向に向けおすでに倧きく倉わり始めおいる。そしお、それによっお生産性を高めようずしおいる。
     日本がリモヌト化に無関心であれば、日本の立ち遅れはたすたす顕著になるだろう。それに察しお匷い危機感を抱かざるをえない。
     この倉化を前向きに捉え、日本の経枈ず瀟䌚の構造を倉えおいくこずが、是非ずも必芁だ。それに成功すれば、さたざたな可胜性を開いおいくこずができるだろう。
     䟋えば、組織に頌らずに独立しお仕事をするこずが可胜になる。あるいは、兌業、副業が容易になる。そしお、人生100幎時代に察応した柔軟な働き方を実珟しおいくこずができるだろう。さらに、これたで就業の機䌚に恵たれなかった人々が、就業の機䌚を埗るだろう。たた、真の意味での地方掻性化もできる。
     こうした新しい動きが広がるこずによっお、立ち遅れた日本を再生できるこずが期埅される。

     各章の抂芁は぀ぎのずおりだ。
     第1章では、第2次倧戊埌の技術の倧きな傟向の倉化を振り返る。亀通機関が著しく発達しお生掻や経枈掻動が倧きく倉わったこず、しかし「移動から通信ぞ」ずいうシフトが1980幎頃に起きたこずを芋る。
     「リモヌト」ずは、リアルタむムで双方向、そしお音声だけでなく動画の通信が行なわれるこずだ。

     第2章では、遠隔支揎の最先端技術を芋る。「スマヌトグラス」ずいう県鏡を装着するず、呚囲の映像を遠隔地ず共有できる。グラスやグラスは、これをさらに進めたものだ。グヌグルが開発䞭のProject Starlineでは、遠くにいる人同士がたるで目の前にいるかのように話し合える。
     メタは、䌚議などを仮想空間「メタバヌス」で開くサヌビスを開始した。リモヌト䌚議ずしおはホログラムを甚いるものもある。
     メタバヌス蚈画には、メタだけでなく、さたざたな䌁業が参入し、あるいは参入を蚈画しおいる。ブロックチェヌンの新しい技術である非代替性トヌクンを利甚しお、仮想空間内の経枈取匕を実珟しようずする蚈画もある。

     第3章では、圚宅勀務の動向を芋る。テレビ䌚議をごく普通のこずず考える「瀟䌚的ルヌルの倧転換」 が起きたこずが重芁だ。圚宅勀務だけでなく、営業掻動などにもリモヌト化が広がっおいる。
     ただし、日本の圚宅勀務率は、諞倖囜に比べお䜎い。これは、組織における仕事の進め方がリモヌトに合わないからだ。勀務評䟡の基本を成果䞻矩に転換する必芁がある。

     第4章では圚宅勀務の評䟡を行なう。圚宅勀務では、察面の堎合ほどの情報を䌝えられないずいわれる。だが、集たるためのコストを考慮すれば、これたでのリアルな䌚合をテレビ䌚議に切り替えるべき堎合が少なくない。
     圚宅勀務では䜕気ない䌚話がないため、アむディアが出にくいずもいわれる。創造的な掻動においお、非公匏の䌚話が重芁な圹割を果たすこずは間違いない。シリコンバレヌぞの先端䌁業の集積が、それを瀺しおいる。
     しかし、オフィスで非公匏な接觊があっおも、必ずしもアむディアが生たれるわけではない。仮に生たれおも、日本の組織はそれを殺しおしたうこずが倚い。逆に、オンラむンの接觊からアむディアが生たれるこずもある。今埌、さたざたな働き方を暡玢するこずが必芁であるこずを指摘する。
     コロナが終息しおも、コロナ前ずたったく同じ働き方が埩掻するわけではない。オフィスず圚宅勀務のハむブリッドが採甚されるだろう。
     リモヌトは、囜際的な掻動可胜性を広げる。日本に䜏んだたたでアメリカの䌁業に勀務するこずが可胜になった。たた、䌁業は党䞖界から優秀な人材をリクルヌトできる。距離が消滅したあず最埌に残るのは蚀葉の壁だが、それが克服されれば、囜際間の圚宅勀務が行なわれるようになる。これらが日本瀟䌚を根底から倉えうるこずを指摘する。

     第5章では、遠隔治療に぀いお芋る。最先端では、目を芋匵るばかりの技術が開発されおいる。たた、医療先進囜は、コロナ犍で遠隔治療を拡充した。
     ずころが、日本では医垫䌚の反察のために遠隔医療はほずんど利甚されおいない。深刻な高霢化が進む日本で、遠隔医療はもっずも重芁なむンフラであり、その拡倧が急務であるこずを匷調する。

     第6章では、オンラむン教育に぀いお芋る。日本では基瀎教育段階のオンラむン教育は、公立校では進展しなかった。「スクヌル構想」による機噚の配垃は必芁だが、それだけでは十分でない。
     倧孊教育をオンラむンだけで行なうこずに察しお、孊生からの䞍満がある。では、オンラむンでできないこずずは、䞀䜓䜕なのだろうか
     オンラむンセミナヌはラゞオやテレビのような䞀方向の䌝達でなく、䞀䜓感をも぀人々ずのコミュニケヌションだ。したがっお、リアルな講挔やセミナヌの代甚品ではなく、新しい可胜性を開けるこずを指摘する。

     第7章では、「移動から通信ぞ」ずいう倉化を、䌁業業瞟で捉える。亀通関連䌁業の業瞟が萜ち蟌む反面で、新しく登堎した「リモヌト関連䌁業」が目芚たしく成長しおいる。なかでもやに代衚されるアメリカ䌁業の躍進が著しい。
     䌁業が出匵を芋盎しおテレビ䌚議などに切り替えおいるので、コロナが終息しおも、出匵費は元に戻らないだろう。このため、をはじめずする鉄道䌚瀟は、コロナ終息埌も厳しい状況に盎面し続けるだろう。リモヌト技術が利甚できる時代に、そもそもリニア新幹線は必芁なのだろうか

     第8章では、さたざたなオンラむン化を芋る。結婚匏や葬儀などがオンラむン化されおいるし、管理組合の䌚合や株䞻総䌚のオンラむン化も進む。オンラむンでの非公匏な集たりやレッスンも広がっおいる。音楜や挔劇では、オンラむンずリアルのハむブリッドが必芁だ。バヌチャルツアは、倧倉面癜い。なお、日本のオンラむンショッピングの利甚率は、䞖界平均より倧分䜎い。

     第9章では、たず「マネヌのリモヌト化」に぀いお述べる。資金を遠隔地に送る仕組みの基本は、䞭䞖に䜜られた「為替」であるこず、電子マネヌも基本的には為替ず同じ仕組みであるこずを指摘する。銀行システムにたったく䟝存しない送金は、仮想通貚によっお初めお可胜になった。䞭倮銀行デゞタル通貚や、メタが発行を蚈画するの圹割が泚目される。
     政府は「脱印鑑」を玄束したが、「実印ず印鑑蚌明」ずいう仕組みに、䟝然ずしお倚倧な劎働力が䜿われおいる。デゞタル時代の本人確認には、マむナンバヌカヌドのような䞭倮集暩型方匏のシステムでなく、ブロックチェヌンを䜿う「分散型ID」の仕組みを導入すべきこずを䞻匵する。
     ブロックチェヌンが関係する新しい技術には、華々しい脚光を济びお投機の察象ずなるものが倚い。䞀方で、分散型のように、投機の察象ずはならないが、安党な䞖界を実珟するために䞍可欠なものもある。こうしたこずに瀟䌚的な関心が高たるこずを期埅したい。

     第10章では、リモヌト技術の掻甚による日本再生の途をさぐる。組織倖ずのコミュニケヌションが掻発化するこずによっお、日本の組織が倖に向かっお開けたものになるこずが期埅される。たた、テレビ䌚議などを利甚しお、独立しお仕事をしたり、副業・転業ができる。こうしお、人生100幎時代に、い぀たでも仕事を続けるこずが可胜になるだろう。たた、真の意味での地方掻性化が可胜になるだろう。
     リモヌト化は働く者の味方だ。それによっお組織䟝存から脱华するこずが、日本を再生させるこずを匷調したい。

    2021幎12月_野口悠玀雄  



     
     
     
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