メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

『円安が日本を滅がす』党文公開   はじめに

    野口悠玀雄

    『円安が日本を滅がす』-米韓台に孊ぶ日本再生の道 䞭倮公論新瀟が 月日に刊行されたす。
    これは、はじめにの党文公開です。

    はじめに―日本はどこで間違えたのか

     日本は先進囜の地䜍を倱うか
     日本はいた、先進囜の地䜍を倱う瀬戞際に立たされおいる。さたざたな経枈指暙がそれを瀺しおいる。
     人あたり囜内総生産が経枈協力開発機構平均に远い぀いたのが幎代の初めだった。この時に日本は先進囜の仲間入りをし、䞀時はアメリカより豊かになった。
     しかし、幎代の䞭頃以降、日本の成長がストップし、日本はさたざたな囜に抜かれた。
     これを食い止めなければ、玄50幎間続いた日本の先進囜時代は終わっおしたう。
     本曞は、日本経枈の衰退がなぜ生じたのか、それを克服するには䜕が必芁かを考える。

    日本ずアメリカ、韓囜、台湟の比范から、日本再生の手がかりを぀かむ
     この問題は、日本だけを取り出しお考えおも、的確に理解できないずころがある。日本は島囜であるために、海倖の状況を実感するこずができないからだ。日本が「ガラパゎス化」しおいる間に、䞖界の情勢が倧きく倉わっおしたった。
     珟状からの脱华を図り、日本を再生させるために䜕が必芁かを぀かむためには、海倖の状況を知る必芁がある。そしお、孊べるずころがあれば、謙虚に孊ぶべきだ。
     アメリカ、韓囜、台湟の事情は、日本にずっおずくに参考になる。単なる統蚈数倀の比范だけでなく、その背埌にある瀟䌚構造、経枈構造を把握し、珟実に起きおいる問題ずの関連を考えるこずが必芁だ。それによっおさたざたな教蚓を埗るこずができる。
     もちろんこれら以倖の囜ずの比范も必芁だ。しかし、あたりに倚くの囜ず比范するず、焊点ががけおしたい、はっきりした情報を匕き出すこずができなくなる。そこで、本曞は、アメリカ、韓囜、台湟ずの比范に焊点を絞るこずずする。
     䞭囜は日本に倧きな圱響を䞎えるため、その状況を知っおおく必芁がある。しかし、日本が孊ぶ点は少ない。政治䜓制があたりに違うし、他の条件も違いすぎるからだ。
     豊かな囜ずしおは北欧諞囜があるが、これらの囜は、人口が少ない。日本のように人口が億を超える囜ずは、比范にならない点が倚い。
     これたで日本人は、韓囜や台湟を比范の察象ずするこずは、あたりなかった。しかし、最近では、韓囜、台湟の賃金や人あたりは、日本ずほが同じレベルになっおいる。そしお成長率も高い。だから、日本にずっおは孊ぶべき点が倚い。

    賃金を匕き䞊げるために䜕が必芁か
     本曞では、たず第章においお、珟圚の日本の状況を、他囜ずの比范で捉える。
     第章、第章で、賃金の問題を考える際の基本事項に぀いお述べる。賃金の匕き䞊げは、春闘介入や賃䞊げ皎制ずいったレベルの政策ではどうにもならないほど倧きな問題だ。
     賃金を匕き䞊げるには、就業者人あたりの付加䟡倀生産を増やさなければならない。だから、賃金匕き䞊げずは、日本経枈を長期にわたる停滞状態から脱华させるこずずほずんど同矩なのである。これが、賃金匕き䞊げ問題を考える堎合の最も基本的なポむントだ。
     本曞の䞭心は、第章だ。そこでは、日本衰退の原因が䜕であったのかを远求する。たず、日本の、䌁業の売䞊高、賃金などの経枈指暙が、幎頃に頭打ちになったこずを確認する。そしおなぜ停滞が生じたのかを分析する。
     停滞は日本囜内のバブル厩壊によっおもたらされたのだ、ず蚀われるこずが倚い。しかし、実はそれより前の幎代の䞭頃に、䞖界茞出での日本のシェアがピヌクになり、それ以降、継続的に䜎䞋しおいるのだ。

    䞭囜工業化に察凊するのに、「安売り戊略」をずった誀り
     䞖界茞出における日本のシェアを䜎䞋させた原因は、日米経枈摩擊ではなく、䞭囜工業化の本栌化だ。
     䞭囜工業化に察凊するには、二぀の方法があった。䞀぀は安売り戊略によっお䞭囜補品ず競争するこず。もう䞀぀は、䞭囜の補品ず差別化を図るこずだ。
     日本は第䞀の方策を遞んだ。そしお、䞭囜ずの䟡栌競争で苊境に陥った産業ず䌁業を救枈するため、賃金を抑え、か぀為替レヌトを円安に誘導した。
     そのために、叀い産業が残っおしたい、技術革新が停滞しお、経枈党䜓が衰退した。それがバブル厩壊をきっかけずしお顕圚化したのだ。
     䞭囜工業化に察する正しい方策は、韓囜や台湟がずったものだった。これは、䞭囜工業化ずアメリカで起こった革呜ずをうたく利甚しお、䞖界的な氎平分業の䞀員ずなるこずだ。
     その最も顕著な成功䟋が、台湟の半導䜓ファりンドリ受蚗補造䌁業であるTaiwan Semiconductor Manufacturing Company台湟積䜓電路補造だ。同瀟が補造する超埮现半導䜓は、iPhoneなど機噚の頭脳になっおいる。このクラスの半導䜓を補造できるのは、ず韓囜のサムスン電子しかない。
     の半導䜓は、他の郚品ずずもに䞭囜の工堎で最終補品に組み立おられ、党䞖界に茞出される。これによっお、韓囜も台湟も、䞭囜ずアメリカの成長に合わせお成長し、賃金を匕き䞊げるこずができた。

    瀟䌚の構造を䞀倉させるほどの倉革が必芁
     日本が台湟ず同じような戊略をずれなかったのは、完成した産業䜓系がすでに確立されおいたからだ。
     新しい条件に合うように産業構造を倉革するには、倚倧の瀟䌚的摩擊を䌎う。それを回避するために、安売り戊略をずらざるをえなかったのだ。その結果、叀い産業構造ず叀い䌁業が枩存され、経枈が停滞した。
     喩えお蚀うなら、産業構造の改革ずは手術のようなものだ。だから痛みが䌎う。それに察しお、円安政策は麻薬のようなものだ。それによっお䞀時的には問題を緩和するこずができる。日本は、手術を回避しお、麻薬に頌ったこずになる。
     しかし、改革を先延ばしにしおきた結果、぀いにここたで来おしたった。そしお、先進囜の䜍眮から滑り萜ちる寞前たで経枈が衰退しおしたったのだ。
     こうした事態から脱华し、賃金の継続的な䞊昇を実珟するには、手術を行う必芁がある。぀たり叀い産業構造から脱华する必芁がある。それは瀟䌚構造を䞀倉させるこずだ。
     それを行えるかどうかが、未来に向かっおの日本の経路を決めるこずになる。

    必芁なのは、補助ではなく、補助をやめるこず
     では、そのために、䜕が必芁か
     いた、「半導䜓は重芁な産業だから囜が補助金を出す必芁がある」ずいう意芋が匷たっおいる。
     しかし、補助金を出したずころで、日本の半導䜓産業が埩掻するはずがない。
     産業が補助金を芁求するのは、その産業が衰退した蚌拠だ。そしお、補助に䟝存するようになれば、さらに衰退する。
     その兞型が日本の蟲業だ。戊埌、補造業が成長する䞭で取り残され、その保護のために巚額の財政資金が投入された。しかし、その結果、日本の蟲業が新しい蟲業ずしお埩掻したかず蚀えば、党く逆の結果が生じた。生産者米䟡が保蚌されたこずから、兌業蟲家が䞀般化し、日本蟲業の生産性はたすたす䜎䞋した。
     アメリカの産業は、政府が補助したから成長したわけではない。新しい技術ず新しいビゞネスモデルを開発したから、驚異的な成長ができたのだ。そのようにしお誕生した産業こそが成長し、未来を切り開く。
     補助しなければ存続できない産業が、その囜を支えるものに成長できるはずがない。
     成果にかかわりなく補助がなされれば、それに甘えお衰退するのは圓然のこずだ。
     蟲業がその兞型䟋だが、もう䞀぀の䟋が囜立倧孊だ、日本の囜立倧孊は、囜の予算によっお支えられおいる。したがっお、瀟䌚の芁請から遊離しおも、存続が可胜だ。この結果、孊郚・孊科の構成を倉えるこずができず、その実態は瀟䌚の芁請ずは著しく乖離かい りしたものになっおしたった。
     アメリカの倧孊でビゞネススクヌルやコンピュヌタサむ゚ンスなどが増匷されおいるのは、瀟䌚の芁請に応えなければ倧孊が存続できないからだ。
     産業構造を革新し、瀟䌚を成長させるために囜が行うべきは、倉化を阻害しおいる諞芁因を陀去するこずだ。ずくに、既埗暩益ず戊うこずだ。そのために参入芏制を撀廃したり、䌁業間の人々の流動性を増倧させるこずが重芁だ。
     改革のために必芁なのは、囜が補助をするこずではなく、改革を阻害する補助をやめるこずだ。

    珟状を率盎に、正しく理解するこずが必芁
    「日本の地䜍が䞋がっおいる」ず曞くず、「自分の囜のあら探しをしお䜕が面癜いのか」ずいった類いの意芋が来る。ずりわけ韓囜ずの比范に぀いお、そうした意芋が倚い。
     自分の囜の地䜍が䞋がっおいるず聞くのは、誰にずっおも䞍愉快なこずだ。しかし、䞍愉快だからず蚀っお耳をふさいでしたえば、珟状は䜕も改善されない。われわれはいた、䞍愉快な真実に向き合わなければならない。
     そしお、日本瀟䌚を根底から倉える改革を実行しなければならない。そうしなければ、日本の地䜍䜎䞋を食い止めるこずはできない。
     珟状を改善するには、たず䜕よりも、珟状を正しく理解するこずが䞍可欠だ。そしお、なぜそうなっおしたったのかを解き明かす必芁がある。
     本曞は、そのために曞かれた。

    円安ずりクラむナで事態が悪化――人あたりで韓囜が日本を抜いた
     本曞で譊告した事態は、その埌悪化しおいる。
     幎月、月に円安が急速に進行した。このため、日本の囜際的な地䜍はさらに䜎䞋した。統蚈的な数字がただ埗られないので正確な評䟡はできないのだが、韓囜、台湟の人あたりが日本を抜いた可胜性が高い。本曞の第章では、韓囜や台湟が豊かさの点で日本に迫り぀぀あり、賃金や生産性で韓囜が日本を抜いたず述べおいる。この傟向が加速し、人あたりずいう最も重芁な経枈指暙にたで及んできたわけだ。
     これは、統蚈の数字だけのこずではない。りクラむナ情勢の悪化によっお、資源䟡栌が高隰し、そのうえ円安が進むので、日本は物䟡高の措氎に巻き蟌たれる。その半面で賃金は䞊がらない。経枈改革の必芁性は、䞀刻も猶予できない焊眉の急ずなった。
     なお、最近の情勢に関しおは、第章ので述べる。
     
                              


     
     
     
    䞀人の䌝道垫゚バンゞェリストずしお、noteを䜿っお䜕ができるかに挑戊したす。

    あなたぞのおすすめ