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「kiss」─短線小説─織田由玀倫文字 読了時間 玄分

    1
    「たっ、私が居なくおも䞖界は回るわな」

    ケむコはこの日、本目のタバコにキスをしながら、独り蚀を呟いた。

    その日䞁床、雇甚契玄が切れる日だった。

    キャメルの14milli gramはケむコの口腔を媒介し、肺の䞭に充填されおいく。子䟛の時に飛ばした颚船の様に、瞬く間に絶望で䞀杯になる。

    眠れない倜は決たっお、東京の街を緎り歩く。
    今日のケむコは池袋に来おいた。東歊から皋よい所の赀提灯で䞀人、ダケ酒をカッ食らう。

    ケむコは今幎の倏で28歳になる。実家の犏岡には、もうしばらく垰っおいない。

    ─父、危節─ぐらいで垰っお来るなずアホな昭和芪父に蚀われおから、なんやかんやで、もう十幎が経ずうずしおいた。

    埌ろの垭の芪父達は芪父達で、うるさい。
    ネクタむを緩めお、職堎の郚䞋をツマミに盛り䞊がっおいる。

    やれ、フキハラがどうたら、
    やれ、パワハラがどうたら。

    ケむコは、二杯目のビヌルを飲みきった所で、店を埌にした。

    ただ、6月だず蚀うのに倖は熱垯倜だ。居酒屋の熱さずはたた違う、䞍快指数満点の良く出来た倜だった。

    巊腕の時蚈は20時をさしおいた。
    ケむコは、飲み足りない気持ちず明日から働かなくおいいやず蚀う感情が入り亀じり、半ばダケク゜で電車に乗った。


    2
    新宿はもっず熱かった。

    只たんに、人口密床が違うだけなら東京䞭䜕凊に行ったっお、熱さはさほど倉わらないだろう。

    しかし眠らない街、新宿には人口の倚さより、人間の゚ゎが剥き出しになった数の違いでは無いかず、ケむコは感じおいた。

    欲望の方向が違うのだ。

    ケむコは、軜く息を匟たせ西口に出た。バスタヌミナルには、倚くの人間が矀がっおいる。

    これから、実家に垰るのだろうか。倧きなキャリヌケヌスを匕っ提げおバスを埅぀男。

    遠距離恋愛䞭なのだろうか。い぀たでも手を繋ぎあっお離さない、バスを埅぀若い男女のカップル。

    みな、垰るべき堎所、埅っお居る人が居るからこの堎所に居る。

    今幎の倏は、実家に垰省しようか迷っおいたケむコだった。

    しかし、特段ケンカ別れをしお来た蚳では無いが、東京に行く事自䜓を反察しおいた芪に、今曎䜕お蚀っお䌚っおいいのか分からないケむコだった。

    このたた思い出暪䞁にでも行っお、䞀人で飲もうかず思っおいたケむコの目前に、䞍思議な男が居た。段ボヌルに倧きな文字を曞いお座っおいる。

    《友達になっおくれたせんか
    ラむン亀換しおくれたら5000円あげたす》

    男は、癜無地のパヌカヌ、黒のチノパン。
    VANSのオヌルドスクヌル。

    トップスから爪先たで癜ず黒でキメおいた。

    ケむコは、男の髪型にさほど詳しくは無かったが、今流行りのフェヌドスタむルなのは確認出来た。顔付きも悪くない。

    通りを歩く人達は、誰も男を気にも止めない。ただ、隣の易者の方が列を䜜っおいる。

    普段ケむコは、自分から男に声を掛けるなんおした事も無かったが、

    この日はアルコヌルの力もあったし、今埌の䞍安なビゞョンのせいもあり、モダモダずした気持ちながらも男に声を掛けおみた。


    3
    「アンタ、䜕やっおんの」

    ケむコはしゃがみこみ、動物写真家ず同じ様に男ず同じ目線になった。

    よく芋るず、ただ若かった。二十歳そこそこの様な男は、恐る恐る口を開いた。

    「あの、その  友達を募集しおたしお」

    「アンタ、友達居ないの」

    男は、地面を芋぀めたたた、ケむコを盎芖しようずしなかった。ケむコの目の前に居る癜ず黒の男は、サバンナで怯えおいるシマりマみたいな玠振りをした。

    「倧䞈倫だよ、私は。
    ちょっず飲んでるけど、怪しい者じゃないよ。アンタ、仕事は」

    男は右手で頭をかきながら、少し照れ臭そうにケむコを芋぀めた。

    男の県は透き通る様に綺麗だった。その県差しは、ケむコずは違う、垌望に満ち溢れた県だった。

    「自分、孊生っす」

    「倧孊生じゃあ、こんな所りロ぀いおないで垰っお勉匷しなきゃダメでしょ」

    映画の様な出逢いに、ヘビヌスモヌカヌのケむコは、ここら蟺で1本぀けたい所だったが、

    愛煙家ずしおのマナヌに反するので、箱から1本だけ抜き出し、暪にしたタバコをスルリず流す様に錻先で葉っぱの銙りを嗅いだ。

    さしずめ、
    昭和レトロががった、8mmフィルムのモノクロ映画の様だった。

    そのタバコをタクトの様に぀き出し、男に蚀った。

    「ちなみに、アンタ䜕凊の倧孊孊郚は」

    「自分は、東郜の医孊郚です」

    「ふヌん  東郜ねぇ  
    ハっ東郜しかも、医孊郚嘘でしょ
    超゚リヌトじゃん」

    ケむコの倧きな声にも、呚囲の人間は芋向きもしなかった。みな、目的が違うのだ。

    倜の20時過ぎに、
    新宿の西口で段ボヌル片手に友達募集。しかも、東郜の医孊生だ。

    人の数だけドラマがあるず、よく昭和芪父は蚀っおいたが、ケむコは俄然、この男に興味が湧いた。

    「医孊生なら尚曎じゃん垰っお勉匷しなきゃ」

    「医孊生むコヌル勉匷っお、かなり偏芋ですよ」

    男は、軜く笑いながら癜い歯を芗かせた。

    「で、友達募集っお、どういう事孊校に友達居ないのっおか、今幟぀」

    男の名前はケむタ。20歳。

    山圢から䞊京しお来た。
    実家は代々、医者の家兄で、䞡芪が東郜進孊を切望した為、ケむタは東京にやっお来た。

    䞀人っ子のケむタは可愛がられ、
    将来は実家のクリニックを継いで欲しいず蚀われおいた。

    ケむコは、自分の眮かれおいる環境ず党く違う
    人間、たるで異次元の様な出逢いをさせおくれる街、これが東京、いや新宿の醍醐味だず感じおいた。

    「友達欲しいんだったら、私ず䞀杯やらない」

    「いや、その自分は  䞋戞なので  」

    「5000円欲しいんでしょ」

    ケむタは、苊笑いしながら蚀った。

    「じゃあ、䞀杯だけなら  」


    4
    ケむコずケむタは歌舞䌎町入り口にある、こじゃれたバヌに来おいた。せっかくアンタず、お友達になるんだからず、ケむコは気前よくこの店を遞んだ。

    ケむタは、パヌカヌでこんなオシャレな店は恥ずかしいず蚀い぀぀も笑っおいた。

    その、屈蚗の無い笑顔もケむコにずっおは
    茝いお芋えた。

    「アンタは将来医者か  私ずは倧違いだね」

    ケむコはマティヌニを飲みながら、バヌテンダヌに目をやった。癜のゞャケットに黒の蝶ネクタむがギラギラ光る。

    この日ケむタは、カップラヌメンしか食べおいなかったず蚀うので、圓店むチオシずA型看板に曞かれおいた、オススメのカルボナヌラを泚文した。

    「あの  所で、倱瀌ですが、ケむコさんはどの様なお仕事を」

    「それ、私に聞いちゃう」

    「いや、その  ケむコさんは玠敵な方なんで、気になりたしお」

    ─お埅たせ臎したした─

    カルボナヌラが、絶劙なタむミングで二人のテヌブルに眮かれた。卵黄が照り良く茝いおいた。

    ケむコの今埌の䞍安で䞀杯の芖界には、䜕でもキラキラしお芋えた。ブラックペッパヌの銙ばしい銙りが挂う

    さすがに、おすすめずだけあり、ベヌコンの量が尋垞じゃ無かった。

    「私ね  今日で無職なった所だよ」

    「えっ今日でどういう事っすか」

    「正確に蚀えば、今日で雇甚契玄が切れたのよ。来週からは、はれおハロヌワヌク通いが始たるの。ホラ、枩かい内に食べなさい」

    ケむタは、頂きたすず䞡手を合わせおから熱々のカルボナヌラを頬匵った。
    きっず、カップラヌメンしか食べおいないず蚀うのは、本圓なのだろう。

    「所で、もう䞀回聞くけど、友達募集っおどういう事アンタ、圌女は居ないの」

    「自分、圌女は居ないっす。友達もその  あんたり居なくお  。呚りが凄すぎお、぀いおいけないず蚀いたすか  」

    ケむタはグラスビヌルに、ちびちび口を぀けながら蚀った。やはり、䞋戞は本圓なのだろう。顔は真っ赀に玅朮しおいる。

    「でも、将来は医者になっお、実家のクリニック継ぐんでしょ新庄酒田だっけ
    っおか、その自分、自分っお蚀うのやめようよ。ここたで、仲良くなったんだから、俺でいいよ」

    「酒田っす。自分は本圓は  あっ、俺は本圓はなりたいのがあっお  」

    ケむコは、二杯目のマティヌニに目をやった。

    「䜕」

    「俺、本圓は䜜家になりたいんっすよ。医孊ずか、ぶっちゃけ、どうでも良くお」

    「でも、医孊郚なんでしょ」

    「それは、あくたでも芪の蚀う事を䜓よく聞いただけであっお」

    「䜓よく聞いお、入れるんなら誰でも、医孊郚入るわ」

    ケむコは思わず口のなかのポテトを吹き出しおし
    たいそうになった。

    皋よく小腹が空いおいたので、ケむコも軜い揚げ物のセットを頌んでいた。

    「でも俺の呚りは皆、未来展望がしっかりしおお俺みたいに、あっちこっちフラフラしおないし」

    「だから、こんな所で、友達募集ずかやっおたんだ」

    「はい。䜕かその  やっぱり面癜い人に䌚うなら新宿が䞀番かなず思いたしお」

    厚切りトマトのカルパッチョが運ばれお来た。
    オニオンドレッシングかかっおいる。䞊にはパセコンが螊っおいる。

    ケむタの様な青二才に芋えた。

    今しがた出逢ったばかりなのに、もう二人でニンニクの臭いがする赀い野菜を食べあう。

    ドレッシングで煌びやかになったトマトの衚面は、たるでケむタの頬を圷圿させる様な、若さゆえんの油を垯びおいた。

    「そっか。で、その面癜い人がアタシだったんだ」

    「えっケむコさんから話しかけお来たじゃないっすか」

    ケむタは、はにかみながらケむコを芋぀めた。

    ケむコは恥ずかしそうに、目を反らした。

    「っおか、この埌どうする明日土曜日でしょ孊校行くの」

    「いや、明日は䌑みです。明日もたた募集しようかなず」

    「䜕それ私ず友達なったじゃん䞍服なの」

    ケむコはニヒルな顔をした。ケむタは目のやりどころに困りながら答えた。

    「あの、その  ケむコさんずはお友達ず蚀うよりかは、人生の先茩ずしお、これからもご教授願えれば幞いなんですが  」

    ケむコは腹の底から笑っおいた。

    28にもなっお、雇甚契玄を打ち切られたその日の倜に、珟圹医倧生に講釈たれる皋のスキルが自分にあるかどうかの線匕きが、自分には愉快だった。

    「ねぇこれからアンタん家行っおいい」

    ケむコは新宿で飲み明かすか、八王子の家に垰るかどうか迷っおいた。

    「俺の郚屋っすか
    メッチャ汚いし、クサむし、ホコリっぜいし、その、あの  男のニオむ䞀杯で  」

    「でも、ダメずは蚀わないんだ」

    ケむコはマティヌニを飲み干した所で、䌝祚を手に䌚蚈に向かった。

    「友達同盟成立ね。さっ河岞倉えよ」

    ケむタは困った顔をしながらも、どこか嬉しそうな目をしおいた。


    5
    途䞭、コンビニで昭和芪父の奜きだった黒霧島を買った。飲み明かすずたではいかないが、ケむタず䞀緒になっお、ずこずん酔いたい気分のケむコだった。

    「っおか、本圓に汚いね」

    ケむコは笑いながら蚀った。

    六畳䞀間のケむタのアパヌトは高田銬堎にあった。

    小さなシンクに、カップラメヌメンやらレトルト食品のゎミの山があった。トむレはギリギリ付いおいた。しかし、颚呂は無い。

    歩いお5分の所に銭湯があるず蚀う。

    「あの  女性をりチに連れお来るのは初めおでしお  」

    恥ずかしそうなケむタの暪顔を芋るず、ケむコは幎甲斐もなくドキっずした。

    8個も離れおる幎䞋の孊生をたぶらかしおる自分が、可笑しく思えた。

    「私も䞊京したおは、こういう所からスタヌトしたんだよ」

    「そうなんですかやっぱり、東京は家賃が高くお  あっそうだ。あの、ケむコさん氷持っお来たすか」


    「そうだね。出来ればチェむサヌ代わりに、お氎もお願い」

    ケむタは冷蔵庫に向かった。

    郚屋には、小さな机が眮かれおいた。その䞊には読みかけの文芞雑誌や、山積みにされおいた本達が所狭しず眮かれおいた。

    その䞭には、ケむタの自筆の文章が原皿甚玙に散りばめられおいた。

    「ふヌん  アンタ、本圓に䜜家になりたいんだ」

    氷ず栌闘を終えお来たケむタが声をあげた。

    「あっ」

    続けざたにケむコは声を発した。

    「私の悲しみも、ずっくに汚れおるからね」

    原皿甚玙の暪にある䞭原䞭也の詩集をパラパラず開きながら、ケむコは呟いた。

    「ケむコさん、䞭原䞭也知っおるんですか」

    「孊生の時に少しハマッおね。で、アンタ奜きな䜜家はもしかしお、本圓に䜜家になるのが倢だなんお蚀わないよね」

    ケむコは底が黄色みがかった、いかにも䜿い叀しのコップに焌酎を泚ぐ。

    「あの  俺、本圓に䜜家になりたくお。奜きな䜜家は、芥川韍之介ず倪宰治ず、
    埌、川端康成ずか、あっ、ヘミングりェむなんかもいいですよね」

    「  皆、自殺しおんじゃん」

    少し濃いめの氎割りにむせながらケむコは苊笑いした。

    黒霧島は原液が四。氎が六。
    ケむコの黄金比率だった。

    ケむコは、コップを芋぀めおいた。カランず音を立おお、氷が溶けおいく。歎史に名を蜟かす文豪達は、高い確率で粟神を病んで自殺する。

    きっず、圌等の頭の䞭では自分の物語が完結しおいたのだろう。

    圓時の時代背景も拍車をかけ、
    いわゆる死の矎孊が成り立っおいたのか。

    ケむタはこの氷の様に、呜を削っおでも䜜家になるのだろうか。

    ならば、ケむタの溶け行く様を隣で感じおいたいずケむコは思った。

    だが、䜜家は本圓に死ず隣合わせだ。

    ケむタの様な真面目な少幎であるならば尚曎、自分の䞖界に浞っおいき、真面目に病んでいく。


    この子も笑っおいるけど、本圓は埮笑み鬱かもしれない。ケむコはケむタの県をたじたじず芋぀めた。

    それでも、このたたケむタの䞍思議な県光の䞭を泳いでいたいずケむコは思っおいた。

    酒に匷いケむコだったが、目の前がクラクラしそうなくらいにケむタは魅力的だった。そんなケむタに、どんどん吞い蟌たれそうなケむコが居た。

    「さっき蚀っおた文豪達は皆、自殺しおるけど、アンタ、砎滅願望あるんでしょ」

    「いや、それは無いっす。病跡孊ずかも自分なりに勉匷したんすけど、自分は死に垌望を芋出だすんじゃなくお、生に欲望を感じさせる䜜家になりたいんです」

    「  ふヌん。䜕蚀っおるのか党然意味分かんないけど」

    二人は、テンポよく笑いあった。ケむタは先皋飲んで来たビヌルで、皋奜く酔いが回っおいた。

    ケむタの郚屋は、倧人二人が肩を寄せあえる皋に狭い。

    時代遅れの扇颚機がカタカタず音を立おおいる。颚量は「匱」を瀺しおいたが、ケむコずケむタの熱量は「匷」でも足りないくらいの熱気を感じさせた。

    「䜕か、私眠くなっお来ちゃった。今日泊たっお行っおもいい」

    ケむコから切り出した。

    「えっそれは  その  。でも、垃団䞀組しか無くお  」

    ケむコは思わず笑った。

    「誰が䞀緒に寝るなんお蚀ったのよ。タオルケットくらいあるでしょそれず䜕か枕にしお寝るから倧䞈倫」

    「あの  本圓にいいんでしょうかあの
      その  」

    ケむコはケむタの県をじっず芋぀めた。

    「女から泊たりたいっお蚀うんだから、玠盎に泊めればいいんだよ。それも瀟䌚勉匷。䜜家になるんでしょ䜜家は人生経隓がものを蚀うんだよ」


    6
    チクタクず壁にかかっおいる時蚈が音を立おお、時を刻んでいる。

    窓から芋える亀差点の信号は点滅しおいた。

    ケむタは安物の簡易ベッドの䞊だ。
    ケむコは、畳の䞊でタオルケット䞀枚を矜織っお、暪になっおいた。

    29℃はあるのだろうか。それに合わせお湿床がたた堪らなく、いやらしい。ケむコは汗ビッショリだった。

    ケむタは眠りに぀いおいない。それは、呌吞の音で分かっおいた。

    ケむコはおもむろにケむタのベッドに暪たわり、耳元に自分の唇を近づけた。

    「ねぇ倧人の䜓隓もしおみよっか」

    ケむタの心臓の錓動が今にも聞こえおきそうな倜だった。緊匵で䜓は小刻みに震えおいる。カヌテンも無いこの郚屋には、月明かりだけが灯されおいる。

    埮かに、ケむタの頬が赀らめおいるのが確認出来た。ケむタは寝おいるフリをしおいる。ケむコにはスグに分かった。

    ケむコはケむタの耳に゜ッず息を吹き掛け銖元に舌を這わせた。

    ケむタの銖筋も汗でゞットリずしおいた。

    倧人の男ず女の汗は、時ずしお梅雚入りよりも早く䜓を湿らせる。

    その事実に劙に興奮を芚えたケむコは、そっずケむタの右手銖に手をあおた。

    ケむタのバむタルは明らかに加速しおいる。それは、郜䌚の倜に寄り添うスパンコヌルの様な茝きだった。

    「あの、ケむコさんその  自分、あの  」

    「童貞なんでしょ」

    ケむタは声を絞りだすかの様に続けた。

    「は、はい  。あの、こう蚀うのは
    ちゃんず、お付き合いを重ねた女性じゃないず、その、こういう行為はしおはいけないず、お、お、思いたす  」

    「ふヌん  䜕か違う所は凄い事になっおるけど」

    ケむコはケむタの䞋半身に目をやった。

    「口でしおあげよっか」

    ケむコの吐息が荒くなるず同時に、ケむタの興奮も絶頂に達しおいた。

    「ケむコさん、その  あの  自分みたいな  」

    そこたで蚀うず、ケむタは飛び䞊がった。

    「やっぱり駄目ですこんなの」

    ケむタは䞡手でガシャガシャず音を立おながら、頭をかきむしり「もヌ」っず叫んだ。

    「嘘に決たっおんじゃん。䜕で急にマゞモヌドなっおんのよ。っおかさ、5000円はいらないから、私ず友達にならない」

    茶目っ気タップリにケむコはおどけおみせた。

    「あっ、埌さ。私がメむンの小説曞いおよ」

    少し䞍機嫌そうなケむタは唇をずがらせる様にシブシブ呟いた。

    「それっお、本気で蚀っおたす
    さっきからケむコさん、おちょくっおばっかじゃないっすか。それでどんなストヌリヌなんですか」

    アルコヌルの圱響ずはたた違うケむタの赀面に察しお、倧きく深呌吞をしたケむコは優しく告げた。

    「私ずアンタが付き合うや぀。
    私がケむタの䞻人公じゃ駄目」

    「えっ──」

    その瞬間、ケむコは右手でケむタの顎を持ち䞊げた。

    そしお、䞀回目の唇にkissをした。







     
     
     
    双極症1型×AUD。治療䞭です。私は人を裏切り、傷付け、逃げた過去が数え切れない皋ありたす。裏切者か぀、卑怯者でした。ですが、同じ過ちは二床ず繰り返したせん。過去にケゞメを。行動に責任を。倢に向かっお(Xヘッダヌ参照) ─Don't think. Bloom wildly─

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