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待ち時間という名のフリータイム

”秒でバスが来る時間がわかる”

そんなニュースだった。最新のアプリ事情と題して、渋谷で若者に
「どんなアプリ使っている?」
といったインタビューを別の事をしながら聞いていたからちゃんとは理解していないが、アプリをいれるだけでなく、ホーム画面に配置することでスマホをみた瞬間、
「あと何秒で目的のバスがくる」
というのがわかるというのだ。

ウィジェット登録して・・・となにやらごちゃごちゃと設定しなければならないようだ。正直、今の乗換案内でも十分に時間削減につながっている。スマホがあれば何時にバスや電車がくるかわかるし、バス停にいくとあと何分くらいでバスがくるかもわかる。すると画面越しの女子がにっこりとこういった。

「待っている時間がもったいないのでとっても重宝しています」とご満悦。

そうか、今のコスパタイパのご時世は待つ時間自体が贅沢らしい。

わたしはといえば人を待たせるのはいやだが、人を待つ時間が好きだ。

待ち時間という名のフリータイムを手に入れた私は、本屋にいくときもあれば、カフェで窓際の席を陣取り、流れゆく車をただぼ~っと眺めたり、人通りが多いところであれば、人間観察フェスの開幕である。

あの丈短いシャツは25年前も流行ったな・・・
あの二人はユーチューバーっぽいな
あの老夫婦は手をつないで仲がよさそう
あ~なんて品がいい女性なのだろう・・・
あの男子は日本人?韓国人?それともK-POP寄りの日本人?

なんてどうでもいいことを考えつつも、リアルトレンドを更新していく。これぞ私のタイパ術。

そんな待つ時間が好きだから、私は基本10分前行動。友人たちの間では
「ゆきんこは絶対早く来る」説
が定着しているせいか、集合時間よりさらに早く全員が揃うことが多い。
早い女も考えものである。

で、例の秒アプリ。私はたぶん入れない。秒でわからなくても困らないし、その待ってる数分のあいだに、知らないおばあちゃんと

「バス遅いですね~、天気ですかね~?」

と謎の共同戦線を張ったりするのが好きだから。

ま、時間に追われる生活をしていないから言えるんだけどね。

私にとって“秒で来るバス”より大事なのは、“のんびり来る時間”なのだ。


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