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芋出し画像

あれ、枯れ草っお意倖に矎しい

    䌑田の氎路の草を抜き、氎の通りをよくしたその垰りに、がんやりず車を運転しおいた。

    月に入っお、倏はいよいよ遠慮もなくお、存分に矜根を䌞ばし始めた気配がある今日この頃。高く青い空、鳥のように飛び亀う陜光、存分に生呜を謳歌する草朚虫、倏も盛り。

    倏を芋る私たちの目は、終わりもないような拡匵を発芋する。
    それを色々な人々が曞いおきたし、今も誰かに曞かれおいる。
    私もその䟋に挏れず、皆ず倏を共有しおいる感芚でハンドルを握っおいた。

    それでも、この日の垰りには、道端の刈られた草が倏の陜射しにカラカラに也いお、濃い茶やアッシュ色になり、車道や歩道を瞁取っおいる様子が泚目されおきた。
    倏の青緑のむメヌゞは、これを䞍思議なものに思わせた。

    田舎の道は生呜が食み出しお、車道や歩道を圧迫するから、近隣䜏民や業者が草を刈る。その草は䞁寧に集められないこずもあり、道々を也いた色で瞁取っおいる。
    私は、それをたさにその時たで数幎数十幎ず芋おいお、芋えおいなかったのだろう。

    生呜の息吹を空に攟぀かのように倏は高く䌞びおいく。刈られた草たちがその瞁取りをしおいる。
    田舎の話ずしお曞いおいるが、郜䌚に䜏んでいるずきにも道の草は刈られおいただろう。その死骞の瞁取りを私は芋おいなくお、倏の青い呜だけを芋぀めお、自分の心ぞも誰かのための描写ずしおも曞いおいたのだろうか。

    䌑田の氎路の草取りをした劎働の垰りに、䜓の皋よい疲劎がそうさせたのか、枯草の也いた枯茶や风色の矎しさが、盎接に目から埌頭郚たで飛び蟌んできた。
    そうしお、枯草の矎しさがわかっおしたうず、倏の青は急にしがんで背景ぞ退いた。枯茶や风色ばかりが欲しくなり、車を前に進めながら、道端の䜕気ない様子をじっず芋぀めた。瞁取りは途切れもなく続いおいた。
    子どもが奜物をしゃぶるようにしお、私は、ああ、ず目を芋開いたのだ。

    車を止めた。道端の枯草を改めお眺めた。

    「あっ、矎しい。」

    それだけだった。
    私はこの時、矎しいず思った枯草を倏ずの察比で、生呜の開攟や拡匵に察峙する死や哀惜ずしお芋おいたわけではない。刈られお倏に焌かれお、カラカラに死䜓を晒しおいる呜の哀愁を読んだわけでもない。枯茶や风色が死んだ埌に倏草の呜に増しお、それらよりも生き返しおきおいるずいうこずでもなく、死者の矎しい逆転劇でもないし、自然の埪環が読み蟌たれたわけでもないのだ。

    車を止めお枯草を眺めおいるずきに、あずからこれらのこずが私の感芚を埋めようずしおくる動きを感じた。

    「あっ、矎しい」

    が、ある既存の構成や、今たで曞かれたもっずありがちな圢、たたはそれらを裏切る構造圢態ぞず回収されそうになったし、それらで説明や玍埗が぀けば、たたすぐに車を走らせお垰る動䜜に戻れるずいう、䜕らかの区切りを必芁ずしおいるこず自䜓を芋぀けたのだ。

    確かに、私は倏の䞭でこれを芋぀けた。その文脈の䞭で今曞いおいる。しかし、そういうこずではないらしい。

    「ああ、矎しい、それは倏の䞭でのこずだったのか」

    ず、あずから遅れお、倏の䞭でそれを芋たようだ。
    ゜ヌダ氎の気泡が砎裂しお、砎裂したこずがわかったずきに、ああ倏だったのか、ずわかっただけのこずで、倏でもなかったのだ。

    私は止たった車の䞭で、ただの矎しさをこの圢匏に圓おはめる悪魔のような蠢きに出䌚い、「人間はここたで行くのか」 ずいうこずが、矎しさずは別に、はっずわかった。
    わかっおいたけれど、その虚しさをこの時に感じた。

    䜜家ずいうものは、特にこれらをやっおきた人たちだし、これらをやっおいく人たちだろう。その䞭にそれぞれの独自性を生み出しおいくのだずしおも、ここたで曞かれたこずを曞くような玠振りで、実際には所属しおいく方向ぞ曞く。䜜家ではなくおも、人間はこれらのこずを繰り返しおいくだろう。そうするこずが䜕かを定着させる手段であり、それ以倖を殆ど知らないのだから。

    倏である必芁もなかったずいうのは、私はもうずヌっず前からこの枯茶の矎しさを知っおいたからだ。それがこの日にたたたた分かっただけのこずだった。


    たた本圓のこずを曞くずすれば、

    「あっ、矎しい」

    も嘘なのだ。「あっ」だけなのだ。そしお突き詰めるずそれもない。
    ぀たりは私も䜜家の様態を䜿甚するこずで曞いおいる。その嘘を私は曞きながら暎露しおいる。
    䜕か発芋が曞かれおいるず思う人がいたずしたら、それはずおも有難い読み方だずいうこずず同時に、私はい぀もそういう人の性栌がよいこずを矚たしく思ったりする。

    ここで挔じお芋せたこずは既存の䜜家圢態に回収されおいない぀もりで曞いおいるけれど、倚分にそうではないものずしお、既存のものずしお読たれるだろうし、実際にそういうものを利甚しおいる面がある。

    「あっ」

    ずだけ曞いお、読たせる勇気がないからだろうか。
    たたは「あっ」さえ回収されおしたうようなシステムを信じおいないこずからも来る。そういうシステムの話ではないからだ。
    あっ、が無限に䜍眮を移動するずすれば、私はその運動をぎりぎりで曞いおいる。遡っおも、予枬的にゞャンプしおもいいのだろう。
    それでも矎しさずいうか、䜕らかの塊があったこず、それを䌝えたくなったこずがあった。

    わかったずいうこずも瞬間ではなく、ある幅であり、それは別に今でなくおもいいのだ。もうわかっおいたのだから。
    今は、その遅れを読んでおこうか。

     
     

    N人

     
     
    N人です。 考えたり、ふざけたりしおいたす。 6000冊以䞊の積読本に埋もれながら、あるこずないこず曞いおいたす。 もしよかったらお付き合いください。