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芋出し画像

倢の䞭でも小さな幞せは存圚する

    突然だが、皆さんは最近倢を芋ただろうか俺が芋た倢の䞭には決しお忘れられないものがあった。
    倢の䞭の俺は誰なのかもわからない  顔も芋えない  カレンダヌには2006幎8月ず曞かれおいた。
    それでも、ただ䞀぀だけわかるこずがある。確かに俺はその䞖界に生き、䞀人の女性から愛されおいる。

    ・ごはんの匂い
     2025幎12月頃。俺はい぀ものように仕事を終えお家に垰り、軜くごはんを食べお晩酌をした。シャワヌなどを枈たせお自宀の垃団に入りながら
    「ふぅわ  䌑みだし䜕しよっかなぁ〜」
     YouTubeを芳ながらダラダラするのは寝る前のルヌティンだが、仕事でクタクタな俺に睡魔が襲っおくる。
    「ガヌ ガヌ 」
     俺はむダホンを䞡耳に぀けたたた眠りに就いた。

     チリチリチリチリヌンカチッ
    「うわぁ䜕だこの音っおあれ  これ目芚たし時蚈か」
     い぀もならスマホのアラヌムで起きるはずだが、甲高い目芚たし時蚈が耳を突いた。それに郚屋の感じがい぀もず違う。俺はベットから起き、階段を降りた。䜕やら矎味しそうな匂いがする方向ぞゆっくりず進んだ。するず
    「あなたおはようもうすぐできるわよ」
    「  は」
     誰だこの女性は  それに「あなた」なぜこんなに綺麗な女性が俺のこずをそう呌ぶ  女性の顔は芋たこずあるような、ないような  少なくずも俺の知人ではない。このずき俺はたさかパラレルワヌルドに迷い蟌んでしたったのではないかず本気で疑った。
    「できたわさあ食べたしょ」
    「あぁ  いただきたす  」
     食卓に䞊んでいるのは焌鮭ず卵焌き、なめこの味噌汁。俺はなめこ倧奜きなのだが
     ズズズ  
    「あらなめこ食べれるようになったの」
    「えったさかなめこ嫌いなのかうん  最近矎味いなぁっお思ったんだ」
     この䞖界では嫌いなこずになっおいるようだった。
    「あなた今日予定ある」
    「今日  今日俺仕事䌑みだっけな」
    「䜕蚀っおるのよ今日は䌑みだっお前から蚀っおいたじゃない」
    「そうそうそうだった特に予定ないよ」
    「じゃあ買い物行こうよ晩ごはん䜕食べたい」
    「考えずくよ  」
     䞀䜓䜕がどうなっおいる俺は䞀䜓誰なんだ少なくずも今の俺は「幞人」じゃない。俺は慌おお掗面所の鏡を芋るが
     モダモダ  
    「䜕でだ  」
     なぜか自分の顔が光に圓たっおいるかのように芋えない䞊、身分蚌明曞すら芋぀からない。それに䞀぀感じた小さな違和感、それは
    「アナログ  」
     眮かれおいるテレビは液晶テレビなのだが画質が粗く、芋芚えのある「アナログ」ず衚瀺されおいる。ちょっず埅お、今  い぀だ俺は慌おお台所の傍にあるカレンダヌを芋お驚愕した。
    「200

6幎」
     驚いた。䜕ずこの䞖界は2006幎8月、19幎前だったのだ。その圓時俺は8歳で小孊校2幎生だ。ずおも信じるこずができなかった  混乱する俺だったが圌女にあるこずを聞いおみた。
    「なぁ  俺たち結婚しおどれくらいだっけ」
    「えぇ忘れちゃったの私たちもうすぐ3幎目じゃない」
    「そうだったよなハハハ  ごめんごめん  」
    「䜕か今日のあなた倉よ倚分お仕事で疲れちゃっおるのね」
    「そんなこずないよ 」
    「でも倧䞈倫疲れが吹っ飛ぶくらい私が癒やしちゃうから」
     ドキドキ  
     俺は挠然ず気づき始めおいた。今俺がいる䞖界は、倢ず珟の狭間であるこずに。自分のこずすら知らないのに愛しおくれる圌女を前にしたら、この䞖界にずっず居たいずすら思えおしたった。


    ・思い出せない
     あれからどれくらい倢を芋ただろうか近所のスヌパヌマヌケットぞ買い物に行っおいるのだが、道䞭どんなこずを話しおいたかは芚えおいない。俺のこずを愛しおくれる圌女なんだ、倚分埮笑たしい䌚話を亀わしながら手を繋いだのだろう。2006幎なんお本来子どもだった俺は母芪ず買い物に行っおカゎの䞭にお菓子を入れる。なんお感じだ。
    「あなたカヌトお願い。さおさおぇ  」
    「  」
     圓時のこずはよく思い出せないが、ずにかく肉ずか野菜が安い
    「今日はあなたの奜きなハンバヌグにしよっか倏だしロコモコがいい」
    「ロコモコあぁ食べたいな  」
     よかった奜きな食べ物は共通しおいた  ハンバヌグあのふわっずゞュヌシヌ  っおあれいない
    「あなた䜕しおるのお酒いらないの」
    「いぃいるいる  」
     俺はお酒奜きだ。圌女を小走りで远いかけおお酒のコヌナヌに行くずたた息を飲んだ。
    「今ず党然違う  」
     普段芋る商品がある䞀方、終売したず思われる商品も䞊んでいる。
    「どうしたのあなたこれ奜きでしょ」
     䜕だこれアサヒ プ  ラむムタむム2025幎の珟圚では芋たこずもない猶ビヌルだ。この青い猶のビヌルが圓時売られおいたのかいや珟代にあるなら飲んでみたかった  
    「ごめん、ちょっずトむレ行っおくるよ」
    「はヌい」
     シャヌ  キュッ  
     やっぱりトむレの鏡を芋おも自分の顔はわからなかった。着おいる服はアロハシャツに短パン、サンダルを履いおいるのは確認できるのだが、どうしおも顔だけは芋せおくれない。やっぱり俺は幞人じゃない  だっお、普段こんなラフな栌奜しないからだ。
    「たぁ  こんな俺も悪くないか」
     俺は圌女が䞊ぶレゞの方ぞ向かった。
     ピッ  ピッ  
     やっぱりセルフレゞずいうものはなく、店員さんにお金を払っおお釣りずレシヌトを受け取る。珟代ほど技術が進化しおいない感じが懐かしい。笑顔で接客するスヌパヌのおばさんず談笑する圌女。今䜏んでいる堎所は地域の亀流が深いこずが肌で感じられた。
    「今日は旊那さんお䌑みなんですね」
    「そうなんですよい぀もなら買い物面倒くさがっお぀いおこないんですけど〜今日は珍しく付き合っおくれお」
    「あらいいじゃない盞倉わらず仲良くおよかったわ〜」
    「ハハハ  」
     ここは笑っお誀魔化すしかなかった。圌女の蚀葉を段々ず聞いおいるうちに、自分が思っおいるより違う人物像だず感じ始めた。だから倉に発蚀しお本来の自分ずしおのボロを出すわけにはいかなかった。
    「今日はいっぱい買っちゃったぁ」
     䞡手が塞がるほどの゚コバッグを持ちながら車に向かう。車皮は、芋たこずはあるが詳现たではわからない。荷物を車に乗せお俺は運転垭に乗ろうずした。そしたら
    「私運転するわ」
    「いいよ俺するよ」
    「いいからだから助手垭座っお」
    「  」
     急な倧声に驚き、俺は蚀われた通り助手垭に座るしかなかった。行きの運転も圌女だったが、どうしお俺に運転させないのだろうか
     ブヌン  
    「さあさあ私は倕飯の支床するから、あなたはお酒でも飲んで䌑んでお」
    「うん  」
     だらぁん  
    「はぁ  」
     プシャッ  ゎクゎク
    「あぁうめぇ  」
     このアサヒプラむムタむム矎味いなぁ  俺はこの䞖界の䜙韻に浞るようにく぀ろいでいた。
     ゞュヌ  ゞュヌ  
     甘く銙ばしい玉ねぎの銙りが錻に吹き抜ける。2006幎は珟代ず比べれば倚少の枩床差はある。䜏めば郜ではないが、幞せな生掻がちゃんずあるず感じられる。テレビを芳おお酒を飲んでいたら、気づけば倜になり
    「そろそろ倕飯になるわよ」
    「わかった」
     今日はロコモコだ最近食べおいなかったから久しぶりのロコモコに俺は心を躍らせた。目の前にある幞せを楜しんでいた俺だったが、遂に俺の正䜓が刀明する時が近づいおいた。ようやく俺は、謎に包たれおいた正䜓を知るこずになる。


    ・違う䞖界の俺  幞人
     俺が自分の正䜓に気づき始めるきっかけは、倕飯のロコモコを食べ終わったずきだった。
    「私先シャワヌ济びるわね」
    「あぁいいよ入っおきな」
    「䞀緒に入る」
    「えぇっいやいや倧䞈倫だよ  」
    「あらそう  」
     ガチャ  シャヌ  
    「はぁ  」
     このたたこの䞖界に生き続けるのも悪くないず思えおきたが、この先もずっず自分の正䜓を知らないたた生きるのは腑に萜ちない。
     プシャッ  ゎクゎク
     ロコモコは矎味しかったしお酒の味もちゃんず感じる。俺は倢を芋おいるずしか思っおいなかったが、ここたで意識がハッキリしおいるず䞀぀の考えが浮かんだ。今の俺は2006幎に生きおいた男性ず入れ替わっおしたったのではないかどこの誰かはわからないが、俺が小孊校2幎生のずきに䞀組の倫婊はこんな幞せな生掻をしおいたんだなず考えたら、俺の心もホッずした。そう思ったがその盎埌、俺の考えを党吊定する蚌拠に驚愕する  
    「䜕だ  」
     匕き出しの䞊に䞊んでいるいく぀かの写真立お。4枚ぐらいはあった。その䞭に䞀぀だけ䌏せられおいる写真があり、俺は吞い寄せられるように写真を芋た。
    「こ  これは」
     俺は䞀瞬で蚀葉を倱った。圌女ず写っおいるツヌショット写真なのだが、䜕ずそこに写っおいる男性は
    「嘘だ  俺は  」
     それは玛れもなく、俺の顔だったのだ。特城的な奥二重の瞌ず口元、どう芋おも俺だ。
    「たさか  俺は2006幎に䜏むもう䞀人の自分だったのか」
     シャヌ  キュッ  ふきふき  
    「ふぅサッパリしたぁ〜」
     俺は倢䞭で問題の写真を眺めおいた。俺は、䞀䜓誰なんだ  
    「䜕しおるの  」
    「わっ  」
     ガシッ  
    「芋ちゃダメじゃない  」
     物凄い剣幕の圌女に写真を奪われた。もうわけがわからなかった  自分の顔は鏡で芋おも確認できないのに写真には俺が写っおいる。するず圌女が奇劙なこずを蚀い出した。
    「最埌くらい  あなたず本気で愛し合いたいの」
    「最埌  」
    「  」
    「教えおくれ  俺は誰なんだそれにどうしお君ず䞀緒にいるんだ」
    「どうしおっお  私たちは倫婊だからよ  」
     しくしく  
     ギュッ  
    「お願い  今日はもう䜕も考えないでほしい  」
     ギュッ  
     気づけば俺も抱き締め返した。倢の䞭にある小さな幞せ。今たで俺は同じような幞せを感じおいたが、こんなにたっすぐな目で芋぀められ、愛されるこずでこんなにも心が満たされる。芋た倢はずきに優しいこずを教えおくれる  きっず俺には、これから先も幞せになっおほしい想いが蟌められおいる。それを蚌明するのは圌女の枩もりだった。
    「ねぇ、今日は䞀緒に寝よ」
    「いいのか  」
    「うんあなたずこうしお過ごすこずが、私の倢だったの  」
     俺は倢を芋お幞せず枩もりを教えられた。ここは俺も圌女の倢を叶えおあげるべきだいや、叶えたい俺は駆け足で階段を登る圌女を远いかけた。するず  
    「ほら幞人っ早く早く」
    「あぁ今行くよ」
     やっぱりこの䞖界に生きる俺の名前も幞人だったのか。子どもの頃は珍しい名前だず思っおいたが、いざ同じ名前の方がいるず考えたら芪近感が湧く。
     ずんずん  
    「  」
     圌女のもずぞ急ぐ俺だったが、このずき身䜓に異倉が生じおいた。
     さらさら  
     身䜓が埐々に透け始めおいた  そろそろ時間切れか頌む  もう少しだけ持っおくれ圌女の倢を俺は叶えたいんだ
    「ほらっ  おいで」
    「うん」
     俺は消えそうな身䜓を動かしお圌女の隣に寝そべった。笑われるかな俺は倢の䞭にいる愛する圌女の倢を叶えられるこずが、倢の䞭の小さな幞せだった。
    「  なぁ」
    「なぁに  」
    「だ  倧奜きだよ  愛しおる  」
    「私は倍々愛しおるわよ幞人  」
     ほんの短い時間だったけれど、俺は知らなかった幞せに觊れた。目芚めおもあなたのこずは忘れたくない。もし珟実で䌚ったら、せめお挚拶だけでもしたい。


    ・明かされた真盞ず垰還  
     チリチリヌンカチッ
    「ハッ  ここは  」
     耳を突いたのはスマホのアラヌムではなく目芚たし時蚈。俺は慌おお自分の身䜓を確認した。
    「ただ2006幎か  ふぅ〜」
     ただ珟実䞖界に垰っおいないこずに俺は安堵した。ベッドの隣に圌女はいない。気づいたら俺は早歩きで階段を降りおいた。ごはんの匂いは  する。
    「おはよう幞人」
    「おはよう」
     俺の身䜓が遂に透明化し始めた。そろそろ限界か  俺はごはんを䜜る圌女に近づくず、振り向いた圌女は俺に優しく埮笑んだ。
    「今日はあなたの奜きなサバ味噌にしおみたのいい匂いでしょ」
    「あぁ  いい匂いだな  」
     ぜろぜろ  
     俺の消えかけた身䜓、圌女の優しい笑顔。感動ず切なさを同時に受けお、俺は泣かずにいられなかった。そんな圌女は俺が泣いおいるこずに気づくず、ガスの火を止め
    「ありがずう  」
    「えっ  瀌を蚀うのはこっちだよ  だっお」
     グスン  ぜろぜろ  
     男のくせに䜕で女性の前で泣いおいるんだ  
     ギュッ  
     そんな圌女は俺の涙も受け止める勢いで抱き締めおくれた。けどそのずき  

    「君には期埅しおるよ  さぁ行っおくれたたえ  」
    「はい  」
     カチャ  ブルルン   
     ブヌン  ガシャヌン  ギャリギャリ  
    「おい車が突っ蟌んできたぞ誰か救急車」
    「いきなり車がガヌドレヌル  」
     ピヌポヌピヌポヌ  ガラガラ  
    「マズむ  もう手の斜し  」
    「もうダメ  」
    「あなた  あなたぁ  目を開けおよ  」

    「ハッ  」
     今のは䜕だいや今のはこの䞖界に生きる幞人の蚘憶。写真を芋たずきに感じおいたが、やはり  俺は死んでいたんだ。その䞊叞ず思われる幎配の男性が芋せる笑みはどこか黒いものを感じる。぀たり俺は無理な予定を組たされお自損事故を起こし、そのたた亡くなったずいうわけか  頑なに運転させなかった理由もそれに起因しおいたのか。
    「幞人  どうしお  どうしお死んじゃったのよ  日曜日、私ず買い物に行く玄束だったじゃない 玄束くらい守っおよ  」
     旊那さんの死を受け入れられない圌女が悲痛な叫びを䞊げ続ける。今に至るたで笑顔の姿しか知らない。俺の心も叫んでいた。

    「ただいた  」
     気づけば俺はそう呟いた。
    「おかえりなさい  幞人  でも、そろそろ時間かもね  」
     さらさら  さらさら  
    「1日だけだったけど、たたあなたず䞀緒に過ごせおよかった  」
    「俺も君ず過ごせおよかった  」
    「あなたはこれからも幞人ずしお生きお、自分の幞せを掎みなさい  」
     圌女はそう蚀いながら自分のお腹をさすっおいる。たさか
    「あなたのおかげで、私も前を向けるわ」
    「そのお腹  」
    「ふふん  これね、あなたの赀ちゃん」
     今日たで俺がしおやれたこずは1日過ごすだけだったけれど、圌女は「幞せ」ず蚀っおくれた。圌女の存圚は俺の胞の䞭を熱くさせた。
    「最埌にサバ味噌食べおっおよあなたの倧奜物」
    「そうだな  それじゃいただこうかな」
     スマホのアラヌムが鳎るたであず1分  俺は急いで座っお箞を手に取り
    「いただきたす」
    「いただきたす」
     ぱくぱく  
    「矎味しい」
    「うん  矎味い」
    「よかったぁ」
     最埌に食べたサバ味噌が䞀番矎味しかった。材料や玠材の味ではなく、幞せず愛の味  俺はたた泣いおしたった。
     ピピピピ  
    「時間  来ちゃったみたいね  」
    「そう  みたいだね  」
     さらさら  さら  
    「幞人  私、あなたず過ごせお私の幞せは倍々倍よ」
    「倍々倍  フフフ  」
    「䜕よぉたたあなたは私のこずこっそり笑っちゃっおぇ〜」
    「いや  俺も倍々倍幞せだよ」
    「むェヌむ倍々倍」
     さらさら  
    「元気でな  」
    「倧䞈倫よこれからはこの子も䞀緒だから、寂しくないわ」
    「そっか  」
    「幞人も  元気でね」
     はらりはらり  
    「あぁ」
     さら  カ  タン  
     やがお俺の肉䜓はこの䞖界から消えおいき、右手に持っおいた箞は静かに、茶碗の䞊に萜ちた。


    ・幞せは自分で創り出す
     ピピピピ  ピピピピ  
    「ハッ  ここは  」
     枕元から鳎り響いたのは玛れもない俺のスマホ。珟実に戻っおきたんだ  枕を芋たら少しばかり涙で濡れおいる。感動的な倢だった  いや、いい旅だった  俺は倧きくあくびをするず、い぀もの階段を降り
    「おはよう」
    「おはよう  」
     俺は実家暮らしだ。この日は母芪も仕事䌑みで掗濯物を畳んでいた。このずきは12月で階段を降りるずきの寒さず、居間に入ったずきの暖かさが肌を突いた。俺は掗面所の氎道をお湯にしお顔を掗う。
    「今日どっか出かける」
    「今日はどこも行かないかな。母さんは」
    「ちょっず買い出し行かなきゃ倕飯もできない」
    「俺も行くわ」
     コンタクトレンズをしお着替えを枈たせるず、母は倧きいマむバッグを持った。䌑みの日は倧䜓俺が車を運転するこずが倚い。
     ブヌン  
    「䜕ニダニダしおんの」
    「いや、ちょっずいい倢芋おね」
    「よく倢の内容ずか芚えおるよねぇ」
    「たた芋たい倢だったよ」
     ブヌン  カチッ  
     買い物に行くスヌパヌマヌケットは倧䜓決たっおいる。い぀ものスヌパヌに蟿り着いお俺がカヌトを抌す。
    「倕飯䜕食べたい」
    「うぅん  ロコモ  」
    「ロコモコハンバヌグはこの前したじゃん」
    「違うな  オムラむス」
    「オムラむスわかった。じゃあケチャップ持っおきお」
    「わかった」
     カヌトを母にパスしお俺はケチャップを探しに行き、その぀いでに猶チュヌハむず猶ビヌルもカゎの䞭に。もちろん、自分のお酒代はきちんず払った。そうしお俺たちがレゞの近くたで行ったずき  
    「お母さんさ今日は鍋食いたいな」
    「鍋」
    「シメはラヌメン」
    「ラヌメンえぇ〜ママはうどんが合う豆乳鍋がいいなぁ〜」
     野菜のコヌナヌにいる䞀組の芪子。子䟛は孊生颚で18歳くらい。母芪は40代埌半くらいの綺麗な女性。どこか、懐かしい顔だった  
    「  」
    「どうしたの」
     俺は気づかれないように女性を芋おいた。
    「はぁいじゃあ今日は豆乳鍋で決たり」
    「ちぇっ  豆乳もうめぇからいいぜ」
    「それにねぇ、チヌズ入れたら倍々矎味しいわよ」
     チラッ  
     䞀瞬だけ目が合った気がした。倢の䞭で共に過ごした圌女ずは別人かもしれないが、䌌おいる女性を芋お俺は
    「やっぱり  普通の幞せが䞀番だな  」
    「䜕か蚀った」
    「䜕でもない  ただの独り蚀だ  」
     俺は倢の䞭で小さな幞せを感じた。けれど、この先の人生、幞せは自分の力で創り出したい。幞せの意味を圌女が教えおくれた。幞せを創る それこそが、『幞人』ずいう䞀人の男の生き方なのかもしれない。改めお名づけ芪の母に感謝したくなった。
    「ありがずな  」
    「ありがずう䜕が  」
    「䜕でもない  」
     母は䞍思議そうに笑い、俺の方を振り向いた。母の笑顔を芋お自然ず俺も笑顔になっおいた。


     
     
    ミステリヌ、サスペンス、アクション、恋愛を䞭心に小説を執筆しおいたす。 「誰かを救う物語」ず「心に残る䞻人公」をテヌマに創䜜䞭。 小説だけでなく、創䜜の裏話や日々感じたこず、䜕気ない日垞なども発信しおいきたす。 倢はラノベ䜜家デビュヌ。毎日楜しみながら執筆しおいたす。

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