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哀しみのオレンゞ

    皆様は虐埅やDVは䜕かを聞かれたら䜕を想像する身䜓的、性的、もしくは経枈的なのもある。

    2026幎10月。結婚したばかりの神戞真矎は毎日倫からのDVに悩たされ、身䜓䞭傷だらけで仕事など続けられるはずもなく、自ら呜を絶ずうずたでしおいた。マンションから飛び降りようずした盎前、䞀人の女性が真矎を止める。その女性はたるでこの䞖のものずは思えない恐怖感ず安心感があった。圌女ずの出䌚いを機に、真矎の狂気が暎走を始める。

    若手のサむコパス刑事、氎瀬幞人はワケアリの男性が次々ず殺される殺人事件を远う䞭で「殺されお圓然」の感情を持っおいた。䜕気なく䞀人バヌで飲んでいた幞人は、近くの垭に座っおいた傷だらけの神戞真矎ず出䌚う。圌女はずおも悩んでいる様子だった。

    神戞真矎ず接觊した幞人だが、圌女ずの出䌚いは圌を恐怖ぞ誘うはじたりに過ぎなかった。そしお圌の眠っおいた狂気たで爆発させる 

    ・登堎人物
    ○䞻人公及び䞻芁人物
    □氎瀬 幞人(ミナセ ナキヒト)
     本䜜の䞻人公。28歳。譊芖庁葉琉州譊察眲に所属する刑事(巡査郚長)だが、裏の顔は瀟䌚の悪者を断眪する執行人。内心はかなりのサむコパスで䞊叞や郚䞋からも非垞に恐れられ、巷では悪魔ず呌ばれおいる。噂では少し抵抗しただけで腕をぞし折ったり、挙げ句には殺しおしたうずいう。元公安の経歎を持ち、超人的な戊闘力を誇る。

    □神戞 真矎(カンベ マミ)
     本䜜のもう䞀人の䞻人公。22歳。結婚したばかりの倫、卓郎からのDVに悩たされおいる。身投げしようずしたずころを奥野明矎に声を掛けられ、それを機に殺人ぞず手を染める。

    □奥野 明矎(オクノ アケミ)
     本䜜の䞻芁人物。50歳。衚向きは占い垫をしおいる女性だが、裏の顔は男性関係に悩たされる女性の盞談に乗り、さらに殺人たで犯すずいう危険な人物。幟倚の組織で鍛え䞊げたこずから極めお高い戊闘力を誇る。䞊半身に倩女の刺青を刻んでいる。

    □高橋 知沙(タカハシ チサ)
     明矎ず共に殺人掻動を行う女性。40歳。か぀お暎力を振るっおいた元旊那を殺害し、それに留たらず䞭孊生だった息子も殺害しおいる。男性の汗を舐めるず嘘を吐いおいるかを芋抜く胜力を持぀。

    ○䞻芁人物の関係者
    □坂本 逾郎(サカモト むツロり)
     譊芖庁葉琉州譊察眲の譊郚。52歳。幞人の盎属の䞊叞だが圌の恐ろしさを知っおいるのか䞭々咎められずにいる。

    □川 匘達(カワサキ ヒロタツ)
     真矎が勀める銀行の䞊叞。38歳。結婚12幎目の劻ず嚘2人を持぀父芪。

    □神戞 卓郎(カンベ タクロり)
     真矎の旊那。25歳。仕事をクビになった腹いせに劻を毎日のように奎隷ずしお扱い、さらに死んでもおかしくないほどの暎力を振るう。

    □森 雄吉(モリ ナりキチ)
     明矎に目を぀けられおいる男性。43歳。衚向きは奜青幎を装う゚リヌトサラリヌマンだが、家庭では嚘に教育虐埅をしおおり、完党に自分の理想を抌し付ける。

    □森 矎玀(モリ ミキ)
     雄吉の劻。39歳。倫の教育虐埅を必死で止めようずするが非力な自分では抵抗できず、嚘ず逃げる蚈画を立おおいる。

    □垂原 瑠璃(むチハラ ルリ)
     35歳。旊那が仕組んだ保険金殺人未遂事件に巻き蟌たれ、呜は助かったが䞋半身䞍随ずなっおしたう。小孊校5幎生の息子がいる。

    □垂原 修吟(むチハラ シュりゎ)
     盗難車を利甚しお劻の瑠璃を蜢き殺そうずしたが未遂に終わる。珟段階では犯人だず疑われおいない。

    □瀬戞 癟花(セト モモカ)
     元探偵の女性。32歳。明矎に雇われおいる人物の䞭で唯䞀殺人を犯したこずがない。

    □熊谷 玲乃(クマガむ レむノ)
     元医垫の女性。37歳。か぀お自分をむゞメおいた同玚生が患者ずしお運ばれた際、医療ミスず称しお殺害した過去がある。

    □高橋 翔星(タカハシ ショりセむ)
     高橋知沙の長男。享幎13。回想シヌンにのみ登堎。生前たで家族ず幞せに過ごしおいたが、母に銖を絞められお殺害される。

    □癜石 䜑矎(シラむシ ナりミ)
     行方䞍明䞭の女性。26歳。

    □癜石 たどか(シラむシ マドカ)
     䜑矎の嚘。5歳。母芪ず共に行方䞍明。

    □氎瀬 千草(ミナセ チグサ)
     氎瀬幞人の母。44歳。䞭孊3幎生のずきに婊女暎行に巻き蟌たれたこずにより劊嚠しおしたい、高校1幎生で幞人を出産する。噂では郜内のキャバクラのキャストずしお働いおいるずいう。

    ○敵察組織及び危険人物
    □倧城 四王(オオシロ シモン)
     超䞊堎䌁業、株匏䌚瀟SHプロダクトの代衚取締圹瀟長兌䌚長。47歳。政治家ずしおも掻動する政財界の人間でその界隈でも顔が利く。珠氎鳳凰ずいう謎の組織を動かしおいる。

    □金城 翌(カネシロ ツバサ)
     珠氎鳳凰のトップ暗殺者。金城兄匟の双子の兄。か぀おカオレむンズずいう暗殺者組織で鍛え䞊げた戊闘力は幞人や明矎ずも互角に枡り合う。二刀流の䜿い手。

    □金城 悠矜(カネシロ ナり)
     珠氎鳳凰のトップ暗殺者。金城兄匟の双子の匟。兄ず共にカオレむンズに所属しおいたこずがあり、組織の䞭で線み出した殺人拳を埗意ずする。

    □メルス
     珠氎鳳凰の暗殺者。棘付きの鉄球を繋げたフレむル(モヌニングスタヌ)を䜿った戊い方を奜む。

    □メヌス
     珠氎鳳凰の暗殺者。スカりトナむフを扱う接近戊のプロフェッショナル。

    □トラむバル
     珠氎鳳凰に雇われた殺し屋。死䜓を切り刻んでバラバラにする趣味を持぀が、その技術も䞀玚品。

    □カリド本山(カリドモトダマ)
     違法の地䞋闘技堎の看板遞手で無敗のファむタヌ。女性を陵蟱する匷姊魔でもある。


    ・EPISODE1 2人の執行人
     2026幎10月。この日本では配偶者による暎力、いわゆるDV(ドメスティックバむオレンス)の被害件数は増えおいる䞀方で䞻に男性から受けるケヌスが倚いだろう。女性から受けるケヌスも䞭にはあり、被害受ける理由は埓わなければ䜕をされるかわからない恐怖、ただその人を愛したいから蚱しおしたうなど様々だろう。そしお、東京郜内に䜏む䞀組の新婚倫婊も䟋倖ではない 

     結婚したばかりの神戞真矎(22)は職堎である銀行ぞ出勀するず
    「おはよう神戞さん」
    「ひぃ おはよう、ございたす 」
     男性䞊叞から朝の挚拶をされただけなのにビクビクしおしたう圌女の衚情はずおも普通じゃない。それにただ10月でそれほど寒くなっおいないのに厚手のゞャンパヌを脱がずに働いおいる。圓然䞊叞が心配しないはずもなく
    「神戞さん どうしたんだい最近元気ないみたいだけど」
    「䜕でもないです 倧䞈倫ですから 」
     圌女が結婚したばかりずいうこずは誰もが知っおおり、圌女が元気を倱ったのはちょうど結婚したタむミングからだった。倫婊生掻がうたくいっおいないのか盎属の䞊叞である川匘達(38)は圌女の旊那ずは䌚ったこずがあり、印象は少し気匱っぜい奜青幎だった。優しそうな旊那で良かったず䞊叞ずしお思ったのに 
    「なあ神戞さん 䜕かあるなら話しおくれないか」
     圌は結婚12幎目の劻、優子ず小孊校3幎生の長女、保育園幎長児の次女を持぀パパ。家族想いな圌にずっお郚䞋が悩んでいるのは家族が悩んでいるのも同じこず。䞊叞でも介入すべきではないず思っおいたが、ここは聞いおおくべきだず思い切っお尋ねる。
    「本圓に䜕でもないですから 」
    「嘘だろ目を芋ればわかるんだよ。君が結婚しおからだったけど、毎日元気ないし それにお客さんずも顔を合わせたがらない 」
    「  」
     圌は気付いおいる。䜕故厚手のゞャンパヌを矜織っおいるのかはおそらく栄逊が足りおいなくお䜓枩が䜎くなっおいる。それに服の䞋は傷だらけだろう。答えられない圌女の身䜓はブルブルず震えだした。
    「倧䞈倫か 」
    「すいたせん 」
     結局この日は昌前で早䞊がりした。ずっずこの調子なら仕事など続けられないだろう。

     匘達の予想通り、真矎が家に垰れば団欒ずはほど遠い地獄の堎所だ。
    「ただい 」
     ガシャヌン
    「おいテメェピザ買っおきたんだろうなぁ」
    「さっきあなた マックのハンバヌガヌが食べたい 」
    「気ぃ倉わっおピザの気分なんだよ」
    「そんな急に蚀われたっお 」
     ドスッ
    「やめお 痛ぃ 」
     圌女に暎力を振るう男は旊那の神戞卓郎(25)。数ヶ月前たで倉庫䜜業員をしおいたが、商品を砎損させたにも関わらずに䞀切謝眪せず、逆ギレしお玍品するはずの商品を故意に砎損させお解雇された。それ以降は劻に寄生し、無茶な芁求をしおは暎力を振るうなどもはや救いようのない兞型的なダメ男ず化す。
    「いやぁ 熱い 熱い 」
     男は圌女の背䞭に䜕の躊躇もなく熱湯をかけおいる身䜓䞭あざず火傷だらけで死んでもおかしくないほどの重傷。元々52kgあった䜓重は39kgにたで激枛し、身長163cmでこの䜓重は痩せすぎどころではない。男は匱り果おた圌女を芋おも䜕も感じない。さらに
    「やめお おねが 」
     ガン 
     䜕ず頭郚に空のビヌル瓶で殎り぀ける幞いただ息しおいるが、圌女の意識は颚前の灯火。
    「汚ねぇな 掃陀しずけよク゜女が」
    「うぅ (私っお䜕のために生きおいるの)」
     結婚する前は優しい人だったのに どこで私は人生を間違っおしたったのだろう 
     圌女で鬱憀を晎らした旊那はかなり酔っ払っおいるのか満足したようにすぐ爆睡した。
     そしお圌女は、気付いたらマンションの屋䞊に立っお身を投げようずしおいた 結婚を喜んでくれた䞊叞には申し蚳ないけど、もう耐えられそうにない 来䞖こそ良い出䌚いがあるこずを信じよう。
    「   」
     ガシッ
    「 誰」
    「酷く远い蟌たれおいるようね神戞真矎さん 」
     圌女の身投げを止めたのは50代前埌の女性。䜕故圌女の名前を知っおいる
    「私の名前は奥野明矎(50)。よかったらあなたにずっお人生の壁を越えさせおあげようかしら」
    「どういう 」
    「簡単に蚀えば、䞍芁物凊理よ」
     笑顔で語っおいるが目の奥に芋えるのはドス黒い䜕か。圌女から感じられるのは安心感ず䜕故かわからない恐怖感。
    「ねぇ、この際私を信じおみない決しお悪いようにはしないから」
     真矎は䞀瞬悩んだが、このたた䜕もしないのは死を埅぀しかない。
    「はい 」
    「決たりね。ちょっず堎所移そっか」

     翌日の23時過ぎ。
     りヌりヌりヌ
     東京郜内のマンションで殺人事件が起きた。殺された被害者は神戞卓郎25歳。
    「りッ 」
     手足の爪は党お剥ぎ取られ、さらに䞡目たでくり抜かれおいる。盎接的な死因は頞動脈を掻っ切られたこずによるものだった。譊察官ですら目を䌏せたくなる状況、明確な殺意を持っお殺害したのは蚀うたでもない。被害者には結婚したばかりの劻がいるが珟圚行方はわかっおおらず、加害者である可胜性はあるかもしれないが蚌拠は䞀切ない。
    「でも酷いやり方だ 」
    「あぁ 俺も長幎譊官やっおるが、こんなのは芋たこずない 」
    「殺されお圓然 じゃないですか」
     殺されお圓然だず今そう蚀ったのは誰だ
    「おい 悪魔が来たぞ 」
    「しっ あたり蚀うな 」
     埌ろから䜕の気配もなく珟れたのは若手の刑事である氎瀬幞人(28)。元公安譊察の経歎を持぀男だが、本性はかなりのサむコパスで感情ずいったものがたるでない。加えお超メンヘラでキレたら䜕をされるかわかったものではなく、高校時代には圓時亀際しおいた女子生埒が少し疑わしい行動をしただけで監犁したずいう噂が流れおいる。
    「氎瀬君 殺されお圓然ずはどういうこずかね 」
     恐る恐る尋ねたのは䞊叞で譊郚の坂本逞郎(52)。
    「知らないんですかこの男 奥さんを奎隷のように扱っおたクズ野郎ですよ。それにコむツは、16の頃に避劊に倱敗しお同玚生を劊嚠させた男でもありたす」
     圌の持぀情報収集力は矀を抜いおおり、被害者に関する情報はほが党お手に入れおいた。
    「確かに殺された被害者は無念かもしれたせんが、予め前科などは頭に入れおおいた方がいいです」
     本人は挑発しおいる぀もりがなくおも呚りから芋れば䞊叞を挑発しおいるようにしか芋えない。ああは芋えおも圌が持぀信念は本物で、犯人逮捕ぞの執念は燃やしおいるが、同時に被害者に察する感情は「殺されお圓然」であるこず。芁するに葛藀を持っおいる。それず圌にはどうしおも犯人に蟿り着かなければならない理由があった。
    「ちょっず氎瀬君 」
    「先戻っおたす 」
     圌はサむコパスに加えお非垞に気分屋だ。䞀䜓先に戻るずは䜕か飜きたこずでもあったのかどんな質問でも普通に問い掛けるこずができるのは䞊叞の坂本のみで他の者は怖くお聞けたものではない。そのためどうしおも知りたいこずがあるず坂本を通じお情報を埗るほどだ。謎だらけの氎瀬幞人だからこそプロフィヌルなどを知りたい者も倚くいる。
    「埅っおいろ 」
    「 」
     非垞に小さい声で攟った独り蚀は怒りが感じられる雰囲気だ。果たしお氎瀬幞人の目的は䜕なのだろうかそしお感情が䞀切感じられない理由。圌が最埌に蟿り着く「答え」ずは䞀䜓 

     䞀方真矎が飛び降りようずした盎埌。2人は近くの喫茶店ぞ堎所を移しおいた。それぞれブレンドコヌヒヌをオヌダヌする。
    「䞍芁物凊理っお䜕するんですか」
     あらかた想像はできるがやはり具䜓的な内容を聞いおおきたい。
    「その前に確認するけど、匕き返すなら今の内よもし私のもずに来る堎合なら、死ぬたで足枷を負うこずになるわ 」
     堎所を移す前に確認を取ったのに再床たた確認を取られるずは䜙皋のこずだ。それに今目の前にいる奥野明矎に関しお思い出したこずは、圌女は普段占い垫をしおいお雑誌でも床々芋たこずある顔だった。
    「確か奥野さんの占いは圓たる(95%)で有名ですよねもう匕き返さないですよ」
    「わかったわ 知っおるず思うけど、私は占い垫よ。けど私の裏の顔はあんたの旊那のようなクズを殺す執行人よ」
    「執行人 あなた䞀人でですか」
    「リヌダヌは私だけどあなたず同じように悩んでた女性も執行人ずしお動いおいるわ」
     ずいうこずは自分も執行人の䞀人になるのだろうか぀たり自分ず同じように旊那からのDVに悩みに悩んだ結果なんだろう。そしお圌女自身この先どうなっおも構わないからずにかくこの状況を打砎したい。
    「じゃあ本圓に 私の旊那を殺っおくれるんですか」
    「あなたが望むなら私が殺るわ。䞀緒に殺るっおなら別だけどね」
     確かに奥野明矎に旊那殺害を任せおおいた方が安党安心だ。だが毎日毎日死んでもおかしくない暎力を振るわれ、仕事もせず絊料を搟取され続けた圌女は自分で手を䞋さなければもう気が枈たなくなっおいた。
    「私にも殺らせおください 」
    「望むなら構わないわ けど、あなたも正真正銘の執行人になるわよ」
    「私は旊那のこずがどうしおも蚱せないんです 」
    「そうず決たれば早速蚈画を立おるわ。それにあなたが人殺しをした事実は䞖に出ないようにうたくやるから」
    「どんな蚈画ですか」
    「倉わり果おた姿を芋れば、この䞖のものずは思えないほどの光景になる殺り方よ 」

     ゎクゎク カシャン 
    「りッぷ 」
     18時を回っおいるのにどうしお垰っおこないんだ こっちは腹が枛っお死にそうなのにアむツは 
     神戞卓郎は仕事をクビになっお以来職をたずもに探す気もなく、元々アルコヌルず競銬にハマっおいお最終的に沌にもハマっおいた。奎にずっお劻の真矎は暎力を振るっおも殎り返さない、口答えを䞀切しない理想の女。自分が仕事をしなくおもアむツから搟取すればいい。なんお考えおいた。それよりも遅すぎる 
     ガシャヌン
     すぐにでも真矎を殎らなければどうにかなっちたいそうだ マゞで芚悟しずけよお前 
    「芚悟するのはアンタよ 」
    「 誰だ」
     今の声は䞀䜓誰だしかし呚りを芋枡しおも誰もいない。酒飲みすぎお幻聎がふっず聞こえおきたのだろうか
    「気のせいか 」
     するず
    「ムッ 」
     突然埌ろから物凄い力で口を塞がれる必死で抵抗しおも力が匷すぎお匕き剥がすどころか、掎んでいる腕は女性なのか非垞に现い。息ができなくなった卓郎は抵抗虚しく意識を手攟した。

    「ムゥ゙ ムゥ 」
    「起きたわね」
     ガムテヌプで口を塞いでいるのにかなり酒臭い。
     ビリッ 
    「おいテメェ誰だコラこれは監犁だろ」
     ドスッ
    「グボォ 」
    「うるさいお口 流石暎力男の舌は劙に回るわね」
    「テメ 」
     女に拘束された䞊に腹を思い切り殎られた卓郎のプラむドはズタズタにされそうだ。
    「叫んでも無駄よ。やたら高いマンションに䜏んでるこずが仇になったわね」
     手足はガッチリ固定されおいおビクずもしない。この女は䞀䜓䜕者なんだ。50代に芋える倖芋からは想像も぀かないほどずにかく力が匷すぎる。男の卓郎が抵抗しおも無駄だった。
    「さあどうぞ 」
    「俺をどうする気だ」
    「さぁそれはこの人次第ね 」
    「お前 真矎」
     拘束された卓郎の前に珟れたのは傷だらけの身䜓をゞャンパヌで隠す劻の真矎だった。い぀もなら生気など感じられない様子なのに今日は䜕故か衚情がハッキリしおいる。
    「テメェどういう぀もりだこんなこずしおタダで枈むず思っおんの、ガァ 」
     圌女がお芋舞いしたのは巊胞に萜ずすストンプそれに真矎が履いおいるブヌツは私物じゃない。鉄でも入っおいるのか䞀螏みが非垞に重い。
    「カヵ 」
     仰向けに拘束されおいお声が思うように出せない。い぀もなら暎力を振るっおも䞀切抵抗しない圌女が鬌のように冷たい目で自分の胞を螏み぀けた。卓郎は恐怖を感じたのか涙目になる。抵抗する気力を倱い続ける卓郎に芋せたのはホヌムセンタヌなどに売っおいる䜕の倉哲もないペンチ。
    「䞇が䞀声が挏れおも困るから塞いでおくわね」
    「ありがずうございたす 」
     明矎は慣れた手぀きで卓郎の口を䜕重にもガムテヌプで塞ぐ。これから行うこずは即ち
     ブチッ 
    「カァヌヌ 」
     たずは右手の爪を䞀぀ず぀ペンチで匕き剥がす。やり慣れおいないのがたたタチが悪く、䞍噚甚で爪だけじゃなく肉の䞀郚たで匕き剥がされる痛みに涙が止たらない。圌女は冷たい芖線を送りながら䞡手の爪を党お匕き剥がすず、そのたた流れ䜜業のように䞡足の爪たで剥ぎ取った。
     ガシャ ガシャ 
     痛みで必死に身䜓を動かすが拘束具は䞀切緩たらない。
    「そういえばこの男はお酒が奜きず蚀っおたわよねならあれがいいんじゃない」
    「そうですね 」
     明矎が取り出したのはアむスピック。このアむスピックは家に眮いおあった私物で、卓郎から「炭酞割り䜜れ」ず蚀われた際に䜿甚したが「氷倚すぎお炭酞抜けおんだよ」ず怒鳎られお倪腿を刺されたこずがあった。最埌は自分が劻にしたように同じ道具で拷問される。この絶望感は筆舌にしがたいだろう。
    「䜕か蚀いたそうね」
     明矎は卓郎の口を塞ぐガムテヌプを無理矢理剥がした。
    「悪かった 今たでのこずは党郚謝るから お前を殎ったこずに関しおも自銖するだから助けおくれ 真矎」
    「どうするの」
     圌女は瞳孔を開いたたた顔面を至近距離に詰める。
    「そうね 私だっおあなたを愛しおたわ けど、私がこの手で殺しお死䜓になったあなたのこずなら、もっずあなたを愛せるかもねぇ ハハハハ ハハハハ 」
    「お前 ホントに、どうしちたったんだ 」
    「もう私なんお芋ないでいいわ 」
     再び口を塞いでアむスピックを県球ぞ突き刺す
     ブスッ 
    「アァァァァヌヌ 」
     もはや神戞真矎は人間じゃない ただ目の前にいる怚敵を狩る獣だ。
    「死ね 」
     ザシュ 
     そしお圌女は容赊なく卓郎の銖を包䞁で掻っ切った頞動脈はスパっず切れお即死だった。1時間以䞊爪を剥がす拷問に加え、さらに愛甚しおいたアむスピックで䞡県球を抉り取られる。普通の人間ならたずできない凶行を圌女はやっおしたった 䞡手に぀いた血痕を眺める圌女に明矎は
    「付いおきなさい 」
    「 はい 」
     埮笑みの埌に続く返答。圌女が執行人になるたでの時間はかなり早いものだった。愛しおる愛しおないに関わらず本来人を殺したり、傷぀けおはならない。どんなに優しい人でも理性が壊れるたでのリミットは存圚する。そのリミットを超えるかどうかは、呚りの環境次第で倉わっおしたうのだ 

     卓郎殺害から2日埌の15時過ぎ。
    「ちょっず氎瀬君 どこ行くんかね」
    「どうしお僕の野暮甚に付いおくるんです」
    「急に䌚議抜け出したら䞊叞が本来止めなきゃいけないからだよ けどそんなに急いでどうしたんだよ」
     幞人は急に䌚議から抜け出しお早歩きでどこかぞず向かっおいる。圌を埌ろから远っおきたのは坂本だ。気分屋であっおも倧事な䌚議の途䞭でどこか行くのはしたくおもたずできない。今回殺害された神戞卓郎に関しおの䌚議だったのだが、圌は皆より先に情報を掎んでいた。䌚議の内容が自分が持぀情報の範囲より知れるものがあればず期埅しおいたが、思ったよりなくおすっぜかしたのだ。それず圌には目的がある。
    「なあどこたで行くんだ」
    「被害者が金を盗んだマフィアのダサですよ 」
    「な 䜕だっお 」
    「あっ坂本さんやっず芋付けたした 」
     結局圌のこずが気になったのは坂本だけじゃなくもう䞀人远っおきた刑事がいた。圌の名は山口真悠斗(33)。党力疟走しお蟿り着いたようだ。
    「山口さんも来たんですか 」
    「だっお気になるだろ君の行動はい぀も突発的すぎんだよ それよりどこぞ」
    「マフィアのダサ みたいだよ」
    「はぁぁ 」
     3人が勀務する譊芖庁葉琉州譊察眲から実に5km以䞊の距離を歩いおいる。そしお遂に
    「ここがなのか」
    「はい 」
    「けど逮捕状も䜕もないぞ䜕をするんだ」
    「芋るか芋ないかは任せたす」
     坂本や山口が圌を远っおいなければ䞀人でマフィアのダサに飛び蟌むこずになる。しかし圌は元公安譊察だ。マフィアなど脅嚁ではないのだろうか
     キィィ バタンッ 
    「䜕か甚かサツの連䞭か」
     建物の䞭には厳぀い青韍刀やメむスなどを持っお倖に出る寞前だったマフィアが数名。この圧には流石の坂本ず山口もビビる。
    「あんたたちから神戞卓郎ずいう男が金を盗みたしたか」
    「知っおんのか䜕 お前が盗んだ金でも払うのか」
    「僕が フフ あなたたちのような人間にどうしお僕が 無駄金を払うのですか」
    「䜕だず なら俺たちをずっ捕たえようっおか」
    「その前にあんたが出ようったっお無駄ですよ神戞卓郎は昚日死んでいたすから」
    「䜕 」
     やはりずいうか前日のこずは把握しおいなかったか。たさしく神戞卓郎本人を捕たえお搟り取るか、身䜓そのものをコレクションにしようずしおいたのだろう。しかしマフィアから金を奪い取ろうずは 䜙皋の金欲しさだったのだろう。
    「あんたの目的は神戞卓郎だけじゃありたせんね今僕からこの話を聞いお、奥さんの神戞真矎さんを拐おうっお魂胆じゃないんですか」
    「ク゜ッ ここたでバレちたっおんなら仕方ねぇ おい」
     カンカン
     マフィアの䞀人が青韍刀を床に叩いおカンカンず鳎らす。するず
     コツコツコツ
     ざっず数えお15人 いくら盞手が刑事でもマフィアにずっお怖くなど䜕ずもない。
    「マゞかよ 氎瀬君 」
    「䞋がっおおください 」
    「やれぇ」

     海倖マフィア
     15人のマフィアが圌に襲い掛かるしかし圌は非垞に冷静な衚情で眉䞀぀動かしおいない。するず電気が点いおいる蛍光灯に目掛けおコむンを飛ばし、呜䞭した蛍光灯はバリヌンず割れる。するず埮量だが砎片が萜䞋し、それに動揺したマフィアは錯乱する。気付いたら至近距離に迫っおいた圌による䞀方的な攻撃だ。
     バキッ 
     圌は䜕ず䞀切躊躇もなく䞀人の銖を180床捻り曲げおしたう圓然銖を折られれば即死だ。容赊のない圌の姿を芋た山口はこの䞖のものずは思えない光景を芋るかのように瞬きすら忘れおいる。しかしマフィアにずっおはたかが䞀人殺られたくらいだ。どんな鋭利な歊噚でも氎瀬幞人にずっおお遊びにしか過ぎず、あっずいう間に残りの13人は銖を逆方向に折られ、最埌に残った䞀人は青韍刀を奪われお䞡手足を切り萜ずされた。
    「坂本さん あの人は䜕者なんですか 」
    「圌は、芪の愛に人の愛など知らない いや知るこずができなかった元公安、それが氎瀬幞人なんだ 」
     神戞卓郎の死により、劻の真矎を拐っおコレクションにしようずした海倖マフィア。氎瀬幞人によっお未遂に終わったが、䜕故圌はここたで躊躇もなく人の呜を奪えるのだろうか圌の本圓の目的。それは倧切な人ず䌚うこずにあった。果たしおそれは誰なのだろうか


    ・EPISODE2 幞人ず真矎
     プルプルプル プルプルプル プツッ ただ今、電話に出るこずができたせん 
    「どうですか」
    「繋がらない ハァ〜 どうしちたったんだよ 」
     真矎は既に1週間以䞊無断欠勀をしおいた。それに無断欠勀が続く前に神戞卓郎が殺害されたずいうニュヌス。ニュヌスでは結婚しおいる事実や圌女の名前は䞀切報道されおいないが、同じ職堎の人間なら神戞真矎が犯人なんじゃないかず疑いの目を向けおいる。おたけに電話が䞀切繋がらない 蚀い方悪いが、あんな臆病で匕っ蟌み思案の圌女が殺人など犯せるのだろうかず皆が疑問の目を向けおいる。それにしおも本圓にどこぞ行っおしたったのだろうか譊察は「捜玢䞭」ずしか述べおいない。もし圌女が犯人なら殺害動機、どのような心境だったのかは確かめおおく必芁がある。
    「でも私は信じられたせん 神戞さんが人を殺せるような人には芋えないし、けど盞圓な暎力受けおたみたいですよね」
    「あぁ 倚分ゞャンパヌも党身の傷を隠すためだったんだろう 」
    「じゃあ、やっぱり耐えられなくなっお殺した 」
    「そんなこず俺だっお考えたくねぇよ 」
    「川さん 」
    「けど、ずにかく神戞さんの行方がわからなければ話は進たない 俺が盎接譊察行っおくる だから、神戞さんのこずは俺に任せおくれないか 」
     郚䞋の声も届かなくなった川匘達。圌ず圌女はただ同じ職堎で働く䞊叞ず郚䞋に過ぎないはずなのにどうしお圌女をそこたで想うのだろうかそれに圌は倧事な家族を持っおいる。固執する理由はそこたでないはずなのだが 

     翌日の土曜日。川は葉琉州譊察眲を蚪れおいた。この日担圓するのは坂本逞郎だ。
    「急にすいたせん 川匘達ず申したす。神戞真矎の行方はただわかりたせんか」
    「あなたは、お話で聞いた奥様の䞊叞さんですね」
    「はい ただ芋付かりたせんか」
    「はい 我々も総出で远っおいるのですが、手掛かりもなくお 」
    「そうですか 」
     芋るからに譊察が䜕かを隠しおいる様子はなく、総出で远っおいるのにどうしお蚌拠すらないんだず困っおいる衚情も芗える。神戞真矎の身蟺調査で刀明しおいる事実ずしお芪族は殺された卓郎のみ。䞡芪の方は既に亡くなっおいる。
    「ですが、䞀぀の蚌拠にこのアむスピックがありたした」
    「アむスピックですか」
    「凶噚の䞀぀ですが、被害者ず奥様の指王が怜出されおいたす。䞡方の指王がある以䞊い぀䜿われたかはただわかっおたせんが 」
    「それ以倖は芋付かっおいない感じですか」
     川は関係者ずはいえこれ以䞊の詳现は教えられない。あずは必ず圌女を芋付けるず蚀うしかできなかった。
    「これ私の携垯です。もし䜕かあったら私にお電話ください」
    「ありがずうございたす すいたせん、お時間いただきありがずうございたした 」
     川は譊察眲を埌にした。やはり䞀人で行方䞍明になるのは圌女の性質からしお考えられない。どこかに匿われおいるのだろうか腑に萜ちないこずばかりで毎日がスッキリしない そんなずき
    「川さん 」
    「ん 」
     埌ろから誰かが声を掛けおきた。さっきたで話しおいた刑事さんよりもかなり若い声。振り返るず
    「君は、違う刑事さん(゚ラい若くおむケメンだな )」
     その声の䞻は20代のむケメン。しかも党身黒尜くめのスヌツが非垞におシャンティに芋える。真矎ず同じくらいか
    「突然倱瀌したした 僕は氎瀬幞人ず申したす」
    「氎瀬さんですか (䜕だこの冷たい感じの雰囲気は)」
     明らかに初察面だが䜕故か圌は自分の名前を知っおいる。
    「先皋も確認あったず思いたすが、あなたが神戞真矎さんの䞊叞様ですね」
    「そうですが」
    「居堎所など心圓たりはありたせんか」
    「いや 」
    「あなたが神戞真矎さんを探す理由 䜕か特別な理由があるんじゃないんですか」
    「特別な理由なんかない 」
     圌は䜕かを察しおいるような様子だ。真矎に身寄りの者がいなければ探し出せるのは自分しかいないず考えおいるのだろうかだが身寄りがいなくおも職堎の人間や友人が家族の代わりに捜玢願を出すこずは珍しいこずじゃない。しかし今回の担圓は幞人じゃないはずなのに、川にここたで情報を聞きたがるのも䜕か理由があるのは蚀うたでもない。
    「神戞さんに身寄りがいないのは、もしかしたら嘘かもしれたせんよ 」
    「 もうそれ以䞊はけっこうです 倱瀌したす 」
     川はたるで自分の郜合が悪くなったかのように去ろうずする。
    「神戞真矎さんは䜕者かに匿われおいる可胜性がありたすそれに僕は元公安だ今あなただけが動いお解決できる問題じゃない」
     圌の匵り䞊げた声を無芖しお去る。情報を誰よりも掎んでいる幞人に特別な理由を持っお圌女を探しおいる川匘達。圌らの運呜は䞀䜓どうなるのだろうかそんなずき
     コ゜コ゜ 
    「やはり 神戞卓郎は厄介な連䞭ず絡んでたか 」
     埮かな殺意を感じ取る圌の目に映ったのは川を背埌から远う圱。川は远われおいる気配に気付いおいないが、远っおいる偎も背䞭隙だらけで圌の存圚に気付いおいない。そしおあっずいう間に
     トントン 
    「 」
    「 」
     圌はそのたた2本指で喉元を突いお意識を奪う。近付く前から䜕ずなく感じおいたのはその正䜓が女性であるこず。匷く突いおいないためすぐに目を芚たした。
    「 んん 」
    「圌はタヌゲットになる人間じゃないはずだ 䜕が目的ですか 」
     圌は女性が被っおいるニット垜ずマスクを優しく倖した。女性盞手には優しいのかその玠顔の正䜓は高橋知沙(40)。海倖マフィア盞手には容赊なく銖をぞし折っお殺害したのに知沙にはこの衚情。
    「あなたを雇っおいるのは誰です」
    「知っお䜕するのよ」
    「別に教えたくなければけっこうです 確かにあなたたちに殺されお圓然な人間はいるでしょう。ですがあの人は違うでしょう」
    「 」
     単独で動いたのかもし圌の予感が圓たっおいるなら雇い䞻は川匘達を殺害しろなんお呜じるわけがない。
    「あんた 䜕を知っおるのよ」
    「蚀ったらネタバレになっおしたいたす それより、ちょっず付き合っおくれたせんか」
    「はっ 」
     圌は優しく手を差し出しお知沙を立たせた。氎瀬幞人の目的は盞圓の謎だらけみたいだ。
    「どこ行くの」
    「損はさせたせんから 」
     どうやら䞀目惚れしたようだ 

     3幎前。高橋知沙(圓時37)は人材掟遣䌚瀟で営業職をやりながら配送業に勀める倫ず䞭孊1幎生の息子、翔星ず暮らしおいた。だが倫は仕事のミス、正確には利益を倧損させたずいう濡れ衣を着せられ、党面的に「お前が悪い」ず䞊叞から眵られたこずのストレスによりアルコヌルに逃げるようになる。さらに飲み䌚埌に揉め事を起こし、倫の䞊叞に知沙が呌び出されるこずもあった。酒が党く飲めない知沙にずっお倫の行動は党然共感できない。配送業なら圓然車を運転する。酒癖が非垞に悪ければ二日酔いの圱響で圓日の仕事がパヌになっおしたったのは蚀うたでもない。そしお酒癖の悪さが生んだ暎力の矛先が遂に家族にも向いおしたう 
    「おい知沙酒が切れたぞ 」
    「ちょっず流石に飲みすぎよ もうお金もないし 」
    「金なきゃお前の芪から奪っおこい 」
     バリヌン
    「キャッ」
     1ヶ月で最倧15䞇円が酒代に消えおいた。圓時倫の月収は35䞇円、さらに䜏宅ず自動車ロヌンも乗し掛っおいる。さらに翔星も䞭孊に䞊がっお塟の費甚など䜕かずお金が掛かる。
    「もう私の皌ぎだけじゃ 」
    「ただいた 」
    「おかえり 」
    「どうしたのお父さんはたた飲んでる」
    「うん 」
     息子の䞖話をするのは党然苊じゃないのに倫の䞖話たでしなければならないのは流石に苊だ。だがもう今月分がピンチ 家は匕き払うしかないのか知沙は䞀筋の光を信じお倫に盎談刀をするこずに
    「ねぇ お酒やめろずは蚀わないけど、そろそろ働いおほしいの。もう貯金尜きたのよ 」
    「今は充電期間なんだよお前が䜕ずかしろ」
     そうは蚀っおも半幎以䞊働いおいない。悪すぎる酒癖ず無断欠勀によっお䌚瀟を解雇されおから新たな職を探しおいない。さらにその日は説教されお苛立っおいるのか
    「もう俺は働かねヌよ酒持っおこい」
     倫以䞊に知沙の方が苛立っおいた。毎日酒ばっかで空猶も䞀切片付けず、苛立ったら自分に暎力を振るう。もう、殺しおしたえばいいんだ 
    「おい䜕するんだ」
     知沙の右手には包䞁が握られおいたベロンベロンでも包䞁を向けられたら流石に焊る。
    「死ね 」
     グサッグサッグサ 
     知沙は倫の䞊半身が原型を留めないほどグチャグチャに滅倚刺しにし、知沙の顔は返り血で真っ赀になっおいた。そしおさらに
    「ただいた ママ 」
     䜕ず間が悪いこずに翔星が垰っおきおしたった
    「な 䜕しおんだよ ママ 」
     ギロ 
    「ひぃ 」
    「芋たわね 」
     既に優しかった母芪の目じゃない。本人曰くこのずきの蚘憶はほずんどないずいう。翔星は血に染たる母の顔を芋お倱犁する。気が付いたら 
     ピチャ ピチャ 
     返り血を螏んだ足音がのろのろず近付いおくる 癜い靎䞋は真っ赀に染たっお生枩い感觊が歩いおいる音で感じる。
    「ねぇ 翔星違うの ママは 」
     たるで赀鬌のように真っ赀になった母の顔。本来翔星は母芪のこずが倧奜きなママっ子だ。圌は䜕ずか震える声で
    「ママ わかった だから譊察に行こう 」
     もしかしたら殺されるかもしれない恐怖に震えながら必死で譊察に匕き枡そうずする。このたた逃げお捕たったら死刑になっおしたうかもしれない。けど正盎に自銖すれば眪は少しでも軜くなるはず 翔星はゆっくり母の手を繋ごうずするが、圌女の巊手は 
    「ママ 」
    「ごめんね翔星 ママのために死んで 」
     バチンッ 
    「痛ぃ 」
     圌は生たれおから䞡芪に殎られた、叩かれたこずなど䞀切ない。あんなに優しかった母芪はもはや人間ではなく獣。そしお圌女の目に映る翔星は愛する息子じゃなく獲物だった 
    「ママやめおママ 」
     バチン バチン 
     圌女は銬乗りになっお䜕床も翔星の顔面を平手で殎り続ける 
    「痛いよぉ ママ 䜕で 」
     翔星の顔はパンパンに腫れ䞊がっおいお涙が止たらない。それでも母の頬に觊れようず手を䌞ばすが
    「死ね 」
     䜕ず知沙は実の息子の銖を容赊なく䞡手で絞める圌は薄れゆく意識の䞭、䞀切抵抗せずただ母の頬に觊れようずするだけ。自分の呜が消えかけおいるのに䜕故抵抗しないのか圌は抵抗したくおも、そんなこずしたらママが怪我をするのではないか ママを傷぀けたくない それしか頭になかった。
    「やめお ママ 」
     知沙は䞀切力を緩めず殺意に満ち溢れた衚情のたた、愛する翔星の銖を絞め続け 
    「   」
     翔星は倧奜きな母に銖を絞められお殺害された ただ翔星は13歳。
    「ハハハ ハハハハハ 」
     知沙は笑いながら血に濡れた手を芋詰める。震えが止たらない。眪悪感か、それずも興奮なのか、自分でもわからなかった。今日に至るたで愛しおいたのは停物の家族だったのかそんなはずはない 私は家族を愛しおいた 倫が酒に溺れたのも私のせい 私が歪んでいるせいで小さい呜たで奪っおしたった 
     その埌私は奥野明矎さんに拟われお生掻しおいる。殺害した眪を懺悔しおい぀かは自銖しようず思っおいるけれど、あの人に恩を返すたでは捕たれない。それなのに、今抱いおいる裞の男の子がたさか刑事さんだなんお 気持ち良いから今は蚱しおほしい 
    「フゥ 」
    「ありがずう こんなの久しぶりだわ 」
    「知沙さんこそ 」
     ベッドの䞊には静かな䜙韻だけが残っおいた。知沙は久しぶりの安堵に小さく息を吐いた。幞人はあの埌知沙を連れお食事し、本人曰く自然的な流れでホテルぞ行くに至った。それにしおもきちんず恋愛感情や性欲を持぀。やはり圌も䞀人の男だろう。これだけ芋ればただ単に快楜目的で知沙を誘ったずしか思えないだろうが、実はこれも蚈画の䞀぀だ。ただ圌は知沙の雇い䞻の正䜓を知らないが、知沙ずの接觊で䜕か有力な情報が埗られるかもしれないず螏んでいる。
    「䜕で譊官なのに人殺しの私なんか誘ったのしかもこんなおばさんを 」
    「䞀目惚れしちゃった んですよ」
    「えっ 」
    「別にあなたを逮捕するこずが目的じゃありたせん。正確には、あなたの呚りにいる女性の方が目的です 」
    「  」
    「勿論教えおくれないのならそれ以䞊聞きたせん。ですが」
    「䜕よ 」
    「いざずいうずきはあなた、いやあなたたちの身柄を拘束したす 」
     やはり知沙から情報は埗られなかった。圌は非垞にサむコパスだず蚀われおいるが無理匷いはしない。実は子䟛ず女性盞手には優しいのだ。それも過去の出来事がキッカケだが 
    「フッ そのずきは、私が倒す 」
     䜕故だろうこの氎瀬幞人っお男からは優しくお甘い銙りがする 今日たで譊察に远われおいたけど、䜕故かあの子の傍にいるず凄く安心する けど私も譊察に捕たるほど甘い女じゃないわ 幞人君、あなたがその気なら私が倒すわ 

    「ありがずうございたす 」
    「お瀌蚀われる筋合いはないわ でもこれであなたも人殺しよ。芚悟できおたず思うけど」
     元旊那を殺害しおから1週間。傷がほずんど癒えない真矎は明矎のもずぞ行っおいた。仕事は無断欠勀を続けおいるためほがクビ確。いたいち明矎の資金源はどこからなのか気になる面はあるが、圓面の生掻は卓郎の生呜保険金を少々裏のルヌトで手に入ったため困るこずはないだろう。だがお金問わず䞀床手を汚しおしたったのならずっず明矎の傍にいるこずが最善の策だろう。
    「次は誰を殺すんですか」
     気付いたら自分から聞いおしたった。圌女は自分ず同じように悩む女性が沢山いるだろうず考え、奪う呜があれば救われる呜もあるず信じおいる。
    「嚁勢が良いわねなら教えおもいいけど コむツよ」
    「森雄吉ですか」
    「そうよ。芋ればただの奜青幎だず思うけど、この男は子䟛の敵よ」
    「子䟛の敵 」
     聞けば倖道だ。森雄吉(43)は有名倧卒の゚リヌトサラリヌマンで営業成瞟は絶奜のうなぎ登り。小孊6幎生の嚘がおり、今幎控える有名私立䞭孊に向けお勉匷しおいる。これだけ聞けば芪子揃っお゚リヌト街道だず思うだろうしかし森の裏の顔は完党に理想を嚘に抌し付け、完璧にならなければ認めないずいうほど教育が行きすぎおいる。少しでも自分の理想にそぐわないようなら暎力面でも虐埅し、劻は嚘を守ろうずしおも男性の力には敵わなかった。その男が明矎のタヌゲットだ。しかし
    「その前にこの男 」
    「誰ですか(むケメン )」
    「むケメン」
    「あっ 」
     ぀い心の声が挏れた たさかこの男もタヌゲットなのだろうか殺そうにも殺せなさそう 
    「えっず この男はどんな奎なんですか」
    「刑事よ」
    「譊察」
    「それも元公安譊察の匷者。名前は氎瀬幞人28歳」
    「そい぀も殺すんですか」
     䜕故明矎が氎瀬幞人の写真ず情報を持っおいる圌は女性関係などでトラブルを起こしおいないのに。しかし回答はどこか含みのあるものだった。
    「いえ この男はタヌゲットじゃない。でも気を付けた方がいいわ 」
     確かに刑事なら今回の殺人事件を远っおいるため、譊察の手からは逃げ続けなければならないが、䜕故明矎は䞀人の刑事に限定しお写真を出したのだろうか
    「簡単に蚀えばこの男はサむコパスよ。私でも怖い存圚 近付いおきたら逃げるか、私に連絡を入れお」
     明矎でも怖い存圚それにどこか衚情が哀しげでどこか含みのある感じだ。
    「倚分氎瀬幞人は近い内、私たちに近付いおくる 」
    「明矎さん その氎瀬幞人ずはお知り合いずかなんですか」
    「昔ちょっずね 」
     でも埅お奥野明矎は50歳で氎瀬幞人は28歳。幎霢差は22歳差。芪子くらい離れおいる。たさかずは思ったが「昔ちょっず」ず蚀うくらいなら芪子ではなさそうか 
    「ただ傷も癒えおないから、もう垰りな」
     圌女はその埌明矎が甚意しおくれたアパヌトに䜏んでいる。流石に元旊那が死んだ郚屋に䜏むのは趣味じゃない 垰る前に1杯飲んでこっかな 

     その日の倜。
     カランカラン 
    「いらっしゃいたせ ご泚文どうしたしょう」
    「スコッチ(ホワむトホヌス)の゜ヌダ割りください」
     幞人はい぀も立ち寄るバヌぞ飲みに行っおいた。
    「い぀ものですね。かしこたりたした 」
     カラン シュワシュワ 
    「どうぞ 」
     ゎクゎク 
     圌のオヌダヌはい぀も決たっおスコッチりむスキヌの゜ヌダ割り。錻に抜ける独特な銙りが奜きだ。ゆっくり楜しみながら飲んでいるず
     トン 
     ぀いグラスを眮く音に反応する。3぀先のカりンタヌに座っおいるのは若干20代の女性。それにただ寒くないのに厚手のゞャンパヌだ。芋るからに普通じゃないのは気配ですぐわかる 
    「マスタヌ あの方にも同じのお願いしたす」
    「かしこたりたした 」
    「ハァ〜 」
     トン 
    「」
    「あちらのお客様からです 」
    「どうも っお (この男 たさか )」
     間が悪すぎるし明矎から泚意されたのに出くわしおしたうなんおマズい このたたじゃ捕たっおしたう
    「(ここは逃げるか けど明矎さんが元公安ずか蚀っおた 無理に決たっおる)」
     しかし
    「隣、いいですか」
    「えっ 」
     話し掛けた声は非垞に穏やかだった。こんな人が元公安なのかず疑うが、身䜓䞭から溢れ出る狂気が明矎に䌌おいお同様の安心感もある。
    「(血の匂い)」
     圌女の嗅芚は突然鋭くなっおいた。たさか氎瀬幞人も人を殺したこずがあるのだろうか
    「(神戞真矎か たさかこんなに早く䌚えるずは)」
     圌は思わず埮笑んだ。しかし圌女を逮捕する目的などさらさらない。だがこの2人の出䌚いが、埌に恐怖の枊ぞ呑み蟌たれるこずずなる 


    ・EPISODE3 亀差する愛情
    「(連絡するか )」
     しかしノヌルックでメッセヌゞを打぀ほど噚甚じゃない。掞察力を研ぎ柄たせお幞人の瞳をじっず芳察する。それでも䜕ずか
    「いやいや〜ありがずうございたす。私からも䜕か奢りたしょっか」
     取り敢えず悪いこずを考えおはなさそうだった。平然を装うが圌から溢れ出る狂気は卓郎ずは比べ物にならないほどで、もし怒らせたら盞圓ダバいこずだけはわかる あず身䜓䞭から出る果実系の甘い銙りに危険を感じる。
    「お気になさらず これは僕の奢りですから」
     そう蚀われおしたえば玠盎にいただく。私の正䜓に気付いおいないのか
     ゎクゎク 
    「(りッ キツむ )」
     どうやら少し口に合わなかったようだ。確かに酒の味は人それぞれ奜みは分かれる。だからこそ楜しみ方は沢山だ。
    「(この人は僕ず幎が近い。知沙さんず違っお本題を切り出せない それに着おいるゞャンパヌの䞋はおそらく傷だらけだ )」
     圌の方も蚀葉を出せなくなり思わず残っおいた酒を䞀気飲み。濃いめを飲んでいるのに䜙裕の面構え。
    「あの 䜕で私なんかに声掛けたんですか」
     少し明矎に䌌た安心感を感じたのか緊匵を解しお䌚話をしおみようず詊みる。
    「このお店、よく来るんですか」
    「私は初めおです」
     初察面なら誰でもするような䌚話を亀わす。2人は䜕杯か飲むず圌女の方が先に酔いが回った。
    「私神戞真矎ず蚀いたす あなたはぁ 」
    「氎瀬幞人です(ただ危機感は持っおいないか )」
     圌ず接觊したらずにかく気を付けろず泚意されおいたにも関わらず、名前を名乗っおしたうどころか泚がれた酒を飲んで酔い朰れおしたう。これは非垞に倧倱態だ。
    「スヌ スヌ 」
    「寝おしたいたしたか 」
     おたけに寝おしたった 本来犯人ずわかっおいる人物が目の前にいるのなら逮捕で終了の流れだが、圌の目的は逮捕ではなく圌女を守るこず。ただこの堎では明かすこずはできないが、実は奥野明矎率いる女性グルヌプには魔の手が迫っおおり、぀たり圌の目的は耇数ある。2人分の䌚蚈を枈たせお圌女をお姫様抱っこし、取り敢えず呚りに怪しい気配がないこずを確認しおひずたず圌の自宅ぞ。

    「んん ここは 」
    「目が芚めたしたか」
     気付いたら朝を迎えおいた。すぐ携垯を確認するず明矎からの着信が3件。これはやっおしたった ただ二日酔いが残っおいたが圌の顔を芋お䞀気に酔いが芚める。
    「あ あんた氎瀬幞人」
    「昚日自己玹介しおいたしたよ。盞圓酔ったみたいですね」
    「䜕であんたが」
     着おいたゞャンパヌがなく半袖姿。傷が䞞芋えだ。
    「私のゞャンパヌは」
    「汚れおたので䞀旊クリヌニングに出したした。それにその傷、䜕があったんですか」
    「たさか脱がせたのこの倉態 」
     圌女は氎瀬幞人が目の前にいる焊りずちょっずした怒りから圌に殎り掛かるが、傷だらけの圌女が敵うはずもなく
    「いたた 離しなさいよ 」
    「傷が酷くなりたす それに痩せすぎですね 」
     少しず぀食べるようになったがただ䜓重は40kgいったくらいだ。
    「ちょっずでも食べた方がいい 」
     数分経っお圌が出した食事はできたおのオムラむス。料理が埗意なのか 
    「さあ お口に合うかわかりたせんが」
    「 」
     パクッ モグモグ 
    「(えっ 矎味しい )」
     思わずスプヌンが止たらないほどの矎味にガツガツず食べ進める。結婚生掻では自分の分たで食い尜くされた圌女からするずこんなに矎味しい物を食べるのはかなり久々。倢䞭で食べ進めおいるず
     リンリン 
    「にゃあ」
     近くから鈎の音ず「にゃあ」の声が
    「玹介したすね。レオ(マンチカンのオス)ずミア(マンチカンのメス)です」
    「可愛い 」
     圌は2匹の猫を飌っおいる愛猫家だった。意倖にも圌は寂しがり屋で垞に心の癒やしを求めおおり、2匹の子猫を飌っおいる。
    「ちなみにですけどうちはペットカメラ搭茉です。なので昚日のやりずりも撮っおありたすよ」
    「えっ じゃあ服脱がすずこ撮っおあんの」
    「脱がせたのは䞊だけですよ」
    「脱がせおんじゃん 」
     意倖にも墓穎を掘っおしたう発蚀。確かに今着おいる半袖シャツは自分が持っおいないメンズ甚でゞャンパヌはクリヌニング䞭。それに靎䞋も履いおいたが今裞足ならそれも脱がせたなら圌しかいない。圌女は文句を蚀いながらオムラむスを完食するず
    「あぁもう私の服返しお」
    「ただ也いおないです。也くたでゆっくりしたらどうですか」
    「(遠回しに口説いおるし )」
    「それにその状態で倖に出たら真っ先に職質ですよ今あなたが容疑者かもしれないず远われおいるのはご存知なんですか」
     したった倧事なこずを忘れおいた しかし䜕故容疑者を前にしおいるのに圌は逮捕しない他に目的でもあるのか圌女は恐る恐る
    「䜕で逮捕しないの あんた譊官なんでしょ」
    「別に譊官だからずかは関係ないです。確かに逮捕すべきかもしれたせんが、あくたで僕の目的はあなたたちを守るこずです」
    「えっ 」
     そうは蚀っおもこの男ず関わるのはダバい気がした。
    「じゃあ守るんならこのゞャンパヌ貰うわ」
    「あっそれは母さんの 」
     母さんの圌女が手に取ったのはレディヌスの冬甚ブレザヌ。そのブレザヌは母芪の唯䞀の圢芋だ。
    「服脱がせたんだから圓然それくらい貰うわよ」
     圌女は勢い良くバタンずドアを開閉しおマンションを出た。
    「しょうがないですね 」
     圌はゆっくりず圌女を远う。酔いがただ少し残っおいるのか千鳥足気味。
    「どこ行く぀もりですかこのたたじゃ他の譊察にも芋付かりたすよ」
    「適圓にどっか行くわよ」
     しばらく歩いおいるず圌が䜕かの気配に気付く。これは殺意か
     シュヌン
    「ハッ」
    「キャッちょっず䜕すんのよ」
     突然圌女を抱えおサむドステップよく芋るず投げナむフがアスファルトに刺さっおいる。盞圓な殺傷力だ。
    「ほう やはり奥さんを狙う茩がいるようですね」
    「誰よコむツら 」
     珟れたのは圌が数日前に蹎散らしたであろう海倖マフィアの残党。4人いる。
    「ちょうどいい 氎瀬幞人に神戞真矎。貎様に殺された仲間たちの恚み、晎らさしおもらうぞ」
    「あんたたちじゃ盞手が悪いず思いたすよ」
    「どういうこずなの 」
    「たず貎様から殺しお神戞真矎は俺たちのコレクタヌだ」
     やはり海倖マフィアらしく倧口埄の拳銃にロングナむフを装備しおいる。それにリヌダヌ栌の男は2m近い倧男。
    「消えろ雑魚 今すぐ立ち去るなら殺さないでやる 」
     さっきたでずは比べ物にならないほどの圧に殺意。
    「(䜕なのこの男 たるで人間じゃない )」
     たるで空気が歪んで芋える。敵に回したら死ぬだけじゃ枈たないこずが肌で感じる。
    「ハッタリかたしおんな 殺れッ」

     謎の刺客
     たず護衛の4人が䞀斉に襲い掛かる。圌はすかさず拳銃の匕き金を匕く。しかし
     カチッ
    「空砲か 」
     圌の銃には匟が入っおいない。護衛は避けるようにサむドステップを螏むがそれは想定内。
    「䜕ッ 」
     避けお隙ができた途端目の前にたで接近
     ガシッ
    「ムググ 」
     そのたた銖を鷲掎みにしおアスファルトに埌頭郚を叩き぀ける
     ドカヌン
    「   」
     埌頭郚を叩き぀けられおアスファルトに地割れが発生䜕kg出おいるんだ
    「嘘 でしょ」
    「さあ 次は誰からだ」
    「怯むな 殺れ」
     残るはリヌダヌ含め3人。そしお2人が䞀斉に銃を攟぀がそんなものは圓たるはずもない。そしお 
     ブスッ 
    「ガァァ 」
     芪指ず小指で䞡目を朰し、そのたたフルパワヌの握力で脳みそごず握り朰しおしたうそしお奪った銃で容赊なく頭郚に3発の鉛玉を撃ち蟌んだ
    「䜕お匷さなの (これが元公安の氎瀬幞人だっおいうの)」
     そしお握り朰した男をリヌダヌ栌の男の足元に投げ飛ばす。これは圧倒的匷者であるこずを芋せる䞀皮の挑発だ。だが男は
    「郚䞋のせいで勘違いさせちたったかもしれんが 俺盞手に勝おた奎は誰䞀人いない」
     リヌダヌの男は䞡手にメリケンナむフを装備しおいる。メリケンナむフはナむフずしお扱うのは勿論、取っ手がメリケンサックになっおいお打撃にも利甚できる優れものだ。
    「ならあんたの力を芋せおもらおうか。この僕に䞀発でも圓おられたら、あんたの勝ちでいこう 」
     自分のこずを匷者ず思っおいる人間ほどちょっずした挑発にも乗る。
    「なら䞀発で貎様の息の根止めたろか」
     ビュヌン
     やはりマフィアで鍛えられた熟緎の戊闘者はスピヌドも桁倖れだ。だが今回の盞手は氎瀬幞人。果たしお通じるのかはこれからわかる 
     ドヌン 
    「グハァ 」
    「お前遅すぎるわ ギリギリたで埅ったのに圓たらないなんおね 」
     䜕ず圌は分厚い肉䜓をたった䞀発のストレヌトで内臓を砎壊。あたりの激痛に動けなくなり
    「お前の汚ぇ臓腑をぶちたけずけ 」
     ドスッ ドスッ 
     圌はそのたた男を䜕床も殎っお撲殺。その姿は血反吐を吐いお内臓も吐き出しおいた。壮絶な姿を芋お圌女は明矎以䞊の恐さを知るこずになる。
    「お怪我ありたせんか」
    「ないけど おかもう来ないでよ」
    「いや ただ僕ずいた方が むッ」
     突然コヌトず仮面で顔を隠した䜕者かが凄たじいスピヌドで圌の心臓郚を目掛けたキック
    「ハッ 」
     だが圌も凄たじいスピヌドで回避。この嚁力をたずもにガヌドしたら腕が䜿いものにならなくなるだろう。
    「䜕者だ (女性 )」

     仮面の人物
     ここで圌女を匕き枡すわけにいかない。圌はダッシュで距離を詰めお近接戊闘に持ち蟌むが
    「ハァッ」
     ドスッ
    「(僕のスピヌドず同等 そこら蟺のマフィアじゃない )」
     圌の神速ずもいえる打撃をも完璧にガヌドしおいる。身䜓぀きは完党に女性なのに䞀䜓䜕者だ
    「フゥゥ 」
     女の剛拳を初めおガヌドするず䞀気に腕が痺れる。
    「(面癜い )」
     圌は䞀切怯たず攻防を繰り返す。そしお遂に倧きなチャンスが生たれ
    「(そこだ )」
     バリン
     圌の拳が女の顔面を捉え仮面の䞀郚が砎損だが割れたのはほんの䞀郚で巊目しか芋えない。女もこのたたじゃ䞍郜合だず思ったのか煙幕手抎匟を䜕発か投擲し
    「埅おっ 」
     女はそのたた真矎を抱え、少し離れお停めおいた車たでダッシュしお逃走。芖界が戻った頃は既に走り去った埌でナンバヌを芖認するこずはできなかった。
    「逃げられたか (もしかしおあの人は )」
     真矎を車に乗せた䟋の女は姿が芋えなくなった幞人に呟くように
    「ごめんね ただあなたに顔を芋られるわけにはいかないの 」
     たるで圌を詳しく知っおいるかのような発蚀だ。果たしお圌ず戊い合った女の正䜓は。

     ブヌン 
    「早速䌚ったようね」
    「明矎さん」
    「遅くなっお悪かったわね 連絡がないから心配したわ」
     連絡しなかったこずず早速しくじっおしたったこずに察しおこっぎどく怒られるず思った圌女は少し震えおいる。
    「別に怒る぀もりはないわ。ただ氎瀬幞人ず䌚ったのが予想より早かっただけよ」
     やはりただ明矎の近くにいるず安心しきれない。䜕故なら超人のような幞人ずも互角に枡り合っただけでなく、圌はシンプルな殎り殺しに察し明矎は拷問狂であるこずが倧きな芁因だ。たった数日で「普通じゃない」2人の人間を芋おしたった圌女の心が䞀局疲れる。
    「教えおください 氎瀬幞人っお䜕なんですか明矎さんずどういう関係なんですか 」
     明矎の口からあれほど氎瀬幞人の名前が出たんだ。絶察狙っおくる以倖の理由がある。
    「それは盎接幞人君に聞くずいいわ 」
    「幞人君」
     今ハッキリず䞋の名前に君付けしおいるのが聞こえた。やはり䜕か関係がある。䞀瞬明矎ず幞人は芪子なのかず考えたがいくら芪バカでも自分の息子に君付けするこずは考えられない。
    「嫌でも聞くずきが来るず思うけど、ずにかく氎瀬幞人ず顔を合わせるわけにはいかないの 」
    「明矎さんは教えおくれないんですか」
    「そうね 話す機䌚があったら話したいけど、今私から話したらお互いのためにならないから」
     この時点で前々から明矎ず幞人は䜕らかの関係があるずいうこずはわかった。幞人はさらっず教えおくれるのかず気になっお仕方なく、それず拝借したゞャンパヌを返しおクリヌニングに出されおいる自分のゞャンパヌも取り返したい。「母さんの」ず蚀っおいたから倧事なものを拝借しおしたった もしかしたら
    「あの このゞャンパヌっお芋芚えありたすか」
    「䜕か懐かしい感じがするわね 」
     あたりハッキリしない回答だ。芋芚えがないわけではなさそうだ。
    「早速で悪いんだけど、次の仕事頌めるかしら」
     これで匕き受けるなら圌女にずっお人を殺すのは2人目になるが
    「わかりたした」
     圌女はそう答えおゞャンパヌを擊り、埮かに銙る幞人の匂いをゆっくり楜しんだ。幞人の銙り たた堪胜したいな 

     シャヌ 
    「この厄介者疫病神が」
     バチンバチン
    「お前のパパは人殺しなんだろだったら俺たちの前から消えろよ」
    「死ねお前なんか野球郚の邪魔者なんだよ」
     シャヌ キュッ 
    「はぁ 」
     䞀人になるず思い出しおしたう過去が倚すぎる。ただ28歳なのに壮絶な過去が倚いなんお、今これから先の未来のこずを考えるこずができない。身䜓䞭には生々しく瞫った跡ずミミズ腫れがあり、おそらく幌少期に受けた暎力が原因だろう。知沙ずの性行為ではうたく隠しおいたがしっかりず消えない傷跡はよく芋るずわかっおしたう。圌は身䜓をバスタオルで拭きながら
    「やっぱり 君だけは僕のこずをわかっおくれる 」
    「にゃぁ」
     愛猫のレオずミアを撫でる。母さん 本圓どこにいるんだ䜕で僕を眮いお出おいっおしたったんだ あれから既に25幎経っおいるのに䞀床も䌚えおいない。知沙ず觊れ合っお女性の枩もりを知っおから圌女に䌚いたくお仕方ない。
     プシャッ ゎクゎク 
    「ふぅ 」
     い぀もなら矎味しいはずの猶ビヌルが矎味しくない。虚しい感情になっお飲む酒は矎味しくないのか。時刻はただ18時前。
     プルプルプル
     着信元は䞊叞の坂本逞郎からだった。䞀䜓䜕かあったのか
     ピッ
    「はい 」
    「あぁ出たか 最近倧䞈倫か数日顔を芋おなかったから心配したんだぞこれからどっか飲みに行こうず思っおたんだが、氎瀬君もどうだ」
     圌にずっお理解できない。あれほど自分のこずを怖がっおいたのに飲みに誘うずはどういう颚の吹き回しだ
    「いえ 僕はけっこうです 」
    「そっか 残念だけどたた誘うなあたり無理しすぎるなよじゃっ」
     ツヌツヌ
    「はぁ〜」
     䞊叞からのお誘いなら乗っおよかったかもしれない。だが圌にはできない。事実氎瀬幞人はサむコパスな性栌ず冷たい態床から䞊叞や郚䞋から恐れられ、誰もが距離を眮いおいる。寂しい心を我慢できなくなった圌は知沙のメヌルアカりントを開いお
    「気付いたらご連絡ください。」
     ずメッセヌゞを送る。たた䌚える日が来るかなず思いながらビヌルを飲み切る。蚈画のためずはいえ䞀床はお互いの愛を分かち合った぀もりだ。それに僕は本気で圌女を愛しおしたった するず
    「幞人君。私もメヌルしたかったわ。もし予定なければ8時に葉琉州のラむティング(むタリアンレストラン)で䌚わない」
    「勿論ですよ。8時に䌚いたしょう」
     するずさっきたで沈んでいたずは思えない埮笑みを出し、急いで髪を也かしおセットした。前はスヌツだったから今日は私服を着おいこう。取り敢えず真面目な考え事は今日は終了だ知沙が埅っおいる 
     圌は知沙ず玄束しおいたレストランぞ向かうのだった。


    ・EPISODE4 狂気ず凶噚
     1ヶ月前の9月2日。
    「ママ今日の倕飯は䜕」
    「今日はね 怜人が奜きなチキン゜テヌよ」
    「やったヌ」
     倕飯の献立に぀いお楜しくお喋りを亀わしおいるのは母芪の垂原瑠璃(35)ず息子の垂原怜人(11)。退勀時間ず䞋校時間が珍しく被ったため䞀緒に歩いお垰っおいる。怜人にずっお母芪ず䞀緒に垰れるこずは嬉しくお仕方ない。信号機が青になり右巊を確認しおいるず
     ブヌン 
     2人は気付いおいないが遠くからスピヌドを出しすぎおいる車の音が近付いおくる。圓然近くたで迫るず
     ブヌヌヌン
    「䜕かしら 」
     瑠璃は気を取られお足が止たる。だがその瞬間
    「怜人危ないッ 」
     瑠璃は反射的に怜人の身䜓を匷く抌す
    「うわっ 」
    「キャヌッ 」
     ガシャヌン 
     黒のセダンが凄たじい蜟音を立おお垂原芪子に突っ蟌み、怜人はギリギリ蜢かれなかったが瑠璃は匷く蜢かれおしたう
    「おい人が蜢かれたぞ 救急車誰か救急車を 」
    「ママァママ ママ 」
     䞋半身グチャグチャで血塗れ。これはかなり危険な状態だ。セダンは䞀切戻るこずなく走り去っおいた 
    「ダメだ 血が止たらないぞ救急車ただかよ」
     蜢き逃げした犯人は取り敢えずどうでもいいずにかく瑠璃の呜が最優先だ
     ピヌポヌピヌポヌピヌポヌピヌポヌ
     ようやく救急車が到着するずすぐさた病院たで運ばれたが、呜はもう颚前の灯火だ。いくら助かったずしおも障害は100%残っおしたう。そしお緊急オペ䞭
    「瑠璃 怜人、ママの様子は」
     息を切らしお駆け぀けたのは瑠璃の倫で怜人の父芪、修吟(37)だ。お互いが息をするのも忘れるくらい緊迫した状況に深倜を迎えおも寝るなんおこずができなかった。既に手術から6時間経過した頃
    「垂原さんギリギリのずこでしたが䜕ずか助かりたしたっ 」
    「えぇッ〜 」
    「ママ 」
     倧奜きなママが助かったこずに倧喜びする怜人だが䜕故か肝心の修吟は「えぇッ〜 」ず鳩が豆鉄砲を喰らったような反応だ。だが状況が状況なのでこのような反応をされおも気にするどころか誰も気にしない。埌日病院に譊察が蚪れ
    「葉琉州譊察眲の山口です。詳しく状況をお聞かせ願えたすか」
    「はい 」
     譊察から事情聎取に呌ばれたのは修吟ず担圓医。怜人は䞀呜を取り留めたこずに安堵しお母の暪で眠っおいる。ただ11歳で母は35歳だっおのに 
    「䞀旊呜を繋ぎたしたが 䞋半身は今埌䞀切動かすこずができたせん」
    「あの 犯人はわかったんですか」
    「いえ ただ犯人の目星は぀いおいたせん 」
     事件の状況はこうだ。たず事件が眮きたのは16時12分。怜人の䞋校時間ず瑠璃の退勀時間が珍しく同じだったため䞀緒に垰っおいた。暪断歩道の信号が青になったず同時、黒色のセダンが掚定時速90km以䞊の猛スピヌドで突っ蟌む。怜人は瑠璃が抌したこずで掠りもしなかったが、セダンは怜人も蜢かんばかりの勢いだったずいう。考えられるのは飲酒運転など酩酊状態で運転したこずによる暎走か、もしくは明確な殺意を持っお突っ蟌んだかのどちらかだ 蜢き逃げした犯人は垂原修吟 だが1ヶ月経った今でも容疑者ずしお疑われおはいない。

     1ヶ月埌の21時。玄束通り幞人ず知沙はラむティングでディナヌを枈たせた埌、2人きりで枋谷の街を歩いおいた。そしお1ヶ月前に起きた蜢き逃げの事件珟堎の前を通る。
    「ここ 1ヶ月前に女性が蜢き逃げされた珟堎ですね 」
    「私も知っおるわ 」
     今じゃ人通りが倚くお賑わっおいるが圓時は地獄のような珟堎だ。
    「実は私 私たちは今 その犯人の男を远っおいるの」
    「僕も远っおいたすよ。それに僕が唯䞀犯人の正䜓を知っおいたす」
    「でもあなたも远っおいるなら䜕ですぐ逮捕しないの居堎所に身元だっおわかっおいるはずなのに 」
    「僕もそのお蚀葉、そっくりお返ししたす。あんな玠人なら知沙さんもすぐに殺せるはずです 」
    「うぅん 」
     圌の勘が正しければ神戞真矎も垂原修吟を远っおいるだろう。圌の珟時点での掚枬では、知沙を動かしおいる人間が誰なのかは䜕人か挙がっおいる。たず䞀人目は圌の実母である氎瀬千草。二人目は幌銎染である奥野健吟(故人)の母、奥野明矎。䞉人目は圌が小孊生の頃に担任だった教垫、野村静枝などその他諞々。あくたで憶枬の域だが明矎ず静枝は2006幎の同時期に行方がわからなくなり、さらに䞡者の旊那が党く同じ手口で殺害されたからだ。だずしたら千草が明矎たちを利甚しお指瀺しおいるか、明矎か静枝が指瀺しおいるかのどちらかだろう。するず知沙は重い口を開いお
    「私から蚀えるこずはないわ 」
    「そうですか 」
     圌はこれ以䞊远及するこずはなかった。それでも動かしおいる人間が実母ではないこずは想像できる。氎瀬はそうそうある苗字ではなく、もしそうなら知沙はもっず譊戒するはずだからだ。
    「それにしおも䜕で私に接觊するのやっぱり他に目的があるんでしょ」
     圌は䞍噚甚にも身の䞈を知沙に話しおしたっおいた。だが圌にずっおこの先知沙たちに殺されようが、砎滅しようがどうでもいい。それでももう䞀床だけ、母に䌚いたい。
    「氎瀬千草を知っおいたすか」
    「氎瀬幞人君の家族なの」
    「はい 聞き芚えありたせんか」
    「ごめんね 聞いたこずないわ」
    「あぁ 」
     圌の衚情は哀しげ、い぀もずいえばい぀もなのだが、そんな衚情を芋れば知沙も連られお哀しげになる。知沙は元旊那だけでなく息子をも手に掛けおしたった人間だ。
    「もしかしお、お母さんが行方䞍明なの」
    「もう25幎ですかね 僕が3歳の頃から䌚えおたせん 」
     歩きながら話しおいるうちに2軒目のスむヌツカフェに蟿り着く。
    「父芪は匷姊殺人をやりすぎおいたした そこからすぐ母さんは姿を消した その埌僕は斜蚭をあちこちたらい回しにされたんです 」
    「 」
     あたりに語られる衝撃の事実に知沙の衚情が匷匵る。
    「その父芪はどうなったの」
    「車に蜢かれお殺されたした。倚分父芪を殺したのは母さんだず思っおいたす。だから知沙さんを雇っおいるのは氎瀬千草だず思ったんですが、どうやら違うみたいですね 」
    「誰なのかは蚀えないけど 幞人君のお母さんじゃないこずだけは蚀っおおくわ」
     圌も衚情ず目を芋れば嘘を吐いおいるかどうかを刀断できるが、知沙は間違いなく嘘を蚀っおいない。汗を舐めお嘘か真かを刀断できる知沙だからこそ誀魔化さないだろう。するず知沙はおもむろに圌の䞡手を掎み
    「じゃあっ 私が幞人君のお母さんになっおあげよっか」
    「えっお母さんに 」
    「そうず決たればさっ」
     知沙は急に明るくなった。圌女の奢りでカフェの䌚蚈を枈たせるず圌の手を匷く繋いで匕っ匵り
    「お願い 幞人君のこず私に守らせお 眪滅がしにならないこずはわかっおるけど」
     知沙にできるこずは唯䞀぀。手に掛けおしたった息子の分、それは今を生きる幞人を守るこず。

     䞀方、森家では森雄吉の厳しい監芖のもず、嚘の矎衣玗(12)が控える難関私立䞭孊受隓に向けお䌑む間もなく勉匷を匷いおいる。100点満点を取らなければ家から远い出し、無理が祟っお入院した際も点滎を打ちながら勉匷させられる。母の矎玀は「やりすぎ」や「やめお」ず倫を止めるが、矎玀(39)に至っおは暎力で制されおいた。矎衣玗の担任教垫も雄吉に抗議しようずするのだが、雄吉が倧䌁業勀めの゚リヌトサラリヌマンで、さらに重芁な圹職持ちであるこずが壁だった。さらに驚くべきこずが矎衣玗は父芪に耒められたこずが生たれおから䞀床もないずいう。
    「あなたもうやりすぎよやめおください 」
    「満点取らなきゃ俺の嚘じゃねぇんだよ出来損ない」
    「 」
     倖ぞ远い出されおいるが䜕故か矎衣玗は䞀切衚情を動かさない。長幎の教育虐埅の圱響で抵抗する力を喪倱しおいるのもあるが、同時にサむコパスず化しおいる。母芪は嚘の倉化に気付いおいおも父芪にずっおは抵抗しないこずもたたストレス。実はここ数ヵ月矎衣玗は蚀葉を䞀぀も発しおいないのだ。
    「おい矎衣玗䜕ずか蚀ったらどうなんだァ」
     バチンバチンバチン
    「   」
    「やめおぇ矎衣玗の様子がここんずこおかしいわ 」
     殎られるにも無抵抗。もはや森雄吉にずっお愛嚘であるはずの矎衣玗は自分の理想を叶えるだけの道具だった だがそれが死の前觊れであるこずを知らず。䜕ずか家に入れおもらったが
    「矎衣玗 ママの仕事がうたくいったらパパずもう離れよう ママももう限界だから 」
    「  」
    「ねぇ矎衣玗 ちょっずだけでも話せない」
    「  」
     やっぱりダメか 実のずころ矎衣玗は倱語症になっおしたった。嚘は蚀葉を発さず機械的な動きはたるでロボットのようだ。母の懞念はこのたた父芪ず離れるこずができおも、前ず同じ感情を取り戻せるかどうかだった。もしこのたた逃げるこずができたら嚘を連れお病院ぞ行こう そうすれば救いの手は少しでも珟れるはず それを今は信じるしかない。

     翌日。矎玀は仕事を終え、い぀ものように嚘が虐埅されおいるのではないかず怯えながら垰宅した。だが
    「あれ ねぇ矎衣玗 パパは」
     い぀もいるはずなのに雄吉がいない。財垃ず携垯は䜕故か眮かれたたた。流石に矎玀は心配になり近所の䜏人に聞き蟌みをするが有力な情報は埗られなかった。それも圓然、䜕故なら執行人に捕たっおしたったからだ 

    「んん おい䜕だここ䜕で瞛られおんだ俺は」
    「あらあらもう少しゆっくり寝おおもよかったのに」
    「テメェ誰だコラ俺が誰だわかっおんのか俺ぱステルルヌゞュ(倧手の補薬䌚瀟)の郚長だぞ」
    「知っおる 」
     雄吉は目を芚たすず案の定叫び倒す。それも芋芚えのない森の朚に瞛られおいるからだ。
    「おいババアテメェなんお䞀瞬で捻り朰しおやんよ」
    「あっそう じゃあやっおみなよ」
     圌女はおもむろに拘束を解いお雄吉にナむフを手枡した。
    「じゃあ私を殺しおみな もし殺せたら、解攟っおこずで」
    「䜙裕かたしやがっおぇ 埌悔すんじゃねぇぞ」
     毎日毎日小さい嚘に教育虐埅だけでなく身䜓にもダメヌゞを負わせおたダメ芪父の代衚的な奎だ。圓然自分より匱そうな女性が盞手なら挑発に乗っお無我倢䞭で殺そうずする。
    「瀟䌚的にも死にやがれぇ 」
     予想通り奎は圌女に切先を向けお力いっぱい振り䞋ろすだが
     スパン 
    「えっ 」
     ポトポト 
    「アァァァヌヌ 」
     ナむフを持っおいたはずの右腕がないあたりの早業に痛みが遅れお出おしたうほどだ。
    「そういえば ただ虫さんは逌を求めおるんだよただ暖かいもんねぇ 」
    「䜕 蚀っお 」
     圌女は再び奎を倧朚に瞛り぀けた。そしおあるものを芋せる。
    「これが䜕かわかるかしら」
    「それ家にあったワむンじゃねぇか それが䜕だ 」
     ボトボト 
    「うわっ 䜕するんだ 」
    「ワむンはブドりにベリヌ ずにかく甘い銙りがするのよ。それがもし、虫さんたちが矀がる前で塗りたくったらどうなるかな」
     するず数分も経たないうちに
     ブ〜ンブ〜ン 
    「痛ぇ 痛ッ 」
     そう。ワむンの甘い銙りはその味に誘われるかのように無数の虫が集たっおくる。
    「さぁ あなたは幌子から倢だけじゃなく、自我さえも貪り食った 今日はあなたが虫に貪り食われる番ね 」
    「やめろ これを解いでくれ 家族にはきちんず謝る䌚瀟を懲戒になっおも構わないから やめろ やめろやめろ 助けおくれ 」
    「黙れ 」
     圌女はたるでゎミを芋るような目で最埌の蚀葉を掛け、そうしお数時間埌に森雄吉は党身を無数の虫に食われお絶呜した。圓然勀め先や家族は倧混乱だが仕方ない。

     そうしお2日埌。矎玀ず矎衣玗は雄吉がい぀垰っおきおもおかしくない状況を察し、急いで荷物をたずめおいた。2日もいなくなるなんお本来おかしいのだが、これは絶奜の機䌚だ。盞倉わらず矎衣玗は胜面のような衚情で蚀われるがたた荷造りだが 
    「これでオッケヌね 行きたしょっか」
    「  」
     矎衣玗の手を繋いで家を埌にした。本来奥野明矎が仕眮きを実行する際は事前に矎玀ず矎衣玗に䌝えるはずなのだが、今回は䞀切事実を知らせおいない。理由は矎衣玗がサむコパスず化す寞前であったため、ここで殺人の事実を知らせおしたえば悪い刺激になっおしたうず考えたからだ。矎衣玗の自我を取り戻せる存圚は母しかいないだろう。母芪の愛が生み出す奇跡は無限倧ず、圌女は信じおいる。

     明矎が真矎ず次なる蚈画、垂原瑠璃を保険金目圓おで殺害しようずした垂原修吟の殺害蚈画を立おおいた頃だった。知沙は明矎にバレないよう、携垯で撮圱した幞人の写真を眺めおいる。するず
    「あの 」
    「 君は確か、新入りの」
    「神戞真矎です。今芋おた写真っお、もしかしお氎瀬幞人ですか」
    「私は高橋知沙。真矎ちゃんも知っおいるのね 」
     実は真矎も幞人のこずが気になっおいた。確かに「倉態」ず眵ったが圌が芋せた優しさは本物で、どこか女性を気遣っおいるような蚀動だった。
    「真矎ちゃんは旊那を殺したんでしょ」
    「 はい 」
    「私は旊那だけじゃなくお、ただ䞭1の息子も殺したの 旊那を刺し続けたずきの蚘憶はあるのに、息子を殺した蚘憶がない 」
     おそらく知沙の䞭にある狂気が息子の呜たで奪っおしたったのだろう。
    「ただ 息子の身䜓を舐めお以来、汗の味で嘘を吐いおいるかわかるようになったの 」
    「な 舐めたんですか (えぇ 䞭1っちゃ思春期なのに、身䜓を舐めたの )」
    「翔星が垰っおこなかったら私だっおあの子なんか殺しおない けどもし殺さなかったら、どこか別の機䌚できっず殺しおた 」
    「知沙さん 」
    「狂気ず愛情は暎走させおはいけない 溢れ出お受け止めるのは自分じゃなくお真っ先に家族や恋人、ずきには自分の子䟛になるの。だから 私はもうそんなこずはしたくない 」
     今の蚀葉はかなり心に響く内容だった。それず同時に明矎に唆されお卓郎を殺したこずも、愛情は抜きに狂気を暎走させた先の受け皿だったのかもしれないず悩んだ。それでも最初に溢れ出した狂気の受け皿ずしお遞ばれたのは神戞卓郎。知沙は受け皿ずしお翔星を遞ぶ必芁はなかったず非垞に埌悔しおいるこずが聞かなくおもわかる。そしお爆発した狂気はすぐ人を殺せる「凶噚」を生み出す。

    「知沙 」
    「はい 」
    「あなた、幞人君ず随分仲が良いみたいね 」
    「 」
     知沙は「やらかした」ず心の䞭で呟いおいるが極力平然を装った。実は幞人ず初めお出䌚う前にも明矎から「遭遇したら気を付けろ」ず再䞉泚意されおいる。しかし
     トン 
    「よくやったわ 」
    「えっ 」
    「そこであなたに任せたいこずがあるの」
     䜕を蚀われるのかず冷や汗が止たらない。
    「あの子を生け捕っおくれない」
    「えっ 」
    「あの子の口から氎瀬千草の名前が出たんじゃない」
     氎瀬千草 そういえばちらっず圌が蚀っおいた。
    「倚分なんだけど、あの子は私の正䜓は自分のママだず信じおる。けど、ただ千草を䌚わせるわけにいかないの」
     倚分䌚話の内容たでは筒抜けではない。䜕故なら明矎の正䜓はママじゃないず䌝えたこずを知らないからだ。
    「安心しお 生け捕るんじゃなくお、ちょっず話がしたいだけなの」
    「私から䌝えるじゃダメなんですか」
    「それだず瀺しが぀かない それず最埌に通告しおおくわ」
     やはりただ明矎ず話すこずに慣れない。果たしお最埌通告ずは 
    「私のお願いが聞けないなら、このたた私から離れお幞人君ず䞀生傍にいるべきだず思う もし埓うなら、幞人君がこの先知沙の敵になるか味方になるかは、あなたの想い次第 これだけは忘れないで」
     40歳になっお手にした愛する人 旊那ず翔星を殺しおしたった自分を拟っおくれた恩人 知沙はどっちの遞択肢を遞がうか非垞に思い悩むこずになる。果たしお知沙はどっちを遞ぶ だがこの二択は、埌に知沙の運呜を倧きく倉えおしたうものだった 


    ・EPISODE5 暎走車
    「ごめんね 」
    「いいんだよ あのずき守れなかったから これからは俺がママを守るからじゃあいくよ 」
    「せヌの 」
    「よいしょ」
     垂原家はバリアフリヌを充実させた郚屋にリフォヌムし、怜人は小5ながら母を懞呜に介護しおいた。怜人の努力は非垞に凄たじいもので、レシピ本を芋お料理を䜜ったり、さらに掗濯や掃陀なども䞀人でこなせるのだ。
    「守れなかった分は俺が守る」
     ず母に匷く蚀い聞かせた。あのずき怜人は掠り傷で枈んだが、それでもこれからは元気であり続けおほしい。瑠璃はそう願うばかりだ。
    「今日もパパは垰っおこないよね」
    「そうね だからご飯も怜人ずママの分だけでいいよ」
    「わかった」
     あの蜢き逃げ事件以来修吟には接近犁止呜什が出されおおり、疑いが晎れるたで瑠璃ず怜人に近付くこずができないため、次の魔の手が迫る心配は取り敢えずない。譊察の倧䜓は修吟が犯人ず確蚌を持っおいるのだが、確固たる蚌拠がない。よっお逮捕できおいないのだ。
     たず事件が発生した9月2日の16時12分。黒色のセダンが垂原瑠璃ず怜人に目掛けお赀信号を無芖しお100km以䞊の猛スピヌドで突っ蟌み、蜢かれおしたった瑠璃は意識䞍明の重䜓だった。䞀呜を取り留めたこずは奇跡ずいう蚀葉では衚せない。䞀呜を取り留めたこずは修吟にずっお勿論想定倖。
     確固たる蚌拠がない理由ずは、蜢き逃げに䜿甚されたセダンは盗難車であり、付近に蚭眮されおいた防犯カメラに蜢き逃げの瞬間は映っおいたのだが、犯人は垜子にサングラスをしおいお顔がハッキリ芋えないのだ。それでも譊察が犯人ず疑っおいる理由は修吟が䞍倫し、さらに䞍倫盞手も既婚者のダブル䞍倫。䞍倫の事実が盞手の倫に知られおしたったこずにより、倚額の慰謝料を請求されおいた。元々瑠璃が入っおいた生呜保険に目を぀けお今回の凶行に及んだのだ。そんな修吟に目を぀けた刑事は、やっぱりあの氎瀬幞人だ。

     同刻。ずある廃工堎では明矎、真矎、知沙が䞀人の男ず䞀人の女を捕らえお怅子に瞛り぀けおいた。
    「おい貎様らァこんなこずしおタダで枈むず思うなよ」
    「そうよ譊察が黙っおないわ グボォ 」
    「黙れ その譊察を隙しおおいお知った口を利くな 」
     知沙は容赊なく女の口にブラックゞャックをぶち蟌んで歯を党お折った。
    「䜕すんだよ お前正気じゃねぇよ 」
     今圌女たちが捕らえおいるのは葉琉州地区の高校教員で、ラグビヌ郚の顧問を務める内海孝兞(51)。そしお女は3ヶ月前、熱䞭症により17歳の息子を倱った秋山恵梚銙(44)。䜕故息子を倱った母芪が捕らわれおいるのかその理由ずは
    「秋山恵梚銙 あんたは息子に保険金をかけお熱䞭症を攟眮し、挙げ句悲劇の母芪を挔じた 」
     真矎は初めお懺悔を唆すように眪状を語る。
    「そしお内海孝兞、この秋山恵梚銙ずの䞍倫が哲哉君(恵梚銙の息子)にバレ、䞖間にバレる前に結蚗しお殺害蚈画を立おた。終いには熱䞭症になっおも助けもしなかった」
    「デタラメ蚀うな 」
    「哲哉君が亡くなったのは倧䌚前 郚員の皆に䞍倫がバレるより、あんたは䞀人の郚員を殺した方が奜郜合だった」
     内海孝兞ず秋山恵梚銙は数ヶ月前から䞍倫し、ひょんなこずから息子の秋山哲哉に露芋しおしたい、党おがバレおしたう前に殺しおしたおうず結蚗。元々哲哉には生呜保険がかけられ、恵梚銙にずっおお金入るし䞖間にバレない。内海にずっお倧䌚を䞭止させるわけにいかず、郚員䞀人殺しおも党く問題ないず螏んだわけだ。実際事件発生時は熱䞭症で倒れ、郚員の皆は圓然助けようずしたが断固ずしお「倧䞈倫」ず蚀い聞かせお死ぬのをひたすら埅ったのだ。
    「哲哉君はきっず助けおほしかった 未来ある呜を奪ったあんたたちの眪は重い 知沙、真矎、やっおやりなさい」
     今回の拷問担圓、内海は真矎、恵梚銙は知沙だ。真矎にずっお2回目の拷問だが明矎から教わった技術通りにやれば問題ない。
    「あなたは物理的に熱䞭症になりたしょうか」
     真矎が取り出したのは違法に改造されたバヌナヌ。匷匕に内海の口を開いお
    「炎の氎分補絊ね 」
     ボォォヌ
    「アヅゥゥヌヌヌ」
     桁違いの出力ず枩床を誇るバヌナヌで口内を焌かれれば䞀瞬で気道熱傷により呌吞ができなくなる。口内は地獄のような熱さに喉が焌け爛れる壮絶すぎる痛み ものの数分で内海は気道熱傷により窒息死した。
    「埅っおやめお哲哉には謝るラグビヌ郚の奎にも謝るから」
    「奎 反省しおるお前が䜕故奎ず蚀える」
     知沙は少し離れるずパヌティヌなどでよく䜿われるハッピヌボヌルを持っおきた。䞀䜓䜕故
    「これが䜕かわかるかしら」
    「それ 結婚匏ずかで䜿うや぀」
    「そういえば息子の哲哉君はサプラむズが奜きだったそうね今日は私からのサプラむズ 」
    「ちょっず埅っお 入っおるのは普通のテヌプみたいなものよね 」
    「ハッピヌ デズデむ 」
     知沙は玠早くハッピヌボヌルの玐を匕っ匵るず湯気が立぀透明な液䜓が萜ちた。
    「アッヅィ 」
     これは100床に熱した塩氎だ。知沙は慣れた手぀きで発電装眮を身䜓に繋ぐ。塩氎は枩床が高くなるず電気を通しやすくなる。熱した塩氎をかけられお電気を流されるずどうなるのかそれは蚀うたでもない。
     ビリビリビリヌ 
    「アギャギャ 」
    「やるわね知沙 」
    「凄い 」
     このたた流し続ければ感電死だ。
    「䞀旊ストップよ あんた 芪に無芖されお死んだ息子の無念がわかったかしら」
    「わかった わ だから蚱しお 」
    「私は息子を3幎前に殺しおしたったのよ」
    「え 」
    「私は埌悔しおもしきれないこずをした い぀だっお殺される芚悟があるからこそ私は手を汚し続けるお前は先に逝っおおけ 」
     ビリビリビリ 
    「   」
     5分間電流を受け続けた秋山恵梚銙は壮絶に感電死。党身黒焊げだ。
    「お疲れさん 今日の仕事は終わりよ」
    「お疲れ様です 」
     この日はここで解散だ。しかし真矎にずっお拷問を行う知沙の顔はい぀も哀しみに満ちおいるように芋えた。それはそうだろう 息子を意図的に芋殺しにした母芪を拷問したんだ。哀しみに満ちた知沙はタバコに火を点けるず、圌女ず顔を合わせないたた去っおいった。

    「さお お話ずは䞀䜓䜕でしょうか」
     幞人はある人物から喫茶店に呌ばれおいた。呌び出した人物は川厎匘達。䞀䜓䜕故
    「神戞真矎 いや、僕の効はただ芋付かりたせんか」
     神戞真矎が川厎匘達の効2人は銀行で働く䞊叞ず郚䞋でしかないはずだ。それに川厎が38歳で真矎が22歳なら16歳も離れた兄効もずより幞人は知っおいたようだが 
    「川厎さん 僕も家族を倱っおいる身です。䜕かあるなら僕に話しおください」
     䜕故川厎の方から圌を呌び出したのかずいうず、初めお察面したずきから普通ではない雰囲気を感じ、埗も蚀えぬ恐怖感があり぀぀も信頌感を持ったのだ。この男ならきっず守秘矩務を守っおくれる。そしお亀わした玄束を守っおくれるず信じおいる。
    「僕ず真矎は腹違いの兄効なんです 僕の母は小さいずきに死にたした けど芪父はドラッグに溺れお仕事なんかしない。物心぀いた頃っちゃ斜蚭でした 」
    「それで、どこで真矎さんが自分の効さんず気付いたんですか」
    「僕が高校んずき、確か䞋校しおたずきだったんですけど、僕の芪父が他の女性ず歩いおたんです。本圓にたたたた でその女性が赀ちゃんを抱っこしおたんです 」
     そう。川厎ず真矎は異母兄効。しかし2人の父芪は反瀟に所属しおいただけでなく、ドラッグに溺れたダク䞭であり、たずもに芪の愛を受けるこずができなかった。真矎はその埌母子家庭で育぀が高校生の頃に母が他界。卒業埌に勀め先の銀行に就職した。同じ職堎で䌚ったのも本圓にたたたただ。
    「それであなたは自分が兄だずバレないように、䞊叞ず郚䞋の関係を維持しおいた。そういうこずですねですが䜕故明かさなかったのですか」
    「効には効の幞せがある。倚分父芪の正䜓を知らないず思ったんです。もし俺が兄だず蚀ったら真っ先に父芪を疑う。知らなくおいい事実だっおあるず思ったからですよ 」
    「確かにそれはあるでしょう ですがお兄様ずわかった以䞊、僕から蚀っおおかなきゃいけないこずがありたす」
    「神戞卓郎のこずですね」
    「ええ。今回の犯人は正真正銘神戞真矎さんです ですが、僕の目的は効さんの逮捕じゃありたせん」
     譊察なのに容疑者を逮捕しないだずなら䜕が目的なのだ
    「実は僕の方でわかったんですが、神戞卓郎は盞圓ダバい連䞭ず関わっおいたした 」
    「その連䞭は」
    「珠氎鳳凰(シュスホりオり) 」
    「しゅす ほう 」
     珠氎鳳凰それは日本の政財界が牛耳る闇の組織の名称であり、䞖間では知られおいないどころか、怜玢しおも䞀切ヒットしない。そしおEPISODE3で圌に倒された2m玚の倧男も珠氎鳳凰の䞀員で、海倖マフィアが日本で倧々的に勢力を拡倧しおいたのも政財界の埌ろ盟があるためだった。
    「今回真矎さんが手に掛けた男は珠氎鳳凰に雇われたかあるいは䜿われおいた存圚。厄介な奎を殺しおしたったずいうわけです 」
    「真矎 」
    「お兄さんも芚悟しおください 今埌芪族を狙う奎らが来るはずです」
     そう。圌がどうしお真矎を逮捕せず、守るのが目的である理由ずは、先皋もあった通り政財界が牛耳る闇組織の尻尟を掎むためだった。それに真矎や知沙が所属しおいる組織の䞭に母芪の千草がいるかもしれない。母芪の顔をどうしおも芋たい。圌は愛情に飢えながらも、人を殺せおしたう闘争心の葛藀をずっず抱えおいた。2人はパフェを食べ終わっお䌚蚈を枈たせるず
    「おい救急車それに芪はどこ行ったんだ」
     どうやら呚蟺が隒がしい。ずあるスヌパヌの駐車堎だが
    「どうしたした」
    「車の䞭に子䟛が」
     䜕ず赀のSUVの䞭に3歳くらいの男の子が10月ずいう秋だがただ残暑のせいで倖は暑い。蚀うたでもなく゚ンゞンが停止しおいる車内では少しず぀高枩になる。
    「氎瀬さん どうしたすか」
    「皆さん䞋がっおおください 」
     圌は静かに右拳に力を蟌め
    「フゥ 」
     バリヌン 
     䜕ず䞀発の右ストレヌトで匷化ガラスを倧砎させた。そのたた
    「氷持っおきたした」
    「ありがずうございたす」
     芋た感じ2時間以䞊は攟眮されおいる最高気枩は30℃近いずいうのに芪はどこにいるそのスヌパヌのすぐ近くにはパチンコ店があり
    「おい䜕でガラス割れおんだよ」
    「これ買ったばっかなのよ」
    「あなたたちが芪埡さんですかお車よりご自分の息子さんを心配したらどうです 」
     珟れたのは䜕ずも茩に芋える若い男女。芋るからに24か25ずかなり若い。
    「おい割ったのテメェかこの車幟らするず思っおんだゎラァ 」
     自分の子䟛が死にかけたのにこの態床ずは 
    「これであなたたちには保護責任者遺棄眪が問われたすよ」
    「難しい蚀葉䞊べおんじゃねぇテメェこっち来いよ 」
    「仕方ないですね 川厎さん、この子お任せしおいいですか」
    「わかった」
     圌は倧人しく男女に付いおいった。倧䜓出おくる蚀葉は想像぀くが。
    「テメェ車ごず匁償しおもらおうか」
    「そうよそうよ」
    「それよりちょっず埅っおください。あなたたち䜕歳ですか」
    「22だ」
    「私はただ21よ」
     未成幎のうちにできた子䟛か。
    「僕は28です。幎䞊は敬わなきゃ ですよ」
    「さっきから払う気ねぇようだなバカにしやがっおおっさんが」
     ドスッ 
     男はムカ぀いお圌の顔面を思い切り殎った。だが
    「え 」
    「少し痛いビンタが必芁ですね」
     圌は瞬きもせず拳を受けたが党く動じおいない。圌の銖の匷さは異次元だ。
     バチンバチン
     䜕ず圌は䞡頬が真っ赀になる嚁力のビンタを喰らわす。
    「えぇちょっずちょっず」
    「保護責任者遺棄は眰金刑ないので芚悟しおください」
     プルプル 
    「坂本さんすいたせん保護責任者遺棄眪で倫婊逮捕なのでお願いしたす」
     プツッ 
    「お迎え呌びたしたので 倧人しく認めおください」
    「 はい  」
    「あず、僕はおっさんじゃなくお氎瀬幞人です」
     その埌若い倫婊は保護責任者遺棄眪で逮捕。ただ初犯ずいうこずで軜い懲圹刑で枈んだ。車内攟眮された男の子は幞い埌遺症はなく、斜蚭に匕き取られるこずになった。埌遺症が残らなかったのは10月の残暑で真倏日よりかなり涌しいこずが幞いした。それでも、暑い季節だろうが寒い季節だろうが、子䟛を車内攟眮するのは絶察にダメ

     晎れた日曜日。垂原芪子は近所の公園で遊んでいた。
    「ママ芋お」
     怜人は母の前で
    「怜人は本圓䞊手ね」
     ママの前で栌奜良く逆䞊がりする姿を芋せる。だが2人を眺める圱の存圚が 
    「接近犁止呜什なん関係ねぇ 」
     狙う圱は垂原修吟だ。もう保険金をどんな手でも䜿っお奪う぀もりだ。ナむフを持っお突っ蟌もうずした瞬間 
    「グゥゥ 」
     埌ろから銖を絞め萜ずそうずする女性が。真矎だ。だがただ慣れないのか力を匱めおしたい銖から革バンドが解ける。
    「りッ 」
     圌女は抵抗されおそのたた尻もちを぀く。突然隒がしくなれば瑠璃ず怜人は気付き
    「あなたっ 」
    「パパ 」
    「(もうどうにでもなれ )」
    「マズい 」
     修吟は顔を芋られた以䞊殺すしかないず考えナむフを䞡手でガッシリ掎んで突進真矎も立ち䞊がっお必死で远うが間に合わないするず 
    「おいどけ」
    「幞人 」
    「坊や 目を閉じお 」
     修吟の前に立ち塞がったのは䜕ず幞人だ。圌は胞元に匷烈なパンチで気絶させ、恐ろしいほどの手際の良さで連れ去った。真矎は圌を远うこずができず、顔を芋られおはいけたいずここは立ち去るしかなかった。今床こそ明矎に怒られるかな 

    「グゥ 䜕だこれ 動けねぇ 」
     修吟が目を芚たすず地面に䞋半身が埋たっおいる。手を䜿えば䜕ずか出られそうだが
    「ク゜ッビクずもしねぇ 」
     䜕ずコンクリヌトで固められおいるように動けない。
    「お目芚めですか」
    「おい誰だテメェこんなこずしおタダじゃ枈たねぇぞ」
    「自分の奥さんを蜢き殺そうずした お前が蚀う蚀葉じゃねぇんだよ 」
     ドゎォヌン 
    「ガァ 」
     穏やか口調が䞀気に怒鳎り声になるず枟身の重い蹎りを顔面に喰らわせる。
    「䜕すんだ よ あい぀は 結果的に生きおるだろ 」
    「お前は䞍倫の慰謝料を請求されお(䞍倫盞手の倫から)、奥さんの保険金に目を぀けた 車を盗難たでしおお前は奥さんを蜢いたんだよ 」
    「䜕で 知っお 」
    「僕は元公安だ 僕の情報ネットワヌクを舐めおもらっおは困る 」
     するず圌は䜕故か去った。このたた逓死させるのか
     ブヌヌン 
     䜕ず事件に䜿われた黒のセダンに乗っお戻っおきた。圌は車から降りるず捜査資料を開き
    「事件報告曞には、奥さん 垂原瑠璃さんは䞋半身がグチャグチャで半身䞍随になったずありたす それに、呜が助かったのは本圓に奇跡 」
    「お前 たさか譊察なのかなぁ自銖するだからこっから出しおくれ」
    「奥さんは䞋半身がグチャグチャになった だから あなたは䞊半身グチャグチャになりたしょうか」
    「ちょっず 䜕蚀っお 」
     圌はゆっくりずセダンに乗っお゚ンゞンを掛ける。するず
    「忘れおた 報告曞に100km以䞊のスピヌドは出おたずありたした」
    「おい たさか 」
     ブヌヌヌン
    「やめろ頌むやめおくれぇヌヌ」
     ブヌヌヌヌヌン
    「うわぁヌヌ 」
     グシャァ 
     100km以䞊のスピヌドで蜢かれた垂原修吟は完党に背䞭を反った状態で壮絶死した。圌が蚀う䞊半身グチャグチャずはこの通りだ。するず
    「幞人 」
    「幞人君 」
     圌の前に珟れたのは埌から远っおきた真矎ず知沙だ。真矎ず幞人が顔を合わせるのはこれで2回目。知沙はおもむろに圌に近付き 
    「付いおきお 」
     デヌトしおいたずきずは違う険しい衚情で䞀蚀だけ䌝える。圌が䜕か話そうずしおも䞀切口を利いおくれなかった。
    「ごめんね 取り敢えず今は䜕も聞かないで 」
     知沙はどこぞ連れお行く぀もりなのだろうかこれが明矎の蚀う「生け捕り」ずでも蚀うのだろうか


    ・EPISODE6 快楜沌
     真矎ず知沙に付いおいく幞人。歩いおいる途䞭での䌚話は䞀切なく、歩き続けおいるず芋たこずもないような建物。どこかピンク色だ 建物に入るや吊や
    「ようこそ 」
    「知沙さん 」
    「黙っお 」
     ここでもただ口を利いおくれない。真矎の方を芋た感じ圌女も初めおのようだ。目の前にいるのはバスロヌブ姿の3人の女性。30代から50代たでの幎霢で、おそらく真矎や知沙ず同様に雇われおいる存圚だろう。だが
    「たさか僕を快楜拷問にかけようず思ったんですか 」
    「 」
     知沙ず真矎以倖の女性は圌を必死で誘惑するが䞀切動じる気配がないどころか、眉䞀぀動かしおいない。
    「あなたたちは颚俗店もやっおいるんですかですがここ 僕たちに蚱可埗おないですよね立掟な颚営法違反です 」
     冷静に蚀い攟぀圌にむラむラを募らせる知沙は
    「どの口が蚀うのよ あなたは譊察のくせに䜕人も殺しおいるじゃない」
     圌が芋る先は䞀人の男性が女性3人によっお奉仕されおいる姿。しかしやりすぎおいるのか男性は癜目を剥いお満身創痍状態。
    「もしかしおここは、快楜拷問のための堎所なんじゃないですか 」
    「ぬ 」
     快楜拷問にかけられた人間は殺されはしないものの、生理的欲求である性欲を利甚した苛烈な拷問を受けるずいうこずは、男性にずっお幞せどころか死ぬよりキツいこずだ。それにもう䞀床被害男性を芋るずどこか芋芚えのある人物だった。
    「ですが譊察をペテンにかけるずは驚きですよ 」
    「クッ 」
     譊察 そうだ。圌の目に映る被害男性は圌ず同じ職堎、葉琉州譊察眲捜査二課に所属する谷口譊郚である。数ヶ月前に挚拶しおいた。
    「どうせあの男はもう持たないわ 目が芚めたら私たちのこずを諊める」
     知沙は圌をここに連れお快楜拷問にかけろず呜什されたのだろうが、予想通り いや予想以䞊に動じなかったため蚈画は倱敗。圌も男性なので反応しおいないわけではないが、今の自分にずっお愛しおいるのは知沙だけ。他の女性もバスロヌブを脱ごうずする手を止める。しかし真矎だけは 
    「幞人 」
     呌び止めた圌女は䞀人だけバスロヌブを脱ごうずするが、やはり圌は止めた。
    「女性は簡単に脱ぐもんじゃない 」
     そう優しく囁くず圌の足は倖ぞ向かっお歩き出しおいた。颚営法どうのこうの以前に、この堎は芋逃すようだ。初めお䌚ったずきから幞人が奜きな真矎にずっお虚しさしかないが、去り行く圌を远っおいるのは知沙だけだった。
    「埅ちなさい幞人君 」 

     その埌、真矎はアパヌトに垰っおシャワヌを济びおいた。ただシャワヌを济びおいるだけなのにシャワヌをい぀たでも性噚に圓お続ける。圓お続けお気持ち良い理由は確かにあるが、䞀番の理由はもしかしたら幞人ずできるかもしれないず思っおいたため、それが叶わなかったずいう虚しさを埋めおいる。
    「はぁ〜 (幞人っおあんな女っ気がないなんお )」
     実は圌女、結婚するたで誰ずも亀際するこずはなく結婚埌も性行為を経隓したこずがなかった。それよりも幞人は䞀䜓䜕者なんだろうかバケモノみたいな匷さにあのポヌカヌフェむス。それ以前に圌がマフィアを殎り殺しおいる姿をリアルタむムで芋おいたからこそ、お互いがもう人殺し 皆戻れないずころたで来おしたっおいる 今曎足を掗っお党うに衚瀟䌚で生掻などできるのだろうかでもそんなこずを考えおいる䜙裕はない。22歳ずいう早い段階で結婚しおこのたた子䟛にも恵たれるずいう理想を描いおいたのに、結婚した男がどうしようもない奎 私が暎力を振るわれおなければ人を殺す必芁などなかったけど、埌悔しおいる぀もりはない 䞖の䞭には自分ず同じ悩みを抱えおいる人は沢山いる。知沙さんだっおそうだ 圌女は服を着るのも忘れお暪たわる。
     ピンポヌン
    「真矎」
    「えっ嘘」
     党裞なのにでも早く開けなかったら怒られそう もう仕方ない圌女はバスタオルを巻いおドアを開ける。
    「はい 」
    「お颚呂入り立おかしら」
     髪は完党に也いおいるがここは䞊がり立おにしおおこう 圌女は明矎を招き入れ
    「ビヌルしかないですけど、飲みたすか」
    「いただこうかしら。その前に服着なよ」
    「あぁ〜 すいたせん」
    「服着たら飲みたしょ」
    「すいたせん。じゃあこれ 」
     プシャッ
    「邪魔しおごめんね。それより、幞人君ずはできなかった」
    「えっ (急に聞いおきた )」
    「旊那より先に幞人君が初䜓隓になったねぇどうなの」
    「実は、党然芋向きもしおくれなかったんですよ 」
     圌女はビヌルを飲みながら明矎の衚情を芗っおいる。しばらく知沙を芋おいた圌女にずっお奥野明矎も䞀人の母芪であるように芋える。母芪前幞人の家から拝借したゞャンパヌを芋お「懐かしい感じ」ず蚀っおいたから幞人の知っおいる友達の母芪だろうか
    「あれは䜕の目的でやっおるんですか知沙さんが快楜沌っお蚀っおたしたけど 」
     ただ性行為を経隓しおいなかった圌女たで䜿わされたんだ。それだけの理由があるに違いない。
    「快楜沌は私たちに介入しお真実を知りすぎた もしくは知ろうずする男が蟿り着く聖地よ」
    「聖地」
    「盎接眪を犯した男盞手じゃないから殺しの察象にはならない。結果的には私たちに抗う力を奪う、嫌でもされ続けた男は去勢されたように脱力するの」
    「じゃあ幞人もそうなるはずだった 」
    「だず思ったけど無理だったみたいね それにあの子は厄介に知沙のこずが奜きだし 諊めないかもね けど、私もお母さんに䌚わせたい気持ちもあるから諊めないでほしいずも考えおる 」
    「お母さん 」
     今ハッキリず幞人にはお母さんず䌚っおほしいず蚀った。でも圌女はただその母芪に䌚ったこずはない。顔を芋たこずがないならあたり明矎の前にも珟れない存圚だろうか
    「あの子があそこたで人を殺せるようになったのは私の責任でもあるの 私はあの子のお母さんを利甚した、最䜎な女だから 」
     幞人の母芪がいるかもしれないのならここたで自分に接觊し、知沙ず愛を深め合っおいる理由も頷ける。
    「これから幞人君がどう動くかわからないけど、敵はもう䞀぀いるわ 」
    「敵ですか」
    「真矎、この前海倖マフィアずやらに襲われたでしょ」
    「はい。幞人の家を飛び出したずきに」
    「それがここ最近勢力を拡倧しおる。けど海倖マフィアずいえ私たちに固執しお襲う理由を考えおたの おそらくお互い因瞁の関係かもしれないわ」
     マフィアが真矎を狙う理由は確かに臓噚や身䜓そのものを売る目的、぀たり金目圓おの理由は䞀぀ある。実際圌女たちに殺された卓郎は珠氎鳳凰の傘䞋にあたるマフィアに金を借りるず同時、その返せなくなった借金を返す条件ずしおダクを売り捌くなどの犯眪を犯しおいた。圌女は党く知らなかった事実だが、DVクズ男だけじゃなく正真正銘の犯眪者が旊那だったのだ。そう考えるず犯眪者を「拷問」によっお殺しただけになるが、自分なりの正矩は貫いた぀もりだ。
    「幞人君が敵になるか味方になるかは私にはわからない けど、あの子を愛したいならそれは自由だし、そのずきは私より幞人君を優先しな」
     ずはいっおも幞人には知沙がいる それに明矎が蚀う蚀葉には䜕か裏なのか子䟛を想うような意志が感じられる。圌女は少し間を眮いおからビヌルを飲み干した。

     数時間埌
     ゎクゎク 
    「はぁ 」
    「ぷはぁ 」
     幞人ず知沙は少し離れたホテルに蟿り着き、圌女は党く飲めなかったお酒を珍しく䜕杯か飲んでいた。圌がかなり酒豪で䜙裕な様子だが圌女の方はダりンしそうだ。飲んでいるお酒は猶ビヌルの他アルコヌル13%皋床のボトルワむン。2人で泚いで飲む。
    「ふぅ〜 お酒なんお䜕幎ぶりかしら うぅ気持ち悪い 」
    「無理しちゃダメですよ」
     バスロヌブを着た圌女は酔った勢いで脚を倧股に開いおゲラゲラず笑う。たるで息子殺しの業を背負った女性ずは思えない。
    「幞人君 カモンッ 」
    「はい 」
     ガシッ ドンッ 
    「キャッ 」
     勢い良く圌の腕を匕っ匵った匟みでベットから萜䞋。圌が腕を入れたためダむレクトに萜䞋するこずは免れたが、圌女の口からかなり酒臭い息が出る。
    「床硬いですよ よいしょ 」
     お姫様抱っこでベットに寝かせる。するず圌女は酔っおいるずきにしか話せないず思ったのか、自分の過去の話をうたく回らない舌で語り始める。
    「ねぇ幞人君 この前私が蚀ったこず芚えおるぅ 」
    「この前ですか確か、えぇっず 」
    「私が幞人君のお母さんになるっお話だよぉ〜」
     2回目のデヌトのずきに蚀っおいたな。圌女のこずはお母さんより婚玄者、ずは蚀わなくおもい぀たでも恋人でいたい気持ちだ。圌は倧の幎䞊奜きなため12歳䞊の知沙は本圓に奜きなタむプだ。近くで芋おも遠くで芋おも、2000幎代に倧人気を博したあのアむドルに䌌おいる。息子さんはこんな綺麗なお母さんに殺されおしたったのか いや僕は䜕を考えおいるんだ
    「私の手からあの子の頬の感觊が離れないの 䜕で私 暎走しちゃったんだろう 誰に聞いおもわからない 」
     もしかしたら圌女には2人の自分が存圚しおいるのか今芋せおいる姿は優しくお、倩䜿の顔の高橋知沙。逆に䞀床リミッタヌが倖れるず冷培で無慈悲になる悪魔の顔の高橋知沙。実際圌女は優しくお息子想いの母芪ずしお有名だった。圌女の育った環境こそわからないが、悪魔の顔を持぀性質は生来のものなのかもしれない。
    「あの子は私に䞀切抵抗しなかった ずっずママ やめおっおだけ アァ 」
     ゎクゎクゎクゎク 
     䜕ずワむンをボトルごず持っおラッパ飲み案の定口に含んだワむンを飲み切れず口からこがれ萜ちる。ベットの敷垃団はワむンで染みができる。
    「ハッハッハッハ もう飲めなぃ 」
     圌女の手からボトルが離れる寞前で掎むず
     ゎクゎク 
     圌女は盞圓な量飲んだのか残っおいたワむンはコップ1杯分。
    「カァ〜 カァ〜 」
     たさか油断するずいびきをかいお寝おしたうほどオヌプンなのか その姿を芋お぀い我慢できなくなり、圌女に跚るように乗るず
     ガシッ 
    「 」
    「぀〜かたえた」
     にしおもキスするだけで酒の匂いしかしない たたにはこういうのもいいだろう。
    「決めたわ私、幞人君のお母さんになる」
    「お母さんに 」
    「でも忘れないで私たちは愛し合う仲だから 」
    「ほ 本圓ですか」
    「うんだからもっずこっち来お唇ちょうだい」
     チュッ 
    「知沙さんがお母さんなら僕は息子ですかでも同じように殺そうなんお考えないでくださいね」
    「あったり前じゃん今日からあなたのママは私よ」
     圌女の酔い朰れる目は女性らしく可愛らしいが、母のような優しい目も芋える。同時に息子を殺しおしたった眪悪感、そしお今母芪代わりになる決意が感じられる。このたた母芪に䌚えなくおもいいず思っおいた。䜕故なら、知沙ずいう母芪代わりで愛する人が傍にいるのだから。


    ・EPISODE7 氎槜
     りヌりヌりヌ
     カシャッカシャッ
    「ご苊劎さたです」
    「ご苊劎 」
     通報を受けお駆け぀けるずたるで干物のように干からびた男性の死䜓。仰向けで背䞭が反った状態、䞡手足は拘束されおいる。明らかに拷問か䜕かを受けお殺害されただろう。
    「被害者は酒井圭䞀27歳。ですがこの男には殺人容疑が掛かっおいたす」
    「酒井圭䞀か 」
    「䜕でも亀際断られた腹いせにストヌカヌしお殺しちたったみたいです ここんずこワケアリな男性ばっかり殺されおたすけど、これで䜕件目ですか 」
    「もう7件目だ 」
     酒井圭䞀は今あった説明通り、同じ職堎に勀務する埌茩の女子瀟員に奜意を寄せお亀際を迫るが断られ、諊められずストヌカヌ行為に走る。勿論嫌がられお䞊叞に報告された酒井は地方に巊遷され、殺意ず愛情が暎走しお刺殺。蚌拠隠滅に遺䜓をコンクリヌトで重石をしお海に沈めたのだ。
    「それより氎瀬はどうしたんですか」
     本来なら捜査員の䞀人に氎瀬幞人がいるはずだが、ここ数日ずっず職堎にも顔を出しおいない。
    「坂本さん、䜕か知りたせんか」
    「いや 」
     実は坂本は知っおいる。この男を殺した犯人が氎瀬幞人であるこずを。そもそも圌の正䜓はただの刑事ではなく、むしろ刑事は隠れ蓑だ。䜕故知っおいるのかずいえば、譊察の方で指名手配を掛けおいた高橋知沙ず圌が手を繋いで歩いおいるのをたたたた芋たためだった。3幎前の高橋䞀家殺人事件の担圓刑事は坂本。それに圌が着こなしおいるスヌツに腕時蚈などどれもハむブランドで20代の刑事の幎収では分䞍盞応な装い。坂本は郚䞋や他の譊察にバレないよう独自で動向を探っおいた。幞いにも幞人は自分の胞の内は䞀切明かさなくおも行動はあたり隠さない。垂原修吟殺害の件も倧胆に行ったものだからな。
    「あい぀クビにしないんですか正盎いおもいなくおも倉わらないし、ぶっちゃけ邪魔なんですよ 」
     䞀人の若手譊官が぀い声を挏らす。するず
    「お前は氎瀬君の䜕を知っおるず蚀うんだ 」
     坂本は激昂したように胞倉を掎む。
    「いいかあの子は人の愛を知るこずができなかったんだ。けど今女性ず觊れ合っお愛を知ろうず努力しおんだよ。確かに俺も氎瀬君のこずが怖い だけど俺は信じる 氎瀬幞人なら誰かを愛し愛される男になるっおな」
     実は䞀番幞人のこずを想っおいるのは坂本逞郎だった。坂本には存呜なら20歳の息子がおり、8歳の頃に骚肉腫で亡くしおいる。息子ず倧しお倉わらない幞人、愛を知れなかった圌を芋お可哀想ず思い、恐怖心を抱き぀぀も接したのだ。堪らず圌のメヌルアカりントを開いお
    「たた無理しおないか君の垭はい぀でも甚意しおるから垰りたいずきに垰っおきなよかったら1杯奢るからさ」
     䞊叞の鏡ずもいえるようなメヌル文。しばらく既読にもならないだろうが埅っおおこう。

     2日前。あの快楜拷問から翌朝のこず。
    「おはよう幞人君 ミルク欲しいですか」
    「いやそういう意味でのお母さんらしくじゃないですよ」
     知沙は20幎ぶりに䜕杯か酒を飲んで二日酔いみたいだ。昚日のノリを匕っ匵っおいる。圌女は倢䞭で圌の胞元をスリスリしながら
    「初めおしたずきから気になったんだけど、身䜓の傷どうしたの」
    「これですか」
    「そう これ䜕幎も受けた傷よね」
    「確かに お母さんには話しおおきたいですね」
    「私はあなたのお母さん代わりだけどお母さんっお呌ぶのはやめお あくたで私たちは恋人同士なんだから」
    「知沙さん 」
    「そうその呌び方でよろしい でその傷はどうしたの」
    「僕が斜蚭育ちだっお話たではしたしたよね」
    「幞人君のお母さんのこずたで聞いおたわね」
    「そうでしたね。そもそもこの傷はもう20幎前からの傷です」
     やはり圌は幌少期から暎力を受けおいたこずがある。傷自䜓は治っおいるが瞫った痕たでは癜く色玠沈着しおいおよく芋るずわかる。よく自傷行為を経隓しお赀い傷跡が治っおも癜く残るのず同じ珟象だ。
    「芚えおいるのはお母さんの顔ず斜蚭の人に暎力されたこず 色んなこずに挑戊しおも僕を受け入れおくれるずころなんおなかったんです 」
     EPISODE3でちらっずあった回想はたさしくその過去を衚す。ここで話すが圌の実父は婊女暎行の殺人犯であり、圓時ただ15歳で䞭孊3幎生の氎瀬千草は婊女暎行の被害者だったのだ。圌が語っおいた父芪の匷姊殺人事件はただの䞀䟋に過ぎない。氎瀬幞人は1998幎7月3日生たれで圓時母は16歳。劊嚠した原因は無論婊女暎行に巻き蟌たれたためだ。父芪から暎力を受けただけでなく、育った斜蚭や孊校でも「人殺しの息子」ず蔑たれお陰湿なむゞメや暎力を受けおきた。圌がサむコパスになる理由も自然ず頷ける。䜕故斜蚭で育ったのかの理由に぀いおは、圌が3歳の頃に突然行方䞍明になったからだ。その盎埌くらいに父芪は車に蜢かれお殺されおいる。それ以倖家族に関しおのこずは知らないらしい。氎瀬幞人の過去に぀いおはたた埌に語られる。
     時刻は朝10時。長い時間家を空けおいたため飌っおいる愛猫が心配になった。圌の家はペットカメラ搭茉なので携垯ず連携しお遠くからでも様子が芋れる。
    「だいぶ汚れたしたね」
    「どうしたの」
    「すいたせん、ちょっず家垰りたす。知沙さんも来たすか」
    「いいのじゃあお邪魔するね」
     猫砂がけっこう汚れおいるのが映っおいた。掃陀しおあげないず可哀想だ。
    「はいさっき也かしおおいたから」
    「ありがずうございたす」
     今の時間たで実に24時間近く党裞だった。圌女はワンピヌスから私服に着替え、圌は掗っおもらったスヌツを着蟌む。2人きりで歩くずきは私服がよかったが、スヌツで行くのも悪くない。そんなずき、ホテルから出る2人を静かに眺める圱があった。
    「本圓に止めなくおいいんですか」
    「なぁに幞人君があれで屈しないなら、知沙はもっずあの子に惚れ蟌むこずくらい想定内よ」
     明矎に真矎、それず他に女性2名。明矎はホテルから出る2人を䞀切止めるこずはなかった。むしろ雇っおいる偎ならもっず皆に自由を䞎えおいいかもしれない。
    「知沙はやっぱり 私ずいう氎槜内に入り切らなかったっおこずよ 」
     奥野明矎が率いる女性グルヌプ、぀たり所属する女性は明矎の氎槜の䞭にいるずいうこず。
    「氎槜 」
    「あなたは䞀番若い。拟った私が蚀う蚀葉じゃないけど、私ずいう氎槜から出るなら早い方がいいわ 䜕か目的があるなら別だけど」
    「  」
    「䜕かありそうねたぁ自分のこずだわ いるなら私も受け止めるだけだし」
     真矎は明矎に拟われたこずを運呜に感じおいた。父芪の顔を知らず、母芪を高校生の頃に亡くしおから生き甲斐がわからなくなっおいた。圌女が幌少期の頃には䞀生の友情を懞けお誓い合った芪友がいたが、その芪友は䞡芪の虐埅で亡くなっおいる。圌女にずっお匱い者の呜が奪われるこずは決しお蚱せない。匱い者を守る信念を持っおいるのだ。
    「もっず私を鍛えおください 」

     幞人宅に垰ろうず2人は手を繋いで歩く。
    「お昌、私䜜っおあげようか」
    「いいんですか」
    「䜕食べたい」
    「そうですねぇ む 」
     突然圌の足が止たる。
    「どうしたの」
    「しっ 」
     䜕か匷烈な殺意を感じる。呚り芋おも䜕も芋えないが明らかに気配を感じる。䞀䜓どこからだ出どころすら掎めない。
    「(䜕だこの殺気)」
     譊戒する圌を芋お知沙も拳を構える。その気配は真埌ろに来おいる そこに䜕が
     カヌカヌ
    「はぁ 」
     たさかただのカラスから殺意を感じおしたうずは 快楜拷問がよっぜど心に残っおしたったのだろうか
    「気にしすぎよ 行こっ」
    「はい 」
     本圓に気のせいかだが明らかに匷烈な殺意を感じた。それが本圓なら姿ず気配を完璧に消しお殺意のみを感じさせる、匷者だけじゃ衚珟しきれない戊闘者だ。
     バタン
    「にゃあ」
    「あら可愛い 猫飌っおるんだ」
    「レオずミアです」
     愛猫を玹介しお圌は猫砂を掃陀する。圌女は久しぶりに我が子に手料理を振る舞うような高揚感。冷蔵庫の䞭に鶏むね肉、玉ねぎしめじトマト 十分にある
    「トマトカレヌ䜜るね」
     鶏肉のトマトカレヌは翔星の倧奜物だったメニュヌだ。鍋にカットしたトマト入れ、煮蟌みながら鶏肉ずその他具材を入れ、顆粒のカレヌルヌを適量入れれば出来䞊がり。圌女の䜜り方はほが無氎で䜜る。
    「お埅たせ」
    「矎味しそうですね いただきたす」
    「いただきたす」
     圌は毎日自分のために料理を䜜っお食べおいるが今日は実に䜕幎かぶりの女性が䜜る手料理。圌女にずっお息子の奜きだった料理を圌に食べおもらっおいる。この感じが懐かしい。
    「ちょっずぉ付いおるよ」
    「えっ」
    「貞しお」
     圌女はティッシュで圌の口元を拭いた。
    「矎味しいです 」
    「よかったぁこれ翔星も奜きな食べ物だったのよ」
    「流石お母さんですね」
    「もう 」
     圌はただ母芪の手料理を食べたこずがない。それか蚘憶にないだけかもしれないが、蚘憶にないなら食べたこずないのず䞀緒だ。本圓に知沙が自分のお母さんでいいかもしれないな でもお母さんを恋愛察象に芋おはいけないからな それなら血の繋がった芪子より絆が匷い恋人同士かな。そもそも2人は既に誰かを殺し、誰かを守る存圚同士。もう戻れない それでも2人に埌悔はないだろう。

     酒井圭䞀が殺害される数ヶ月前。酒井が勀務する電子機噚メヌカヌ䌚瀟に新しく女子瀟員が入瀟した。
    「はじめたしお氷川䜐圩ず申したすよろしくお願いしたす」
     東京郜内の倧孊を卒業しお入瀟した新卒瀟員は氷川䜐圩(22)。女性の䞭では高身長でスラッずした矎人の氷川に女奜きな酒井が惚れおしたうのも無理はなかった。新人教育圹に遞ばれた酒井は仕事を教える傍ら、猛烈なアプロヌチを続けおいた。
    「ごめんなさい 私圌氏いるので 」
    「そんな 俺がこんなに奜きなのに 」
     生きおいれば誰も恋心を抱くものだ。奜きな人ず付き合いたい、䞀緒にいたい、実る恋もあれば実らない恋もある。勿論異性に察しお恋心を抱くこずは悪いこずではないが、それが狂気に火を点けおしたえば別だ 
    「お疲れ様です」
    「お疲れさんッ」
     明るい性栌な䞊仕事熱心な氷川には誰もが信頌を寄せおいた。この䌚瀟に就職できお本圓に良かったずも思った。だが
     コツ コツ 
    「誰よ 」
     埌ろから誰かに远われおいる。振り向いお確認しおも物陰に隠れおいるのか姿が芋えない。気のせいかもしれないずも思ったが、玠人の自分でも远われおいる気配を感じる。思い圓たるのは酒井の猛アプロヌチを断ったこずでストヌカヌされおいる。だがカメラを回しおいる䜙裕もなく、蚌拠を集められおいないため蚎えたり盞談するこずもできない。数日するずストヌカヌ行為は職堎内でも起きる ある日氷川が䞀人で昌食を食べおいる頃
    「なぁ氷川さん 䜕で俺ず付き合っおくれないの」
    「私圌氏いるんです 本圓に申し蚳ないですけどお付き合いはできたせん 」
     䜕週間か眮きにアプロヌチしおいる。本来ここたで断られたら諊めるはずだが酒井は違った。
    「あの もう䜕回もお断りしおたす もうやめおください 」
     SNSは仕事をする関係で繋がっおいるが毎日送られるメッセヌゞは仕事の話ではなく
    「䜕で付き合っおくれないの」
    「圌氏ず別れおよ」
    「先茩の蚀うこずはちゃんず聞きなよ」
    「今家の前にいるよ」
     ず恐怖を感じるものばかり。さらに1日に100件以䞊もの着信。だがこの執拗なメッセヌゞず着信が蚌拠ずなり、遂に氷川は盎属の䞊叞に盞談。あの酒井が ず少し信じられない様子だったが流石にこれは目瞑れないず酒井を呌び出す。酒井に蚀い枡されたのは地方に巊遷だった。
    「すたないな氷川さん 酒井君なら遠い地方に異動させたから心配ないよ」
    「すいたせん 私のせいでこんな手間を 」
    「瀟員が倧事だから圓然のこずだよ」
     だが巊遷されお諊めるほどの酒井ではなかった。巊遷ずいうこずは絊料も今より貰えないこずに加え、䞊叞に報告されたこずを逆恚み。そしお事件が起きる 

     酒井が巊遷されお1ヶ月埌。氷川は明るい衚情を取り戻しおバリバリ仕事に励んでいた。人間関係の悩みがない今は本圓に気楜だ。安党面を考慮しお圌氏ずは同棲し、数幎以内には結婚を考えおいる。これで平和に過ごせるず考えおいた矢先、遂に事件が起きおしたう。
    「お先倱瀌したす」
    「お疲れ様ゆっくり䌑んでね」
     今日は金曜日。圌氏が食べたいもの䜕でも䜜っおあげようず䞡手が塞がるほどの食材を買い蟌んだ。明るい内に垰ろうず路地裏を通った瞬間 
     トントン 
     突然埌ろから肩を叩かれた。誰だろうず振り向くず、氷川の衚情は䞀気に生気を倱う。
    「あなたは 」
     グサッ 
    「えっ 」
     突然のこずで痛がるこずを忘れる。たが腹郚から生枩かい血が溢れ出おいる。しかも凶噚は肉切り包䞁。
    「いた ぃ ょ 」
     圌女は数分で息絶えた。死んだのを確認した酒井は
    「手䌝っおくれ 」
    「はい 」
     酒井は金を䜿っお闇バむトを募り遺䜓から血が挏れ出ないよう止血し、ブルヌシヌトで包んで䜕重もガムテヌプでグルグル巻きに。
    「運ぶぞ 」
     そしお遺䜓を埠頭たで運ぶずコンクリヌトで重石をしお海に沈めた。だがこの皋床の蚌拠隠滅では遺䜓を隠し通せるわけがなかった。圓然圌女が行方䞍明になっおすぐ圌氏は捜玢願を提出し、そのわずか2週間埌に遺䜓が発芋されおいる。発芋された理由は持に出おいた船が網を匕き揚げた際、ブルヌシヌトに包たれおいた人のような物を発芋し、すぐさた譊察に通報しお発芚。殺害から2週間だったため腐敗が進んでいたが指王ずDNAから捜玢願が出されおいた氷川䜐圩22歳で間違いないず刀明。圌氏が犯人ず疑ったのはストヌカヌ加害者の酒井圭䞀。その数ヶ月埌、酒井は逮捕ではなく悲惚な姿で殺害されたず知るこずになる 

     酒井が殺害される圓日の昌間。奎は仕事を蟞めお裏瀟䌚に入り浞っおいた。その実態は闇スロだ。氷川を殺害しおから犯眪を犯すのに抵抗感がなくなり、衚のギャンブルだけでは刺激が足りなくなっお闇スロに入り浞るようになり、今ではギャンブルにハマった人間から金を奪い続けおいる。
    「兄さんもう10䞇入れたら勝おるよ賭けおみようぜ」
    「そそ そうですよねもう10侇
10䞇 」
     今金を隙し取られ続けおいるのはただ20代の倧孊生。借金で銖が回らなくなっお倧孊は退孊しなければいけないずころたで远い蟌たれおいる。
    「10䞇入れる必芁はありたせんよ 」
    「誰だぁ」
     声の正䜓は氎瀬幞人ずその埌ろにいるのは高橋知沙。
    「俺の金 俺の金 」
    「君は賭博眪だけど、僕に甚があるのは君 酒井圭䞀さんだ 」
    「ク゜ 今ガサ入れされちゃ面倒だ この譊官ず女远っ払え」
    「僕はあの子を䞀旊保護したす お願いしおいいですか」
    「わかったわ 」
     圌は䞀旊倧孊生を譊察に匕き枡すために動き、酒井含む闇スロの連䞭の粛枅は知沙に任せるこずに。圌女の戊闘力はどれほどのものか
    「女䞀人か 殺しおも文句ねぇ 殺れ」
     䜕故圌女に粛枅を任せたのかはすぐわかる 奎らは金属バットずゎルフクラブを持っお圌女に襲い掛かった
     ドスッ
    「䜕」
     圌女は奥野明矎に鍛えられた戊闘力を持っおいる。䞊の男では圌女に敵うはずもない。䞻な戊闘スタむルはテコンドヌだ。そしおあっずいう間に
    「䜕なんだコむツ こっち来んな」
     圌女を粛枅に遞んだ理由は酒井の自尊心を粉々にするためだ。女性を殺害した奎は心の䞭に男尊女卑を秘めおいるず螏んで知沙を遞んだ。
    「さぁ地獄の海の䞭ぞいらっしゃい 」
     ミキキキキ 
     圌女は革バンドで奎の銖を絞め萜ずした。
    「ありがずうございたす」
    「ちょうど終わったわ さあ運がう」
     闇スロに10䞇泚ぎ蟌もうずした倧孊生は賭博眪で逮捕だが、闇スロに闇カゞノなどの違法賭博には気を付けよう。

    「冷おえ 䜕だこれ」
    「お目芚めですね」
     酒井は氎責め拷問のように背䞭がくの字に反っおおり、手足は拘束されおいお䞀切動けない。
    「あなたは数ヶ月前、埌茩の氷川䜐圩さんに執拗なストヌカヌをした挙げ句刺し殺したしたねそしお杜撰にもコンクリで海に沈めた 間違いないですね」
    「䜕の話だよ 」
     するず知沙の腹パンが飛んでくる
    「グボォ 䜕すんだよ」
    「ずがけおも無駄よ 幞人君の方で蚌拠はバッチリ揃っおるから」
    「なぁあんた譊察なのかこんなこずしおいいのかよ 」
    「それなら心配ありたせん。譊察は隠れ蓑 僕の本圓の顔は、執行人ですから 」
    「䜕 」
     するず奎の口元に挏斗を匷制的に咥えさせる。そのたた固定させるず
    「これが䜕かわかりたすか」
     2人が持っおきたのは20個以䞊のポリタンク。それに䞭は氎がいっぱいいっぱい入っおいる。
    「あなたは䜕の眪のない女性を殺しお海に沈めた あなたも味わいたしょうか 」
    「ムググ 」
     ドバドバドバドバヌ
    「ムググ ンンンンヌ 」
     ゎクゎク ゎクゎク 
     挏斗を咥えさせられおくの字に拘束されおいたら嫌でも氎を飲み続ける。だがやはりただの氎ではない 
    「これは海氎です 飲み続けたら干からびるでしょう 」
    「次のスタンバむOKよ 」
    「ムググ  」
     既に10リットル以䞊の海氎を飲んでいる。飲たされ続ければ圓然逆流しお嘔吐を繰り返すが、それで蚱されるほど圌は甘くない。そのたた
     ドバドバ 
    「   」
    「死んだわね 」
     酒井圭䞀は干物のように干からびお死に絶えた。
     しかし圌は自分のこずを「執行人」ず語っおいた。坂本は圌の正䜓をわかっおいるが、やはり普通の譊察官じゃない。
    「垰りたしょ 」
     この東京には奥野明矎だけじゃなく、氎瀬幞人ずいう執行人もいる。぀たり2人以䞊いるずいうこずだ。果たしお運呜はどう進んでいくのだろうか。

     だがその頃、幞人たちが知らないずころで匷倧な力が動き出しおいた。䞀人の女瀟長ず思われる40代の女性が送迎車から降りた頃
    「お疲れ様です 」
    「お疲れ。ありがずう」
     バフッ ブヌン
     送迎車が去るず音もなく気配すら党く感じられない圱が近付く。女性は自宅マンションの鍵を探しおいるず
     スパンッ
    「えっ 」
     ブシャヌ 
    「ぎゃぁヌ」
     刀ず思われる刀剣類で手銖を斬り萜ずされ、あたりのスピヌドに痛みが遅れる。必死で目を開けお芋たのはマスクで口元を隠した男が2人。そのたた
     グサッ 
    「うぅ 」
     バタンッ 
     奎らの目的は䞀䜓䜕だ女瀟長を殺害したずいうこずはラむバル瀟が殺し屋を雇っお殺害させたのかだが女瀟長なら圓然譊察のボディヌガヌド、SPを雇っおいる。時既に遅しだが異倉に気付いたSPが奎らに接近する。
    「動くな跪け」
     5人のSPが奎らに銃を向ける。するず
    「撃぀なら早くしないず 」
     スヌン 
    「消えた 」
     ザシュッ 
    「䜕」
     バヌン
     焊っお攟たれた䞀発の匟䞞は
     キヌン 
     もう䞀方の男が䜕ず拳で匟䞞を跳ね返す跳ね返された匟䞞が撃ったSPの脇腹に盎撃し
    「りッ」
     慌おお芖線を前に戻した盎埌には既に 
     ドスッ ボキィ 
     おそらく匟䞞を跳ね返したのはメリケンを装備しおいたためだろう。SPはたるで胎䜓を貫かれるようにメリケンの拳が突き刺さり、心臓に他の内臓もグチャグチャになる。残る4人のSPも負けじず奎らに立ち向かうが萎瞮すれば匟䞞が震えおいるように攟たれる。
    「ク゜ッ」
     ザシュ グサッ グチャ 
     SPの攻撃すら掠りもしない戊闘力。顔こそわからないが戊闘者、殺し屋であるこずに間違いない。幞人に殺気を向けおいたのもこの2人組なのだろうかあっずいう間に奎らの傍にはSPたちの骞が広がる 


    ・EPISODE8 宣戊垃告 
    「ママ どこに行っちゃうんですか 」
    「ごめんね幞人 絶察迎えに行くから 」
    「行かないでください ママ」
     母芪はあのずき斜蚭の職員を信じお息子を預け、どこかぞず行っおしたった。だが母はただ驚くこずに20歳を迎えおいない。぀たり3歳の時点で19歳。
    「幞人君 今日から君も仲間だから仲良くしおね」
     䜕週間、䜕ヶ月、䜕幎経っおも母は垰っおこない 斜蚭に長居しおいれば圌の正䜓に気付く者も出る。
    「ねぇ幞人君 お父さんが人殺しっお本圓」
    「マゞ コむツの父ちゃん人殺しなの」
    「う〜わダバッ 近くにいたら殺されない」
    「悪者はやっ぀けるんだよなじゃあやっちゃおうぜ」
     圌は幌少期から拳を受け続け、さらに斜蚭の職員、孊校の先生たで暎力に加担しおいた 少幎野球チヌムに入っおもそれは続いた。
    「おい抑えおろ俺のドロップキックいくぞぉ」
    「やめおください やめおください 」
    「こっちはい぀でもいいぞぉヌ」
    「おりゃぁヌ」
     ドゎン 

    「はッ 」
     ポリポリ 
    「倢か 」
    「おはよう」
    「おはようございたす 」
    「たた、魘されおたの 」
    「はぁ〜 」
     圌は倧きくため息を吐いおベットから䞋りた。知沙は先に起きお朝食䜜り。メニュヌは卵焌きずきんぎらごがう。味噌汁の具は倧根ずワカメ。
    「いただきたす 」
     自分のために料理を䜜っおきた圌にずっお圌女に手料理を振る舞っおもらうのは家族の団欒そのもの。実は圌女ずは同棲しお5日で毎日愛を深め合っおいる。知沙ず結婚したい そう圌は本気で想っおいる。
    「どうしたの今日はすっごい私のこず芋るじゃん」
    「僕ず 結婚ずかっお 考えおたすか」
     初めお圌が芋せる超照れた口調。朝っぱらから頬を真っ赀にしおだ。
    「幞人君ずなら再婚したいけど、もう子䟛は生みたくないわ 」
     40歳を越えおも出産する䟋は倚いが圌女はもう生みたくもないだろう。実の息子を殺しお結婚したい男が息子代わり。
    「僕はずっず知沙さんの傍にいたいんです」
    「私も同じ気持ちよ けど少し時間 」
     プルプルプル
    「ちょっずごめんね 」
     ピッ
    「真矎ちゃん」
    「倧倉なんです」
    「䜕があったの 」
    「今はうたく説明できないんですが ずにかく来おほしいんです」
    「わかったわ」
    「それず」
    「䜕 」
    「幞人も連れおきおだそうです 」
     プツッ 
     電話から聞こえる真矎の声ず知沙の緊迫した衚情を芋おタダ事じゃないこずを察する。
    「着替えお あなたにも甚があるみたい 」
    「わかりたした」
     どうやら圌女が所属する組織から呌び出しが入ったようだ。するず圌の携垯にも
     プルプル
    「はい」
    「氎瀬さん劻が 劻が急にいなくなったんです」
    「䜕ですっお」
     話を聞くず劻の携垯や財垃は家に眮いたたたで、買い出しに利甚するマむバッグも家にあっお出掛けおる様子もなかったずいう。
    「お子さんは」
    「孊校ず保育園に確認したら子䟛たちは無事みたいです」
    「そうですか 僕から坂本さんを手配させたす䜕かあったらい぀でも電話掛けおください」
     プツッ 
     ほが同時に緊急電話が。これはたさかずいう悪い予感しか感じられない。
    「ずにかく急ぎたしょッ」
    「はい」

     ほが同時間。明矎のアゞトに真矎ず䜳奈矎ずいう女性、もう䞀人麻里ずいう女性がいた。アゞトにいる理由は次に粛枅する人間の調査ず幞人知沙カップルの話で持ち切りだ。ここのずころは最近幞人にタヌゲットが先に殺されおいるのも問題だが するず
    「明矎さん倖に䞍審な段ボヌル箱が」
     突然倖に出おいたメンバヌの䞀人がドアの前にポツンず段ボヌルが眮かれおいるのを発芋した。それにけっこうデカい。爆匟だったら厄介だが確かめないわけにはいかない。それに
    「ちょっず重いです 」
    「どいお 」
     明矎は䞀人で段ボヌルを持ち䞊げた。重さは40kg以䞊か䞀䜓䜕が
    「開けお 」
     真矎は恐る恐る段ボヌルのガムテヌプを剥がしお箱を開いた。
    「キャア 」
     真矎は䞭身を芋お恐怖のあたり腰を抜かす。震え方が尋垞じゃない。だが明矎は
    「死䜓よ 」
     䜕ず䞭に入っおいたのはバラバラに切り刻たれた女性の遺䜓。完党に血抜きされお䞀぀䞀぀が綺麗に切断されおいる。党うに生きる肉屋ではこんなこずはできない。明らかにプロの仕業だ。それに肝心の身元は
    「川厎さん 」
    「真矎 たさか」
    「川厎さんの 奥さんです 」
     䞀䜓どういうこずだ䜕ず段ボヌル箱に入っおいたバラバラ死䜓は川厎匘達の劻、川厎優子だった誰がこんなこずを
    「早く知沙に電話しお」
    「はい 」
    「あず幞人君を連れおくるようにも蚀っお」
    「えっ」
    「早くしなさい」
    「はいぃヌ」

     数十分埌。
    「真矎ちゃん」
    「知沙さんあぁ 」
    「  」
     幞人ず真矎は顔を合わせた瞬間お互いしゅんずした雰囲気に。快楜拷問にかけようずした偎ずされそうだった偎が再䌚すれば圓たり前のこずだが、今はそんなこずを気にする䜙裕はない。
    「あのずきは悪かったわよ 」
    「䜕のこずです」
    「ほら この前のあの 」
    「気にしおないです 」
     そう蚀うず圌の口角が少し䞊がった。
    「(いや嬉しいのかよ )」
    「もう忘れなさい 」
    「はい それより真矎さん僕を呌び出すなんおどういう颚の吹き回しですか」
    「それは 」
     圌女は呌び出した理由を話しおいいのか悩んでいるず
     ビュヌン
     ガシッ
     突然100kmほどの速床でオレンゞが投げられた圌は皮を剥いお䞀口かじるず
    「苊くお酞っぱい 」
     収穫する時期を間違えおいるのか味は酷く苊かった。するず
    「苊いっおこずはあなたも哀しい男なのね 」
     突然どこかから声が。明らかに知沙や真矎の声ではない別人の声。
    「やっぱりあなただったんですね奥野明矎さん 」
     氎瀬幞人ず奥野明矎、この2人の再䌚は20幎ぶりだ。぀たり圌が8歳のずきに行方䞍明になり、圌女の息子の奥野健吟は虐められおいた圌にずっお唯䞀の芪友だった。やはり圌女の顔を芋るず真っ先に出おしたう蚀葉が
    「あなたが母さんを利甚したんですか健吟君はどうしお死んだんですか 」
    「ちょっず幞人君 」
     知沙は止めようずするがたるで聞いおいない。
    「もし教えたくないなら 」
     ブン
     圌は凄たじいパンチを連撃するが圌女は完璧にガヌド。やはり先日戊った仮面の女性は圌女だったのか。さらに
    「 ほう あなたもやるようですね」
     圌女たちの前に広がるのはたるで人間離れした戊い折角の再䌚に花を咲かせられる状況ではないようだ。
    「やるわね でも今のあなたじゃ私に勝おないわ それに哀しいたたじゃ、オレンゞも苊いたたよ 」
    「負け惜しみですか」
     だが圧倒的な戊闘力を持぀のは圌の方だ。芋る芋るうちに明矎の身䜓から血が流れる。 
    「りゥ 殺したいなら殺しなさいよ」
     ガシッ
    「カァ 」
     容赊なく銖を絞めおそのたたトドメの拳を握り締める このたた殺っおしたう぀もりだ
    「幞人君いい加枛にしなさいやめなさい」
     知沙が匷めに蚀うず圌は
    「すいたせん ぀い 」
     流石母芪代わりだ。知沙の蚀うこずは絶察に聞くようだ。圌はゆっくり銖から手を離す。
    「ゎホッ ゎホッ 」
    「明矎さん」
    「気にしないで 」
    「真矎ちゃん私たちを呌び出したのっお䜕」
    「あぁ 実は今日うちに段ボヌルが眮かれおたんですけど、それが 」
     真矎は問題の段ボヌル箱の䞭身を2人に芋せる。
    「身元は川厎優子さん34歳。真矎の勀め先の䞊叞、川厎匘達の奥さんよ 」
     衝撃の事実に圌の党身から汗が吹き出る。
    「たさか 」
     今日匘達から電話が来たばかりだ。自宅に携垯など貎重品がそのたただったずいうこずは、自宅から拉臎されお殺害されたのだろうか
    「ク゜ッ僕が守れないばかりに 」
    「萜ち着きなさい どちらにしろあなた䞀人じゃ無理な話よ」
    「川厎さんを譊戒させたのは僕です蚀った僕に責任があるんです」
    「萜ち着いお幞人君 ずにかく今はこれからのこずが倧事よ」
     普段冷静すぎる圌がいきなり取り乱しおいる。これは盞圓悔やんで自分を責めおいる。
    「たさか珠氎鳳凰が 」
    「おそらくそうよ それにこの前うちの䞀人が海蟺に浮かんでた 」
    「南さんですよねそれも珠氎鳳凰が」
    「間違いない。それに政財界が牛耳っおいるなら囜を敵だず疑った方がいい 」
     敵は䞀䜓䜕人いる明矎が蚀う南ずいう女性は確かに殺人犯であるが、川厎優子は䜕の眪もない善良な女性。しかも血抜きを完璧にしお遺䜓をバラバラに 
    「これは明らかに私たちに察しおの挑発 ずこずん女性たちを殺しお宣戊垃告しおいる 」
    「それが、僕を呌び出した理由ですか」
    「他に䜕がある今回は私たちだけじゃ手に負えないわ 」
    「わかりたした 知沙さんの傍にいれるなら、力を貞したす」
    「知沙 良いパヌトナヌ持ったね」
     明矎が蚈画しおいたのは快楜沌に萜ずしお服埓させる぀もりでいたが、珠氎鳳凰が宣戊垃告をしたのなら協力しおもらうのみ。圌が知沙に惚れおいなかったらそのたた快楜沌に萜ちおいただろう。むしろ知沙に察しおは圌ず繋いでくれたこずに感謝しおいる。
    「誓いのキス代わりずしお、絆の蚌明キスでもしたら」
    「えっ」
    「いいじゃないですかぁ知沙さんず幞人のキス芋おみたい」
    「恥ずかしいです 」
    「いいじゃんほらっ」
     圌女は唇を出しお目を閉じた。これはもう完党に受ける姿勢。
    「やっぱ知沙さんは最高ですね 」
     チュッ 

     その日の倜。新宿区葉琉州町にある人気No.1のキャバクラ店、LOUNGE MINTでは倧盛り䞊がりで次々に高額シャンパンが開けられおいた。
    「ボトル入りたしたぁヌ」
    「ありがずうございたすさゆきさんの玠敵なお客様からアルマンドいただきたしたありがずうございたす」
     ポンッシュヌ
    「ありがずうございたす」
     パチパチパチパチ
     さゆきさんそのキャストはメむクで若くしおいるが幎霢は50歳手前くらい。だが倧人の色気党開でワむンレッドのミニドレスで少しお腹を出したセクシヌな女性。
    「い぀もありがずね」
    「なぁにたった30䞇ぜっちだ 」
     高額ボトルを開けたお客さんは䞊客のようだ。着こなしおいるスヌツも超ハむブランド。だが雰囲気がどこか胡散臭い。
    「ずころでな 邪魔な奎はこっちで排陀した」
    「そう 」
     お觊りNGなお店なのに隠れお胞を掎む。
    「心配するな私が愛するのは君だけ 間違っおも殺しはしない」
     明らかに接埅が普通じゃない。完党に圌女を䞋僕にしおいる男は東京や愛知県などに高玚ブランド店や高玚ホテルを展開する超䞊堎䌁業(æ ª)SHプロダクトの代衚取締圹瀟長兌䌚長、倧城四王(47)。政治家ずしおも掻動しおいるいわば政財界の人間だ。
    「ただ私の機嫌損なったらどうするかわからないけどな」
    「埓いたす 」
     高額ボトルを開けられたのに酷く怯えおいる。しばらくしお倧城ずいう客はチェックしお垰ったが、シャンパンを飲んで酔いが回ったのず疲れもあっお早䞊がりした。圌女は基本的に黒服ず䌚話するこずをしない。
    「はぁ〜 い぀たで続くんだろう」
     店にずっお倧城は䞊客。切ろうにも切れない存圚だ。それにCEOで政治家の男を敵に回したくない。さゆきずいう源氏名を䜿っおLOUNGE MINTで働いおいるキャストの名前は氎瀬千草(44)。息子の名前ず自分の名前を合わせお源氏名に䜿うずは 歩いお垰っおいるず
     コツコツ 
    「明矎」
    「盞倉わらず頑匵っおるようね」
    「䜕の甚っおどうしたのよその傷」
    「これは気にしないで 」
     2人は元々ママ友同士。明矎の方が6歳幎䞊だがよく気が合う2人だった。
    「その源氏名䜿っお䜕幎よ」
    「䜕䜿おうず勝手でしょ」
    「もうすぐ䌚えるかもしれないのに」
    「 別に䌚いたくないわ 」
    「嘘よ 千草はい぀たで自分に嘘を吐き続けるの」
     䜕故千草は息子に䌚いたがらない明矎はどうしお自分に嘘を吐き続けるのかず問い掛けおいるが、それほど自信がないのだろうか
    「私は明矎みたいに匷くないし、それにあの子を守るためなら政治家の靎舐めるくらいしないず無理なの 」
    「そう蚀っお千草はい぀たで逃げるのよ少しは向き合ったらどうなの」
    「明矎に䜕がわかるのよ他人だからそう簡単に蚀えるのよ」
     やはり我が子に䌚いたくお堪らないだろう。だが今曎どの面䞋げお䌚ったらいい3歳の息子を斜蚭に抌し付け、ただ19歳ずいう若さで育おる自信もなかった。いくら反瀟の人間でも私は車で蜢き殺した殺人犯。
    「あの子が今䜕やっおるか知らないの」
    「いや 」
     恥ずかしながら息子の職業を知らない 元気に生きおいれば取り敢えず安心だが 
    「元公安 今は葉琉州の刑事」
    「譊察」
    「けどそれは衚の顔よ。正䜓は私たちず同じ闇の執行人だわ 」
    「幞人が 」
    「今日たで䌚わせない぀もりだったけど、やっぱり芪なら䌚いに行くべきだよ」
     しばらく沈黙を眮いお
    「考えずくわ」
     幞人 本圓に匱いママでごめん でも折角䌚えお息子に守っおもらうなど情けないこずはしたくない。でも生たれたずきからママは愛しおるよ 愛しおるよ 幞人 

     翌朝。
    「行っおきたす」
    「いっおらっしゃい」
     劻がいなくなっお2日。ただ譊察から䜕の連絡もない䞍安を抱えながら嚘2人を育おる。䞊の子は小孊生だから䞀人で登校するが、䞋の子は保育園なので送り届ける。
    「よし仁銙も早くしないず遅れちゃうぞ」
    「はヌい」
     取り敢えず嚘たちには「出匵に行っおいる」ず蚀っお䜕ずか誀魔化しおいる。だが仕事には行かなければ 遠くから圌を数人の刑事が芋匵っおいる。
    「こちら異垞なし 」
    「了解 」
     坂本は幞人に党面協力しお圌に護衛を付けおいる。圌にはただ優子がどうなったか知らせおいないが、い぀切り出そうかず悩み続ける。今日は護衛の䞀人に坂本がいるが、さらに
    「それにしおも、自宅から連れ去ったずしたらどの時間垯なんだろうな」
    「癜昌堂々なら手慣れの仕業ずは考えられたす 」
    「はぁ でも折角䌚えたのに蟛気臭い話しなきゃいけないなんおな 」
    「たぁ、飲みに行くならなるべく少人数がいいです」
    「じゃあ誘いに乗っおくれるっおこずでいいな」
     幞人ずいう可愛い郚䞋にたた䌚えお嬉しいが物隒な話が倚い。しかし䜕だかんだ坂本は圌に気があるのかず疑うかもしれないが心配ご無甚。息子を病気で亡くしおいるが結婚生掻はずっず続けおいる。
    「でもい぀蚀えばいいんだバラバラに ムッ」
    「しっ 」
     突然坂本の口を塞ぐ。圌が感じたのは殺意 今日ずいう日は自分も護衛に加わっおよかったず身を持っお感じる。圌は目を閉じお聎芚ず嗅芚を研ぎ柄たせお気配の出どころを探る。そしお䞀気に目を芋開いお
    「フゥゥ 」
     バヌン
    「うわッ 」
     遠くから䜕者かがラむフルで狙撃しおいた。スコヌプを䜿っおいればレンズが反射しお狙撃ポむントは䞀目瞭然。狙撃しおいる堎所は少し離れたビルの5階。
    「川厎さんをお願いしたす 」
     圌はビルの5階たで目掛けダッシュ奎も気付かれたこずに焊っお逃げようずするが、蚌拠を残さないようラむフルをケヌスにしたおうにもより焊れば行動䞀぀䞀぀に遅れが出る。
    「ちょっず来おもらいたしょうか」
    「䜕 」
     圌は颯爜ず奎の銖を絞め萜ずし、そのたた肩に抱えお
    「氎瀬君 はぁ はぁ 」
    「たた野暮甚行っおきたす」
    「わかった 」
     そのたた圌は坂本に目配せしお「川厎さんに奥さんのこず教えおください」ず䌝えるず、それに続いお頷きながら「わかった 」ず答えた。

     1時間埌。圌は狙撃しおいた男の銖にロヌプを絞め぀け、そのロヌプはフォヌクリフトに繋いでいる。
    「おいお前氎瀬幞人だろこれを解け」
    「墓穎掘りたしたね川厎優子さんを殺したのはあんたですか」
    「さあな」
    「はぁ 」
     するず圌はリフトレバヌを䞊げおフォヌクリフトを䞊昇させるず
     りィヌン 
     ミキキキキ 
    「ガハッ くる 」
     このたたなら窒息死だ。だが圌は䞀旊䞋げる。
    「ゎホッ ゎホゎホッ 䜕すん だよ 」
    「蚀わないならこのたた窒息死だぞ さぁ吐けぇ」
     ボキッ 
    「りワァヌ 」
     ボキッ 
    「むデェ いおぇよ 」
     圌は奎の䞡腕を片手で簡単にぞし折る。果たしお奎は吐くのだろうか
     りィヌン 
    「ガガガ カァ  」
    「さあ最埌のチャンスです お前は殺っおいないのか」
    「はぁ はぁ 川厎っお女を殺したのは俺たち珠氎鳳凰の䞀人だ実行犯は知らない だけど俺らは頌たれただけなんだ 」
    「頌たれた 」
    「氎瀬 千草っお女の人です 」
     その蚀葉を聞いた圌は絶句した。たさか敵から母の名前を聞いおしたうずは 
    「あんたの母芪だろ MINTっおキャバクラで働いおる名前はあんたず同じだからすぐわかるはずだ これが知っおるこずの党郚だだから助けおくれよ 」
     母がキャバクラ店のキャストずしお働いおいるずいうこずかもしそうなら客ずしお朜入するしかない。母に接埅されるのか。
     りィヌン 
    「おい玄束が違うじゃないか䜕で䞊げるんだよ 」
    「僕は助けるずは蚀っおたせん 貎重な情報には感謝したすが、このたた死んでください 」
     ミキキキキ 
    「カァ ヵヵ    」
     奎は䞊昇するフォヌクリフトにロヌプで銖を絞め䞊げられ、さらに䞡腕は折られおいたため手でロヌプを掎んで抵抗するこずもできず、呆気なく逝った。
     ただ倜の時間たで10時間以䞊ある。䟋のLOUNGE MINTが営業するたで珠氎鳳凰の動向を少しでも探らなければ。これ以䞊犠牲は増やしたくない 眪のない人が殺されるなどあっおはならない。䞀旊圌は明矎たちず合流するためにその堎を埌にした。


    ・EPISODE9 空癜からの再䌚
     バタン
    「早かったわね䜕かわかったこず 」
     ガシッ 
     圌は勢い良くドアを開いお明矎の胞倉を掎む。
    「䜕たた喧嘩腰なの 」
    「䜕で蚀っおくれなかったんですか 」
    「どうしたのよ」
     突然響き枡る圌の怒号に皆が驚いお開いた口が塞がらない。
    「䜕のこずよ 」
    「母さんがMINTっおキャバクラで働いおるこず あなたは知っおたんですよね」
    「あなたもようやく気付いた いや遅すぎるわねそれでも千草の息子聞いお呆れるわ 」
     氎瀬千草がMINTで働いおいる事実は呚蟺だず明矎しか知らない。千草が口止めしおいた理由もあるが、䞀番の理由は幞人ず䌚わないようにするためだった。
    「仕方ないじゃない 黙っおおくように蚀われたんだから けどバレたら仕方ない。名前はさゆきよ」
     その蚀葉を聞いた途端胞倉から手を離した。あくたで明矎は玄束を守っおいただけであった。
    「母さんは25幎前突然出お行っおしたった 斜蚭に䞀床も来おくれなかった 䌚いに行く前にあなたから確かめたい」
    「えぇ 自分の母芪のキャバクラに行くの」
     確かにそうだ。䌚いに行くなら自分の母芪に接埅しおもらうこずになる 25幎䌚えおいないなら芪子ずしおの意識は薄れおいるだろう。ふずLOUNGE MINTのホヌムペヌゞを開いおキャスト䞀芧を芋るず確かに"さゆき"はあったが、顔出ししおおらず、SNSでも顔出ししおいなかった。それでも母芪の顔を忘れおいるはずがない。蚘憶が正しければ自分ず顔がそっくりであるこず。
    「確かに私は千草を利甚したわ けどRose Orangeを立ち䞊げたのは千草なの」
    「Rose Orangeそれがこの組織の名前ですか(道理で皆さんからオレンゞの銙りを感じたな )」
     Rose Orangeが結成されたのは2001幎12月。もうすぐ25呚幎になる。母が圌の前から姿を消したのは2001幎10月頃でその盎埌に実父が車で蜢き殺されおいる。2ヶ月経っお組織が結成された圢になる。婊女暎行を繰り返す男を殺したこずをキッカケに、匱き者を守るために母が未成幎ながら立ち䞊がったずいうこずか。
    「じゃあ、あなたは僕の母さんに雇われおいた 偎だったっおこずですか健吟君が亡くなったのは僕たちが8歳のずき ぀たり」
    「私が入ったのは健吟が殺されおからだった けど千草は殺しで粛枅し続けるこずに粟神が限界を迎えおしたった。それで私がリヌダヌの座を匕き継いだのよ」
     ママ友だった期間は短かったが、2人は幞人に黙っお連絡を取り続けおいた。むしろ明矎は圌の様子を頻繁に報告しおくれおいたのだ。明矎の息子である奥野健吟は圌ず同じ保育園、同じ小孊校で圌の数少ない友達だった。圓然健吟が殺されおからは孀独に萜ちるこずになる 
    「健吟ず旊那を殺したのは食人鬌 倚分旊那を殺したのは芋られたこずを䞍郜合ず思ったんだろうけど、健吟の身䜓の䞀郚は欠損しおいた それも食い千切られた痕跡があったの」
     圓時圌が通う小孊校では奥野健吟の远悌匏が行われたが、圓然どうしお亡くなったのかは知らされるわけがなく、明矎が行方䞍明になる理由もわからなくお圓然だ。
    「そっから初めお知ったの 千草が執行人であるこずを」
    「぀たり 母さんがあなたに声を掛けお埩讐しようず考えた そういうこずですね」
    「そうよ だから私は匱き者を守るっお決めたの 」
     今日に至るたで明矎は母芪を利甚しおいたのかず考えおいた。だが明かされた真実は䜕ずも理にかなっおおり、殺人で悪を制する。それに自分も同じこずをやっおいる。圌が刑事を隠れ蓑にしおいる理由は、底なしに溢れ出る悪人ぞの殺意を抑えるためである。
    「本圓はあなたに䌚うわけにいかなかったけど、あなたは誰よりも匷いわ だから合栌っおずこね」
    「䜙蚈な口は慎んだ方がいいですよ 」
     「合栌」ずいう蚀葉が劙に突っ掛かるように聞こえたのか、圌は冷たい芖線を送った。だが圌女は
    「䜕です 」
     䜕故か圌のこずをじぃず芋詰める。
    「目を芋るず涙が出そうになっおいる。今のあなたがどういう状態かわかる」
    「䜕が蚀いたいんですか 」
    「愛情を底なしに求めおいる いわば怪物よ」
     圌女は背埌に回るず胞元をスリスリしながら耳元で
    「怪物から生たれた息子は怪物になる あなたは結局運呜から逃れられなかったっおこずよ 」
     怪物ずは千草のこずを蚀うのかならあんただっお怪物だろうがだが圌は歯向かうこずをしない。怪物になっおいるこずなど、既に自芚しおいるからだ。
    「そうです 僕は刑事になっお自分を誀魔化しおきたしたが、いくら誀魔化したっお本心は殺し屋 僕はこの力で、知沙さんも母さんも守っおみせる 」
    「ハハハハハ 目が千草゜ックリね 狂気に満ちた優しさを芋せる目 」
     たるで圌を認めおいるような発蚀。圌女の笑い方は䜕ずも高らかで銬鹿にしおいるようにしか芋えないが、䜕か含みのある感じだ。
     腕時蚈を確認したらただ数時間䜙裕がある。それたでは䞀旊家に垰っお知沙に報告しおおいた方がいいだろうず考えた。

     䞀方、劻の死を坂本から知らされた川厎は 
    「優子 そんな そんなぁ ゥゥ  」
    「心䞭お察ししたす  」
     バラバラに切り刻たれたなど蚀いたくなかったが、やはり䌝えなければいけなくなり死因や遺䜓の状況なども党お明かした。この先シングルファザヌずしお2人の嚘を育おなければならない ただ小さい嚘には䜕お蚀ったらいいかわからない むしろこの先、目の前のこずも今は考えおいる䜙裕がなかった。
    「氎瀬君が効さんず接觊しおいたす 僕も圌を信じるこずしかできたせん 」
    「そうですか 」
     幌い頃母に先立たれ、父芪ず遊んだ蚘憶もないたた斜蚭で育ち、知らないずこで効の存圚を知った圌が家族の倧切さを知ったのは結婚しおからだった。結婚しお嚘2人に恵たれおいたのに、愛する劻がバラバラに切り刻たれるなどあっおいいこずではない。これ以䞊家族を倱いたくない 真矎さえよければたた䞀緒に働きたい。そんな颚に思っおいた。
    「すいたせん そろそろ䞋の子が垰る時間なので倱瀌したす 」
     䞋の子の仁銙に䌚うたでに涙は匕いおおかなければ。自分に戊える力はないが、今床こそ家族を守る。でなきゃ父芪なんお語れない そう考えるず早く嚘の顔が芋たくお仕方なかった。

     その日の21時。普通の平日だがLOUNGE MINTは倉わらず賑やかだった。ホヌムペヌゞでさゆきが出勀しおいるこずは把握枈み。これで䌚えたら実に25幎ぶりの再䌚だ。
    「いらっしゃいたせお客様本日ご指名は」
    「さゆきさんで 」
    「かしこたりたした すいたせん初めおのご来店でしょうか」
    「そうですが」
     黒服は少し「ん」な衚情をした。さゆきはどのサむトやSNSにも顔を出しおいないのに初来店で指名。確認を終えた黒服が
    「お埅たせしたした。ではこちらぞどうぞ、いらっしゃいたせ」
    「いらっしゃいたせ」
     キャバクラなど䞊叞に誘われお行った皋床で数えるほどしか行ったこずがない。䞀人で来店は初めおだ。ファヌストドリンクで生ビヌルを頌みたずは䞀口飲んでいるず 
    「倱瀌した 」
     ワむンレッドのミニドレス、さらに腹出ししたキャストが目の前にいる。圌女は少し険しい衚情をしながら圌の隣に座った。
    「䜕で来たの」
     25幎ぶりの再䌚 だが圌女にずっおは自分の息子を接埅しおいるこずになる。
    「25幎ぶりなのに 玠盎に喜べないんですか」
    「あんたになんか䌚いたくないわ 」
     母が嘘を蚀っおいるこずがわかる。本圓は息子に䌚いたくお仕方なかったはずだ。それは圌もそう 今日この瞬間を埅ちわびおいた。
     ゎクゎク 
     黒服は2人の様子を芋おいるずほずんど䌚話をしおいないこず、さらにさゆきず䌌すぎおいるこずに気付き、流石に確認しないわけにはいかず
    「すみたせんお客様 申し蚳ありたせんが身分蚌明曞芋せおもらえたすか」
     圌は玠盎に免蚱蚌を出すず
    「氎瀬幞人さん えっ」
     ぀い聞こえる声で圌の名前を蚀っおしたった。するず店長ず思われる黒服が
    「申し蚳ありたせんが 芪族の方のご利甚はお断りしおおりたしお」
     同業者や暎力団関係者の利甚お断りはよくあるが、息子が利甚しに来るずは今たであっただろうかするず圌は
    「僕たちは25幎も䌚えおいないんですよ 今日くらい僕をお客ずしお芋おいただけないんですか」
     物凄く冷たい芖線で蚎える。
    「 (䜕だこの刺さりそうな芖線は でも埓わなかったらダバそう )ごゆっくり お楜しみください 」
    「このNIRください あず自動延長でお願いしたす」
    「ちょっずあなた 」
    「いいんです 」
    「かしこたりたした 」
     䜕ず圌はラストたで自動延長。さらに初来店初指名でシャンパンたで開けた。シャンパンが開栓され
    「也杯 」
     チンッ 
     ゎクゎク 
    「どういう぀もり」
    「ずっず䌚いたかった理由以倖いりたすか」
     25幎ぶりに聞く圌の蚀葉。勿論幌かった声は思い出せないが䞁寧口調は盞倉わらずだった。たさか母芪盞手にも敬語ずは。だがいけないこずに、28歳でむケメンになった息子にずきめいおしたう 今こうしお生きおいるこずは盞圓苊劎したこずも窺える。成長をこの目で芋たかったず埌悔しおいる。他愛もない䌚話を続けおいれば圓然、ラスト間際では酔いも回っお぀いあるこずを聞いおみる。圌は耳元に口を近付けるず
    「䌚いたくなかったんじゃなくお、䌚っおはいけなかったんじゃないんですか 」
    「 」
    「明矎さんから聞きたした このお店で働いおいるこず、黙っおおくように念抌しした っおこずで合っおいたすね」
    「これ以䞊この話を続けるなら出入り犁止にしおもらいたすよ 」
    「母さん 」
    「母さんず呌ぶのもやめなさいあくたで私たちはお客さんずキャバ嬢よ 」
    「じゃあどうしお僕の名前をわざわざ源氏名に䜿うんですか」
    「もうやめなさいこれ以䞊その話するならおしたいよ」
     ここたで動揺しおいるのはただ䌚いたくなかっただけの話じゃ片付けられない。するず
     チュッ 
     䜕ず圌の頬にキスをした。幌い頃にしたかもしれないが、これがせめおもの愛情衚珟。
    「これで満足したならもう䌚わないず玄束しお 」
    「䜕故です 僕は母さんずたた暮らしたいだけなんですそれず、僕には婚玄者がいたす」
    「えっ 幞人に婚玄者が 」
    「ほらこれです 名前は高橋知沙さん 僕のお母さん代わりずも蚀える方なんです」
    「綺麗な人 」
     知沙の顔は今たで芋たこずなかったのか、圌女の写真に぀い芋惚れおしたう。聞けば知沙は40歳みたいだが幎霢を感じさせないほど綺麗だ。
    「孫は芋せられたせんが、僕たちは正真正銘家族です」
     圌女も知沙の話を明矎から聞いたこずがあった。確か䞭1の息子たで手に掛けおしたったず聞く。自分が立おたRose Orangeにいる人間は様々な悩み、埌悔を抱えおいる。
    「教えおください どうしおそんな怯えるんですか」
     母は䜕か裏の力で支配されおいるこずは察しおいる。たたたた今日は客ずしお来おいないならラッキヌだ。
    「もう私の口からは蚀えないわ 」
    「僕は楜しむために来たわけじゃありたせん 勿論このお店で働こうが蟞めるかは母さんの自由ですが、僕は本圓に 母さんず䞀緒に暮らしたいだけ それだけなんです僕の結婚匏にも来おほしいんです」
    「諊めなさい それは無理な話よ。最埌にキスするからそれで諊めお」
     チュッ 
     閉店たで15分もない。折角25幎ぶりに䌚えたのにもう䌚えなくなるなんお嫌に決たっおいる
    「わかったわじゃあこの埌アフタヌ行っおあげるから、それで最埌よ 」
    「いいんですか 」
    「アフタヌぐらい付き合うわ 」
    「じゃあお䌚蚈したすね お願いしたす」
     この日はNIRずいうシャンパンを2本開けた。䌚蚈金額の24䞇円を珟金で支払った。その頃圌女も着替え終わっお圌のもずぞ。
    「じゃあ行きたしょ 」
    「ありがずうございたした」
     どこか積極的な母。匷がっおいおも愛情は隠しきれないものだ。2人の姿が芋えなくなっお黒服は
    「店長、あのお客様倚分さゆきさんを指名するず思うんですけど、今埌もいいんですかね」
    「同業でもない限り出犁にはできないな。ただ芪子っおパタヌンは俺も芋たこずねぇ。たぁ奜きにさせおやるっおずこだな 」
     出犁にはならなかったようだ。芋た感じ普通に客ずキャバ嬢の接埅に芋えお問題ないず刀断されたのだろう。
    「どこ行きたすか」
    「シメにラヌメン 食べたいかも」
    「ラヌメンいいですねぇ じゃあずんこ぀の矎味しいずこあるのでそこ行きたしょッ」
     この呚蟺では24時間営業しおいるラヌメン店が少し倚めで、深倜劎働者もよく集たる堎所だ。2人はずんこ぀ラヌメンが矎味しいラヌメン店に入り、ラヌメンを食べおアフタヌはお開きになった。楜しい時間はあっずいう間に過ぎ 
    「時間ね じゃあ、これでもう䌚わないず玄束しお 」
     圌は哀しい衚情をしたたた母が去るのを芋るこずしかしないのかやはり圌は 
     ガシッ 
    「ちょっず 」
     ギュ 
    「䜕すんの 」
    「ずっず母さんを この手で抱いおみたかった もう少し、このたたでいさせおください 」
    「幞人ダメよ 私たち芪子なんだよ」
    「それでも お願いです お願いだから 」
     圌は涙を流しながら必死で母を抱き締める。泣くのも無理はない。䜕故なら離ればなれになっおからずっず願い、ようやく叶ったのだから。
    「あなたのこずは僕に守らせおください 䟋え政財界が敵でも僕は絶察に守りたす 」
    「䜕でそのこずを 」
     思わず政財界の蚀葉に驚いた。楜しくお忘れおいたが息子は元公安の刑事だ。そう考えるず息子に隠しごずはできないかもしれない。なら幞人のこずを信じおいいのか
     ギュ 
     気付いたら圌女も抱き締め返した。こんなに倧きくなった息子を抱っこできなくおも、抱き締めるこずはできる。気付いたら母も泣いおいた。
    「あなたのこずは僕が守りたす 党郚終わったら、䞀緒に暮らしたせんか」
    「でも 幞人結婚するんでしょ邪魔はできないよ 」
    「知沙さんもあなたに䌚いたいず仰っおたす だから心配しないでください」
    「幞人 」
     久々に感じる芪子の枩もり。圌は䜕床も死にたいず思ったが、今こうしお生きおいるこずに察しお倧倉良かったず思っおいる。圌女ももう䌚わないずあれだけ蚀っおいたのに、たた䌚いたい気持ちで心が埋たる。このたたずっず抱いおいたい 私は小さかった幞人を数えるくらいしか抱っこしなかったかもしれない 
    「今日は本圓にありがずう 名刺に電話番号あるから」
    「たた䌚っおくれたすか」
    「前蚀撀回 毎日でも、䌚いたくなっちゃった」
    「じゃあたた 」
     ただ圌女の家には行かない。だが去っおしたう姿を芋お25幎前のこずを思い出しおしたう。それでもたた䌚えるこずに垌望を持おた。母さんが玠盎に喜んでくれたから
     母さんも知沙さんも守っおみせる だがこの決意は恐怖の詊緎が課せられるこずになるず、このずきは知る由もなかった。


    ・EPISODE10 償い
     川厎優子の遺䜓がバラバラにされる前日、その日圌女は仕事が䌑みで垰っお来る倫ず嚘のために晩埡飯の支床をしおいた。今日は䜕を䜜ろうかなず冷蔵庫の䞭の食材ず盞談しおいるず
     カシャン 
    「 」
     䞀瞬物音がしたのを感じたが䜕もない。そうだ䜕䜜ろうか取り敢えず野菜ず肉を出しお冷蔵庫の扉を閉じた瞬間 
    「芋ぃ付けた 」
    「誰ムゥ 」
     いきなり屈匷な倧男に襲われ銖を絞められる。匷すぎる握力に抵抗ができず意識が埐々に薄くなっおくる そしお意識を倱った頃
    「さぁお運びたすかね」
    「ええ 」
     埌ろにもう䞀人の男が。その男は少しロン毛気味で静かな声ながら戊闘者の雰囲気を感じさせる。倧男の方は性欲にたみれおズボンを脱ぎかけおいるが、䜓液䞀぀すら蚌拠は残せない。川厎宅には防犯カメラが仕掛けられおいたが、䞀切映っおいないのは圓然の劂く党お蚈算し尜くされたためだ。
     圌女は奎らが持぀凊理堎に拉臎された埌、倧男に陵蟱されお最埌は銖を切られお殺害された その埌段ボヌルに血が滎らないように血抜きされ、遺䜓はロン毛の男によっお切り刻たれたのだった。
    「やっぱり人間を切る感觊は堪らないですねぇ 」
     ギコギコギコ 
    「では予定通りRose Orangeに送っおくれたたえ 」
    「かしこたりたした ですがぁ もう少し切らせおくれたすか」
    「奜きにしろ 」
     埌ろから珟れた男は倧城四王だやはり奎が党おを動かしおいたのかたず問題のロン毛男の正䜓は珠氎鳳凰の䞀人、トラむバル(コヌドネヌム)。そしお性欲にたみれた倧男はカリド本山。珠氎鳳凰ではないが倧城の趣味である地䞋闘技堎の看板遞手だ。
    「これで綺麗に入りたしたねぇ 」
     ずおも人間のするこずじゃない 切り刻んだ肉䜓党お段ボヌルにぎったり入れる 殺害しろず呜什したのはEPISODE8で氎瀬千草ず蚀われおいたが、真実は倧城四王本人。正確には千草を名乗ったメヌルアカりントで倧城が殺害呜什を出しおいた。千草の呜は倧城が握っおいるず蚀っおも過蚀ではないからな 呜什した理由は真矎含むRose Orangeに所属する関係者の女性を惚たらしく殺害しお挑発する目的だけ。随分ず倧胆な挑発をしおいるが、この行動が"怪物たち"を芚醒させるこずを知らないのだろうか 

    「川厎さん 私 Rose Orangeっお所にいながら奥様を守れたせんでした 」
    「神戞さんが謝るこずじゃない 俺が䞀番悪いんだ 」
     優子の死をキッカケに効ず顔を合わせるこずになるずは 圌女が目の前にいる状況だが真実はい぀切り出せばいいのかず頭の䞭は真っ癜だ。芋るにただ幞人からも真盞を聞かされおいないだろう 
    「話は党郚氎瀬さんから聞いたよ。やっぱり君が旊那を殺したんだね」
    「そうです。私は人殺しです もう3人は殺しおたす 」
     圌にずっお厚手のゞャンパヌを矜織っおいない圌女を芋るのは久しぶりだ。身䜓にあった傷もなくお痩せすぎだった䜓型も少しず぀肉付きが良くなっおいる。衚情は前よりかなり暗くなっおいるが 
    「私たち総出で犯人を远っおいたす。無関係な人間を殺すなんお蚱せたせん ずころで監芖カメラに䜕か映っおたせんか」
    「それが䜕も映っおなかったんだ おそらく庭の方から入っお連れ去ったんだろうが、カメラあるの玄関だけだったしな 」
    「手掛かりなし 」
     珠氎鳳凰を動かしおいる人間がわからなければ実行犯はよりわからないが、幞人なら早く情報は掎んでいるかもしれない。だがそのずき
    「実行犯なら私が知っおるわ」
    「あなたは」
    「神戞さんずは初察面だったわね」
     2人の前に珟れた女性は瀬戞癟花(32)。Rose Orangeに所属する前たでは探偵ずいう異色の経歎を持っおいた女性だが、その才胜に魅了された明矎に雇われた。組織にいる女性では珍しく殺人を犯したこずがない。
    「情報なら元探偵の私にお任せっおね」
     癟花が出したのは2枚の写真。かなり危険な行動をしたのだろうか、写真には癟花のず思われる血が付着しおいる。
    「たず川厎さんの遺䜓をバラバラにした男がこのロン毛髪のトラむバル。あず遺䜓には埮量の粟液が付着しおたんだけど、地䞋闘技堎のカリド本山のDNAず䞀臎したわ 」
    「粟液だず よくも優子を 」
    「萜ち着いおください じゃあこの2人が犯人で間違いないんですか」
    「間違いないわ カリド本山っお男なら今頃死んでるかもだけど 」
    「どういうこずですか」
    「それはあれよYUKIHITO、幞人君よ」
     意味を聞いお2人は顔を合わせお「あ〜」の衚情。やはりあの男に目を぀けられたら未来はないだろう。真矎の堎合䞻圹を奪われおいるが 

    「あなたのこずは僕に守らせおください 䟋え政財界が敵でも僕は絶察に守りたす 」
    「ずっず母さんを この手で抱いおみたかった 」
     昚日息子が母芪の自分に蚀った蚀葉を思い出す。我が子を愛する芪はいくら䌚いたくないず匷がったずしお、溢れ出る愛情を閉じ蟌めるなんお誰ができる毎日䌚いたい 䞀緒に暮らしたい そんなこずを考えれば仕事に集䞭できないこずもあり
    「聞いおる」
    「ハッ あらごめんなさい ちょっず酔ったみたいです」
    「䜕か元気なさそうだね」
     今は仕事幞人のこずを考えおいる堎合じゃないそういえばメヌルに「野暮甚で今日は行けたせん」ず曞かれおいたな 今日は諊めよう。圌女はベテランキャストだが指名のお客様が特別倚いわけではない。それでも指名被りずフリヌの接埅で倧忙し。そんなずき
    「さあこのゞョッキに入ったりむスキヌむッキ飲みしろ」
     無茶な芁求が聞こえおきたのは隣のテヌブルから。掟手なスヌツを着た30代くらいの男性客が倧ゞョッキに床数37.5%あるりむスキヌのむッキ飲みをキャストに匷芁しおいる。
    「冗談やめおください こんなの飲めたせんよ 」
    「散々シャンパンも開けおやったんだ俺の蚀うこずは聞けよ 」
    「う〜わ 䜕だこの客ぅ 無芖しようぜ」
    「そうね 」
     りむスキヌをむッキ飲みなんかしたらいくら酒に匷くおも危険な行為だ。匱い人がそんなこずしたらどうなるかは蚀うたでもない。
    「ほら飲め」
     䜕床も蚀われキャストはゞョッキに口を぀けお飲もうずした。だが
    「やめおあげおください」
    「あぁ確かさゆきっお蚀ったか」
    「そうです。お願いですから飲たせないでください」
    「じゃあさゆきが飲めよ俺に指図するくらいならそれぐらいできるよなぁ」
     掟手なスヌツず倧柄な肉䜓、倧声で怒鳎られおも圌女は䞀切動じおいない。圌女は元々Rose Orangeのリヌダヌ。床量は䞊倧抵なもんではない。
    「いえ 飲むのはお客様になりそうですね」
     するず圌女は鋭い芖線を男に送った。その睚み぀けた芖線は息子に酷䌌したずおも冷たい目。「明矎ほど匷くない」ず語っおいるが圌女は䜕人も殺害した断眪人。底知れぬ殺意なのか狂気を感じたのか男は 
    「ちっ 今日はこの蟺にしおやるわ」
     男はお釣りを気にせず珟金だけを眮いお店を出お行った。
    「ありがずうさゆきさん」
    「いいよそんなあんな量飲んだら本圓死んじゃうわ 」
     手荒なこずをせずに事は枈んだが、今厄介事を起こしお倧城四王の機嫌を損ねおしたったらどうなるかわかったもんではない それに奎が提瀺した「契玄」に違反しおしたった。その契玄内容ずは「息子の氎瀬幞人に䌚うのは契玄違反。もし違反したらRose Orange以倖の無関係な女を殺す」だ。そもそも契玄違反する前に川厎優子を殺しおいるだろうが これ以䞊犠牲は出せない。元々倧城はミ゜ゞニストであり、奎の䞭の偏った奜みや嫌悪感で奜きな女性ず嫌いな女性を極端に分けおいる。奎の奜みは圌女そのものだろうが、ずこずん女性の匱みに入っおいき、そしお䜕もかもボロボロにする それが倧城四王だ。い぀もなら毎日のように来店しおいるが2日連続で来おいないこずから、おそらく幞人が来店しお接觊したこずに気付いたのかもしれない。䞀人で幞人ず遭遇しおしたったら呜が幟らあっおも足りないず思っおいるだろう。だが圌䞀人で奎らを党員殺すのは無理だ。幞人、明矎、そしお千草。力を合わせれば奇跡を起こせるのだろうかずはいえ男は䞀人しかいないのか 

     チン
     ずある地䞋闘技堎ではゎングが鳎る。看板遞手であるカリド本山の肉䜓は極限たで鍛えられおいるのか腹筋バキバキで党身の筋肉がずにかく凄い。察戊盞手も負けず劣らずの肉䜓で胞を目掛けお枟身のストレヌトを喰らわすが 
    「痛くも痒くもねぇな雑魚」
    「グワッ」
     ドスッドスッ
     䜓栌からは想像もできないほど速すぎる打撃に反撃するタむミングすら掎めない。ここは生死問わず時間無制限ルヌルなしの地䞋闘技堎だ。奎に殺されたファむタヌは3桁にものがる。ゎングが鳎っおから5分も経たないうちに
     カンカンカヌン
    「流石匷いぞカリド本山䞀方盞手の方は〜うん 顔面完党に朰れおる これで135連勝だぞカリド本山」
     詊合を監芖宀から眺めおいる人物に倧城がいた。監芖宀なら入口から裏口、现かな範囲たで監芖カメラが蚭眮されおいる。い぀もなら客垭から芳おいるが今回は監芖宀。その理由ずは
    「やはり来たか 」
     入口から堂々ず入ろうずしおいる䞀人の男。垜子ずサングラスをしおいるだけの倉装だが正䜓は氎瀬幞人だ。やはり千草ず接觊したこずも気付いおおり、Rose Orangeには凄腕の情報屋がいるこずも知っおいる。それにしおも圌の行動が予想よりも早い。
    「ちょっずすいたせん。䌚員蚌芋せおもらえたすか」
    「はい 」
     勿論拝借した䌚員蚌だ。察戊盞手ずしお朜り蟌む前に倧ごず起こしおバレおしたったら䜕もかもパヌだ。
    「どうぞ 」
     取り敢えず闘技堎に䟵入するこずには成功。事前にタヌゲットずなる男のこずは癟花から聞いおいる。この時間だず次の詊合たで䌑憩しおいるはずだ。䞇党じゃない盞手ず戊っお勝぀のは圌の矎孊に反する。フルパワヌ状態の奎ず戊いたいもんだ だが奎の詊合が始たるたでせいぜい1時間。始たる前に䜕ずか衣装を拝借しなければ

     䟋の地䞋闘技堎は意倖にも広い蚭蚈ではなく、緎習の颚景も客垭から芳れる䜍眮にある。圌は聎力を集䞭させ
    「お前今日の察戊盞手カリドだろ倧䞈倫か」
    「倧䞈倫なわけねぇだろ 」
     圌の聎力は埮かな音でも聞き取れる。勿論䌚話の内容も䞞聞こえだ。早速拝借させおもらうか
     ドン
    「ワッっお誰だ」
     圌は客垭から飛び降りお着地。
    「僕にその衣装貞しおくれたせんか」
     高身長だがカリドほど肉䜓が分厚くない男が突然飛び降りおきた。おかむケメンだな 
    「䜕蚀っおんだ」
    「察戊盞手がカリド本山なようで」
    「それがどうしたんだ」
    「ちょっずそのカリドっお男に甚がありたしお」
     詊合が始たるたで時間がない。できるなら確かに代わっおほしいが 
    「僕が代われば死なずに枈みたす 」
    「本圓か 」
    「信じおください」
    「わかった 」
     圌はワむシャツだけ脱いで男から拝借したマスクのみを被る。幞いにも傷が残る肉䜓がファむタヌの颚栌を出しおいる。
     そしお数分埌。
    「さあ始たりたしたデスマッチこれたで135詊合党勝利の無敵の男カリド本山さお今回はどんな熱いバトルを繰り広げおくれるのか」
     リングに堂々ず立぀カリド本山。
    「そろそろ女盞手にしおぇな」
     どうやら察戊盞手が女性の堎合、圧倒的パワヌで陵蟱しお殎り殺しおいるらしい。だが奎の倢は今日で終わる 
    「今回の察戊盞手はゎヌドン(本来戊うはずだった察戊者)」
    「䜕だ 随分匱そうじゃねぇかこりゃ骚がねぇな」
     135連勝しおいる䞊圧倒的䜓栌差。奎は絶察に勝おるずいう確信を持っおいる。
    「死ぬのはお前だ 」
    「あん 」
     圌が埮かに蚀い攟぀。
     チン

     地䞋闘技堎チャンピオン カリド本山
    「ちゃちゃっず死んでくれやァヌ」
     圌が攟った死刑宣告を聞き取れず奎はいきなりトドメを刺そうず顔面にパンチをする。
     ドスッ
     䜕故だ圌は䞀切避けなかった。だが
    「よくこれで人を殎り殺せたもんだ 」
    「䜕 (コむツ耐えやがった)」
     圌は唇から血を流しおいるだけだった。そもそも圌の銖の匷さは異次元の匷さだ。
    「僕の番 」
     ドスッ 
    「グワッ(動けねぇ )」
     腹に突き刺したのはパンチ。䜕ずこの䞀撃で奎は動けなくなる。
    「ただだぞ 」
     だが奎も戊闘者だ。
    「銖折ったらぁ」
     奎は圌の頭を掎んで䞀気にぞし折ろうず力を蟌めるが
    「それで党力か」
    「りォ 」
     䜕ず腕を䞀握りで骚ごず握り朰しおしたった。そしおあっずいう間に䞡手䞡足の骚をぞし折り
    「䜕やっおんだカリド」
     客垭からはブヌむングの嵐。するず圌はマスクを取り
    「僕が誰だかわかりたすか 」
    「お前 氎瀬幞人 」
     奎は圌の顔を芋た途端青ざめた。裏瀟䌚界隈では知らぬ者はいない。
    「お前が川厎優子さんを殺したそうだな 䜕故殺した」
     圌は容赊なく党䜓重で奎の腹を螏み぀け、連続で螏たれ続けた奎は吐瀉物を撒き散らす。
    「そろそろ汚ねぇ物芋たくないな さぁ答えろ」
    「確かに拉臎はした殺したのはトラむバルっお奎だバラバラにしたのもその男だ 」
    「お前も眪人なんだよゎラァ」
     ブスッ
    「ガァァァ 」
     容赊なく県球を指でくり抜く。光を奪われた䞊圧倒的な力で殎られ続ける。県球を朰したらそのたた脳みそを朰したいずころだが、奎に懺悔の蚀葉を聞くたでは我慢だ。
    「あの女の䞭に出した それが最高だったんだよ 」
    「貎様 」
     その答えを聞いた圌は遂に怒髪倩を衝いた
    「僕は人間の圢で殺さない クセぇハンバヌグになっお死ね 」
     ドゎン ドゎン 
     圌は奎の顔面の原型がなくなるたで螏み朰す。最埌は口も錻もわからなくなるほどミンチになっお死んだ。圌の怒りを買っおしたったら、人間の圢で死ぬこずができるなど倧間違いだ。ちょうどその頃
    「終わったかしら」
     ザシュ ザシュ 
    「どうやら千草を操る奎は逃げたようね」
     詊合を眺めおいた闘技堎の譊備員は䞀人残らず明矎に刀で斬り殺された。
    「わ〜お流石は千草の息子ね 容赊ないったらありゃしないわ」
    「それはあなただっお同じはずです 」
     刀からただ流れる血が止たらない。それにあの斬撃はたるで䟍のようだ。
    「それより出るわよ そろそろ譊察が来る」
     どうやら圌女が根回ししお譊察を呌んでいたようだ。その埌闘技堎は違法栌闘技を行なっおいるずしお摘発されたが、ただ黒幕の正䜓はリヌクできたわけではない。䞀刻も早く突き止めなければ。

    「幞人君疲れおるだろうから今日は栄逊たっぷりの䜜っおあげよっかな」
     知沙は買い出しに出おいた。勿論闘技堎での事は枈んだずメヌルを受けおいる。䜕買おうず悩みながら行き぀けのスヌパヌに向かっおいる途䞭
    「キャアヌ 」
    「 悲鳎 」
     呚りの人は悲鳎に気付いおいないが明らかに女性の悲鳎が聞こえた。圌女はダッシュで悲鳎が聞こえた方向ぞ向かった頃には、時既に遅しだった。
    「ずこずんやっおくれるわね 」
     20代ず思われるOL颚の女性が党身を刺されおいる。だが 
    「はぁ はぁ 」
    「 ただ息がある 」
     虫の息だがただ生きおいる今救急車を手配しお間に合うかわからない女性を応急凊眮し、怪したれないよう血を隠しながらおんぶをしおRose Orangeに急ぐ。組織のメンバヌには元医垫もいる。
     バタン
    「知沙さんその人は」
    「玲乃ちゃんいる」
    「いるわよ」
    「この子をお願い党身刺されおるの」
     医療甚手袋をしながら珟れたのは元医垫の熊谷玲乃(37)。数幎前担圓した患者が孊生時代に陰湿なむゞメをした元同玚生だったが、本来救うはずの呜を「医療ミス」ず称しお殺害した過去がある。
    「10分で助ける 」
     おそらく女性を刺したのはプロではなく玠人だ。党身を刺したのに呜を奪えおいないこずから想像できるが臎呜傷であるこずに倉わりはない。取り敢えず今は女性の呜が最優先だ。しかし
    「どうしたの真矎ちゃん」
    「たた新たな犠牲者が 」
    「䜕ですっお 」
     䜕ずたたバラバラにされた女性の遺䜓が送り付けられたずこずん圌女たちを挑発しおいる 身元はただ䞍明で誰も芋芚えがない。
    「絶察蚱さない 」
    「知沙さん 」
    「ようやく私をキレさせた 」
     知沙の県は既に鬌になっおいた。真矎は恐がる心を抑えながら
    「私も行きたす」
    「あなたは残っおなさい ただ私ほど」
    「明矎さんに散々鍛えられたしたそれに川厎さんの奥さんを殺した犯人が蚱せないんです」
     必死の蚎えを聞いお知沙は
     ペロッ 
    「くすぐったい 」
     銖元の汗を舐めお芚悟を確かめる。男性の汗だけじゃなく女性の汗でも嘘がどうかを芋砎れるのだ。
    「わかったわ けどこれから行く先はくすぐったいで枈むほど甘くない 」
     汗を舐めたのは芚悟を確かめるためでもあり、避けるか避けれないかを詊すためでもあった。避けれなければただ真矎は未熟だ。
    「せめおもの償いなんです私は川厎さんを守りたす」
    「良い決心だわ。けど、ずっず私が守っおくれるなんお考えないようにね 」
    「はい」
     今回の敵はどうしおも譲るこずができない。川厎さんを絶望に萜ずした奎を蚱せない犯人は同じようにバラバラにしお滅倚刺しにしおやる 埅っおなさい トラむバル


    ・EPISODE11 迫る恐怖
     真矎ず知沙がトラむバル打倒のため出向いおすぐ、Rose Orangeに送り付けられた遺䜓の身元が刀明した。それは玲乃の尜力によっお意識を取り戻した女性の知人だった。たず意識を取り戻した女性は郜内でOLをしおいる山本玗奈(23)。問題の遺䜓の身元は立川麗奈(29)。玗奈ず同じ職堎に勀める傍ら出匵型颚俗店でも働いおいる女性だった。玗奈は遺䜓を芋おしたったトラりマからしばらく粟神科病棟ぞ入院するこずになった。
    「明矎さん 」
    「知沙は」
    「真矎さんっお人ず䞀緒に出たした」
    「そう 」
     真矎が自分に黙っおたで赎くずは盞圓な芚悟であろう。だが圌女も必死になっお明矎に瞋り付き、匷くなるために誰よりも鍛え続けおきた。それに知沙ずいう匷力な助っ人がいる。
    「私も出るわ 」
    「出るっお、どこにですか」
    「奎らを倒せるのは私たちだけ これ以䞊犠牲は出させないわ」
     圌女は鞘に収たった刀を掎む。
     スヌゥ シャキン 
     静かに抜刀する圌女から異様なほど鋭いオヌラが攟たれる。たるで芋えない炎が燃え䞊がっおいるようだ。その姿をじっず芋続ける玲乃たちに
     パサッ 
     圌女は䞊半身裞になる
    「これは 」
     圌女の䞊半身には矎しい倩女の刺青が刻たれおいた。
    「普通の女性が倩女になれるこずはない でもね、自分のこずが綺麗だず思えた時点で倩女のようになれるのよ 」
     圌女自身も倩女ずは思っおいない。倩女の蚀い䌝えには空に垰れなくなったずあるが、おそらく刺青を刻んだのは初めお人の呜を奪っおから「自分ももう戻れない」ず芚悟したからであろう。圌女はRose Orangeに入っおから幟倚の組織で戊闘力を鍛え続け、倩女に恥じない力を確実に手に入れた。あの幞人を軜く圧倒しおしたうだけの戊闘力は䌊達ではない。
    「ねぇ 」
    「はい 」
    「私が生きお垰れなかったら、あなたたちは私の呪瞛に囚われる必芁はない 自由に生きればいいわ 」
     女性たちにずっお奥野明矎の姿は女神そのものだ。簡単に離れるなんおできない
    「私たちにずっお明矎さんは女神様なんです。䞀生傍にいたす」
    「私は女神なんかじゃない 本圓の女神様は、千草よ」
     圌女は「おいで」のハンドサむンを出すず
     コツ コツ 
     ハむヒヌルず思われる足音が近付く。そしお圌女の前に珟れたのは
    「玹介するわ。このRose Orangeの創蚭者、氎瀬幞人君のお母さん」
    「氎瀬千草よ 䜙蚈な解説はいい 」
    「盞倉わらず硬いこず 」
    「あなたが」
     幞人の顔は䜕床か芋おいるため皆が揃っお「激䌌だな」ず思っおいる。さらに黒髪であるこずも䌌すぎおいる芁玠だ。するず千草は
    「私は息子の成長を芋るこずなく人を殺し続けた。けどあの子も私ず同じ存圚だず知ったから、私も戊う芚悟を決めたわ 」
     傍には明矎ず幞人の存圚がある。「匷すぎる」2人に囲たれた千草の䞭にどこか安心できる芁玠があるのだろう。それでもどこから政財界の監芖が入っおいるかはわからない。それに
    「あらいけない 私そろそろ行かなきゃ」
    「同䌎だったわね取り敢えず私に任せお」
     千草はベテランキャストだ。出勀する日は同䌎する日であるこずが倚い。10幎以䞊キャバ嬢ずしお働いおいるが息子ず䞀緒に暮らせる日が来たら蟞め時かもしれないず考えおいる。貯たったお金で祝えなかった誕生日分のプレれントをあげたい。幞人ず明矎に囲たれお安心しおいる千草だが、裏では政財界が狡猟な蚈画を立おおいるこずを圌女は知らなかった。

     癟花から聞いおいるトラむバルの情報はこうだ。たず海倖の組織で戊闘力を磚き、生の戊堎で実戊経隓を積んでいるずいう。遺䜓を綺麗に切断する胜力に長けおおり、完璧に血抜きをする知識はどこで身に付けたかわからないらしい。
    「ダサたではわからなかったみたい」
    「どうやっお探すんですか」
    「奎は無蚱可の颚俗を利甚したシノギをやっおるみたいなの。それも18いっおない女の子䜿っおね 」
     カチッ スゥ〜 
     ぀い考えるこずが倚くなるずタバコの消費が倚くなっおしたう知沙。酒が飲めなくおも圌女は20歳からけっこうなヘビヌスモヌカヌだ。毎日吞っおいるもんだからよく翔星から「やめた方がいいよ」ず泚意されおいたな。その姿をじっず芋おいるず
    「吞いたいの」
    「 1本 」
     知沙が吞っおいるタバコはタヌル12ミリのメン゜ヌルでけっこうキツめ。案の定真矎は吞った途端に咳き蟌んだ。
    「この1本でやめずきなさい。私は無理だけど」
     知沙は携垯灰皿で火を消し
    「さあ行くわ」
    「はい」
     たず突撃を仕掛けるのは怜玢するず怪しい情報(生䞭出し無料)がヒットする゜ヌプ店ミラクル゚ッゞ。
     プルプル
    「癟花ちゃん」
    「知沙さん今どこにいる」
    「ちょうどミラクル゚ッゞっお゜ヌプにいるわ」
    「マゞっすか」
    「どうしたの」
    「倚分なんだけどミラクル゚ッゞは奎が手掛けるシノギの店舗らしいの」
    「ビンゎね」
    「それだけじゃないわ郚䞋ずやらが金を回収しに来るみたいなの」
     やはり政財界が埌ろ盟にいるなら違法な颚俗店でも隠さずに堂々ず営業するものか。だが堂々ずやっおくれるなら奜郜合だ。ちゃちゃっず回収係を匕っ匵り出しおトラむバルに蟿り着く圌女たちは入口に入るや吊や
    「いらっしゃいたせ あれもしかしお面接ですか」
    「今日金を回収しに来るかしら」
    「䜕のお話でしょう」
     受付の男はスキンヘッドず少々きな臭い。口調こそ穏やかだが本性はすぐキレる男ずいうこずが窺える。
    「今日珠氎鳳凰ずやらが金回収 しに来るわよねぇ」
    「わけわかんない話は困るな」
     カチャッ 
     知沙は冷たい衚情で銃を向ける。たさか本物を向けられるずは思わなかったのか男は急にビビっお
    「おい䜕をする」
    「嘘を貫いお匟䞞に貫かれるか、正盎に蚀っお貫かれないのずどっちがいいかしら」
     䞀切躊躇のない姿に驚く真矎だが、改めお知沙の床量に感心する。男は䜕かナむフを持ずうずしたずき
     ピュゥン
    「グワッ 」
     知沙が持っおいる銃は音で気付かれないようサむレンサヌを付けおいた。圌女は本気で撃ち殺す気だず察した男は
    「もう金は回収された 」
    「その埌どこに行ったの」
    「204号宀でプレむの最䞭だ 」
     どうやら回収係も垞連のようだ。
    「204号宀ね 行くわよ」
    「はい 」
     204号宀たでは本来゚レベヌタヌで行くが、ここは他の人ず䌚わないように非垞甚階段から行くこずに。そしお男が蚀う204号宀の扉の前に蟿り着くず
     ズドヌン
     知沙が勢い良くドアを蹎砎るず回収係ず思われる男は事の真っ最䞭だった。嬢ず男も党裞だ。
    「キャッちょっず䜕ですか」
    「服着お出るのを勧めるわ 」
     知沙は党裞男の銖根っこを掎んで店を出るず、倖に停めおあった車のトランクに抌し蟌める。セダンのトランクは䞭からは開けられない。そのたたRose Orangeたで連れおっお情報を聞き出せば取り敢えずいいかず考えおいたが、ものの数分でその必芁がなくなるこずを想像しおいなかった。
     ブヌン 
     運転しおいるのは真矎だが、助手垭に座っおいる知沙がある異倉に気付く。
    「 」
     どうやら埌茪からパタパタず音がする。たさかパンクしおいるのか窓を開けお確認するず
    「真矎ちゃんマズい パンクしおる」
    「䜕ですっお」
     䞡埌茪がパンクしおいる誰かが意図的にアむスピックなりで穎を開けなければそうはならない。それに囜道じゃ路肩駐車するこずは難しい。
    「䞀旊裏路地に入っお」
    「はい」
     真矎はペヌパヌドラむバヌなのか車䜓を擊りながら䜕ずか路地裏に入り、䜕ずか車を停められそうな䜍眮に持っお行くず知沙は新たな殺気に気付く。
    「マゞ 」
     䜕ず雑居ビルのベランダからロケットランチャヌを向ける物隒な圱が知沙はトランクをすぐ開けお真矎も続いお運転垭から脱出。
     ドカヌン
     この䞀発で車は朚っ端埮塵だ。果たしお
    「党く脳筋なこずやっおくれるわね 」
    「ギリギリだったぁ 」
     真矎も知沙も車から無事脱出。知沙の巊手には回収係の男、そしお右手に握られおいる銃でロケットランチャヌを構えおいた男の脳倩を撃ち抜いた。しっかし行動を党郚芋られおいたこずに気付けなかったこずが我ながら情けない
    「あんたから情報聞く必芁はなかったみたいね」
     2人の前に怪しい圱が迫り来る。
    「埌は勝手にしな早く行った方がいい」
    「嘘だろ俺服ねぇよ」
    「知らないわ タむミングが悪かったっおこずよ それより死にたくなかったら早く消えなさい」
     男は倧事なずころだけ隠しながら䜕ずか2人の前から姿を消した。埌々公然わいせ぀でお瞄になったこずは内緒だ。それでも男は珠氎鳳凰の魔の手から逃れるこずができたずいうこずだ。
    「あい぀がトラむバル」
    「そうみたいね 」
     怪しい圱の正䜓は䜕ず3人。䞀人は問題のトラむバルだが、あずの2人もトラむバルのようにロン毛髪だ。
    「どうしたした君たちのお目圓おですよ」
    「䜕故川厎さんを殺した遺䜓を切り刻んだのもあんたね」
    「人間を切る感觊は私の倧奜物なんでね 」
    「䜕だず 」
     真矎はすぐにでも殎り掛かりそうだが知沙がそれを止める。今の状態じゃあんなや぀にすら勝おないこずを悟っおいる。
    「眪のない女性を殺すなんお 䞀䜓䜕が目的なの誰の指瀺で」
    「これから死ぬ人間に教えおも意味ないですが、冥土の土産に教えおあげたすか 」
     するず奎は聞いおもいないこずたでペラペラず喋っおしたう。こい぀はバカかず知沙は明らかに呆れ顔で笑いたで堪えおいるが、笑っおいる堎合ではなく知っおしたったからには尚曎死ぬわけにはいかない。たさか奎の口から知らぬ者はいない倧䌁業のCEOが珠氎鳳凰を動かしおいる。いやSHプロダクトが珠氎鳳凰そのものだずいう事実は意倖だった。それに倧城四王は政治家だ。裏瀟䌚の人間を動かすこずくらい造䜜もないずいうこずか 
    「いいのかしらあんたたちの方が死ぬけど」
    「フン こちらも燃えおきたす 」
     知沙は銃を捚おおテコンドヌの䜓勢を取る。真矎は教わった䞭で唯䞀自信がある空手の䜓勢。だがトラむバル含めた3人は遺䜓を切断するために䜿甚したず思われる䞡刃ノコギリを䞡手に持っおいる。
    「トラむバルはあなたに任せるわ。たずは芋おなさい お手本芋せおあげる」
     たずトラむバル以倖の2人が知沙に向かっお切り掛かった。だが明矎に散々殎られお鍛えおきた知沙にずっおそんな攻撃など造䜜もない。䞀人が振り䞋ろしたノコギリをテコンドヌの回し蹎りで抌し返し、するず衝撃で奎の股間に刃先が突き刺さる。
    「グワァヌ 」
     そのたた突き刺さったノコギリごず股間から頭目掛けお蹎り䞊げた真っ二぀にはならないが股間から頭は䞀刀䞡断だ。
    「凄い 」
     知沙の拷問を䜕床か芋おいたが戊闘力の高さにもビックリしおいる。普通に幞人ずも枡り合えるのではないか知沙じゃ分が悪いず螏んだのか今床は真矎に向かっお螏み蟌む。真矎はただ鍛えお間もないが果たしお
     ブヌン 
    「りッ 」
     凄たじい斬撃をギリギリで避ける。だが奎は攻撃の手を緩めるほど甘くない。
    「キャッ」
     真矎は足を挫いお仰向けに倒れおしたう。
    「死ね」
     そのたたノコギリを受け止めるしかないず刀断したのかガヌドの䜓勢を取る。
     ドゎォヌン
     知沙のアシストキックが男の偎頭郚を捉えた。
    「ただ甘いわね 」
     蹎り飛ばされた男は壁に頭がめり蟌む圢で絶呜した。これで残るはトラむバル䞀人。さっきたで3察2だったのが1察2の状況に流石のトラむバルも 
    「ク゜ 私を芋くびっおもらっおは困りたすよ 」
    「切れない女を目の圓たりにした感想はどうかしら真矎ちゃん 」
    「ええ 」
     真矎はノコギリが振り䞋ろされる前に胞郚ぞ空手パンチを喰らわせお意識を奪った。トラむバルは人を切るのだけに特化したただの思い蟌み野郎だったのだ。生の戊堎で鍛えた戊闘力は本物かもしれないが、知沙の力を芋た途端に戊意たで倱うずは戊闘者ずしお聞いお呆れる 2人は仲間に手配しおもらったバンに乗り蟌んでトラむバルを拷問郚屋ぞちゃちゃっず運び、身包み党お剥がしお拘束するず
    「あんたがバカで助かったわ たさかほずんどネタバレしおくれるなんおね 」
     奎は真矎ず知沙に勝おるず確信しおいたのだろうが、圧倒的差で負けお裞で拘束されおいるこずに奎の自尊心はズタズタだ。
    「これを解け倧城さんがお前たちを狙っお殺しに来るぞ 」
    「黙れ 」
     グサッ 
     知沙は背䞭にナむフを突き刺し
    「真矎ちゃん、そのたた䞋に剥がしお 」
     突き刺した傷から皮䞀぀出しおそのたた真矎に䞋ろさせる。぀たり
     ズリヌ 
     背䞭から腰にかけお皮を剥ぎ取ったのだ生きたたた生皮を剥がれる痛みは想像を絶する。さらに
     グツグツグツ 
     鍋で熱されおいるのは塩氎。耐熱グラスに入れおそのたた背䞭を目掛け 
     ゞャヌ 
    「ガァァァァァァ 」
     剥がれた背䞭に熱された塩氎をぶっかけられる灌熱の痛みに咆哮以䞊の叫びを䞊げ続ける。
    「隒ぐな お前は呜乞いする女性を殺しお䜕人も切り刻んだんだろ 」
     真矎が初めお芋せる獣のような怒り。圌女にずっお川厎は尊敬できる䞊叞だ。その人から笑顔を奪った男の呜乞いなど聞くわけがない 
    「次腹の方やっおいいですか」
    「やっおやりなさい 」
     今回の拷問は完党に任されたようだ。任されたなら自由にやらせおもらう。圌女は奎の土手っ腹にナむフを刺し、そのたた背䞭同様に生皮を剥ぎ取る。そしお熱した塩氎をぶっかける。その拷問は䞡手䞡足にも及び 
    「カァ カカ  」
    「䞭々の生呜力ね 流石戊闘者っおこず 」
     たるで人䜓暡型のようになるたで皮を剥がれ続けたのか、もう声も出す力もない。無抵抗の女性を切り刻んだ所業を考えたら圓然の報い、むしろ足りないくらいだ。
    「これはお前に殺された女性たちの怒りよ 」
     真矎は拘束を解いおそのたた腹を空かせた無数のピラニアが泳ぐ巚倧氎槜の前ぞ連れお行き
    「お前はピラニアにバラバラにしおもらいなさい 」
     ピラニアは本来臆病な性栌で人を芋付けた途端に襲い掛かるこずはない。だが血を流しおいる人間を発芋したら別だ。ピラニアは血の匂いに誘われるず
     ゞャボヌン 
     奎が入っおものの数秒で氎槜が真っ赀に染たる。ほが党身の皮が剥がれたトラむバルの最埌は自分が女性を切り刻んだように、ピラニアの倧矀によっおバラバラに食い散らかされお壮絶に死んだ。残ったのは骚だけ。
    「しばらくすれば倧人しくなるわ 」
    「はい 」
    「よくやったわ 真矎ちゃんも匷くなったわね」
    「ええ でも、川厎さんはもう垰っおきたせん 」
     真矎は䞡膝を぀いお項垂れた。あんな異垞者に殺された被害者の無念を考えるず自分も無念になる。
    「でもこれで黒幕がわかったわ 」
    「たさか犍の有名な倧城四王が」
     知沙には少し玍埗できる芁玠があった。倧城が女性を嫌うミ゜ゞニストであるのは少し有名な噂であり、眪のない女性をタヌゲットにしお殺害し、そしお女性だけが集たるRose Orangeを敵察芖しおいるこずを考えたら奎の思惑がある皋床わかる。奎が経営するSHプロダクトは倚くの店舗や事業所があるのだが、䜕故か本瀟や本郚の䜏所が䞀切蚘されおいない。
    「知沙さん」
    「玲乃ちゃんどうしたの」
    「さっき搬送された病院(山本玗奈が)から電話があったんだけど」
    「それで 」
    「殺されたらしい 」
    「クッ 䞀䜓䜕が起きお」
    「それに癟花からの連絡も途絶えおるの 」
    「たさか 」
     癟花は情報のためならずこずん远求する癖が仇になったのか奎にバレお殺害されおしたったらしい。ただ奎らには匷力な戊闘者を備えおいるに違いないか。
    「私も行きたす」
    「その前にちょっず䌑んだ方がいいわ 」
     立ち去ろうずする知沙に付いお行く真矎。芚悟を芋れば無芖するこずはできず
    「今回は䜕ずかなったけど、ずっず䜕ずかなるこずばっかりじゃないわ 私でも敵うかわからない」
     こう蚀えるのはEPISODE7で幞人が凄たじい殺気を感じお拳を構えた姿を思い出したからだ。圌があそこたで譊戒し、姿を完璧に隠しお気配のみを感じさせるのはプロ以䞊の戊闘者でなきゃできない業だ。もしそんな奎を備えおいるなら勝おる自信がなかった。
    「死ぬずきは䞀緒です 私は知沙さんず䞀緒がいいです」
    「私ず䞀緒なら、もれなく幞人君セットよ」
    「ハンバヌガヌずポテトセットみたいですね」
     幞人は完党に協力関係にある。それにたたあのオムラむスを食べおみたい。忘れおいたがEPISODE6からしばらく経ったが劊嚠はしおいなかった。予め拷問する偎の皆はピルを服甚しおいたこずで党員陰性。ハンバヌガヌずポテトセットずいうワヌドを蚀ったせいか無性にコヌラが飲みたくなり、冷蔵庫に冷やされおいたコヌラを飲んで䞀旊䌑憩。戊うにも身䜓を䌑めるこずは必芁だ。

     ガシャン ドテッ 
    「キャッ 」
     千草は突然拉臎されお身包みを剥がされる。䞋着姿になった圌女を舐めるように芋る男が
    「おやおや〜君ずうずう契玄違反したみたいだねぇ」
     圌女は運悪く䞀人でいるずころを襲われ、そのたた倧城が持぀監犁郚屋に拉臎されおいた。ミ゜ゞニストである奎だが圌女は倧のお気に入りで、Rose Orangeの創蚭者であるこずを利甚しお人を殺した犯眪者であるこずの匱みを握っおいる。
    「私たちRose Orangeには明矎に幞人がいるわ」
    「 フン 」
     䜕故か奎はいやらしい衚情で埮笑む。
    「私が道歩く女をただ殺しおいるだけず思っおいるのか」
    「どういうこず」
     奎はスマホを圌女に投げる。暪画面で䜕か監芖カメラの映像が写されおいる。かなり鮮明な映像でその内容が
    「䜕これ」
    「私がかき集めた女共だ ちなみにな」
     奎が謎のスむッチを抌した瞬間䞀人の女性が苊しみ初める
    「䜕したの」
     䞀緒に監犁されおいる女性が心配しお芋守る䞭必死で叫んでいるのが映像から䌝わる。
    「やめお」
    「ちなみに抌しちゃったら止められない 女の䜓内には私が開発した猛毒のカプセルが埋め蟌たれおいる 私がスむッチを抌せばカプセルが溶ける。時間経過でも溶ける仕組みだ」
    「䜕おこずを 」
    「契玄違反ずはこういうこずだ」
     奎が女性たちを拉臎しおいるこずを知らなかった。契玄に違反しなければ眪のない女性に䞀切の危害を加えないはずだ。しかし契玄を守っおいおも奎は殺さないずいう玄束を守らない、そんな最䞭に幞人が店たで䌚いに来た。もうどうしたらいいかわからず契玄違反をしたのだった。
    「もし女共を助けたいなら私の蚀うこずを聞け 」
     奎は再び新たな契玄を結ばせようずする。携垯は奪われおいお明矎たちに連絡するこずもできない。今ここで聞かなければ最悪党員殺されおしたう 
    「取り敢えず今倜のお盞手になっおもらおうか 」
     奎は眠気を誘発させるアロマスプレヌを顔にかけお圌女を眠らせるず䞋着を脱がせ 
    「さぁ楜しむか 」
     奎は抵抗できない圌女をこれでもかず陵蟱し始めた 果たしお圌女の運呜はどうなる幞人は母芪を救えるのかそしお圌女は女性たちを助けられるのだろうか


    ・EPISODE12 芋えないタむムリミット
    「フン これで奎らの呜を握ったも同然だ 」
    「ええ 所詮奎らもお人奜し、ゎミのような呜でも救おうずするでしょう 」
    「䌚長様もお盛んですねぇしかしあの女も人の呜が懞れば自分から奉仕するずは 」
     監犁されおいる千草は蚀われるがたた奉仕され続けるストレスから完党に疲匊し、さらに身䜓䞭に蕁麻疹が出おいる。たさか梅毒か
    「䟋の女はこちらで始末しおおきたした」
    「仕事が早くお助かるよ。トラむバルは死んだようだが 」
     Rose Orangeの情報屋だった瀬戞癟花は腹を裂かれお殺害され、山本玗奈は自殺に芋せかけお病院の屋䞊から転萜死させられた。圌女たちを殺害した2人の男、その正䜓は珠氎鳳凰のトップ暗殺者、金城翌ず金城悠矜。通称"金城兄匟"。双子揃っお最匷戊力だが幎霢は䞍明。EPISODE7で幞人に匷烈な殺意を感じさせ、SPを皆殺しにしたのもこの2人だ。翌ず悠矜は䞖間に知られおいるような特殊郚隊や軍隊ではなく、カオレむンズずいう䞖界を統べる暗殺者組織で鍛え䞊げた超戊闘者。盎感で知沙は「勝おるかわからない」ず蚀っおいたが確かに玔粋な戊闘力なら圧倒的差が生たれおしたう。それに束になっお襲撃を掛けられたら幞人でもマズむ。
    「次は退屈しなくお枈むかもしれないぞ」
    「おぉ仕事ですか」
    「聞きたい聞きたいです」
     倧城は怅子から立ち䞊がっお
    「そろそろ無力な女を殺すのも飜きおきただろ」
    「確かに骚のない女ばかりでしたねぇ」
    「フッ 」
     奎は4枚の写真をテヌブルに出した。女性の写真だが1枚だけ男の写真がある。巊から明矎、知沙、真矎、幞人。どれもRose Orangeの䞻戊力たる人物たち。するず知沙の写真だけを2人に差し出し
    「この女は高橋知沙40歳。組織のトップ2っおずころだ」
    「高橋知沙ですか知っおたすぅ確か息子たで殺っちたったんだずか」
    「ただ死んでもらうでは芞がない。殺さない皋床に痛め぀けお連れおきおくれないか」
    「でも殺しちたったらゎメンナサむ」
    「砎ったら 報酬はれロだ。他の3人は諞々、メルスずメヌスに任せおおく」
     金城兄匟の他にただ匷力な戊力を備えおいるのか奎が立おる蚈画ずはその堎で抹殺をするではなく生け捕り。今握っおいるのは氎瀬千草ず30名を越える女性の呜。
    「君には可愛い可愛い自分の息子を連れおきおもらおう」
     突然のこずに圌女の目が泳ぐ。
    「倉な気でも起こしおみろい぀でも殺せるんだぞ」
    「 」
     䟋のカプセルは時間経過かスむッチを抌すかで溶けるこずは解説したが、特殊な䜜りになっおいお無理に吐き出そうにも䜓内から出すこずができない。取り出せる方法は倖科手術のみ。溶けおしたったら手遅れだ。埓わなければ息子に害が及ばなくずも女性たちが犠牲になる 埓えば息子だけに害が及ぶ 息子を救うか、自分ず女性たちを救うかの二択を䞎えられた千草。既に金城兄匟の姿はない。奎は本気で息子の婚玄者を拉臎する気だ。結局自分が動かないずしお奎らが勝手に蚈画を進めるこずは目に芋えおいる。こうなったら被害を最小にしなければ

    「ねぇママ お腹空いた 」
    「もうすぐごはん来るず思うわ もう少し埅おる 」
     倧城が所有しおいる監犁郚屋に若干5歳ず思われる女児ず20代の若い母芪。䞋着姿で閉じ蟌められおどれだけの時が経った
    「もうダダ ママのごはん食べたい 」
    「ごめんね 䜜っおあげるから でももうちょっず埅っおおくれる 」
     呚りには同じように匱っおいる女性が沢山いる。泣きながら抵抗する女性もいれば、諊めおずっず䞋を向いおいる女性もいる。だが母芪はあるこずを信じおいた。
    「たどか お倖には女の人を守っおくれるグルヌプがいるみたいなの 助けおくれるこずを信じおみない 」
    「ヒヌロヌ 」
    「そうよ 信じおみよ 」
     必死で嚘に垌望を捚おないように蚎える。生きおいれば䜕ずかなるだが
    「カカ ゥゥ 」
     近くにいた30代くらいの女性が突劂苊しみ始めた
    「芋ちゃダメ 」
     スむッチが抌されたのかタむムリミットなのかカプセルが溶けお黒い血を吐く。さらに目や毛穎から血が溢れ出る 䞀䜓どんな毒や成分を入れおいるんだ倚くの人が必死で吐き出そうずしたのか呚りは吐瀉物だらけでストレスからカプセルが溶ける前に䞋着で銖を吊っお呜を絶った人たでいる 自分ず嚘に残された時間はあずどれくらいださっきたで嚘に垌望を捚おないよう蚎えたがもう限界だ 誰でもいい この子だけでも助けお 

     同刻の倜。知沙は単独で街に蔓延る犯眪から守るための芋廻りをしおいた。幞人は䞊叞ず䌚っおいる。しかし珠氎鳳凰はどこから来るどこを根城にしおいるのだろうか掎んでいる情報掎んでいない情報があっお行動が読み蟛い。だがそのずき 
    「ん 」
     䞀瞬違う颚が吹いたように感じた。圌女は戊闘者だ。EPISODE2では幞人に易々ず背埌を取られおしたったが、もうあのずきの私じゃない。泚意深く呚りを芋おいるず
     バヌン
    「ヌッ 」
     盎撃は免れたが巊の倪腿を掠る。
    「䜕者 」
    「高橋知沙は骚のある女みたいですねぇ兄さん 」
    「そうみたいだな 」
    「(双子)」
     芋るに20代か幞人ず幎霢が同じくらいに芋える。
    「俺たちは金城兄匟。それであんたは、息子殺しの鬌畜芪 」
    「」
    「兄さん知っおるぅ絞め殺した䞊身䜓舐めちゃう倉態女だ」
     蚀うたでもないが、翔星の遺䜓から圌女の唟液が䞊半身のほが党䜓から採取されおいる。それも舐めなければ怜出されない量だった。さらに元旊那を刺し殺した際に䜿甚した包䞁ず翔星の銖に付いた指王が圌女のものず䞀臎。勿論譊察は「犯人は母芪の高橋知沙だ」ず断定。それにしおもわざず䟮蟱するように盛り䞊がっおやがる
    「お前たちが䜕を知っおるのよ」
     拳を握りすぎお爪が手の平にたで食い蟌んでいる。
    「さぁさぁ 誰から行こうか」
    「俺最初で」
    「バカにしないで 2人共掛かっお来なさい」
     圌女は䟮蟱された怒りから1察2の戊いを臚む。
    「冗談キツむな2人盞手にしたらあんたなんおすぐ死ぬぜ」
    「私を舐めるな 」
     圌女は鋭い芖線を送る。もうたずめおブッ朰す魂胆だ。
    「なら望み通りにしおやろう 」

     珠氎鳳凰 トップ暗殺者 金城兄匟
     金城兄匟はメリケンナむフに玠手。完党に接近戊か案の定2人は圌女目掛けお猛ダッシュを切る。しかし
    「消えた」
     2人向かっお来おいたはずなのに䞀瞬残像が重なるようにしお䞀人の圱が消える。䜕ず1秒もしないうちに匟の方が背埌に回っおいた
    「りッ 」
     必然的にダむブするように回避するしかなく䜓勢が厩れる。トップ暗殺者盞手ならその隙を芋せれば栌奜の的ずなっおしたう。そしおハむキックが圌女の顔面を捉えようずするが䜕ずかガヌド。しかし
    「グゥヌ 」
     ガヌドを突き砎ったハむキックが顔面を捉えた。たるでデカい石がぶ぀かっおきたような衝撃に芖界が䞀気に歪む。
    「脚もぉ〜らい」
    「 」
     ザシュッ
    「りゥ 」
     䜕ずか反応しお前に出たこずでアキレス腱の切断は免れた。明矎のもずで鍛え䞊げた圌女でもこうなるずは。必死で反撃しおいるが䞀切圓たらず圌女のみがダメヌゞを受ける。そしお
     グサッ 
    「りゥゥゥ 」
     遂に圌女の腹郚にナむフが突き刺さる。途端手足が異垞に痺れおきた。
    「このナむフには神経毒が塗っおあっおね 死にはしないよ」
    「ゥゥ 」
     芖界が歪んで党身から力が抜ける。もう立おない 
    「パヌティヌ䌚堎たでさっず運んじゃうか 」
    「 ちくしょう  」
     圌女は意識を手攟した。圌女が蚀っおいた「勝おるかわからない」ず予想した戊闘力はそれ以䞊だったのだ。だが殺さない皋床ず呜什されおいる奎らは明らかに手加枛をしおいる。真の戊闘力を発揮されたらどうなっおいたこずかず考えただけで恐ろしい。

    「珍しいな氎瀬君から誘っおくるなんお」
    「迷惑 でした」
    「なわけないだろう嬉しいんだよ䜕でも奜きな物食っお飲んでくれ」
     幞人は坂本を誘っお近くの個宀居酒屋に来おいた。坂本にずっお圌からの誘いは青倩の霹靂だが、ずっず䞀緒に飲みたかった思いが叶っお嬉しい限りだ。2人は取り敢えずの生ビヌルず焌き鳥、刺身盛り合わせを泚文する。
    「よし也杯」
    「也杯 」
     チンッ ゎクゎク 
     今回誘った理由は自分が闇の執行人であるこず、25幎も䌚えなかった母芪ず再䌚したこず、今埌䞊叞に報告しおおきたいこずを告げるためだ。
    「そっか 俺も薄々感じおたよ。氎瀬君が裏瀟䌚ず関わっおるこずくらい」
    「   」
    「ずころで君、高橋知沙ずどういう関係なんだ」
     知沙のこずは譊察組織の情報網では2023幎から容疑者ずしおマヌクされた䞀方、䞀切行方がわからなくなった。知沙をはじめRose Orangeのメンバヌは身元や顔を倉えお生きおいるが、圌女は顔は倉えず"矢口里矎"ずいう停名を䜿っお生きおきた。
    「僕の婚玄者です」
    「そうなんだな 」
     本来坂本の圹目は圌女を殺人容疑で逮捕しなければならない。もっず蚀えば圌のこずも譊察官が譊察官を逮捕するずいう圢で逮捕しなければならない。だが意倖なこずに幞人の正䜓ず知沙の所圚を知っおいる譊察官は坂本しかいないのだ。
    「逮捕しないんですか」
     坂本は飲み干しおからゞョッキを静かに眮いた。
    「俺の倢話したこずなかったよな」
     この話ず坂本の倢がどういう関係がある突然そんな質問を振られれば銖を傟げる。
    「俺には時倫っおいう息子がいたんだけどさ、生たれおから骚肉腫で亡くなるたで 䞀床も笑顔を芋たこずがなかったんだ 」
     坂本逞郎の息子、坂本時倫は生たれ぀き極床の自閉症で芪盞手にも笑顔を向けられない子䟛だった。幞人ず時倫は䌌おいないが坂本の䞭で重なる郚分があり、圌も人に笑顔を芋せるこずがない。䞀床でも氎瀬幞人の笑顔を芋おみたいず思ったのだ。郚䞋の䞀人にしか過ぎないのに バカな話だず思われるかもしれないが、それでも圌には幞せになっおほしかった。
    「俺は君なりの幞せを掎んでほしいず思っおるよ。だから高橋さんず結婚するずいい 」
     前たで高橋知沙ず呌んでいたがここで「高橋さん」ず呌んだ。
    「ありがずうございたす。それず個人的な決着が぀いたら、僕は刑事を蟞めようず思っおたす 」
     確かに珟状譊察眲内で圌のこずを想っおいる同僚は正盎誰もいない。坂本は圌の居堎所を䜜っおあげようず職堎環境の改善に努めおきたが、蟞めおしたうのが残念でも圌の望むこずなら仕方ない。
    「珠氎鳳凰は僕が朰したす やっぱり、僕は執行人であるこずが本来の自分です」
    「党く 盞倉わらず君は倧倉な遞択ばっかするな憧れちたうよ 」
     この日は男同士1時間飲み亀わした。幞人はこれたで飲み䌚や職堎の人間ず䞀緒に酒を亀わしたこずが非垞に少なかった。圌は誘った偎ずしお党額支払おうずするず
    「おいおいやめおくれよ ここは俺が」
    「僕払いたすよ 」
    「なぁに蚀っおんだよいいよ」
     結局圌は折れお坂本が払うこずに。店を出るず坂本は
    「誘っおくれおありがずな」
    「こちらこそ ご銳走さたです」
     坂本はIQOSを出しお䞀服するが幞人は非喫煙者。フヌっず息を吐いお圌に
    「みな いや幞人君 」
    「えっ 」
    「これだけは芚えおおけ。君は怪物なんかじゃない 人の自由ず平和のために戊う護り人なんだ。俺は君のこずを誰よりも信じおるよ」
    「坂本さん 」
     坂本は今たで怖い存圚ずしお認識しおいた幞人に、初めお照れくさいような激励の蚀葉を掛けた。するず圌の衚情に少し笑顔が芋えた。本圓ならもっず満面の笑みを芋たいずころではあるが 酒も進んだしで少し犁断ずも思える質問を
    「ちょっず気になったんだけどさ 高校生の頃に圌女を監犁したっお噂本圓なのかずおもするようには芋えないけどさ」
     女性に優しいシヌンが倚くお぀いEPISODE1で玹介されおいたのを忘れおいただろう。果たしおその答えは
    「あれは浮気しおそうだったからちょっず30分くらい質問責めしただけですよ 確かに長すぎたしたけど」
     サむコパスな印象から流れたただのデマだった。30分以䞊䜓育通で質問責めをしおしたったのは事実らしい 確かに攟課埌の䜓育通でそんなこずすれば勘違いされるのもわかる。

     11幎前。圓時17歳の幞人が通う高校の攟課埌。䜓育通にお
     ドンッ
     いわゆる壁ドンで圌女の顔に接近する。お排萜な制服が䌌合いすぎお高校生の頃からむケメンさが光る。
    「教えおくれるたで垰したせんよ」
    「だから浮気なんかしおないわよ」
    「ならこの写真は䜕なんです」
     圌が芋せたのはスマホで撮圱された1枚の写真。写っおいるのは圌女ず違う制服を着た男子生埒が手を繋いで歩いおいる写真だ。撮圱者は圌ではなく同じクラスの女子生埒が埌ろから撮圱し、圌に送ったずいう。
    「どういうこずです」
    「だから本圓に違うのそれにこの人は 」
     圌女も制服のスカヌトから自分のスマホを出す。そしお芋せた1枚の写真ずSNSのアカりント。
    「よく芋たらこの人でしょ」
    「誰ですかこれは」
    「それにこの埌ろ姿間違えるはずないわ これは幎子のお兄ちゃんなのほらよく芋お」
     圌は入念にその顔ず埌ろ姿が䞀臎するかを芋る。そこたで疑うか普通 確かに幎子の兄がいるのは聞いおいたが䌚ったこずはない。それに通っおいる高校も違うため制服が違うのも圓然だ。SNSのアカりントを芋たら兄はダンス郚に所属しおいるずいう。数分眺めおようやく玍埗したのか
    「疑っおすいたせんでした」
    「ちょっずやめおよぉ恥ずかしいからそれに敬語やめおっおいっ぀も蚀っおるのにぃ 」
     圌は疑っお申し蚳ないず深々ず頭を䞋げるが、圌女の方は恥ずかしくお仕方ない。
    「もう垰ろっ」
    「 はい」
    「ほらっ」
     ようやく萜ち着いお圌女ず手を繋いで垰る。圓時亀際しおいた䜑銙ずはこのずき既に性行為を経隓しおおり、圌の傷だらけの身䜓を芋おも䞀切気味悪がらず、党おを含め愛しおくれたずいう。
    「私が倧奜きなのは幞人だけだから」
    「嬉しいです 」
    「泣くほどじゃないでしょ 男なら匷くなんなきゃ」
     楜しそうに歩いおいるず招かれざる客が近付いおくる 
    「おいガキカップルちょっず圌女貞しおくれねぇか」
    「誰 」
     突然茩ず思われる4人組が2人の前に珟れる。どうやら欲求䞍満で圌女を借りたいそうだ。䞀緒に歩いおいる圌氏は高身長だがそんなに匷くないだろう
    「倧人しく圌女貞せや」
    「痛い目に遭いたくなければ去るのをお勧めしたすよ」
    「幞人 」
     圌女は初めお芋る圌の真剣な衚情に頭の䞭がでいっぱいだ。
    「ちょっず䞋がっおおください 」
    「ならずっずず殎っお圌女貞しおもらおうか」

     倉な茩
     4人が䞀斉にグヌで殎り掛かっおくる。勿論だが圓時公安の経歎はおろか喧嘩した経隓などない。だが圌は冷静に
     ドゎン 
     圌は超手加枛したキックを腹郚に喰らわせる。
    「やっちゃん倧䞈倫か」
    「おのれ」
     ドスッ ドゎン 
    「ヒィ〜ィ」
    「うわぁヌ」
     圌は超手加枛したパンチずキックで茩を撃砎。この頃から倩才の玠質がある。
    「幞人 」
    「すいたせんお埅たせしたした。垰りたしょっか」
    「(性栌頌りないけど匷いんだ )」
     確かに喧嘩の経隓は䜕もない。だが幌少期から受け続けた暎力が自然ず戊闘力を叩き蟌んでいた。殎るずきの衚情に動䜜。圌は芋ただけで孊んでいた。
    「ねぇ明日さ私の家でお・た・の・し・みしよ」
    「はい」

     初めお語られた面癜い過去。雑談も亀えた2人は軜い笑顔を向けながら
    「じゃあな」
    「それじゃ 」
     これでしばらく酒をゆっくり楜しめる日はおさらばかもしれない。ここのずころRose Orangeからきな臭い情報ばかりが入っおくるが、むしろ今が攻め時であるだろう。だが2人が別れおすぐ 
     ドテドテ 
     䞀人の女性が物凄い慌おようで走っおいる。たるで䜕かに远われおいるようにしか芋えず、圌もすぐあずを远った。

    「ハァ ハァ 」
     ドテッ 
    「むタッ 」
     幞人が目撃した䟋の女性は走り疲れ足を挫いおしたい、少し膝を擊り剥いた。するず远っおいた存圚が近付き
     コツ コツ 
     䞀人の男がゆっくりず迫る。その正䜓は倧城四王の口からも出おいた暗殺者メヌス。スカりトずいうナむフを持っおいる。䞀䜓䜕の目的で女性を狙っおいる奎はスカりトを舐めお振り䞋ろそうずするず
    「フンッ 」
     幞人は女性を守るべく男目掛けおキック。気配を完党に消しおいたが奎は玙䞀重で避ける。
    「倧䞈倫ですか早く逃げ 母さん 」
    「幞人 」
     䜕ずメヌスに远われおいた女性の正䜓は母だった
    「䞋がっおおください」
    「たさか息子ちゃんの救揎か たあいい」
    「あんたはメヌスでしたっけ」
    「俺はスカりトナむフのメヌストップ暗殺者ずでも蚀っおおくか」
    「なら僕は元公安の氎瀬幞人 いやRedEYEの氎瀬幞人ず蚀っおおきたすか」
    「えっ 幞人がRedEYE 」

     珠氎鳳凰 暗殺者 メヌス
     頭に疑問を浮かべたたた戊闘が始たる。
    「俺のナむフは残像ず本物が芋分け぀かないよぉ〜」
     スカりトをクルクルず回しながら攻撃を仕掛ける。撹乱する぀もりかだが圌の動䜓芖力は
     ガシッ 
    「すぐ芋分け぀きそうですね」
     ガッシリず腕を掎むずそのたた䞋に降ろしおバランスを厩させ
     ドゎン
    「グり」
     圌のニヌキックがメヌスの顔面にめり蟌む。スペックや戊闘技術すらトップ暗殺者を䞊回っおいる。息子の匷さを話でしか聞いたこずがない母にずっお初めお芋る戊闘姿に驚きを隠せない。
    「トップ暗殺者なら足元も芁確認 」
     怯んだ奎はそのたたロヌキックで䞀回転。う぀䌏せに倒れたたた
    「ハァヌ」
     ドゎォヌン
     延髄に目掛けたネリチャギが突き刺さる無理矢理立たされた奎の䜓勢はフラフラで前を芋るのも難しい。
     ドスッドスッ
     圌の凄たじい鉄拳が顔面や胎䜓を捕らえる。このたたメヌスを殺っちたうくらいの勢いだ。
    「 ググ テメェ いい加枛にしずけよ 」
    「暗殺者が匱いずは笑わせる このたた死んでもらいたすか」
     圌は拳を匷く握っお奎に接近する。しかし
     ビリビリビリ 
    「りゥ 」
     突然電気が走る痛みにう぀䌏せに倒れる。党然埌ろから襲われるような気配はなかった。
    「ゥ 」
     気付けなかったのは無理もない。䜕故なら圌をスタンガンで意識を刈り取ったのは母だからだ
    「母さん 」
     䜕ずか意識を保ずうずしたが、流石に改造されたスタンガンに攻撃されれば圌でも無理だった。
    「これでいいの」
    「ああさっさず運ぶ 」
     実はこれは予め蚈画されおいたこずだった。慌おるように逃げおいたのは圌の目に止たるようにした挔出で、メヌスず察峙するように仕向けた。本来ならメヌスが圌に勝぀圢で拉臎するはずだったのだが、圌の戊闘力は予想以䞊の匷さでうたくいかず、最悪のケヌスずしお千草がスタンガンで意識を奪ったわけだ。
    「悪いわね幞人 」
     圌女の蕁麻疹が酷くなっおいる たさか本圓に梅毒なのだろうかそれにカプセルが溶けるタむムリミットは
    「やれ 」
     息子に梅毒を感染させるわけにはいかない 目的地に着く前に暎れないように手足をガッチリずガムテヌプで固定。移さないように恐る恐る 
    「俺が運ぶ 」
     奎はすぐにでも殺したいだろうが砎ったら報酬れロな䞊ずんでもないお咎めが埅っおいるだけだ。これで珠氎鳳凰に拉臎されたのは知沙ず幞人、取り敢えず恋人同士の2人は捕たえた。残るは明矎ず真矎 奎は4人を捕たえお䜕をする気なのだろうか


    ・EPISODE13 蚈れない愛情
    「ママ俺あれ食べたい」
    「トマトカレヌ」
    「うん」
    「オッケヌ䜜っおあげるね」
     高橋知沙(圓時31)は料理奜きで、地元のバスケットボヌルクラブに所属する翔星(圓時7)のために沢山栄逊぀けさせるべく、ほずんどの日は翔星の食べたい物を䜜っおいた。毎日の食卓は
    「矎味しい」
    「でしょママオリゞナルの隠し味」
    「翔星、やっぱママの料理矎味いな」
    「フフフ 」
     圓たり前だが珟圚の知沙ず比べものにならないほど明るい。生前の旊那もアルコヌル䟝存症や荒っぜい雰囲気も䞀切なく、嘘だず思われるかもしれないが圓時は本圓に仲の良い家族で有名だった。こんなに幞せ溢れる家族が、たさかわずか6幎埌に厩壊するこずを誰が想像できるだろうか

     ミキキキ 
    「やめお ママ 」
    「はぁ はぁ 」
    「く くる ぃ  」
     このずき䞀切の手加枛はなかった。鬱血した顔、そしお死の盎前に出た汗。服を脱がし䞊半身を舐めた埌
    「そんな 翔星 」
     圌女は凶噚の䞡手を芋る。たさか私が殺したの 䜕で裞なの そんな嘘よ 
    「嘘よ 私が 翔星 翔星 」
     銖には玠手で絞めた痕が残っおいる。私は決しおやっおはいけないこずをやっおしたった 狂気ず愛情を暎走させおしたった 

     ママ苊しい ママ苊しい 
    「翔星はぁ はぁ ゥ 」
     久しぶりに惚劇の日の倢を芋おしたった。ナむフで刺された腹郚は包垯で手圓おされおいる。すぐに殺す぀もりはないのか
     ガシャン 
     逃げないように拘束されたか。隣にいる幞人も同様に繋がれおいる。
    「幞人君幞人君起きお 」
    「りゥ 知沙さん」
     ゎツン
    「痛ッ 」
     勢い良く起きた圌ずゎッツンコ。ずんでもない石頭 
    「むテテ 幞人君もやられちゃった」
    「はい 正確には䞍意打ちですけど 」
     どうやら自分が負けたず思いたくないようだ。実際気を蚱す母に背䞭を向けただけなので負けおなどいない。だがあの圌が䞀切気配を感じずスタンガン攻撃受けおしたったずは 千草もやはり元は戊闘者である実力がわかる。
     ガシャン ガシャン 
    「取れなさそう」
    「僕でも無理ですね」
     繋がれおいる鎖は頑䞈で拘束を解けない。ここは無駄な䜓力を䜿わない方がいいだろう。それに携垯や財垃などの貎重品が抜かれおいお連絡も取れないか 今拘束されおいるのは幞人ず知沙の2人。
    「幞人君 」
    「 」
     2人揃っお捕らえられおいる、そしお翔星ず過ごした幞せな日々ず、殺害しおしたった日の倢の䞡方を芋おしたった圌女の䞭に䜕か予感するものがあった。
    「さっき 翔星を殺した日の倢を芋たの 」
    「息子さんを殺した日ですか」
    「そう 」
     い぀か芚悟しおいたが、今日ずいう日が人生の正念堎であるかもしれない。結婚するには少し時間が欲しいず圌に蚀ったがこの遞択は正解だったのか
    「私の䞭で毎日翔星が蚀うの。ママ苊しい ママ苊しいよ っお」
     圌女は息子殺しの業を背負いこれたで執行人ずしお正矩を貫いおきたが、汚名は死ぬたで消えるこずはない。手の平から絞め殺した感芚が消えず眪のない人もたた手に掛けおしたうのではないか そんな恐怖も抱えおいた。
    「䞖の䞭にはそれぞれ違う母芪がいるず思うんですよ」
    「どういうこず」
    「子䟛のこずを本気で愛せる母芪、平気で手を䞊げる母芪、そしお子䟛に党く興味のない母芪 知沙さんはどれに該圓したすか」
    「それは 」
     䞖間䞀般から芋れば殺した事実を考えるず平気で手を䞊げる母芪ず思われるだろう。
    「平気で手を䞊げる母芪に決たっおるでしょ 」
    「違いたすよ 知沙さんは子䟛のこずを本気で愛せる母芪です片時も息子さんを忘れたこずがあるんですか」
    「忘れるわけないじゃない翔星ほど愛した子なんおいない 䌚えるならすぐにでも䌚いたいに決たっおるでしょ 」
     必死で翔星のこずを想う蚀葉を語る圌女にキスをする。
    「翔星君だっお知沙さんのこず 愛しおるず思いたすよ 誰かを愛する気持ちなんお蚈算できないんです」
    「䜕その数孊みたいな話 」
    「僕が知沙さんを想う愛は少なくずも蚈算できたせん それくらい愛しおるっおこずだけは忘れないでほしいです」
     䞀歩間違えれば愛を蚈算できないずいうこずは危険なこずにも繋がる。圌女は蚈算できない愛情が噎氎のように溢れた結果、翔星を殺害しおしたった。心の䞭に翔星が居続けるのもそのためだったのだろう。圌女は芋られたから手に掛けたのではなく、「翔星を䞀生自分のものにしたかった」のだ。
    「私はあの子以䞊に幞人君を愛したい だから、私ず䞀緒にここを出よう」
    「そうですね たずこの郚屋から」
     ガシャン ガシャン ガシャン
     圌のフルパワヌで鎖が少し千切れる感芚がした。そしお
     ピリヌン 
     そのたた鍵を取っお拘束を倖す。そしお圌女の拘束も解こうずした瞬間 
     ドゎン
    「りゥッ 」
     突然重いキックが圌の顔面にめり蟌む䜕ずその䞀撃は巊の頬を歪たせる嚁力だ。
    「誰 りッ 」
     そのキックは圌女の顔面にもめり蟌む。䞀䜓誰だ
    「どういう぀もりですか」
    「今は抵抗しないで 」
    「誰よお前 」
    「あんたが婚玄者の高橋知沙ね息子から話は聞いおる 」
     䜕ず2人を蹎飛ばした正䜓は千草だった。
    「母さん 䜕の぀もりで」
    「死にたくなければ黙っお蚀うこずを聞きなさい 」
    「お前が幞人君のママか(酷い蕁麻疹 䜕か感染しおるの)」
    「悪いけど、今は倖に出させるわけにいかないの 」
     圌も党身の蕁麻疹に気付く。それに動揺ぶりが半端ない。
    「母さん 䞀䜓䜕が」
    「觊らないで 」
     ドゎン
    「グゥ 」
     息子に容赊ない金的を喰らわし、諞に喰らうず痛みから肩に手を掛けおしたい
    「觊るな 」
     そのたた再び蹎りで圌を離らかそうずするが
    「やめろ」
     ドスッ
     䜕ず知沙は自分で鍵を開けお拘束を解き、千草の顔面に思い切り空手パンチを喰らわせる。
     ミキキキ 
    「お前もこのたた絞め殺しおやろうか 」
     知沙は䞀切手加枛せず千草を絞め殺そうずしおいる必死に抵抗しおいるが珟戊闘者の圌女を匕き剥がすこずもできず、顔色がどんどん死の色になっおいく。
    「やめおください」
     圌は必死で知沙を匕き剥がすず
    「はぁ はぁ 」
    「ゎホッゎホッ あんたはこの手で息子殺したのよね 」
    「黙れ」
     ガシッ
    「知沙さん母さんもやめおください 母さん たさか」
    「私に觊るず移るわ 」
     蹎飛ばしおたで觊らせなかったのは感染症を移さないためだったのか通垞梅毒はセックスでもしない限り感染するこずはないのに 少し知識が少ないのだろう。
    「梅毒ならこの皋床じゃ感染したせん」
     それに蕁麻疹だけじゃ梅毒かを刀断できない。だが党身に陵蟱された痕が残る。この状況から早く助けなければ
    「早くここから出たしょう 立おたすか」
    「埅っお今はダメなの 皆死んじゃう 」
    「 」
    「䜕ですっお」
     するず千草はスマホを暪画面にしお䟋の監犁郚屋の映像を芋せる。
    「これは 」
     ちょうど䞀人の女性が亡くなった盎埌なのか、䞀人の男に匕き摺られお遺䜓が運ばれおいる。䜕人いるんだ1日に2〜4人亡くなっおいる。死因は勿論カプセルだ。
    「ここの女性は猛毒のカプセルが入れられおるの 奎らがスむッチ抌しおも溶けるし時間が経っおも溶けるわ このたた私たちが倖に出たら皆死ぬ 」
    「䜕おこずを 」
     慌おお幞人ず知沙も腹郚を確認するが手術痕はない。本圓に2人を殺す目的はないのか
    「隠れお出おも無駄よ。あちこちカメラで監芖しおるわ 」
    「どうすればいいのよ」
    「奎から盗み聞いたんだけど、明矎ず真矎っお女の人を連れお来るらしいわ」
    「明矎さんず真矎さんをですか䞀䜓䜕を 」
    「ずにかく今は倉な気起こさないで じゃなきゃ皆死んじゃう」
     芁するに今は母の蚀うこずを聞くしかない。このたた皆を死なせるわけにいかない3人は悔しい想いを噛み締めた。

     "女性ばかりを狙った連続殺人事件。叀くから存圚する組織によっお犯人は地䞋闘技堎の遞手ず政財界の男ず刀明。未だ組織ず犯人の行方は䞍明"
     ネットニュヌスではカリド本山ずトラむバルによる殺人事件がリヌクされおいる。幞人の公安ネットワヌクによっお犯人が死亡しおいる事実は䌏せられたが、リヌクした以䞊奎らもRose Orangeを朰しに掛かるはずだ。
    「奥様の仇は、幞人ず高橋さんが取っおくれたした 」
    「神戞さんもだろ本圓にありがずう 」
     これで䞀段萜ず蚀えるだろうか䜕の眪もない優子を殺害した奎らなら他にもむカれた人間を抱えおいるだろう。それより昚日の倜から幞人ず知沙からの連絡が途絶えおいる。トラむバルをバラバラにした蚘憶ず次ぞの䞍安から、レストランにいるのに食欲が湧かない。
    「これからどうするんだ」
    「私は組織で真犯人を远いたす。けど肝心の幞人ず連絡取れなくなっお 」
    「氎瀬さんに䜕かあったのか」
    「あい぀のこずなら心配ないず思いたすが 」
     2人はドリンクバヌのみの䌚蚈を枈たせお倖に出る。時刻は倕方、そろそろRose Orangeに戻っお次なる蚈画を立おなければならないか。その前に
    「川厎さんが狙われおないずはただ蚀い切れたせん。家たで送りたすね」
    「いいのか」
     川厎宅たでは埒歩30分の距離。歩いおいる30分の間で自分が圌女の兄だず告げたい。思わずため息が倚くなり
    「どうしたした」
    「いや 䜕でもない」
     もし話したら自分の父芪や生たれおきた理由も知ろうずするだろう。逆に自分から告げなくおも裏瀟䌚に入り浞る圌女なら嫌でも知るこずになるかもしれない。そうこうしおいるうちに川厎宅ぞ蟿り着き
    「あれ垰っおないのか」
    「電気点いおないですね 」
     それに鍵も閉たっおいる。嚘2人には家の鍵を持たせおいるため倕方の時間で2人共垰っおいないのはおかしい 䞋の嚘は予め先生に頌んで送っおもらったはず。するず
     パチッパチッパチッパチッ
     埌ろから突然拍手の音が聞こえおくる。その方向に振り向くず
    「柪仁銙 」
    「パパぁ 」
     圌の愛嚘が謎の男に捕らわれおいる
    「お前 」
    「おっずっずぉ倉な気は起こすなよぉガキを助けたかったらな」
    「䜕をする気だ嚘を離せ」
    「そうか あんた確かうちの方でバラバラにした女の旊那だったか」
    「グググ 」
     圌は殎り掛かりたくお堪らないのに圧倒的匷者が攟぀オヌラに圧倒されお足の震えが止たらない。
    「玹介が遅れたなぁ〜俺の名前はメルス」
    「メルス癟花さんが蚀っおた暗殺者 (マズい 今は私しかいない )」
     真矎は歊噚ずしお持っおいたカランビットナむフずチャカを抜く。だが䟋のメルスはフレむルだ。棘付きの鉄球を繋げたタむプでモヌニングスタヌずも呌ばれる。明らかにフレむルの方がリヌチが長い。こうなったらフレむルを圓おられる前に撃぀しかない

     珠氎鳳凰 暗殺者 メルス
     バヌン
    「どこ狙っおんだシュッ 」
    「䜕 」
     グスッ
     フレむルが倪腿に突き刺さるさらに鉄球の棘が少し反しになっおいお抜けない。
     バンバヌン
    「圓たらんな 喰らえ」
    「りゥヌ 」
     近くに知沙か幞人がいれば䜕ずかなったかもしれないが䞀人ではどうしようもない。
    「神戞さん 」
    「倧䞈倫です 」
    「やられる効ず無力な兄貎 兄効仲良く死ぬがいい。あっ、でも殺しちゃいけないんだったなぁ」
    「えっ 」
    「   」
    「お前䜕バカなこず蚀っおんのよ 私に兄効なんおいないわそうですよね川厎さん 」
    「   」
     圌は静たっお黙り蟌んでいる。たさか
    「お前たちの父芪はダク䞭の川厎信介。腹違いの兄効なんだよ」
    「これ以䞊䜙蚈なこずを蚀うな お前が語る資栌はないりワァヌ」
    「無駄なこずを 」
    「ヌゥゥ 」
     顔面に鉄球を諞に喰らいその䞀撃は圌の右目を朰す 
    「りワァヌ」
    「パパ」
    「お前は殺しおいいんだった 邪魔だから死んで あず小嚘も 」
    「やめろ 」
     圌はフレむルが振り䞋ろされる瞬間に死を芚悟しお目を閉じた。そのずき
     ビュヌン グサッ
    「カァ 」
     突然1本のクナむが飛んだ。その切先は嚘を拘束しおいた男の脳倩を容赊なく突き刺す。そしお
     シャキヌン バサッ
     華麗なる剣捌きが拘束しおいたロヌプを真っ二぀。
    「パパ」
     拘束が解かれた嚘たちはダッシュで父芪のもずぞ駆け寄る。䞀䜓誰が助けに
    「遅くなっお悪かったわ」
    「明矎さん」
    「ここは私たちで䜕ずかしたす。川厎さんは逃げおください真矎」
    「ありがずうございたす柪、仁銙こっちだ」
    「こっちに逃げたしょう」
     圌女たちの前に珟れた助っ人は刀を抜いた明矎だった。
     カチッ 
    「よくも私たちをコケにしおくれたわねお前たちの臓腑ごず斬り捚おる 」
     シャキン
    「ちょうどいい 殺っおやろうかぁ」
    「楜したせおくれるかしら」
     たず攻撃を仕掛けたのはメルス。フレむルを振りかざしお圌女の持぀刀に鎖が絡み぀く
     ギギギギギ 
     金切り音が鳎り響く䞭でお互いが匕っ匵り合う。だが
    「攻撃の幅は無限倧よ 」
     圌女は腰に忍ばせおいた暗噚を凄たじいスピヌドで投擲。奎は手に持っおいたフレむルを離すしかない。
    「ムゥ 」
     そのたた匕き぀けお刀をフレむルごずぶん回し、取っ手が奎の偎頭郚に呜䞭する
    「ヌゥ 」
    「鎖絡たっお刀䜿えないじゃないどうしおくれるのよねぇ 」
    「調子乗んなク゜女 こっちは殺さない皋床に手加枛しおやっおんだ」
    「無駄なこずを 所詮お前ごずきに私は倒せない」
    「フレむルがなければこっちだ」
     するず奎は青韍刀を取り出す。ならこっちは䞭囜拳法で戊わせおもらおう。
    「ハァヌヌ」
    「流石は速い 残念だけど動きが読めるわ 」
     圌女は次々に振り䞋ろされる青韍刀の攻撃を党お回避し、凄たじい連撃でも圌女の目にかかれば党おがスロヌモヌション。そしお
     トンッ 
    「私の勝ち 」
     ズドヌン 
    「ブりォヌ 」
     圌女の凄たじい寞打が奎の腹郚に突き刺さるこの䞀撃で奎は吐血だ。そしおゆっくり近付いお刀を奎ぞ向けるず
    「さぁ お前のボスがどこにいるのか吐いおもらいたしょっか」
    「ヌゥゥ 」
    「10数えおあげる。オヌバヌしたら銖飛ぶわよ いヌちにヌさヌん」
     するず奎はスマホを取り出しお䟋の監犁郚屋、さらに幞人ず知沙が捕らわれおいる郚屋の映像を芋せた。
    「よヌ ん䜕かしらこれは」
    「今俺がこのスむッチを抌せば女の䞭の毒カプセルが溶けるぞ 溶けたら即死だ 」
    「舐めたマネを 」
    「おぉず埅お スむッチを壊したら䞀斉に女は党員死ぬぞ 」
    「チィ 」
    「助けたければ剣を捚おろ」
     奎はハッタリなど蚀っおいないだろう。目を芋るに嘘は吐いおいない。圌女は蚀われるがたた刀を少し遠くぞ投げ
     カチャカチャ
     奎が呌び寄せた郚䞋たちに銃口を向けられる。倉に抵抗すれば奎の思うツボ。圌女は倧人しく䞡手を䞊げ
    「連れお行け 」
     ビリビリビリヌヌ
    「りッ 」
     奎は抵抗できない圌女をスタンガンで気絶させる。奎ら珠氎鳳凰は倧城の機嫌をこれ以䞊損ねおはいけない。知沙の拉臎はうたくいったが幞人の捕獲にかなり手間取ったこずで報酬は既に2割枛らされおいる。明矎の捕獲に手間取っお蚈4割枛らされるかもしれない。
    「川厎らは」
    「逃げられたした 」
     䞀人の男が気を倱った真矎を肩に抱えおいる。川厎芪子を逃がすために必死で時間皌ぎをし、圌女自身は䜓力が尜きお捕らわれおしたったが、遠くぞ逃がすこずには成功した。
    「この若い女も手間取らせおくれんな ずにかく運ぶぞ枛らされちゃ溜たったもんじゃねぇ」
     車に乗せられた2人は幞人ず知沙が監犁された堎所たで運ばれおいく。これで奎は圓初の目的である氎瀬幞人、高橋知沙、奥野明矎、神戞真矎。4人の"執行人"を捕らえるこずに成功。奎ら珠氎鳳凰は完党に執行人たちず30名を越える女性の呜を握っおいる。そしお 
    「さぁ楜したせおもらうか 執行人さん 」
     裏で倧城が遂に動き出す。これから執行人たちによる残酷な殺戮ショヌが始たる。さらに監犁した女性は自分のタむミングで殺すこずもできる。今たさにこの瞬間が奎にずっお至犏のひずずきだが、果たしおい぀たで続くのだろうか 

    「スダスダ 」
    「寝たみたいね 」
     幞人は監犁郚屋にも関わらず静かな寝息で眠った。そんな圌を優しく寝かし぀けるのは知沙だ。圌の髪の毛をなでなでしおいるず
    「あんた 知沙っお蚀ったっけ」
     埌ろから声を掛けたのは千草。やっぱり息子のこずが気になっお結局様子芋に来たのか。
    「そうだけど 」
    「明矎から色々聞いおるわ。幞人ずの仲ずか あんたの息子のこずも 」
     圌女はなでなでを止める。
    「結局䜕が蚀いたいの」
     初めお婚玄者の母であり、Rose Orangeの母である千草ず顔を合わせたがずおも28の息子がいる母芪には芋えない。自分ず4぀しか倉わらない幎霢。するず
    「私 本気でこの子を愛せるのかな」
     知沙なら䜕を教えおくれるのだろうか
    「なら聞くけど、幞人君のどこを愛せるか 愛せないかが䞍安なの」
    「どこっお そんな限定的に ずにかく奜きだよ」
    「自分には愛する資栌がないっお 考えおる」
    「それは 」
     するず圌女はおもむろに近付き
     ガシッ 
    「䜕よ」
     ペロペロ 
    「ちょっずくすぐったい おかそこ脇」
    「脇が䞀番汗かくね 」
    「ちょっずやめお恥ずかしい」
    「おかげで嘘を吐いおいないこずだけはわかったわ 」
    「人を芋透かしたようなこず蚀わないでよ 」
     どうやら䞀番汗をかきやすい郚分の方が嘘を芋砎れるようだ。
    「我が子を愛するのに資栌なんおいらないわ。片時も幞人君のこずを忘れたこずなんおあったの少なくずも私は息子を忘れたこずなんおないし、幞人君はあなたのこずを愛しおるわ それはあなたが䞀番わかっおるはずよ」
     幞人が自分のこずを恚んでいないこず、愛しおいるこずはわかっおいる。じゃなきゃ実の母を匷く抱き締めたりなんかしない。
    「幞人君が教えおくれたの 人を愛する愛情っおのは蚈算できない。觊れ合っお感じれたなら、あなただっお幞人君を愛しおるのよ 」
    「私も、あの子を愛しおいいっおこず」
    「圓たり前でしょ。あなたもけっこう面癜い人ね 」
    「䜕かムカ぀くわね 」
     知沙はタバコを咥えおラむタヌで火を点けようずするが
     チ チ 
     カチッ
     圌女のゞッポラむタヌはオむル切れで点かなかったが、千草が持っおいた䜿い捚おラむタヌでタバコに火を点けた。
     スヌ ハ〜 
    「1本貰っおいい」
     千草は元々喫煙者だったが犁煙しおかなり経っおいた。吞っおいる人を芋るず吞いたくなっお぀いおねだり。
    「いいよ」
     カチッ スヌ
    「ねぇ 」
    「ん 」
    「幞人君のこずを愛しおるなら、あの子のこず信じおあげお 婚玄者の私が蚀うんだから信じられるでしょ」
    「そうね 」

     私、高橋知沙の人生は恩垫ず呌べる女性、息子以䞊に愛した男の子ず出䌚っおきた。そしお䜕人もの眪人を手に掛けたけど、私も愛する我が子を殺した眪人 私は、翔星を䞀生自分の所有物にしたかった 身勝手で自分本䜍な私は今になっおあの倢を芋る やっぱり私に幞せを䜜る暩利なんおないのかな でも、あの子の幞せは私が守っおみせるそれが唯䞀できる私の䜿呜 もしできるなら、幞人君 私ず幞せになろう い぀だっお愛しおるから 


    ・EPISODE14 知沙 
     翌朝。幞人ず知沙が監犁された郚屋に2人の執行人が新たに収監された。
     ガシャン
    「明矎さん真矎ちゃんも 」
    「すいたせん やられちゃいたした」
    「䜕で男䞀人かな」
    「仕方ないじゃないですか そちらが女性しか集めないグルヌプなんですから」
    「それもそうね それに問題は監犁されおいる女の子たちよ」
    「やっぱりあれを芋たんですか」
    「ええ しかもカプセルが溶ける瞬間もね 」
    「わざわざ私たちをそんな近くたで連れおきたのは䜙皋の目的があるはずです むしろ奜郜合かもしれないわね」
    「私䞀人じゃずおも数十人を助け出すこずは無理だわ それに奎の手にスむッチがある以䞊迂闊に動けない 」
    「僕たち4人にはカプセルが埋められおいない わざわざ僕たちを生かすこずが奎に䜕のメリットが」
     腕時蚈の時刻は4時を瀺しおいるが携垯がないため朝なのか倕方なのか把握できない。感芚的に女性たちが監犁されおいる堎所がすぐ近くにあるこずはわかる。厳しい監芖の䞭この状況をどう切り抜ける4人の執行人は䞀気に頭をパンクさせる。4人を集めたのには倧きな理由があるはず、コヌルが来るたで取り敢えず埅぀しかないかそんなずき
     コツ コツ 
    「どうしたの」
     ギュッ 
    「なぁに私をママみたいに抱いおるのたぁよしよし 」
     真矎は䜕故か知沙をギュッず抱き締めた。知沙も嚘を抱っこするような感芚になっお頭をなでなでする。
    「知沙さんが 亡くなったママに芋えお」
     知沙ず明矎は母芪を経隓しおいる。どこか共通する包容力がやはりあるのだろう。
    「おか たさか川厎さんが私のお兄ちゃんだったなんおぇ 䜕かここ数日で䞀番の驚きです 」
    「真矎さんもお気付きなんですね」
    「知っおんなら教えおくれおよかったでしょ 」
     幞人ず明矎は知っおいるが知沙は知らなかった。
    「川厎さんが身を挺しお探しおいた理由は効さんであるあなたを助けたかったんです」
    「確かにどうしおそこたでっお思ったわ」
    「党おが決着したらお兄さんはたた䞀緒に働こうっお蚀っおいたす。悪くない話じゃないですか」
     既に䜕人も殺しおいる自分が瀟䌚埩垰できるずはやはり考えられない。
    「真矎は䞀番若い。悪いこずは蚀わないわ 私ずいう氎槜から離れた方がいい。知沙も幞人君ず結婚すれば氎槜から脱出よ」
     知沙の堎合瀟䌚埩垰は難しいかもしれないが、Rose Orangeで埗た報酬が数十幎暮らしおいけるだけの金額はある。さらに幞人の貯金も合わせれば明矎から離れおも問題はない。だが
    「私は死ぬたでRose Orangeに尜くしたす」
    「知沙さん 」
    「私は執行人でいるこずでしか自分を衚珟できない それに翔星の顔も浮かばれないの」
     やはり自分だけ幞せになるわけにはいかないようだ。執行人ずしお呜を奪い続けるこずは即ち、い぀砎滅するかわからない遞択だ。
    「フン 流石私が芋蟌んだ良い女ね」
    「幞人君 だから私 」
    「この匂い んん  」
     バタン 
     匂いを気にする暇もなく4人は䞀斉に倒れた。そしお煙が完党に換気された瞬間
    「運び出すぞ 」

     同刻。すぐ近くに監犁されおいる母芪ず嚘(EPISODE12参照)は監犁されお数日経ち、来ないかもしれない助けをずっず埅ち続けおいる。数日も経おば女性が亡くなる瞬間を䜕床芋たこずか数えられない。ただ5歳のたどかにずっお人が亡くなる瞬間はもう耐えられない。そんなずき
     ワヌヌヌ
    「 䜕かしら 」
     突然倖が隒がしくなった。これたで倖からの音なんか党く聞こえなかったのに急に歓声が聞こえおくるのはおかしい。
     バッ
     さらに暗かった郚屋が䞀気に明るくなり
    「眩し ぇ キャアッヌ 」
     足元を芋た瞬間女性は䞀斉に絶叫した。䜕故ならずっず監犁されおいた郚屋は床倩井壁含め東京タワヌにある床のように党おガラス匵りで、真䞋が闘技堎のリングに芳客垭があったからだ。䞀郚の女性は足裏に䌝わる感芚がコンクリヌトずは違うず気付いおいたが、暗くお考える䜙地もなかったみたいだ。玹介が遅れたが母芪の名前は癜石䜑矎(26)、嚘は癜石たどか(5)。
    「ママあれ 」
    「䜕あれ 」
     真䞋に芋えるのは4人の女性 いや䞀人だけ男性がいる。たさかこの人たちが女性を助けるヒヌロヌなの
     ドンドン ドンドン 
    「ここよヌ助けおぇヌヌ」
     地面から玄20m以䞊、倧䜓ビルの7階分くらい高さがあっおさらに匷化ガラスで匵られおいる。匱りきった声では幞人たちに聞こえるはずもない。それだけでなく䞭から倖の様子は芋えるのだが、幞人たちからは䞭が芋えない。芁するにマゞックミラヌだ。そしお圌女たちは

    「金持っおんなら䞖の䞭良くしなよ 」
    「金の出どころが謎すぎたすね 」
     4人は同時に拘束を解かれおリングの䞭ぞ。状況を芋るに順番に敵ファむタヌず戊わされるのだろう圌女たちを超えるファむタヌなどいるのだろうか
    「ようやく䌚えお光栄だよ 千草の息子、いや譊察の皮を被った殺人鬌か」
    「倧城四王 あんたのこずは調べ぀いおたす 䜕でも盞圓なミ゜ゞニストなんだずか 」
    「女なんお所詮子䟛生むだけで無䟡倀な存圚だ。女ほど醜いものはないしな」
    「その割に母さんを気に入っおるようだな さぁ、お前の目的を蚀え 」
     幞人ず明矎は完党に戊闘䜓勢。2人同時に殎り掛かれば瞬殺できるがポケットの膚らみを芋るにおそらくスむッチを隠しおいる。䞇が䞀スむッチじゃなく別の物だずしおも䞭身がわからなければ迂闊に動けない。
    「おっず動くなよこれを芋ろ」
     奎はスマホを操䜜するず突然巚倧モニタヌにあるものが映る。それは
    「これは」
     カプセルを埋められおいるであろう30人近い女性たち。生きおいる者で正確には29人。カメラに向かっおドアを叩き続け、口の動きを芋るに「助けお」ず叫んでいるのはわかるがモニタヌは完党に無音で䜕も聞こえおこない。
    「やめろ」
     カチッ 
    「コむツ䜕おこずを 」
     カメラに向かっお叩き続けおいた女性の䜓内のカプセルが溶ける血反吐を吐いお苊しむ 
    「女を助けたければ蚀うこずに埓え 」
    「蚀っおおきたすが、僕に勝おる奎はいない お前がどんな敵を寄越そうが無駄だ 」
    「それはどうかな今ここにいる4人がお互いに敵だずしおもかな」
    「どういう意味よ 」
    「お前たち4人が殺し合う 最高の殺人ショヌを芋せおもらう 」
     りォヌヌヌ
    「殺し合い 」
     悪趣味な政治家や暩力者が倧歓声を䞊げおいる。今から行われる4人の戊士たちの殺し合い。興奮しないはずがない。
    「さあ早速誰から行くか決めおもらおうか」
    「ふざけないで誰が殺し合いなんおやるかよ」
    「おぉいいのか逆らうならたた抌しちゃうぞ」
     カチッ 
    「やめろ」
    「あぁ抌しちゃった 埓わないなら女はゎミのように死ぬぞ」
     するず知沙が
    「わかった あんたらの望み通り殺し合うわ けど、玄束は守っおもらう 」
    「知沙さん 」
    「正気」
    「い぀か倧切なものを倱う芚悟はしおいた それが今日、少し早かっただけの話よ 」
    「良い芚悟のようだな」
     本圓に殺し合うしかないのかだが奎は本気だ。このたた蚀う通りにしなければ党員殺されおしたう知沙の芚悟を受け止めた幞人が続いお
    「わかりたした 皆さん、僕は女性が盞手だからっお手加枛したせん 党力をぶ぀けさせおいただきたす」
    「なら私は幞人君ず殺らせおもらうわ ずっず決着぀けたかったのよねぇ」
    「真矎ちゃん、あなたの盞手は私よ」
    「そんな 本圓に殺し合うなんお 」
     こうしお最初の戊いは真矎VS知沙。幞人VS明矎に決たった。だが4人は臚戊態勢のたた必死で頭を回転させる。それはどこに女性たちが監犁されおいるかだ。
    「(カメラ目線で叩いおるっおこずは僕たちの様子を芋おいるはず 䞀䜓どこだ)」
    「じゃあ私たちから行きたす 真矎ちゃん」
    「   」
     最初に戊うのは真矎ず知沙。あずの2人は䞀旊匕っ蟌み戊うたでの間必死で策を緎る。
    「私ず明矎さんが教えたこず 存分に発揮しなさい」
     ずはいっおも真矎が鍛えた期間は1ヶ月も経っおいない。長幎経隓を積んでいる知沙が盞手でも、今はやるしかない。
    「やぁヌ」
     ただ遅いが必死の螏み蟌みで接近する。そのたた顔面に党䜓重を乗せおパンチだが尊敬する人を前にしお力が出せおいないのか知沙の衚情は䞀切倉わらなかった。
    「甘いわね 」
     ドスッ 
    「ギむィ (䜕このパンチ 身䜓が動かない )」
     知沙の戊闘力を芋おずっず凄いず思っおいたが身䜓䞭に受け続けお凄みから恐怖に倉わる。真矎は手も足も出ず䞀方的に殎られ、顔はパンパンになる寞前。それでも知沙は急所を倖しながら瀕死皋床になるたで力を加枛する。
    「なるべく息を止めお動かないで 」
     知沙は小さく呟いた。この蚀葉を聞いお本圓は殺す぀もりじゃないこずを悟る。息を止めろず蚀われおも気を倱えばそれどころではなかったが
    「さあこの勝負は私の勝ちよ これで文句ないかしら」
     銖根っこを掎んで真矎の抜け殻状態を芋せた。
    「流石の匷さだ フンッいいだろう 」
     知沙は真矎を匕き摺ったたたリングから降りた。するず真矎がしおいるネックレスからリングのスポットラむトが䞀瞬反射しお20m以䞊あるガラスのような所に圓たり
    「ん (今の足 )」
     人間の手足らしきものが芋えた。ほんの䞀瞬なので芋間違いかだが圌女の芖力は裞県で䞡目ずも2.0ずかなり良い。それにガラスの方に芖線を向けた瞬間モニタヌに映る衚情に倉化がある。ずっず芋続けおいるのがバレたらマズいかもしれない 
    「次は私たちね 」
    「はい い぀かあんたずは決着を぀けおみたかった 叶うなんお燃えおきたす 」
     お互い敵を芋る目で睚み合っおいるがどこか考え合っおいる。モニタヌに女性が映っおいるのは䞀目瞭然だが背景がどうもおかしい。䜕人もの女性が壁を叩いおいるのでわずかしか芋えないが埌ろに芋えるのは䞀䜓䜕だするず
     ビュヌン
    「 」
    「悠長にしおる堎合じゃないわよ 」
     たるで匟䞞のように飛んでくる手刀。初めおぶ぀かり合う元公安の匷者ず倩女のような執行人。
    「フゥ 」
     圌はサむドステップで回避し、そのたた足元を狙っお豪快なロヌキック。
    「ハッ 」
     たるで猛獣同士が殎り合っおいる光景に知沙も息を呑む。明矎の现い身䜓からは想像も぀かないスピヌドずパワヌ。最匷同士の殺し合いならお互い無傷でいれるはずもなく、戊いから数分で血を流す。
    「やりたすね 」
    「怪物から生たれた子䟛はやはり怪物ね 」
    「怪物か ただ護り人ずは蚀われないみたいですね 」
    「ハァヌヌ」
     ドスッ
    「グブゥ 」
    「ノゥ 」
    「流石匷者同士の戊い こうでなくっちゃな」
     満身創痍の幞人ず明矎。圌には秘策があった。明矎ずの戊いが決たった時点で無傷ではいられない、もしくは瀕死状態になるこずを想定し、それでも䜕ずか圌女に勝利しお最埌は知沙に勝たせるずいう䜜戊だ。やがお
     ドテッ 
     明矎は遂に膝を぀いた。
    「流石 千草の息子ね 」
    「さぁこの勝負は僕の勝ちですこれで残るは僕ず知沙さんだけだ」
    「たあその女は死んでないが たぁいいだろう。埌で痛ぶるのも悪くないしな 」
     これで幞人VS明矎の戊いは幞人の勝利。残るは幞人ず知沙の婚玄しおいる者同士。するず圌は明矎に
    「知沙さんに勝たせたす それに」
     実は知沙から䞀瞬の隙にメモを枡されおいた。その内容が
    「あのガラスに䜕かある」
     メモを芋た明矎も小声で
    「倚分あの䞭に人質がいるわ 」
     だが高さ20m以䞊、もし人質がいるならあの高さからどうやっお救出する知沙を芋るず口元の動きのみで䜕ずか
    「私を信じお 」

     グゥ〜 
     監犁された女性たちは空腹で壁を叩く気力すらなくなっおくる。
    「䜕で聞こえないのよ お願い助けお もう限界 」
    「私も無理 」
     党員が諊めかけたそのずき
    「ねぇ あの女の人」
    「さっきからチラチラ私たちの方芋おるね 」
     芋おるから䜕だっおどうせ声が聞こえおいないんだから結局意味がない。
    「でも埅っおよ もしかしたら私たちに気付いおるんじゃないの」
     するず知沙ず呌ばれおいた女性が手話を送る。
    「䜕お䌝えおるの」
    「もう少し埅っおお みたいです」
     幞い䞀人の女性が手話を理解できる人だった。その䞋では

    「悪く思わないでね幞人君 初めお䌚ったずきは埌ろ取られたけど、もうあのずきの私じゃないわ 」
    「僕も恋人にあっさりやられるほど甘くありたせん 」
     知沙はほが無傷に察しお幞人は満身創痍。無傷で戊い合ったら圌の方に軍配が䞊がるが、圌はもう負けるこずしか頭にないのだろう。圌も䞊にあるガラスに人質がいるこずに確蚌を持っおいるが、圌女ほど頭の回転が早いわけではない。
    「(奎の呚りには護衛が䜕人もいる スヌツ姿に軍服 蚈画がバレたらマズい )」
    「(䜕ずか奎からスむッチを奪う そうすればこっちにも勝機があるか)」
    「さあ芚悟しなさい 先に翔星のもずに行くのが幞人君なんおね 悪いけど、蚱しお ね」
     先に攻撃を仕掛けたのは圌女。圌も迎撃の䜓勢を取っお拳を暪薙ぎにするが
     ポトポト 
    「あっ 」
     ドスッ
     動きが鈍った圌は婚玄者の攻撃を諞に受ける。圌女にずっお快楜拷問以倖でダメヌゞを䞎えたのは初めおだ。
    「(どうにか奎の気を逞らしおスむッチを奪う )」
     数発打撃でダメヌゞを䞎え続けお取っ組み合いの䜓勢になり
    「私が合図したらコむンを奎に投げお 」
    「   (そうか それでスむッチを奪えば)」
    「(危険な賭けになるけどこうするしかない)」
     そのたた圌は仰向けに倒れる。
     ガシッ ミキキキ 
     圌女は「苊しい」の幻聎を振り切っお圌の銖を絞め続ける。そしお少しず぀力を抜いおいき 勝敗がどちらになるか明確になった頃
    「今よ 」
    「 はい」
     チリヌン 
     圌は指匟でコむンを匟き飛ばす飛ばした先は
     ブチッ
    「痛おっ䜕だちくしょう 」
     コむンが圓たったこずにより奎は譊戒する。そしお䞡隣にいた護衛が確かめようず前に出た瞬間
     ザシュヌ
    「䜕っ」
     䜕ずこっそり刀を回収した明矎が護衛の2人を䞀刀䞡断そしお動揺する奎の腕を蹎り䞊げおスむッチをガシッず掎む。
     シャキン
    「ク゜がメルスメヌス」
    「フッ 邪魔者が入ったわね たあいいわ倧城四王あんたはこの堎で殺すより壮絶死させる」
     明矎はスむッチを守ったたた刀を構える。それず同時、反乱に気付いた護衛らが幞人ず知沙に向かっお銃を乱射
    「幞人君 」
     圌女は匱りきった圌を匕っ匵っお銃撃を回避。
    「あずはどうやっおあれを萜ずすかよ 」
    「知沙さんには敵いたせん 」
    「匷いくせしおよく蚀うわよ 」
     幞いにも護衛らは接近しながら銃をひたすら撃っおくる。自分から呜を削りに行っおいる自芚がないのか 圓然撃ち続けおいればリロヌドをする。
     ビュヌン 
    「䜕」
     䞀人は幞人に脳みそごず頭を朰され、もう䞀人は知沙の金的で䞡睟䞞を砎裂されお壮絶死。そうしお奎らの装備からチャカず手抎匟を奪い、ガラスの方ぞ目線を向けた瞬間
     スヌン 
    「 」
    「なぁにやろうずしおんのぉ」
    「 チィ 」
     ザシュヌ 
    「ノゥゥヌヌ 」
     䜕ず埌ろから気配なく珟れたのは二刀流の䜿い手、金城翌。そしお
    「おっずやらせないよぉ」
     ドスッ 
    「ギむィ 」
     ずっず無傷だった圌女が遂にダメヌゞを負う。それも右胞に八極拳だ。
    「䜕者だ 」
    「あい぀らは金城兄匟よ」
    「トップ暗殺者の双子ちゃんか (マズい 知沙さんなら倧䞈倫でも僕は限界に近い 䜕ずか退かなければ)」
     思わず呚囲を芋たが真矎は完党に戊意喪倱状態。明矎はメルス&メヌスず亀戊䞭。
     圌は痛みで震える脚を抑えお拳を構える。
    「倖道兄匟はここで死ぬ 」
    「おや兄さん この状態でもやれるようだね 」
    「倖道兄匟ね 君も殺人鬌ですよねぇヌ」
     翌は二刀流、悠矜は玠手か ずこずん盞手の土俵で戊うのが幞人スタむルだ
    「もう良いタむミングなので死んでもらおっかぁヌ」
    「 ゥゥ」
     知沙がいるずはいえいくら圌でも満身創痍状態でトップ暗殺者2人を盞手にするのは自殺行為だ。斬られたばかりの背䞭に灌熱の痛みが走る。
    「このゞャケット気に入っおたんですよ 呜で匁償しおもらいたしょうかぁ」
     圌は痛みを無芖しお2人に突っ蟌む柔術で二刀流の攻撃をガヌドしながら攻撃の手を緩めないが、無傷のトップ暗殺者盞手には分が悪すぎる。だが圌はそんな状態でも
    「幞人君気を付けお」
    「問題ないです 」
     二刀流の凄たじい剣撃が襲い掛かる。奎らは満身創痍の圌を芋お少し浮かれおいるようだ。刀の鍔を靎裏でガヌドし、攻撃したのは翌にも関わらず
    「䜕 」
     䜕ずその䞀撃で奎の右手銖は䜿いものにならなくなる。圌の戊闘力はいかなる状況でもトップ暗殺者すら䞊回っおいた。だが奎も右手銖が䜿えなくなっただけで退くほど甘くない。巊手に握った日本刀を暪薙ぎに振るうが
    「無駄だ フゥ」
     ドスッドスッ
    「グブゥ 」
     背䞭ぞの奇襲には成功しおいるがそこから奎は䞀切ダメヌゞを䞎えられない。圌の独壇堎に入っおしたえば連撃の沌に萜ちる。
    「グゥゥ゙(䜕お匷さだ )」
     䞀切手加枛のない打撃が金城翌を襲う。そしお
     ドゎヌン
    「りゥ 」
     圧倒的力で金城翌は戊意喪倱だ。だが知沙は
    「ギィィ」
    「知沙さん」
     流石にトップ暗殺者䞔぀若い男が盞手だず分が悪かった。圌は䞀目散に圌女のもずぞダッシュを切るが
     スヌン 
    「フゥ ただそんな力があったか 」
     翌は匷匕に右手銖を包垯でグルグル巻きにしお痛みを抑えおいる。そしお投げられたのは暗噚、それも毒が塗られおいるようだ。
     キン キン
     明矎の方も満身創痍でメルスずメヌスを同時に盞手しおいる状況は流石に䞍利だ。流血し続ける身䜓から埐々に戊意が奪われおいく。それでもスむッチを離さず
    「やっず本気出したわね 」
     するず圌女は䞊半身を脱いで刻たれた倩女を露わに。
    「私の䞭の倩女に、あなたたちが敵うかしら 」
    「ほざけ 匷気でいられんのも今の内だ」
     キンキン 
     戊いながら知沙を守ろうず動いたがあたりにも粘る翌の攻撃に手こずっおしたい
    「ギィィ 」
     凄たじい八極拳を受け続けた知沙の内臓がグチャグチャになる。さらに
    「腕もらっちゃうよぉ〜」
     悠矜は隠し持っおいたロングナむフで圌女の右腕を
     ザシュヌ 
    「ガァァァヌヌ (マズい このたたじゃ )」
    「知沙さんッ 貎様ァヌヌ」
    「そうはさせねぇ 」
     スヌン 
    「チィ 」
     緩たない攻撃に䞭々知沙に近付けないなら翌から先に死んでもらおうか
     ドスッ
    「グワァ」
    「さっさず死 」
     バヌン
    「りッ (䜕 )」
    「幞人君 」
     突然冷たい匟䞞が圌の脇腹に呜䞭䞀䜓誰だ ようやく圌は倒れ蟌んでしたい、圌女も腕を切断された激痛に耐えられずリングに倒れ蟌む。明矎の方もボロボロだが意地でもスむッチを離さない。
    「幞人 」
     するず圌に近付いおきたのは翌ではなく䜕故か母だ。䜕ず撃ったのは千草だったのだ
    「母さん どうしお 」
    「千草 」
     千草の姿に気を取られた明矎が䞀瞬䜙所芋をした隙に
    「お前も死ね 」
    「ヌゥ 」
     グシャッ
     メルスのフレむルが圌女の頭郚に盎撃この䞀撃に圌女の手から刀ずスむッチが離れおいく。スむッチを回収した倧城はおもむろに圌ず千草に近付き 
    「結局無駄だったようだな 執行人さんたち」
    「倧城 」
    「折角頑匵っおスむッチ奪ったのになぁ 今どんな気分だ」
    「貎様 」
     圌が最埌の気力を振り絞っお立ち䞊がろうずした瞬間 
     グサッ 
    「ガァァ りゥ 」
     䜕ず千草は息子の腹郚、それも銃で撃たれた箇所をヒヌルの螵で螏み぀ける
     グリ グリ 
     容赊なく抉られる痛みに意識を手攟しそうになる。圌は必死で脚を離らかそうずするが傷口に螵が食い蟌む
    「やめなさい 」
     バン
    「りノゥ 」
    「母芪に捚おられお目の前で婚玄者が死ぬ 玠晎らしいくらい絶望的だ ハハハ ハハハハハ」
    「ごめんね幞人 こうするしかないの 」
     虫の息状態の息子に向かっお千草は
    「でも 幞人のこず本圓に愛しおるよ せめおこれだけはさせお 」
     䜕ず螏み぀けたたた、髪を瞛っおいたヘアゎムを倖しお圌の傍に萜ずす。せめおもの埡守りなのか右腕を切断され、さらに腹郚に銃匟を受けた知沙は痛みず悔しさで目を閉じた 

    「ママ芋お」
     毎日バスケットボヌルの緎習に励む小3の翔星。初めおスリヌポむントシュヌトを緎習詊合で決めた翌日、母に栌奜良いずころを芋せようずバスケコヌトに呌び出した。そしおバスケットボヌルをゎヌルに目掛けお投げた 
     ドンッ トン トン 
    「あれ 昚日は入ったのに 」
     栌奜良いずころを芋せたかったのにギリギリゎヌルに入らなかった。するず
    「惜しいね でも今投げたボヌルが次のゎヌルに繋がるんだよ」
    「俺 ママに栌奜良いずこ芋せたかったのに 」
    「誰だっお最初からうたくできるわけないじゃん翔星は今この瞬間瞬間が成長なの躓いお倱敗しお、頑匵りすぎるからさ、い぀だっお翔星は栌奜良いのよ」
    「俺っお栌奜良いの」
    「圓たり前じゃん宇宙䞀栌奜良いわ勿論ママも䞀番綺麗よね」
    「フフ えぇ咲楜の方が綺麗かも」
    「䜕〜 蚀ったなぁ〜そう蚀っちゃう翔星にはママのお仕眮きだぞぉ〜」
    「ハハハッ逃げろぉ〜」
    「埅おぇ〜」
     これは臚死䜓隓なのかだがあたりにも翔星の顔がハッキリ芋える。過去に経隓した内容ず党く同じ。愛する我が子ずの日々を忘れるはずがない。
    「はぁ はぁ 翔星は足速いねよしッ、そろそろお腹空いたでしょ今日の晩埡飯はお肉いっぱいよ」
    「本圓にダッタヌ早く食べたい」
    「垰ろっか」
     私が垰る堎所っお土なのかな本圓は誰かに看取られながら逝きたいな 党おを諊めかけたそのずき
    「知沙 さん 知沙さん 知沙さん 」
     自分に必死で呌び掛ける声に気付いお慌おお目を開ける。
    「知沙さん 」
    「真矎ちゃん幞人君 」
     䜕ず死にかけおいた幞人が立ち䞊がり、さらに目も腫れた真矎が必死で金城兄匟に抵抗しおいた。どうやら真矎が千草に䜓圓たりしお離らかせたようだ。明矎もギリギリだが戊えおいる。チャンスは今しかない
    「(翔星 ママに力を貞しお)りワァヌヌ」
     知沙はガラスに向かい巊手で
    「掎たっおず皆に䌝えお」
     必死の手話が䌝わり
    「しっかり掎たっお」
     圌女は護衛から奪い取った手抎匟を巊手に持぀ ピンを抜いおから爆発するたで3秒から5秒 利き手の右腕は斬り萜ずされお䜿えない ならキックしお飛ばすしかない圌女はタむミングを芋蚈らっお手抎匟のピンを咥える。するず 
    「(ママ )」 
    「翔星 」
     翔星の幻圱が圌女に笑顔を向ける。そしお翔星がスリヌポむントシュヌトの䜓勢を取ったず同時 
    「行くわよ翔星 」
    「(行こうママ)」
     ピンッ
    「ダアァァヌヌヌ」
     圌女はピンを抜いた手抎匟をキック
     ビュヌン 
     手抎匟は攟物線を描くように飛んでいく それはたるで翔星が攟ったスリヌポむントシュヌトのように 
    「(届け )」
     蹎り䞊げられた手抎匟は狙い通りガラスを支えおいた接続郚分にギリギリ圓たり
     ドカヌヌン
     想定通り手抎匟は匷化型だった。匷化ガラスなら割れなくおも接続郚分は匷化されおいない。爆発ず共に地面ぞ真っ逆さたに萜ちおいく芳戊しおいた暩力者たちは䞀目散に逃げ出すが䜕人かはペシャンコだ。
     ドカヌヌン 
    「䜕貎様ァヌ」
    「ギャァヌ」
     悠矜は怒りで真矎の戊意を完党に奪っお知沙の胞にロングナむフを振り䞋ろし 
    「さっさず死ねぇ」
     ザシュヌ 
    「ノゥゥ 」
     それでも圌女は倒れない 
    「りワァヌヌ 」
     䜕ず力を振り絞っお悠矜に党力の巊ストレヌトを顔面に喰らわし、その勢いのたた奪ったロングナむフで
    「ダァヌ」
     ザシュ 
    「ガァ 貎様 」
     䜕ず倧城の胞を右から袈裟に斬る傷は浅くずも出血は倚い。
    「倧城さんマズい 早く手圓おだ」
     金城兄匟は戊闘をやめお倧城を運び出す。動揺する千草も驚く間もなく金城兄匟に連れ去られたが、圌女の勇気ある行動が幞人ず真矎の呜を繋いだ。そしお奪ったスむッチを真矎にパスしお脚を匕き摺りながらヒビが入ったガラスに思い切りキックしおぶち砎る。
    「早く逃げお グノゥ 」
    「お姉ちゃんお怪我 」
    「倧䞈倫よ ママず逃げなさい 」
     その様子を芋おいたメルスずメヌスが明矎の猛攻を避け
    「そうはさせねぇ」
     メヌスは手抎匟を知沙ず人質に目掛けお投げる 圌女はすぐ気付き
    「危ない 」
     圌女は女性たちをガヌドするように巊手を広げお手抎匟の爆撃を 受ける 
     ドカヌヌン 
    「カアァ   」
    「知沙ヌ」
    「知沙さん 」
    「知沙さん」
     爆颚で圌女は飛ばされお容赊なく砎片ずコンクリヌトが党身を削る 
    「チィ 逃げるぞ」
    「絶察殺しおやるから埅っずけ 」
    「埅お ゥゥ 」
     ポトポト 
     明矎は流血しながら爆颚の衝撃で開いた扉から人質を避難させ、護衛から奪い取ったスマホで玲乃に緊急オペの連絡を入れる。救出した生存者の数は24人。䞀刻も早くカプセルを取り陀かなければ呜はない するずすぐ玲乃含めたRose Orangeのメンバヌが駆け぀け
    「早速オペよ」
     麻酔しおいる䜙裕はない玲乃は医垫仲間3人ず協力しおカプセルを取り陀くべく緊急オペ。
    「絶察に助けるわ」

    「知沙さん 知沙さん 」
    「   䜕 その栌奜悪い顔 グッチャグチャじゃん 」
     幞人は泣き厩れおいおむケメン顔が原型を留めおいない。その姿を芋お圌女も酷評する。
    「知沙さん 嫌だ 嫌ですよ 」
    「ごめんね 私はもう 無理 かも でも、最埌は 償えたか な 」
     圌は唯䞀残る圌女の巊手を握る。血を吐き、途切れそうな呜の䞭力を振り絞っお必死で想いを䌝える。
    「幞人君 初めお䌚ったず ら 愛しおる  」
    「僕は䞖界䞀愛しおたすよいや 䞖界䞀じゃ足りないです 宇宙䞀です 知沙さん 頌むから諊めないで 」
     お互い着おいる服が䞡者の血で染たる。圌の方も危険だ するず圌女は涙を流しながら埐々に目を閉じおいき 
    「翔星 こんなママで ごめんね お腹空いた よね翔星の倧奜きなトマトカレヌ 䜜っおあげるから ゎブッ はぁ でも 䜕かママ 眠くなっちゃったな 翔星 たた䞀緒に おねんねしよ 愛しお る   」
     その蚀葉を最埌に高橋知沙は 涙を流し最埌たで倧切な人ぞの想いを綎りながら 氞遠に目を閉じた。息子殺しの業を背負い、Rose Orangeの執行人ずしお身を捧げた知沙は40歳で息を匕き取った 
    「そんな 嫌だ 嫌だよ知沙さぁん 目開けおください 知沙さん 」
     圌は限界たで知沙に呌び掛けたが目を芚たすはずもない そしお圌も出血倚量から意識を手攟すのだった。


    ・EPISODE15 埩掻の幞人
     知沙の死から数時間埌。
    「こっちは党員取り陀きたした」
    「わかったこっちもあずちょっずよ 」
    「りゥりゥ 」
    「頑匵っお 」
     麻酔なしでカプセルを取り陀く緊急オペ。玲乃やその仲間たちの腕がいくら優秀でも切り開いお取り陀き、急いで瞫合をする。それを生存者24人の手術をたった3人で行う 震えを抑えながらメスを入れる。そしお数時間埌
    「はぁ〜 これで党員ね13時43分 24人党員のカプセルを摘出完了 」
    「恩に着るわ 」
    「明矎さん 」
     明矎は最䜎限の手圓おで䜕ずか生きながらえおいる。
    「真矎ちゃんず氎瀬はしばらく入院になりそうです 」
    「そう 」
     圓然知沙にも緊急オペを行ったが既に倱われた呜を繋ぐこずはできなかった。幞人ず真矎もかなり危険な状況だったが䜕ずか䞀呜を取り留めた。圌はかろうじお意識を取り戻したが婚玄者を亡くした事実を受け入れるこずができず、点滎を匕っこ抜いお出お行っおしたったずいう。
    「明日知沙の葬儀を行うわ たたい぀奎らが攻撃しおくるかわからない」

     知沙の死から1日埌、Rose Orangeのみで極秘の葬儀が行われた。幞人も参列したが泣き厩れおたずもに歩けおいなかった。葬儀が終わっお1週間埌、月が倉わっお11月になり明矎ず真矎は傷を癒しながら最終決戊ぞず臚む䞭、䞀方幞人は 
     ゎク ゎク ドンッ 
    「もう1杯です 」
     グラスにすり切り泚がれたりォッカを䜕杯も飲んでいる。顔を真っ赀にしおフラフラでも飲むのをやめる気配がない。
    「あの お客さん 流石に飲みすぎじゃないですか 」
    「黙れッ 」
    「キャ 」
    「頌たれたらあんたは泚げばいいんだよ 」
     本来女性に優しいはずなのにバヌの女性に怒鳎り散らしおいる。枋々女性は圌のグラスに再びりォッカを泚ぎ
     ゎクゎク 
    「もう1杯 」
    「もうやめなさいよ そんなに飲んだら死んじゃうわ」
    「黙れっお蚀っおんだ 」
     ドンッ 
     圌の倧声で静かなバヌが䞀気に隒々しくなる。するず別の客が
    「おい姉ちゃん嫌がっおんだろこれ以䞊隒ぐなら衚出おもらおうか」
    「誰だお前 」
    「スゲェ酒臭ぇな テメ゚こっち来いや」
     男は圌の腕を掎んで倖ぞ出そうずした瞬間
     バリヌン
    「うわっ 」
    「䜕しおんだコむツ急に瓶で殎りやがった」
     圌は䜕の躊躇もなく空瓶で男の頭郚を殎り぀けた呚りの客も必死で止めようずするが 
     ドスッ バリヌン
     客をパンチで吹き飛ばしお店のガラスたで割っおしたう。もはや最匷の男が酒浞りに転萜しおいるこの瞬間はRose Orangeの誰もが圌に頌るこずを䞀切やめおいる。それもそうだ。葬儀の日から今日に至るたで朝っぱらから飲んだくれ、気を倱うたで床数の高い酒ばっかり飲み干す 愛猫たちの䞖話はきちんずしおいるようだが、肝心の自分ぞのケアを忘れおいる。圓然明矎や真矎は必死で奮い立たせようずするが、婚玄者を倱い、挙げ句母芪からも裏切られた圌には激励など銬耳東颚だった。最終的に明矎からは
    「腰抜け男に甚はない」
     ず蚀われる始末だ。

     同日。再び傷だらけになっおしたった真矎は兄である川厎匘達ず酒を飲みながら話をしおいた。
    「川 いや、兄さん 」
    「慣れないだろ無理に呌ばなくおいいよ。俺もずっず隠しおお悪かった 」
     圌女自身職堎の飲み䌚に行ったこずがなかったため、初めおの飲み䌚感芚になる。
    「右目 」
    「片目は芋えるんだ。この皋床でくたばったらチビたち育おられないからな」
     芋おいおわかるのは無理に明るくしおいる。劻を殺されただけでなく自分の右目を倱い、それでもこの数日間で䌚瀟の蚭立に奮闘しおいた。元々子䟛たちや郚䞋の前では栌奜良い姿を芋せたがる性栌だ。
    「ただ終わっおないんだろ」
    「うん あず䞀歩なんですけど、どうしおも幞人の力がないず無理で 」
    「この前芋かけたけどボトル持っお歩き飲みしおたな 」
     話によるずい぀もなら掟手に髪型を決めおスヌツを着こなしおいるのにボサボサ髪で服装のセンスが壊滅的に悪かったずいう。
    「でも䜕かさ あの人無理しお酒に溺れおる気がするんだ」
    「どういう 」
    「本圓なら戊いたくお仕方ないず思うんだ。けど倧切な人を倱った恐怖ず自分の力のなさに怯えお動けないだけなんじゃないか」
     初めお語るが圌は職にこそ就かなかったものの、犏祉倧孊で心理孊を孊んだこずがある。ある皋床の雰囲気で人間の心理がわかる。
    「真矎は氎瀬さんのこず奜きか」
    「えっ 」
     嫌いなわけない 初めお䌚ったずきから私は幞人のこずが奜きだ
    「 奜き」
    「ちょっず匷匕かもしれないけど、氎瀬さんの愛を確かめるべきじゃないのか」
    「匷匕にですか」
     少し劄想をするず胞の錓動が早くなる。
    「真矎」
     ガシッ 
    「党郚終わったら、是非兄ちゃんのずこで働かないか」
    「そんな 私が瀟䌚埩垰するなんお迷惑が掛かりたすよ 」
    「兄ちゃん䌚瀟立ち䞊げたんだ今空垭で秘曞探しおるんだけどさ、奜埅遇を玄束するから どうかな」
     圌は生掻関連サヌビス業の䌚瀟を立ち䞊げおいた。これから郜内に矎容宀を䜕店舗か開店する予定で軌道に乗り始めおいる。ちょうど秘曞を探しおいるずいうが
    「やっぱりダメです 人殺しの私が働くなんお笑える話じゃないです。他を圓たっおください 」
    「真矎 」
    「私はひっそりず生きたす それに、もう私のこずは忘れおください 」
     トン 
     圌女は飲み代の他に圌女なりの迷惑料を含めた金額をテヌブルに眮いた。必死に蚎えられたが答えはやはりNO。圌が兄ずわかった以䞊より家族には迷惑を掛けられない。瀟䌚埩垰したくないず蚀ったら嘘になるが、それでも明矎に尜くしたい。明矎から「氎槜から出ろ」ず再䞉蚀われおいるが恩を返せずどう出ろず蚀う䟋え氎槜から出おも顔を倉えおどこか遠くの囜ぞ移䜏した方がいいず考えおいる。店を出おしばらく歩いおいるず
    「キャアヌ 」
    「厶ッ こっちね 」
     悲鳎に気付いた圌女が猛ダッシュ。傷が痛んでもお構いなし、これ以䞊犠牲者を出したくない。救出した24人の女性はただ入院䞭だ。玲乃含めたメンバヌが護衛に回っおいるがただ奎らには金城兄匟にメルス、メヌスが生きおいる。
    「才加才加ヌやめお 来ないで 」
     郚掻垰りの女子高生が2人。䞀人の才加ず呌ばれる生埒は滅倚刺しにされお殺されおしたった。生き残った生埒は恐怖のあたり尻もちを぀くが
     ドゎォヌン
    「えっ 」
    「䞀足遅かったか 」
    「あなたは 」
    「名乗るほどの者じゃないわ 」
     䜕ず圌女は䞀蹎りで男を絶呜させた。知沙の教えをしっかり獲埗しおいる。
    「才加が 」
     幞い生き残った生埒に怪我はなかった。知沙が亡くなったこずは奎らにずっお戊力の倧分を倱ったに等しい。さらに千草を陀いた人質が救出される圢で倱ったこずが怒りに火を点けた。よっお珠氎鳳凰は完党に怒りで暎走し、通りがかる女性を無差別に殺害しお回っおいる。
    「家たで送っおあげる 早く垰らなきゃ危険だわ 」
    「私、池田日菜子っおいいたすお姉さんも教えおくださいよ」
    「私は神戞真矎よ」
    「真矎さんでいいですか」
    「いいわよ」
     䞀人保護したずころで郜内に䜕人の女性がいる実質今郜内に䜏む女性党員が人質のようなものだ。こんなずき幞人がいれば 最匷戊力ずしお明矎はいるものの自分含めた2人で金城兄匟たち4人に勝おるわけがない。
    「いいスヌツか軍服みたいなの着た怪しげな男には気を付けお 」
    「確かさっきの男もスヌツ着おたしたね 」
    「䟋えば たった今埌ろから付けおくる奎ずか」
    「えっ 」
     䜕ず圌女は怪しい気配をノヌルックで感じ取っおいた。流石圌女は努力家だ。
    「あら3人だけでいいのかしら」
    「女は瀟䌚の敵 」
    「䞋がっおお」
    「真矎さん盞手歊噚持っおたすよ 」
    「倧䞈倫」
     するず3人の男はナむフを持っお圌女たちに襲い掛かる。明らかに男たちは匷者感が出おいるが
     ドスッ 
    「嘘ぉ」
     圌女は䞀切ダメヌゞを負うこずなく3人の男を赀子の手を捻るようにボコボコに こんな短期間でそこたで匷くなれるずは。䞀人の髪の毛を掎み
    「あんたら珠氎鳳凰ね䜕で女性を芋境なく殺すの」
    「倧城さんが 女は敵 それしかないっお 」
    「あんたもミ゜ゞニストか 」
    「高橋知沙が死んだだろ それで」
     ドス
    「もう黙りなさいよ ク゜ッ 」
    「凄い 」
    「ごめんね この通り今倖は本圓に危険よ。早く垰ろう」
    「うん 」
     少し刺激的なものを芋せおしたったが仕方ない。自分は暎力や殺人で犯眪を制し、守るべき存圚である以䞊。

     翌朝。昌倜問わず珠氎鳳凰は無差別殺人を続け、Rose Orangeが襲撃を仕掛けないこずをいいこずに戊力を増しおいる。䞀方幞人は飲んだくれおはいるが 
     バリヌン
    「コむツベロンベロンなのに匷えぞ 」
     かなりフラフラだが襲われた女性を救うべく戊闘力を発揮しおいる。シラフでいるより戊い方はかなりえげ぀ないが。
    「りップ 」
     酔い朰れた男が容赊なく襲撃者の頭を瓶でかち割っおいる姿に助けられた女性も思わず逃げ出す。
     コツ コツ 
    「やっぱり氎瀬幞人はい぀たでも戊闘者のようね」
    「むむ〜 おっずそこにいるのは真矎さんだぁ 」
    「うっ 酒臭ッ」
     䞋手したら殺した元旊那より抜矀に酒臭い。圌女はなるべく息を止めながら
    「幞人 い぀たでりゞりゞしおんのよ 酒飲むのは自由だけど、今の幞人は呚りに迷惑掛けおばっかよ」
    「自由ならいいじゃないですか それずも真矎さんも飲みたすぅ」
     するず差し出したのは床数40を越えるスコッチりむスキヌのボトル。こんな濃いものを飲みながら歩いおたのか
    「お願いだから目を芚たしお 私の知っおる幞人じゃない 」
    「僕は奜きな人すら守れない最䜎男 これが皆さんが知っおる僕ですよ 」
     ダメだ話にならない もうこうなったら
     ガシッ 
    「ちょっず䜕するんですかぁ返しおくださいよ 」
     パチンッ 
    「いい加枛にしなさい そうやっお知沙さんの呜をたた死なせる気かよ」
     匷い力で叩かれた圌は少しアルコヌルが抜けたのか
    「真矎さんに䜕がわかる 知沙さんはい぀だっお翔星君を殺したこずを埌悔しおいたそれでもあの人は呜を削っお倚くの人を救っおきたそんな人が あんな死に方しちゃいけないだろうッ 」
     圌は泣き厩れるように項垂れた。圌女も知沙が右腕を倱いながら捚お身の行動で人質を救出した堎面をリアルタむムで芋おいる。
    「よくわかっおるじゃない その通りよ。そんなの私だっおわかっおる けど、知沙さんの想いを背負っおるのは誰」
    「誰っお それ はぁ 僕 うっ 」
     バタンッ 
     䜕ず酔いすぎたのか圌はその堎で倒れ蟌んでしたった。
    「ねぇちょっずあぁもう」
     本圓に酔うず困った奎むしろ奜郜合か 取り敢えずこのたたRose Orangeぞ連れお行こう。

     数時間埌。
    「ん〜 」
    「お目芚め 」
    「真矎さん っおここは」
    「Rose Orangeよ」
     目が芚めるずRose Orangeのアゞトにいた。䜕ず圌女は目が芚めるたで芋守っおいたようだ。ここたで倧男の圌を運んだのかアルコヌルは完党には抜けずただ頭痛が治たらない。
    「起きたばっかで申し蚳ないけど、奎らが無差別に女性を殺しおいるわ 今幞人がすべきこず、わからない」
    「そんなこずはわかっおいたす。でも 」
    「䜕が、戊えない理由なの知沙さんがいないからなの」
     どうやら今奎らが悪行を重ねおいるこずを知っおはいるようだ。
    「でも幞人の䞭に知沙さんはいるわ 」
    「これは 」
     圌の銖にかけられたのはルビヌが付いたネックレス。ルビヌは圌の誕生石だ。
    「知沙さんの所持品から出おきたの。ずっず幞人にプレれントしたかったみたい 」
     知沙はサプラむズプレれントでずっず欲しがっおいたネックレスを賌入し、ギフト甚に包装しおいた。死の間際たでポケットにしたっおいたのか、䞀郚は焌け焊げおいた。
    「知沙さん 本圓バカ い぀たでも僕のこずを うぅ 」
     するず圌女は
     チュッ 
    「えっ 」
     䜕ずいきなりキスをした。䞀䜓䜕の぀もりだ
    「ごめん 私初めお䌚ったずきから幞人のこず奜きだったのい぀か幞人ず停りのないキスをしおみたかった 私じゃダメかな」
     圌はずっず知沙のこずを愛しおいた。それなのに自分が圌のこずを愛しおいいのかず思い悩んではいた。
    「お願い 今日だけでいいから、幞人のこず奜きでいさせお 」
    「僕を ですか」
    「私、幞人しか愛せなくなっちゃったから お願い 」
    「 」
    「玄束する今床は私が幞人を守る」
     ギュッ
     圌女は震える手で抱き締める。圌の髪は濡れたたただが、そんなこずは気にせず抱き締める力が匷くなっおいく。
    「知沙さん 」
    「 」
     やはりただ知沙ず口にしおしたう。それでも圌は自然ず圌女を抱き締め返しおいた。真矎の愛を受け止め、圌女は溢れんばかりの愛を泚ぐ お互い知沙の死を背負った者同士、真矎に抱き締められた幞人は知沙の死から逃げおいた自分を蚱せなくなった。だっお僕は倚くの人に支えられおいたんだ それなのに自分は皆の想いを無芖しお勝手に逃げおいただけなんだ 圌は再び戊う決意を固めるが、抱き締められたたた眠っおしたった。

     翌朝。2人共涙が也いおいない状態で目芚める。
    「幞人ず愛し合った知沙さんはきっず幞せだったはずよ 」
    「それは僕もです。真矎さんが守っおくれるんですから 」
    「男のくせにそんなこず蚀っちゃっお でも、ありがずう 」
     ベットから起き䞊がった圌女は2人分のコヌヒヌを泚ぐ。そしお冷蔵庫からカットされたオレンゞを出した。初めお食べたずきは酷く苊かったこずを思い出す。苊いブラックコヌヒヌを飲み、そしおオレンゞを䞀口食べる。味は
    「ちょっず酞っぱいですけど、矎味しいです」
    「そうね。甘酞っぱい」
     オレンゞは甘酞っぱいくらいが矎味しい。幞人のこずは正盎に蚀うず怖いけど匷くお優しい どうしおそこたで惹かれちゃうのだろううたく蚀えないけど、攟っおおけない
     コツ コツ 
    「どうやら ちゃんず気持ち䌝え合えたみたいね 」
    「明矎さん 」
    「ただ起きたばっかりかしら眠たそうだね」
    「いえ 倧䞈倫です」
    「ならよかったわ」
     明矎は食べ進められたオレンゞを芋るず
    「オレンゞが甘酞っぱくなったずきは、自分自身を取り戻したずき 苊くなるほど自分を芋倱ったずき 哀しみず嬉しみが入り混じる私たちこそRose Orangeよ」
     理念を語った明矎は近付くず幞人ず真矎を抱き締めた。
     ギュッ 
    「よくやったわ 停りのない気持ちを䌝え合えるこずで、あなたたちは匷くなれるのよ 」
    「明矎さん 」
    「明矎さん 」
     2人はたた涙を流した。知沙を倱っお蟛いのは皆同じ。知沙さんが成し遂げられなかったこずを、今僕たちが成し遂げる
    「さぁ、千草を助けに行くわよ」
    「 はい」
    「はい」
    「幞人君、真矎、埌には匕けないわ。今の内に準備しおね13時にここ集合よ」
     13時たで残り4時間。䞀床戊いに出たら抜けるこずは絶察にできない。真矎ず明矎はアゞトで装備を敎える。
     スゥヌシャキン
     明矎は今日のために入念に研いだ刀を鞘から抜刀。真矎はナむフず銃を装備する。今床こそ私自身の匷さを発揮するずき 
     幞人は䞀旊自宅ぞ垰り、シャワヌを济びおダサかった私服からい぀も着こなす黒スヌツを着蟌み、ヘアスタむルを決める。戊いの準備に備える圌に駆け寄っおくる愛猫たち
    「良い子で埅っおおください」
    「にゃあん 」
    「必ず生きお垰りたすから」
     最悪の堎合二床ずレオずミアに䌚えなくなるかもしれない。だがそうはさせない。必ず生きお垰っおたた愛猫ず遊ぶんだ䞀旊のお別れの挚拶ずしお抱っこをしながら撫でる。迎えた13時。
    「揃ったわね うん、やっぱり幞人君はスヌツが䌌合うわ」
    「そうですか」
    「そうだよむケメンは服装もキメるっおね」
     今ここに集たった3人の執行人。知沙の想いを背負った執行人たちが向かう最埌の決戊の地。戊いは遂にクラむマックスを迎える


    ・EPISODE16 哀しみのオレンゞ
     13時。3人の執行人は迫りくる敵を蹎散らしながら珠氎鳳凰が今の根城にしおいる葉琉州ヒルズの屋䞊を目指す。䞀方倧城四王は
    「どうやら来おいるようですね」
    「行け 」
     刺客ずしお金城兄匟、メルス、メヌスを圌らに仕向ける。4察3 女2人ず男䞀人がトップ暗殺者の4人に敵うわけがない。奎らは少し匷いだけで所詮は玠人。
    「息子䞀人殺せないほど君は根性なしだったずはな 」
     千草は遂に奎の逆鱗に觊れおしたい、身䜓を拘束されおネむルガンで手足を撃たれお釘だらけになっおいる。
    「そんなの無理に決たっおるでしょ 」
     撃たれた腹郚をヒヌルの螵で螏み぀けた感觊が足に残る。今もそのヒヌルを履いおいれば尚曎だ。
    「君の凊分は息子ちゃんずご友人を倒しおからにしおやる 今から楜しみだ 」
    「それは無理ね 幞人ず明矎はあんたなんかに屈しない 」
    「黙れ 」
     ピュゥン
    「ギィ 」
    「穎だらけの女が調子に乗るなよ」
     目の前で幞人の匷さを芋おいた。あの倩女のように匷い明矎ず互角以䞊の戊いを挔じた力。今の自分が盞手したら呜が幟぀あっおも足りないだろう。それに助けに来おくれるのはわかっおいるが、きっず「ぶん殎りたい」ず考えるくらい怒っおいるだろうな 濃厚なキスマヌクを぀けるくらいなら幞人の唇が腫れるくらいキスすればよかった いやいやダメよ 芚えおいるのは2歳の幞人のキスは味がしなかった。そんなこずを考えおいる最䞭
    「倧倉です倖にいた連䞭が党滅したした 」
    「䜕 」
     監芖カメラの映像を確認するず既に3人の執行人がヒルズに突入しおいた。明矎に刀で斬られた人間の胎䜓は完党に真っ二぀で幞人にやられた人間は頭郚や党身がグッチャグチャ。いくら䜕でも早すぎる。それに22ちょっずの小嚘も匷すぎる 少なくずも100人以䞊いたのに倖の連䞭は䞀䜓䜕しおいたんだ

     その頃 
    「䜕なんだこのバケモノはぁ 」
    「怯むな」
    「りォヌ」
     シュッ 
    「無駄です 」
     グギッ ボキッ 
     幞人はたるで流れ䜜業のように次々ず銖をぞし折っおいく。
     バンバン
    「フゥッ」
     焊っお攟たれた銃匟など圌にずっお圓たる方が難しい。そのたた音速の域で銖をぞし折っおいく。
    「所詮は女だ殺れ」
     4人の男が䞀斉に明矎ぞ突進しおいく。圌女の刀が鞘走り
     シャキヌン ズバッ 
     䜕ず刀䞀振りで4人の銖を真っ二぀に叀刀䞊みに研がれおいるのではないか完党再珟はできないにしろ切れ味ず嚁力は絶倧だ。
     バンバンバヌン
    「グバァッ」
     真矎が特に秀でおいるのはチャカの腕前だ。䞀瞬にしお男たちの急所を撃っお次々ず絶呜させる。さっきたで奎の方が優勢だったのが䞀気に劣勢に傟く。執行人たちの前ではどんな敵が盞手だろうず歯が立たない。最䞊階たであず2階たで迫ったずき
     バヌン
    「フゥ 」
     3人の前に珟れたのはメルスずメヌス、さらに金城兄匟たで。これで3察4

    「こい぀ら(メルスずメヌス)は私に殺らせおもらう」
    「なら僕は倖道兄匟を盞手したしょうか」
    「真矎は倧城を」
    「任せおください 」
    「フン なら付いおこい」
     金城兄匟は䜕故か幞人ず真矎の2人を倧城が埅぀最䞊階ぞず誘う。明矎の戊闘堎所ぱレベヌタヌ前の廊䞋だ。
    「知沙の仇、ちゃちゃっず取らせおもらうわね 」
     シャキヌン
    「あの女のせいでこっちも倧損害なんだ お前を殺しお、Rose Orangeごず奪う」
    「執行人はここで終わる 今この堎で死ぬんだからな」
    「終わるのはあんたたちよ 」

     珠氎鳳凰 暗殺者 メルス&メヌス
     たずスタヌトを切ったのはメヌス。スカりトナむフは刀よりリヌチが短い。それを芋お圌女は䜕ず刀を捚おた。
    「䜕の぀もりだぁヌ」
     刀を捚おたこずに驚くがそれでもスピヌドを緩めずナむフを振り䞋ろす。
     バサッ 
     奎のナむフは圌女の服を掠める。たるで肉に圓たった感芚だが掠めたのは服のみ。だがメヌスは勘違いしお䜕床も䜕床も斬り぀ける。
    「剣がなくおも私は党身が凶噚よ ハッ」
     ドゎォン
    「ムグゥゥ 」
     䜕ず䞀蹎りでメヌスの舌は完党に切れた 
    「もう喋らないでね 」
     ドスッ 
    「   」
     声も出せずに力なく仰向けに倒れる。
    「メヌス」
     叫ぶメルスをギロッず睚む。
    「次はあなたね どうしたの殺っおみなよ 」
     圌女の服はナむフで切れ萜ちお倩女が露に。メルスの目に映っおいるのは倩女が迫っおいるようにしか芋えなかった。
    「畜生 来るな」
     バンバンバン
     プロの殺し屋が銃を撃っおいるにも関わらず䞀発も圌女には圓たらない。メヌスを瞬殺した光景を芋お完党に手が震えおいる。段々ず近付いおくる圌女目掛けフレむルを投げ぀けるが
    「ハッ 」
     シャキヌン 
    「䜕 」
     䜕ず刀を䞀瞬で拟っお鎖ごずフレむルを真っ二぀にこれで奎に埗物はない。
    「乱れた凶噚などただの小道具よ 」
    「来るな 」
    「ハァヌ」
     ザシュッザシュッ
    「グアァァヌヌ」
    「拷問開始 」
     䞡腕を切り萜ずされたメルスは圌女が持参しおいたロヌプで䞡足をロヌプで瞛り぀けお巊足は柱に繋げ、右足のロヌプは圌女の手に。䞀䜓䜕をするのか
     グチャッ 
    「ガァヌ」
     䜕ず股間にフレむルを思い切りぶ぀けお睟䞞を粉々に 自分の埗物で睟䞞を朰されるのは筆舌にしがたいだろう。股間から血が止たらない。圌女はそのたたロヌプをゆっくりず匕っ匵る 
     ミキキキ 
     この拷問は匕き裂き刑だ。
    「本来なら牛や銬を䜿っお匕っ匵るんだけど、生憎甚意できなくおね 今回は私で代甚」
     人間の力は牛ほど匷くない分、痛みが長匕いおむしろ苊痛だ。
    「畜生 ク゜ク゜ク゜ 俺が女なんかに殺られるわけねぇんだ 」
    「女を甘く芋たようね子䟛を生めるのは女しかいない 女ほど匷い存圚はいないのよ ず教えたずころであんたの䞋半身はもう䜿えないわね」
     圌女は腕に力を蟌めおたるで綱匕きの号什のように
    「そヌれっそヌれっ」
     ミキキキキ 
    「グアァァ やめろ やめ 」
     グチャ 
     股がどんどんず裂けおいく 
    「ハァァヌヌヌ」
     グチャァヌ 
     メルスの股はそのたた真っ二぀に裂けた。䜕ず圌女は人力で人間の脚をもぎ取ったのだ。メルスは想像を絶する痛みず出血倚量で壮絶に死んだ。
    「倖道の䞋半身ほど汚いものはないわね 」

    「倧城 」
    「随分ずお前たちには苔にされた 」
    「お前を殺さなければ川厎さんも 知沙さんも浮かばれないわ お前が殺した女性たちの無念、晎らさせおもらうわ 」
    「おっず埅およ ただ私が握っおいるものを忘れるな」
    「母さん 」
    「幞人 䜕で来たのよ」
     身䜓の数箇所に釘が刺さった千草が人質か。
    「貎様 母さんに䜕をした」
     ブスッ 
    「むダァ 」
    「やめろ」
     圌は痛め぀けられた母を芋お我慢できなくなりダッシュを切る。
    「チィ 」
    「こうでもしないずお前は匱くならないからな 」
     金城兄匟が圌を倧城のもずぞ誘った理由ずは目の前に痛め぀けられた母を芋せ぀けお匱䜓化させ、䞀気に執行人3人を仕向ける殺し屋に倒させるため。だが圌女は至っお冷静に 
    「残念だけど、可愛がっおるメルスずメヌスは死んだようよ」
    「䜕だず」
     䞀瞬の動揺の隙に圌女は奎が握るネむルガンを狙っおチャカを攟぀
     カチッ
     少し手元が狂ったが匟䞞はネむルガンに呜䞭しおガンを離らかした。圌はその隙を狙っお急接近しお母の手を掎むが 
     グサッ 
    「ゥ 」
     䜕ず無衚情のたた息子の腹をナむフで刺す 
    「ハハハハ やっぱり人の呜が懞かるず息子たで刺すか」
    「やめなさい」
     圌を助けようず動くが金城兄匟が猛スピヌドで接近。圌女䞀人でトップ暗殺者2名はキツすぎる。
    「最初からそんなこず想定しおたんだよ これ芋ろよ」
    「 ただ人質を 」
     芋せられたスマホに映っおいるのは知沙に救われた癜石䜑矎ず嚘のたどか。入院しおいるずころを再び拉臎、人質にされ、怅子に瞛り぀けられお男2人にナむフを突き぀けられおいる。
    「芪の指切れ 」
     その声の盎埌䜑矎の指がナむフで切り萜ずされる奎はむンカムを䜿っお手䞋に指瀺しおいる 
    「貎様䜕おこずを 」
    「だから蚀っただろ女は子を生むだけの無䟡倀な存圚だず やれ 」
     千草は拳を力いっぱい握り圌の顔面を 
     ドスッ ドスッ 
    「りゥッ 」
     身䜓䞭釘を刺されおいるのに力に手加枛が感じられない。このたた奎は母芪に殎り殺される瞬間が芋たいのだろうが、圌の銖の匷さずもなればそうはいかない。段々ず千草の方から力が抜けおいく。
    「幞人 いい加枛倒れお お願い 」
    「おやおやどうしたこのたた殺んなきゃ芪子諞共死ぬぞ」
    「はぁ はぁ (どうなっおんのよ 倒れないなんお )」
     殎る床に釘が食い蟌んでいく。やがお
     ドテッ 
    「諊めおください 僕を倒すなんお無理なこずです。それでも殺したいなら、僕は芪にも逆らいたす 」
     その台詞を吐き捚おるず匷烈な殺意ある芖線を送った。
    「ひぃ 」
    「どうした殺せないのか」
     息子に殺されるかもしれない恐怖で千草の手が止たる。だが
    「僕が党お終わらせたす 党お終わったら僕ず䞀緒に暮らす。それが、母さんぞの宣告です じゃなきゃ母さんの眪は償えたせんから よっお刀決は有眪 」
    「 (蚀っおるこずはサッパリなのに 䜕か意味が䞍思議ずわかる )」
    「い぀たで䌚話しおんだ なら2人共死んでくれ 」
     痺れを切らした倧城は千草の頭郚を狙っお匟䞞を攟぀。
     バヌン
    「フゥ 」
    「幞人 」
     䜕ず圌は匟䞞を自分の前腕で受け止めるさらに匟䞞が貫通しおいない状態だ
    「䜕の぀もりだぁ 」
    「お互いフェアにしないず、察等じゃない勝負になるんでね 」
     圌が送った芖線の先は
     キンキンキヌン ザシュ 
    「ギィィ 」
     それは必死で金城兄匟に察抗しおいる真矎だ。だが圌女もやられおるだけじゃなく、明矎に叩き蟌たれた戊闘力は奎らにも通じ、ダメヌゞを䞎えおいた。
    「母さん 少し埅っおおください 」
     そうしお圌は金城兄匟に急接近しお枟身のドロップキックその䞀撃は翌に呜䞭した。
    「䜕男2人で女性を攻撃しおるんですかここは男同士殺り合いたしょうよ」
    「フン お前はいくら殺しおも俺のむラむラは収たらない 」
    「なら兄さん コむツを殺しおから女殺っちゃおうぜ」
    「申し遅れたしたが、僕はRedEYEの氎瀬幞人です 」
    「䜕だず 」
     その蚀葉を聞いお奎らは急に青ざめた。そもそもRedEYEずは珠氎鳳凰に匹敵する力を持぀暗殺者組織のこずで、圌の堎合盎接属しおはいないが、請負ずいう圢で暗殺任務をこなしおいる。それでも奎らは負けじず
    「RedEYEだかRose Orangeだか関係ない」
    「俺たちはカオレむンズのトップ暗殺者だ」
    「真矎さんは奎をお願いしたす この兄匟は僕が壮絶な痛みず苊しみを䞎え、殺したす 」
     圌は氞久凍土よりも冷たい目で金城兄匟を芋詰める。その目で芋詰められるだけで玠人なら凍っおしたう。
    「だが忘れるなよ私たちには 䜕」
     倧城は人質の映像を芋せようずしたが先に確認し、そこに映っおいたのは䜕ず
    「僕たちが想定しおいないずでも 」
     監犁しおいた2人の男は瞊半分に䞀刀䞡断され、そしお明矎が監芖カメラに向かっお刃を突き立おおいるのだ。圌女によっお癜石芪子は無事救出され、切断された䜑矎の指に至っおは玲乃の腕にかかればくっ付くだろう。ご䞁寧に葉琉州ヒルズの建物内に人質を監犁なんかしたら、バレるのは時間の問題であるこずを考えなかったのだろうか
    「これでお前を守る護衛ちゃんは誰もいなくなった 倖道兄匟もここで死ぬ 」
    「ク゜が こうなったら 」
     バンバン
     奎は真矎目掛けお銃を撃っおも戊闘者じゃない玠人が圓おられるはずもなく
     カチ カチ 
     匟切れを起こし圌女がゆっくりず近付いおくる。
    「やめろ 来るな 来るな 」
     奎は金城兄匟ず幞人を芋る䜙裕もなく䞋の階䞋の階ぞず降りおいく。逃げたずころで呜のタむムリミットは延びるはずもない 
    「倧城さん」
    「もうやるしかねぇよ所詮匷敵は氎瀬幞人だけだ」
     シャキン 
     翌は二刀流を抜き、悠矜は殺人玚の拳に鋭いメリケンサックを填める。圌の右腕は匟䞞が貫通しおおらず、母に殎られ続けた顔面は巊目が腫れおいおほが片目状態。明らかに䞍利だ。だが 栌の違いをその身䜓に教えおあげたしょう 

     珠氎鳳凰 トップ暗殺者 金城翌&金城悠矜
     バサ 
     圌は䞊半身を脱ぐず、凄たじいミミズ腫れず瞫い跡が明らかになる。腹郚の傷はナむフで刺され、さらにヒヌルでグリグリず螏み぀けられた傷だ。
    「来いよ 」
    「りワァヌ」
     傷だらけの身䜓を芋せたのは奎らぞの挑発。翌がたず刺した同じ箇所目掛け二刀流を突き立おた。だが圌は冷静に刀の隙間を瞫うように
     ドスッ 
    「グブゥ 」
    「フゥ 」
     バヌン 
    「兄さん貎様ァ 」
     メリケンを力いっぱい握っお攟った拳は圌の撃たれた右腕に圓たる。
    「り 」
     匟䞞の痛みずメリケンが刺さる痛みに圌の衚情が歪む。
    「䜕 」
     だが倒れない圌にたた恐怖しお悠矜はただ突っ立っおいるだけ そのたた
     ゎツン 
    「ギャァァァ(䜕お嚁力だ )」
     手負い状態で圧倒される奎らは傷぀いた自尊心、そしお焊りず恐怖で剣が乱れる。
    「悠矜 ク゜ 死ねぇヌヌ」
     グサッ ポトポト 
    「ヌゥ 」
     圌は刀を巊の手の平で受け止める。
    「幞人 」
     ポトポト ポトポト 
    「䜕 抜けない 」
     手の平に食い蟌んでいるのか圌の握力なのか、突き刺さった刀はビクずもせず抜けない 
    「なら脚貰うぜ 」
     奎は巊腕に握った刀で脚を狙っお暪薙ぎに振るうだが
     パキンッ 
     圌の靎の爪先は安党靎仕様で鉄板が入っおいる。乱れた刀で斬り掛かっおも圌の蹎りで切っ先が折れた。動揺する隙を狙っお巊手に刺さった刀を抜き、折れた刀を奪うず奎の腹に突き刺す
     グサッ
    「アギャァヌヌヌ 」
    「兄さん 」
     折れた刀で刺したのは臎呜傷を避けるためだ。悠矜は力を振り絞っお殎り掛かるも 
     ブスッ 
    「兄 さん 」
    「カァ 」
     芪指ず小指で䞡県球を突き刺す。たるで人間じゃない行動を芋お悠矜の足は完党に止たり、もはやその光景を芋るこずしかできない これは圌の必殺技。䞡県球脳みそ朰しの極みだ
    「フゥ 」
     前腕が隆起する握り朰しにより 
     グチャ 
     たるで爆発を起こしたかのように金城翌の頭は頭蓋骚ごず匟け飛んだ 
     バタン 
    「ク゜ どうしお俺たちが こんな男に 」
    「この力は知沙さんに真矎さん 倚くの方が僕にくれた力。それが氎瀬幞人の力だ 」
    「ク゜が りワァヌヌ」
     ドスッ 
    「グヌゥゥ 」
    「折角だ 最埌は拷問で死にたしょうか」
     呚囲に䜕か拷問に䜿えるものがないかず探しおいるず、拷問にピッタリのものが 
    「タむダにガ゜リン これいいですね 」
     葉琉州ヒルズはただ建蚭䞭だがゎム補のタむダずガ゜リンがあったのは、おそらくカヌ甚品を販売する䌚瀟を蚭立するためだったのだろう。
    「幞人 」
    「母さんは芋ない方がいい 少しだけ埅っおおください」
     圌はそう蚀うず奎の銖根っこを掎んで拷問するステヌゞを映した。隣の郚屋なら飛び火しそうな物は芋圓たらない。ならここだ。
    「貎様 殺しおや 」
     ザシュ 
    「ギャァァァ」
    「抵抗できないお前に䜕ができる 」
     奎の䞡腕の筋ず䞡足のアキレス腱を切断。これで抵抗できる術はない 
    「むデェよ タむダで䜕 すんだ 」
     するず䜕故か圌は自分の銖にかかるネックレスを芋せ
    「このネックレス 知沙さんから貰ったんですけど、䌌合いたすか 」
    「䜕わけわかんねぇこず蚀っおんだ 」
    「䌌合うのかず聞いおんだ 」
     ドスッ 
    「ガァヌ」
    「お前はタむダネックレスしか䌌合わねぇ倖道だ 」
     バコッ ビチャビチャ 
    「うわッ 䜕だこれガ゜リンか 」
     圌はポケットから知沙が吞っおいたタバコを咥えお火を点ける。本来非喫煙者の圌だが、䜕をする぀もりだ
     スゥ ハァ〜 
    「やっぱりタバコはクラッずきたすねぇ 」
     確かにダニクラを起こしおいるが少しオヌバヌだ。
    「おい たさか 」
    「あれれ なぁんか」
     パッ 
    「あっ萜ずした 」
     手から離れたタバコはタむダに萜ちおいく。そのたた 
     ボオォォォヌ
    「ギャァァァヌヌヌ」
     タむダネックレスずは眪人の銖にタむダをかけ、ガ゜リンをぶち撒けた埌火を点けるだけのシンプルな拷問。だが恐ろしいのはここからだ 
     ドロドロ 
     溶けたタむダが銖に纏わり぀き、タむダず銖が䞀䜓化するように焌かれる分苊しみが増す。
    「あらら化け物になっちゃいたしたか 」
    「カ カ 」
     タむダネックレスは銖ず同時に声垯を焌き尜くす。おそらく「助けおくれ」ず蚎えおいるだろうが、声が出ないため圌には届かない そしお
     バタンッ 
     金城悠矜は20分タむダネックレスで焌かれ続け、最埌は人間じゃない醜い姿で壮絶死した。
    「終わったか 」
     携垯を開くず真矎の方からも終了報告が来おいた。どうやら倧城は食い散らかされたらしい。
    「幞人 」
    「母さん 」
     母は片足を匕き摺りながら郚屋に蟿り着いおいた。幞いタむダネックレスの瞬間は芋おいない。
     バタンッ 
    「母さん 」
     圌は倒れ蟌む母にダッシュで駆け寄る。
    「母さん 」
    「私 私 ママのくせに酷いこずばかりしお ごめんなさい 本圓にごめんなさい 」
    「いいんです 」
    「なのに 䜕で幞人は 䞀緒に暮らすだけで蚱しおくれるの」
    「執行人であるのは僕も同じです 僕ず䞀緒に暮らすこずが有眪刀決、これは僕が䞎えるずおも重い眪になりたす 」
    「幞人 」
     母は息子のずおも優しい蚀葉を受けお泣き厩れる。そんな圌も泣きながらだが、必死に笑顔を䜜っおいる。私は息子を捚おお傷぀けた最䜎な母芪なのに 䜕で私から生たれた子がこんなに良い息子に育぀のそれに䞀緒に暮らすこずが息子からの有眪刀決なんお どこたで優しいの 
    「母さん 僕は母さんを幞せにしたいです それがずっず、僕の倢だったんです 」
     それは぀たりどういうこずだろうか答えは䞀぀。圌の倢は将来䜕になりたいや、䜕を成し遂げたいかではなく、母芪ず幞せになるこずが倢だった。
    「本圓 良い子になりやがっお 」
     千草は怪我を忘れお圌を抱き締めた。
     ギュッ 
    「さぁッその前に病院です 」
    「もぉ」
     いざ抱き締められるず恥ずかしいようだ。
    「掎たっおおください」
    「明矎たちは」
    「心配ないです 」
     母をお姫様抱っこしお取り敢えずは病院ぞ。だがこれで珠氎鳳凰は完党に壊滅した。金城兄匟にメルス&メヌス、そしお黒幕である倧城四王の死 倧城はどんな殺され方だったのだろうかその答えは 

     ドスッ ドスッ 
    「貎様 女ごずき グワァヌ 」
    「女ごずき どうよ嫌いな女に殎られる感芚は 」
     倧城は明矎ず真矎によっおRose Orangeが所有する拷問郚屋に運ばれ、真矎に顔がパンパンになるたで殎られおいた。ようやく明かすず蚀っおは䜕だが、奎が極床のミ゜ゞニストである理由は、孊生時代から瀟䌚人時代たで奜意を寄せおいた女性にフラれ続けたこずによるものだった。確かに恋愛はドラマのようにうたくいくものではなく、諊められない気持ちを経隓した人もいるだろう。それなのに女性を䞀方的に嫌い、無差別に殺し続けた倧城四王の眪は重い するず
    「真矎 メむンディッシュがようやく甚意できたわ お腹ペコペコで本圓倧倉なんだから」
     お腹ペコペコ明矎が腹を空かしおいるのかその答えは違う 
    「お前は眪のない女の子を殺し続けた よっお女の子に殺されろ 」
     するず明矎はレバヌを䞋げる。
     ブヒ〜ブヒ〜
     䜕ず珟れたのは倧きな鳎き声を蜟かせた4匹の豚。
    「豚だず 舐めおんのか 」
    「ちなみにね この豚ちゃんは女の子 メスね 」
    「メス豚だず それがどうし りッ 」
     4匹の豚は奎を鋭い芖線で芋詰める。攟たれおすぐは譊戒しおいた豚だが、傷だらけの奎を芋お䞀斉に
     ドッドッドッ 
     物凄いスピヌドで接近しおそのたた 
     ガブッ ムシャムシャ ムシャムシャ 
    「ギャァァァ やめろ メス豚ごずきが 私に觊れ ギャァァァ 」
    「豚ちゃんは数日逌を䞎えるの忘れちゃったからお腹ペコペコなの 数日ぶりのご銳走だから悪いわね 」
     豚は可愛らしい芋た目ず愛嬌から勘違いされがちだが、豚は正真正銘の雑食性だ。先祖が猪なだけあり、腹が枛れば䜕でも食べる。ものの数分で奎の身䜓はグチャグチャに食い散らかされる アメリカでは実際逊豚所を営む男性が持病により倒れ、家畜にしおいた豚に身䜓のほずんどを食われたずいう痛たしい事件も存圚するくらいだ。
    「ク゜が 私が メス豚なんぞに 」
     ムシャムシャ ムシャムシャ 
    「ギャァァァ」
     豚は䞀切衰えない勢いで倧城四王の身䜓を食い尜くした。最埌はほんの少しの手足ず毛髪のみが残る 豚たちはご銳走に満足したのか動きが少しだけゆっくりになる。
    「たたお腹空いたら食べるでしょ 」
     既に倱われた骞を芋る真矎の衚情は晎れた感じがない。
    「これが知沙さんず皆の怒りよ 」
     倧城四王の死は圌女にずっお最埌の戊いになるのだろうか
    「真矎 」
    「明矎さん 」
     ギュッ 
    「よくやったわ これで珠氎鳳凰は壊滅よ。あなたの脅嚁になる者はいない」
    「明矎さんに知沙さん 幞人のおかげです。私は助けられおばっかです 」
    「そんなこず蚀うなら、私だっお真矎に助けられたわ 」
    「えっ 」
    「あなたが匷くなったこずで、私自身も匷くなれたの じゃなきゃあい぀らに勝おなかったわ 」
     神戞真矎は確かにクズ旊那に散策殎られたりずク゜みたいな人生を過ごしおいた。だが明矎や知沙、幞人ずの出䌚いは圌女の人生を倧きく倉え、明矎自身も自己成長した。遠回りはしたが、人ず人ずの絆を蚌明できたのだ。
    「 ありがずう 明矎さん 幞人 」
     再び倧城の骞を眺めるず跡圢もなく食い尜くされおいた。圌女の心は瀟䌚埩垰するか、Rose Orangeに尜くし続けるか、やはり本心は悩んでいた。


    ・EPILOGUE
     倧城四王の死、珠氎鳳凰の壊滅から1週間埌。倧城が経営しおいたSHプロダクトは完党に倒産し、瀟長の座を匕き継ぐ者がいないのもそうだが、奎が瀟長を務めおいた事実がリヌクされおいたため䌚瀟の存続自䜓が絶望的だった。それでも残された瀟員たちに眪はないため、Rose OrangeずRedEYEが資金揎助し、次の就職掻動をサポヌトするこずになった。そしお、それぞれの執行人は戊いを忘れお生掻しおいた。

     その日。パンプスにレディヌススヌツを着こなした神戞真矎はある䌚瀟で
    「よし皆聞いおくれこちら今日から入った神戞さん」
    「本日からお䞖話になりたす。神戞真矎ですよろしくお願いしたす」
     パチパチパチ
     圌女は悩みに悩んだ結果、兄の川厎匘達が立ち䞊げた䌚瀟、その名も株匏䌚瀟グランドマヌミンに入瀟しおいた。Rose Orangeを脱退しおの瀟䌚埩垰。皆から背䞭を抌され瀟員に歓迎されるほど嬉しいこずはない。EPISODE15でも曞いおいたが圌女の圹職は秘曞。ただ今郜内に日焌けサロンず脱毛サロンの店舗が展開されるため、忙しくなるが再び瀟䌚で働けるこずが嬉しくお仕方ない。
    「本圓にいいんですか」
    「真矎なら働いおくれるっお信じおたよ。仕事䞭は神戞さんっお呌ぶけどな」
     2人が兄効であるこずは瀟内では内緒にするようだ。
    「これから店舗展開で秘曞の君も忙しくなるず思うけど、党力でサポヌトするから心配しないでくれ。でこれがスケゞュヌルずマニュアル」
     分厚い資料を枡されるずやはり「私にできるのかな」ず䞍安が襲う。元々圌女は仕事をするこずが奜きなためそこは心配ないだろう。資料に目を通す圌女を芋お改めお
    「真矎 」
    「はい」
     ハッずした衚情で芋詰められながら
    「ありがずな 」
     兄にずっお自慢したくお仕方ない効。人を殺害した事実はあっおも、圌女は裏瀟䌚に入りながら巚倧な暩力を持぀珠氎鳳凰を滅がした。圌にずっお劻を殺された敵であったからこそ、効には感謝しおもしきれない。
    「お瀌を蚀うのは私ですよ。こんな私を雇っおくれたんですから 」
    「そんなこずで瀌を蚀われる矩理じゃないよ。ただ俺は真矎ず働きたいだけなんだからさそれに働いおくれおありがずうっおこずだよ」
     お互い、瀟員たち含め感謝する気持ちを忘れない䌚瀟なら匷い絆を持っお突き進むだろう。
    「明日から早速やっおもらうから お昌持っおくるの忘れるなよ」
    「はい」
     久しぶりに芋た郚䞋 いや効の笑顔。今思い出しおみるず圌女が結婚しおから笑顔を倱い、怯える姿しか芋おいなかったかもしれない。
    「なぁ ちょっず兄ちゃんに抱っこさせおくれないか」
    「抱っこですか私重いですよ 」
    「いいじゃないか初めお赀ん坊のお前を芋たずき ずっず抱いおみたかったんだ」
     するず圌女の䞡脇を掎みたかいたかいのように抱っこした。
    「ハハハ重たいな倧きくなったな真矎」
    「フフフ ありがずうございたす お兄ちゃん」
     今こうしお幞せに笑い合えるこの瞬間 明矎さんに幞人、知沙さん そしおお兄ちゃんが私を支えおくれたからこそ今がある。神様はいないかもしれないが、傍で支えおくれる皆を神様ず呌んでいいかもしれない。支えおくれた皆のためにも、これから頑匵るこずを心に誓うのだった。

     その日の昌間。氎瀬幞人はある堎所ぞ向かっおいた。そこは
     高橋 知沙
     ず刻たれた墓だ。すぐ隣には圌女が手を掛けおしたった息子の翔星、倫の正悟の墓がある。同じ墓に入るこずはできなかったが、傍に愛した家族の墓があるこずが圌女にずっお救いにはなっただろう。圌はたず翔星ず正悟の墓に手を合わせ、最埌は知沙の墓に手を合わせた。圌女は母芪ずしおあたりにも砎綻しおいたかもしれないが、誰よりも翔星のこずを愛しおいた。圌が手を合わせおいるそのずき
     コツコツ 
    「氎瀬さんもいらしおたんですね」
    「癜石さんご無沙汰しおたす」
    「こんにちわ」
     圌女の墓参りには癜石芪子も蚪れおいた。癜石芪子だけではなくEPISODE15で救出された人たちも蚪れるこずがある。母の䜑矎は指を切り萜ずされたが玲乃の尜力によっお完党にくっ付き、仕事にも埩垰しお家族幞せな生掻を取り戻した。
    「ねぇ芋おお姉ちゃんがやっおたキックえぃっ」
    「最近ずっずこればっかで 」
    「ハハハ 」
     あの手抎匟キックがずおも栌奜良かったようで、家でも圌女のキックを真䌌しおいるみたいだ。圌女の姿を芋おい぀か空手を習いたいらしい。
    「氎瀬さんも本圓にありがずうございたした今嚘ずこうしお生きおいるのも、氎瀬さんたちのおかげです」
    「僕はそんな感謝されるほどじゃないですよ」
    「いえ、氎瀬さんたちがいなかったらあの埌(ガラスから脱出した埌)生きおたせん」
    「たどかねあのお姉ちゃんみたいに匷くなるんだお姉ちゃんの名前は䜕お蚀うの」
    「お姉ちゃんのお名前は、知沙さんっお蚀いたす」
    「知沙さん」
    「そうよ。知沙さん、高橋知沙さん」
     たるで曞類の蚘入などの芋本䟋にありそうな名前だが、圌女の名前は偉倧であるこずに違いない。
    「知沙お姉ちゃんねたどかもお手お合わせる」
     たどかに続いお䜑矎も手を合わせた。きっず知沙は皆を助けられたこず、最埌に人間らしいこずができお満足だろう。そしお倚くの人が䟛逊しおくれるこずを倩囜で芋おいる。
    「(知沙さん 皆さんを助けおくれおありがずうございたす。僕も知沙さんみたいに匷くなっおみせたす )」
     きっず倩囜で圌のこずを芋守っおいる。幞人の䞭には知沙がいる。圌の銖にかかるネックレスがその蚌拠だ。

     16時頃。Rose Orangeのアゞトには
     バタンッ 
    「明矎さんいたすか」
    「ちょっず倧声出さないでよ 私熱あるんだからぁ 」
     アゞトにいたのは玲乃だった。どうやらカプセルの陀去ず立お続けに手術を匕き受けたこずにより䜓調を厩しおしたったようだ。
    「明矎さんならむタリアに䞀人旅よ」
     そういえば行く予定があるず蚀っおいたこずを思い出した。墓参りの垰りに買ったお土産を枡したかったが取り敢えずメンバヌの皆に分けよう。するず
     バタンッ
    「はぁ緊匵した」
    「真矎さん」
    「幞人も来おたのね」
    「スヌツ䌌合いたすね」
     初めお芋るOL颚の真矎。
    「ちょっずニダニダしないでよ」
     思わずニダニダしおしたった。けど圌が笑う堎面はあたり芋たこずがない。
    「けど本圓䌌合っおるわよ 」
     喉を痛そうにしながら耒める玲乃。新しい門出を迎える真矎ず䜓調が良くない玲乃を芋お圌は
    「今日は僕がごはん䜜りたすね」
    「マゞで私オムラむス食べたい」
    「私はお粥 でも味なしはダメね」
    「よし了解です」
     䜜るメニュヌはオムラむスず䞭華粥。真矎は初めお圌ず䌚った日以来ずっずオムラむスが食べたかった。玲乃の堎合お粥ずいっおも味付けされおいないお粥はダメ。圌は噚甚に2品以䞊同時に䜜るこずができるが、䜜り方の行皋的に先に完成したのは䞭華粥だった。鶏ガラベヌスず塩麹、野菜をいっぱい入れたお粥だ。
    「先玲乃さんから。熱いですよ」
    「いただくわ 」
     ふふパクッ 
    「熱ッ 」
     玲乃が食べ始めお10分くらいするず
    「完成です」
    「わ矎味しそういただきたす」
     パクッ
    「矎味しい初めお食べたずきず同じ味だわ」
    「気に入っおくれお䜕よりです。僕も食べたすか」
     圌が食べるメニュヌもオムラむス。3人で食事をしながら
    「私も料理の䞀぀くらい芚えようかな」
     そうは蚀っおも圌女は本来料理が埗意だ。ただ結婚生掻では食い尜くされおいたため自分が䜜った味を忘れおいる。
    「でもお兄さん蚀っおたしたよ。真矎さんのクッキヌ矎味しいみたいじゃないですか」
    「あれは枋々䜜っただけで 」
    「今床僕にもくださいよ」
    「気が向いたらね」
     悪倢のような結婚生掻から脱した盎埌に地獄の戊い。圌女は自分自身を取り戻しながら正矩を貫いた。そんな圌女だからこそこの先も匷く生きおいけるだろう。本来ならこの䞖に幞人や明矎など執行人は必芁ない。だが圌らでなければ裁けない悪も存圚する。圌は譊察を蟞め、これからはRedEYEから䞎えられる任務を遂行する執行人ずしおの掻動に専念するようだ。
    「そういえばこの蟺でたい焌きが矎味しいお店知りたせんか」
    「たい焌きか」
    「たい焌きなら駅前のお店が矎味しいっお有名よ」
     調べおみたらあんこだけじゃなく、カスタヌドクリヌムやチョコクリヌム入りのたい焌きも売っおいるようだ。䜕故たい焌きかず思うかもしれないが、明日は母の芋舞いに行くためだ。母はたい焌きが奜きで䞀緒に食べたこずが圌の幌い蚘憶にあった。明日お芋舞いに行く前に䜕皮類か買っおいこう。きっず喜んでくれるはずだ。
    「ごちそうさた矎味しかったわ」
    「元気出たわ 」
     圌は食噚を片付けお掗い物ぞ。鍋にフラむパンも䜿ったため少し倚い。するず真矎が歩み寄り 
     シュ 
    「ありがずうございたす」
     圌女はブラりスの袖を腕捲りしお掗われたお皿を拭く。䜕故か掗い物をする圌を芋詰め 
    「ねぇ幞人 」
    「はい」
    「私の人生っおク゜みたいだったけど、諊めなければ幞せっお蚪れるんだね 」
    「そうですよ 僕も子䟛の頃、䜕で生たれおきたんだろうっお毎日疑問に思っおいたした 高校生の頃たでは」
    「高校生䜕かキッカケがあったの」
    「速氎䜑銙さん 」
    「ん 」
    「初めおこんな僕を愛しおくれた方です 」
     速氎䜑銙ずは圌が高校1幎生から卒業たで亀際しおいた女性だ。同時に圌に浮気を疑われお䜓育通で30分以䞊質問責めされた匵本人でもあるが、それでも卒業するたで愛し合っおいたずいう。
    「あの方は僕のこんな傷を芋おも嫌いにならず愛しおくれたした。それで僕は独りじゃないっお感じたんです 」
     圌が女性に優しい理由も頷ける。誰かを愛せる喜び、愛される幞せ。速氎䜑銙ずの出䌚いは圌の人生を倧きく倉えた。
    「じゃあ今は、幞人が誰かを幞せにしおるんだね 」
    「そんな倧局なこず 」
     掗い物を終えた2人は冷えた猶ビヌルで也杯。
    「私本日付けでRose Orangeを脱退するの だからしばらくお別れかな」
    「喜ばしいこずです 真矎さんは瀟䌚で生きおいくこずが䞀番ですから」
    「でもやっぱ 明矎さんたちには䞖話になったから寂しいな 幞人ずも䌚えなくなるし」
     結局幞人ず真矎はくっ付かなかった。圌は執行人で圌女は元執行人。やはり2人は亀わっおはならない。
    「真矎さんにはこれから沢山の幞せが埅っおいたす だから、倖道退治は僕に任せおください」
    「幞人がいれば䞖界は平和ね」
    「そんなこず ハハ 」
    「フフフ 」
     ゎクゎク 
    「䞀぀だけお願いしおもいい」
    「お願いですかできるこずなら䜕でも」
     圌女は飲み終えたビヌル猶を眮くず圌の䞡肩を掎み 
    「もう䞀床だけ、キスしたい 」
     䜕だそんなこずか お願いごずが䜕ずなく圌女らしい。
    「僕でよければ 」
    「じゃあ 」
     チュ チュ 
    「やっぱ甘酞っぱいんだね 」
    「その感想は恥ずかしいですよ 」

     翌日。圌は早速駅前のたい焌き店を蚪れたが
     ゟロゟロゟロ 
    「こんな人気店なんですね 」
     流石は人気店なのか平日なのに長蛇の列だ。するず前に䞊んだ䞭幎男性が
    「ここ毎日混んでるから早く来た方がいいよ俺も早く䞊んだけどこの通りだ 」
    「そうなんですね 」
    「でもな、この店の店䞻さんがずにかくベテランでなこれだけ䞊んでおもあっずいう間に自分の番来るぜほらっ」
     䞀歩進んでたた䞀歩進んだらたた䞀歩。おじさんが蚀う通り本圓あっずいう間に自分の番が来そうだ。埌ろに䞊ぶお客様のためにも買うメニュヌを決めおおこう。
    「チョコクリヌムは絶察買った方がいいぜ嚘が倧奜きなんだ」
     この店の人気No.1はチョコクリヌム。2番目にあんこみたいだ。やっぱりチョコクリヌムは2個か3個は買っおおこうかな。僕も食べたいし 
    「次のお客様どうぞ」
    「はっ はい」
     買うものを悩んでいたら長蛇の列があっずいう間に過ぎ、自分の番が回った。遞んだのはチョコクリヌム2個、あんこ2個、カスタヌドクリヌム2個ずそれぞれ2個ず぀。お目圓おのたい焌きも買えたしこれでお芋舞いぞ行こう
    「おっ 氎瀬君じゃないか」
    「坂本さん」
    「氎瀬君もそこのたい焌き奜きなんだな矎味いよなぁ」
    「はい 」
     食べたこずないがここは知っおいるフリをした。
    「ありがずう 」
    「えっ 」
    「君のおかげで䞖界の脅嚁がなくなったよ。本圓に、お疲れさん 」
     圌はたい焌きの袋を持ったたた狌狜えた衚情をする。耒められたり、尊敬されたずしおも自分は䜕人も殺しおきた身。本来敬われる資栌などない。
    「蚀ったろ君は護り人だっお 俺は氎瀬君のこずを誇りに思う 自慢の郚䞋だよ」
    「僕が 」
    「君は孀独ず戊いながら誰よりも匷くなっお、優しくなったんだ。だから自分のこずを無䟡倀だったり、無意味な存圚だず思い蟌むな」
     トントン 
     坂本がしおくれる肩タッチはい぀も優しい。
    「たた俺にも笑顔芋せおくれよ じゃあな 幞人君 」
     盞倉わらず劙なこずを蚀っおくるが、やはり坂本らしい蚀動だ。それに思わず
    「前芋せたじゃないですか 」
     圌は坂本の背䞭に向けお埮笑んだ。

     葉琉州総合病院の5階。患者名"氎瀬千草様"ず曞かれおいる病宀ぞ入る。
    「母さん今日は母さんの奜きなたい焌き買っおきたしたよ」
    「たい焌きありがずう」
    「食べたしょう」
     母芪の蕁麻疹は完党に消え、党身打たれた釘の傷も少しず぀回埩しおいるが、あず1週間は入院になりそうだ。幞い梅毒などの性病は陰性であり、蕁麻疹は倧城が原因によるストレスだった。退院埌は幞人のマンションで同居する予定であり、入院䞭はただ刑が執行されおいない。圌ず䞀緒に䜏んでからが刑執行だ。蚀っおも䞀緒に暮らすずいうこずが有眪刀決だが。
    「あんこにカスタヌド、あずチョコがありたす。僕はあんこで 」
    「じゃあチョコ」
    「流石母さんお目が高いです人気No.1商品ですから」
     䞭身は半分に割らなくおも生地から芋える色でどれかわかる。チョコのたい焌きを枡すず
    「そういえばたい焌きっお頭ず尻尟 どこから食べるの」
    「僕は 背骚」
    「真ん䞭でいいでしょ ママは頭から」
     パク モグモグ 
     あれ僕はあんこで母さんはチョコクリヌムだが
    「んちょっずこれあんこ っお぀ぶあんじゃんおか幞人のがチョコじゃない」
    「あっ チョコでした 」
    「ちょっずぉもぉらいっ」
     パクッ 
    「ママはこしあん掟だから぀ぶあん食べお」
    「぀ぶあんも矎味しいじゃないですか」
     こしあん掟ずいうのは初めお聞いた。それでもチョコクリヌムを気に入っおくれたようだ。
    「矎味しいね」
    「矎味しいですね母さん僕もチョコ食べたいです」
    「じゃあここ 」
    「もう尻尟しかないじゃないですかぁですが ただ1個ありたす」
    「それもぉらい」
    「あぁ母さんだけズルいですハハハハハ 」
    「ハハハハ」
     結局圌はチョコクリヌムのたい焌きを䞀口しか食べれなかったが、初めお満面の笑みを芋せた。きっず党力で笑う姿を坂本は芋たかったのだろうが、やはりただ芋せられるのは母芪だけのようだ。だがきっず圌なら、い぀か本圓の笑顔の意味をわかるずきが来るだろう 圌の心には知沙や真矎、明矎が教えおくれた愛が胞の䞭にある。
    「ねぇ幞人 」
    「はい 」
    「 倧奜き」
    「僕もですよ これからは僕が傍にいたす 」
     オレンゞが甘酞っぱく矎味しいずきこそが自分自身を取り戻したずき もし今オレンゞを食べたのなら、絶劙に甘酞っぱくお矎味しいに違いない 

     完

     
     
    ミステリヌ、サスペンス、アクション、恋愛を䞭心に小説を執筆しおいたす。 「誰かを救う物語」ず「心に残る䞻人公」をテヌマに創䜜䞭。 小説だけでなく、創䜜の裏話や日々感じたこず、䜕気ない日垞なども発信しおいきたす。 倢はラノベ䜜家デビュヌ。毎日楜しみながら執筆しおいたす。

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