
瞬きだけで聞き返す本「正しい女たち」千早茜
この本に出会った経緯
初めの一章を10ヶ月前くらいに読み、そこから今まで本棚の中央あたりで待ってて貰っていた。
何故かと問われても分からない。ただ、今じゃないと思えたんだと思う。
感想
瞬きだけで聞き返す本
やっぱり、幸福な離婚の話が好き。
きっともう一度読み返すなら、この話から読み返すだろう。
この本の中の文章は、ただ警戒しているというよりも、男という存在に否定的にかつ嫌悪感を抱きながら話す。少しばかりの共感と、ここまでしないと怖いと思ってしまう自分がいる。
片側から見ると醜さでも、大きく見ると美しさに変わる。女の友情を儚きものと表現するのはいつも決まって貴方達だ。
敬愛は最高のエクスタシー。
性癖も嗜好も自分を基準にすれば皆歪んでる。
エロさはどれだけ若い間に溜め込めたかによる。最近出会う20代前半の子達に、今は色気をためる時だから自分を守りながら怖がらず進め。なんて、痛々しい言葉をかけてしまう。
あたかも相手を気遣い称えるかの如く、自己防衛のための一言を添える。受け取る側は萎える。透けて見える下心ならいっそ隠さないほうが清々しい。
相変わらず、肌馴染みの良い文章が私を覆う。オーラの様なものでなく、膜のように私を保護する。鋭さや的確さ、角度の違うどの本を読んでも惚れ込んでしまう。軟膏を塗ったり錠剤を嚥下する必要もなく、湿布を貼るだけのような手軽さと即効性を伴う物語の引き込み方に安易に翻弄される。
一度千早茜の文章を取り込むと、それ以外の文章を受け付けたくなくなる。だから、定期的に千早茜離れをしないといけない。
追伸
終わりがあるほうがその期間を楽しめる。永遠だと認識してしまうから、重たく曲がり砕ける。
人間の思考という脆く掴めないものを最も簡単に手に取り表現しきる千早茜の文章を、味がしなくなるまで噛み続けたい。
貴方が生きている限り、私は生きられそう。