
乳房に縋り付く本「白い薔薇の淵まで」中山可穂
この本にたどり着いた経緯
たぶん、呼ばれてた。
もうすぐ雨が降るというのに、大通りから逸れたあの本屋に行かなければならなかった。
感想
乳房に縋り付く本
性別とはどのみち帽子のリボンのようなものだ。邪魔なら取ればいい。
好きだ。今まで性別というもので隔てられることに違和感を覚えながら、性別に守られていた。
1人の人間として扱い合うことを主として生きていたつもりが、一部分に固執して自分の中でより性別を強調してしまっていた。
そんな私の心を網目の荒いネットですくってくれた。
打算や計画越しに人を見ず、ただその人から発せられるピュアさに惹かれる。
悪態や加虐はピュアの現れ。
目を惹く美しさは全て、人が嫌うものから生まれる。
もう、ただ優しいだけの男とは付き合えない。
うん、色の変化もない水性の絵の具を滲ませた様な人間はもういらない。
貴方の幸せを願いながら、貴方には1人でいて欲しかった。
あんな感情をもう一度繰り返すくらいなら、孤独に耐える方がいい。
失う怖さを辛さを知っているからこそ、新しい存在を私の一部とすることが恐ろしかった。
でも、全てを相殺するほどの愛を抱いてみたかった。
ケーキが焼けた時1番初めに思い出す人。
歳を取ったら余分な色気がなくなって、相手のことがよく見える様になる。
だから、2度目の恋は死ぬまで続く。
読み終わって驚いた、息が上がり汗をかいている。
私に貪られ果て続けた人間が、体に力が入らないと嘆いていた様に、私にもこの本を引き換えに失う力があるみたいだ。
中山可穂
あなたが連ねる文章を未だに私は欲している。
追伸
この本だけは絶対に売ってやらない。
そう思った。
今の時代では受け入れやすいであろうこの物語を、あの時代につらねたのか。
いつかラジオをしたいと思っているのだが、ぜひ初回の題材にさせてもらいたい。
凹むまでしゃぶり尽くします。