
毛糸まみれの日々を振り返る – 手編みニットの棚卸しと糸の再生記録
今日6月14日は、「世界編み物の日(Journée Mondiale du Tricot)」🧶
編み物とともに生きる者にとっては、なんだかそわそわしてしまう特別な1日だ。そんな日にふさわしく、今日はこれまでに編んできたニットたちの総集編を綴ることとしたい。
ところ変われば習慣も変わる。フランスに住んでかれこれトータルで10年ほど(!)になるけれど、日本では毎年必ず行っていたのに一切しなくなったものがいくつかある。そのひとつが、季節の変わり目の代名詞、「衣替え」だ。
クローゼットの大きさが違うとかそういうのを抜きにしても、衣替えという概念が私の頭の中から消えた。日本と同じように四季のあるフランスだけれども、特に北フランスなんざ、真夏でも暑くて溶けそうという日は両手で数えて足りるほど。私の場合は、クーラーがなくとも涼しい家の中に大抵いるし、なんなら涼しすぎて夏でも冬用ニットを着たりすることもある。
日本の衣替えは、夏服冬服の入れ替えと同時に、日々増えゆく衣類たちの断捨離の機会でもあった。それがないってことはつまり、服、とめどなく増える。特に、わたくし編み沼に足を突っ込んで早4年目。手編みのセーターやらカーディガンやらがクローゼットを侵食し続けていることは想像に難くないだろう。
新しい糸で新しいプロジェクトを、の一方で、一度編んだものたちを棚卸しして整理する必要があるように思っていた。もうずーっと、ずっと。
さらに、とどまることを知らない編み欲&糸欲。昨日もネットショップでメリノとシルクモヘアの毛玉をカーディガン1着分ポチッとしてしまった。これがまあいいお値段。ユニクロでセーター何枚買えるのさってくらいに。
毛糸が欲しいのはおそらく不治の病なので仕方ないけど、このままだと毛糸破産しかねない。新しい毛糸で編むプロジェクトの中に、リサイクル毛糸プロジェクトを挟む必要があるなと確信した2025年初夏。
そこで今日は、今まで編んできたニットの棚卸しと振り返り(セーター・カーディガンのみ。プレゼントで編んだものとかアクセサリーは除く)、そして糸再生リサイクルプロジェクト第1弾の様子を残しておこうと思う。
第1部は自分への備忘録&編み物同志のみなさんへの参考として書くので、興味のない方はすっ飛ばして第2部の糸再生パートへどうぞ。
第1部:ニット棚卸し
2022年に編み沼にハマってから、何度も解いて、編み直して、はたまた旅の途中で生まれたニットたち。あらためて並べてみたらこれだけあった。

こうしてみると、セーター1枚で編んだ場所やそのときの心情なんかがまじまじと思い出されて、1枚1枚にストーリーがあることが感慨深い。毛糸を買うという行為は、この思い出を買っているのかもしれないとさえ思うほど。
思い出に浸ったところで、計21ニットの振り返りといきますか。
※なお、全てのニットはもれなく下にリンクを貼った私の編み物シリーズマガジンにのっているので、タイトルにそれぞれの記事のリンクも貼っておきます。

残り3列はプルオーバー
🧶カーディガン🧶
1、Hubble Bubble Cardigan @katandleni
フランス語でしか編み独学してこなかったため、初めての英文パターンに固まった記憶。略語はもちろん、最初はknit purlさえわからなくて自分に引いた(笑)
袖部分がバブル模様でバルーンになっている可愛らしいカーデ。デザインが可愛らしいので黒にして正解だった。冬場は家の中で着まくっているので毛玉がすごいことになっている。ウール100%。

2、Gale Cardigan @WAK(We Are Knitters)
編み沼に足を踏み入れてすぐの頃は、WAKのキットをよく買っていた。デザインが複雑でなく、糸も針も太めなのが初心者用にもってこいだったから。
たしか初めて買ったWAKのキットがこのカーディガン。太めのピマコットン2本で編むざっくりカーデ。友人の誕プレにもおそろで編んだ思い出の一品。この記事を書いている今現在も着用している夏のお気に入りカーデ。

ちなみにこのカーデ、初めて編んだときは裏編みを間違った方法で編んでいたため無駄に縦長かつほころびの目立つカーデに仕上がったのだけど、去年の夏に全解きして編み直してとても綺麗になった。私の腕が上がったということだろう。
3、Gilet Parodia @nale
初心者の時点で作るべきカーデではなかったなと反省しているけど、その分編み上げたときに自信にもつながった1枚。サイズ通りに編み上げたはずなのに、なぜかかなりオーバーサイズな仕上がり。
だいぶ腕は上がったからまた編もうかな?

4、Veste Avoine @nale
襟部分が特徴的な、これまたオーバーサイズ仕上がりのカーディガン。どうしても前下がりになってくるのが気になる。。カーデの中で解くならこれかな。

5、Bubble Jumper @katandleni
春夏に大活躍のオンリーモヘアカーデ。シルクモヘア3本取りでざっくざく編めるパターン。エイジレスな可愛さで初夏の羽織に活躍。色もいい。

🧶プルオーバー🧶
6、Pull Anemone @nale
記念すべき初めて編んだセーター。本の暗号解読からはじまり、最初の襟元リブを何度も何度も編み直したっけなあ。今見直すともうガッタガタのほころびだらけなのだけど、それもまた愛嬌。いつかほどくかもしれないけど、とにかく思い出深い1枚。

7、Short Ruffle Tee @yuinotricot(オリジナル)
10番のDill Teeをアレンジしたもの。6のAnemoneで糸が余ったので、袖なしなら編めるかもと思って編んでみた。ほんの少し糸が余ったので、袖はさりげなくひらひらにした。パリから引っ越すとき、段ボールまみれの中で編んでいた思い出。

8、Summer Pompom @yuinotricot(オリジナル)
初めて自分で編み図を描いて編んだコットンセーター。俺のポンポンセーターとおそろだし、コットンの長袖って意外に出番が多くてそのせいか襟元の汚れが気になってきた。リサイクル第一候補。

9、Sabrina Sweater @WAK
Le Touquet(北フランスの大西洋岸)でのバカンス中、ロゼとともに海辺でひたすら編んだ1枚。懐かしいなあ。これは春夏の定番。黒と合わせてもかわいい。

10、Dill Tee @WAK
上のSabrinaと同様、Le Touquetのバカンス中にサクッと部屋で編んだコットンセーター。気に入ってるけど、あとひと玉同じ毛糸が余っているからこちらをほどいて新しいものに生まれ変わらせる可能性もあり。

11、Pumpkin Time Sweater @macimille
気分は秋。秋らしい色が編みたいなと、俺とお揃いのセージカラーで編んだモヘア&メリノのセーター。編み地がPoint de bléなのでオーソドックスなジャージー編みよりも厚めで暖かい。

12、Popcorn Mohair Sweater @yuinotricot(オリジナル)
透け透けモヘアセーターのリメイクで、袖にポンポンをつけたオリジナルパターン。袖のポンポンが大きすぎるという点を除けば概ね気に入っている。袖だけ編み直すかも。

13、Pull Sumac Rouille @nale
Anemoneにつづき、2枚目に編んだセーター。ボーダーとポンポンのバランスがお気に入り。こちらも初心者らしくほころびだらけ。いつかほどくかもしれないけど、その後のリメイクを考えるとこのままでもいいのかも。

14、Pull Sumac Sauge @nale
上のボーダー×ポンポン。デザインが気に入ったので、Milouとお揃いでもう一枚!1年経つとだいぶ上達するもので、1枚目と比べるとケタ違いの仕上がりのよさ。こちらはキープで。

15、Tinsel Sweater @WAK
透け感のあるバルーン袖のセーター。スウェーデン旅行の道中でひたすら襟元を編んでいたなあ。着た感じは可愛いけど、なんてったってバルーン袖は家事がしにくい。皿洗いなんかしようもんなら濡れる濡れる。編み直し候補ではあるけどとりあえずもう少し様子見。

16、Creme Anglaise Sweater @kayen-itee's
胸元のレース編みが美しいセーター。このレース編みは慣れれば全然難しくなかった。むしろあったほうが退屈しないで済む。こないだ袖部分がほころんでいたので修理したところ。

17、Fortezza Sweater @WAK
極太糸×極太針(15mm)で編んだ私史上最暖セーター。とっってもあったかいけどめっっっちゃくちゃ重い。着るだけで疲れるのが難点(いいのか?笑)

18、Magnolia Sweater @CamillaVad
年始、体調がまれにみる絶不調で、唯一編み物だけできた時期に編み上げたセーター。パターンが超シンプルかつ全然難しくないので体調不良でもできたのかもしれないと今になって思う。糸のせいか私の肌のせいか結構チクチクするので下にヒートテック長袖が欠かせない。

今年も冬に白を編むんだ
19、Drawing Sweater @Tomomi Yoshimoto
ジャカード編みのセーターを編もうと思い立つも、オーソドックスなジャカードじゃつまらないからなにかオリジナリティの高いものを・・・と選んだパターン。初挑戦で難易度高いのに挑戦する習性、なんとかならんか?複雑な模様、輪編みに入るまでがとにかく大変だった記憶。日本人のデザイナーさんのパターンで編んだのは初めてだけど、とにかく説明が丁寧で驚いた。素晴らしい。お気に入りで、冬はとても頻繁に着ている。

20、No Frills Sweater @Petiteknit
記憶に新しいNo Frills Sweater。季節問わず一番着ているし、旅にも着ていく一番のお気に入り。なんだかんだでシンプルイズベストですな。

21、No Frills Sweater Dalmatien @Petiteknit
最新の1枚。フィンランド旅行前10日で編み上げた思い出の品。期せずしてなってしまった短めの着丈・袖丈が意外によくて、春夏に重宝している。もちろん秋冬もいけそう。

こうして並べてみると、最初は個性的なデザインに惹かれていたけれどもだんだんシンプルに寄ってきた傾向がみてとれる。心境の変化が編みにも現れていて、とても面白い。
第2部:糸再生プロジェクト
さて、棚卸しを終えて、ほどき候補を選定。優先順位としては、季節的にもコットンを優先に8のSummer Pompomセーター、君に決まりだ。ごめんね。コットン×ポンポンって、意外と重たいのよね…。

そうと決まれば話は早い。ほどく!


洗濯しても落ちなかった襟の汚れた部分は残念ながら不採用として、残りの解き終わった毛糸をいくつかに束にしてまとめる。

さて、このまま毛糸玉にして使うのもできなくはないけど、このチリチリとしたうねりをなんとかしておさえたい。毛糸のうねりを戻す方法として、オーソドックスなのはアイロンでスチームを当てることだけど・・・
アイロン台とアイロンを2階に取りに上がって設置するのがあまりに面倒で(そんなに!?)、我が城キッチンにいたからおもむろに蒸し器を設置。まあ、蒸気を当てることに変わりはなかろう・・・蒸しちゃお!編み狂×料理狂の考えることである。編み物の神様ごめんなさい。




なかなか快適な蒸し加減のようで(笑)
結果がこちら。チリチリがだいぶまっすぐになったぞ〜!

ついに気が触れたかとOtto氏に見守られながら、るんるん気分で全毛束を蒸し上げた。


一連の流れはリール動画にまとめたのでこちらもご覧くださいな🧶
こうして、水分を含んでピチピチに生まれ変わったコットン糸。この夏、新たな息を吹き込むことにしよう。