
家族へのあったかギフト | 一時帰国の編み物たち
年末年始の日本一時帰国。日本の家族へのお土産は大抵、ワイン・ビール・チーズ・バター・チョコあたりでいい加減マンネリ化しつつあるので、定番のこれらフランスの味覚セットに加えて今年は少し趣向を凝らすことにした。
まずはフィンランド旅行のお土産。そして毎年恒例、俺🐶カレンダーは忘れずに。さらに、10月に私の編み生史上おそらく一番の大作を無事に編み終えたところで(そのうちnoteにも書きたいとずっと思ってはいる)、今年は家族一人ひとりに何かしら編んでいくことにした。

編む相手は、父・母・妹1・妹2、正月に遊びにくると当時決まっていた東京の叔母。あとおまけとしてクリスマスプレゼント用でOtto氏にも。準備期間は10月末からクリスマスまでのおよそ2ヶ月だ。
PetiteknitのStockholm Sweater V-neck
地元に住む妹1がいつも近くで両親を見守ってくれているから、自由気ままでヘタレな長女は感謝するくらいしかできません。一番手の込んだものを編もう。
妹1は、昔から私とは骨格も体型も服の趣味も何もかもが違う。フリルとかちょっと穴が空いた(=レース)系のものはおそらく着ないので、ここはシンプルなVネックのニットがよかろう。私はVネックを着ると年々貧相に見えるような気がするので最近はVネックものはほとんど着ない。ゆえに編まない。だからいい勉強にもなる。
シンプルなパターンといえば個人的にPetiteknitにまさるものはない。色は、昔大量に買って余らせていた絶妙なレッドブラウンというかくすんだピーチピンクというか、イエベ秋らしい妹には絶対似合うと思った色の毛糸があるので、それを使おう。温かいけどエアリーに、アルパカ&ウールとシルクモヘアの糸を引き合わせて編むことにした。



そうそう、襟をのぞく本体と腕を編み終わったところで残りはVの襟と本体・袖のリブだったのだけど、ウール&アルパカの方の毛糸がどう見積もっても足りなそうなことが判明。追加購入しようとしたら、なんと廃盤色になってしまっているではないの・・・!編み物あるある。編み物こそ大は小を兼ねるを実践していきたいものだと常日頃思っているのに私のおバカ!
だいぶ前に廃盤になっていたみたいで、そのものを手にいれるのは無理そうなので、色々と代案を考えたけど結局裾のリブのみシルクモヘア2本取りで乗り切ることにした。本体と同じシルクモヘアの糸だし、まあ色と質感の差は多少でるだろうけど、統一感は持たせられるだろう。

Vの分はかろうじて残っていた



俺の応援もあって、彼の体調が悪くなる前に完成させることができた。


ここからブロッキングして、きちんと乾燥させて、完成。糸が足りなかったリブの部分、これぞ災い転じて福と為すといおうか。いいアクセントになってむしろ好みに仕上がったような気がするけどどうでしょうね。


ゆるい感じが好きな妹用にLサイズで編んだので、私が着るとぶかぶかを通り越している感じがするけど、多分彼女はいい感じに着こなしてくれるだろう。彼女が4歳のときから、途中かなりうっすらとではあるけど知ってるからね、姉だけに。案の定、とても似合っていた。

1年放置していたぼさぼさの髪は見逃してください
特に腕の長さとか折り返し何重にしてもアレだな
せっかくなので、メルスリーで可愛いタグも買ってきて、縫いつけてみた。これ、あるのとないのでは手編み作品を身につける際のテンションの上がり具合が結構変わるので、今後自分の編んだものにもぜひ縫い付けていきたい気になった。

Otto氏のシンプル極厚マフラー
ストイックに俺服を編んでいる私を見ながら、「なぜワタシには編んでくれないの?」と子犬みたいな目をした中年マッチョが尋ねてくること幾千回。数年前にマフラーとかセーターとか編んだじゃない?と反論はするのだけど、あまり身につけているところを見たことがない(くそー)。
何かが気に入らないのなら、彼が望むものを編めばいい。ちょうどクリスマスだし、クリスマスプレゼントってことでいいや。
聞けば、長さがちゃんとあって仕事にもカジュアルにも使えるマフラーがいいと仰らる。よしわかった、色も、長さも、糸の素材も、編み地の感じも、お伺いを立ててからとりかかることにした。さくっと設計図を書くも、タテに折り返して2m近くの長さにするってことは計算すると1kg近くなるかなりの重量級。いいのかこれ・・・?
問題ないというので、それならばこちらも異論なし。2目ゴム編みをひたすら編むだけの単純作業で、隙間時間の気分転換に編み進めていた。





→似合いすぎ

最終的に700gくらいでおさまって、完成。Otto氏には日本に行く数日前にクリスマスプレゼントダヨとサクッと渡したら、そのまま日本にも身につけていったし、あの信州の極寒のなかで活躍してくれていた。

チャンキー猫耳帽子
数年前に自分用に帽子を編んだ毛糸が余っていたので、ギリギリヤングなアンダー30な妹2に猫耳帽子を編むことにした。妹2には去年も帽子を編んだ気がするけど、まあ頭も小さくて帽子が似合う子だからきっと身につけてくれることでしょう。
猫耳といっても、かぶったら両端が若干とんがるだけで、編み地自体は増減もなく本当にシンプル。初めて棒針編みをする人が最初に編む作品としてもぴったりかもしれない。糸の太さにもよるけど、半日、いや2時間あれば編める。

クリームがかった俺の白毛みたいだね

妹2、私に会うときはいつもかぶってきてくれたのでうれしかったな。
ぽんぽんニット帽
熱烈なサッカーファンの母には、冬の観戦時にもおそらくお役立ちであろうニット帽を編むことにした。動物の毛はチクチクするデリケートな肌をお持ちなので、高級アクリル糸で、大人っぽくベージュとキャメルの中間みたいな色をチョイス。

母と妹1と私はたぶん頭の大きさがほとんど同じなので、私がぴったりなら母もサイズはOK。家族に編むのはこういうところが便利だなあと今回思った。帽子とか大きすぎても小さすぎてもサイズが合わないと使わなくなるものに関しては特に。
12月頭の一番もやもやしている時にとりかかっていたせいか、一度編み終わるも私にすら大きすぎて、一度全部解いてやり直した。最後にぽんぽんをつけて、完成。

母は開口一番、ぽんぽんのことをみるぅの毛??と本気で疑っていた。さすがにそれはない(笑)。

ボーダーニット帽&スヌード
引退後も外に出たり畑仕事の多い父には、ニット帽とスヌードをセットで編んであげよう。ボーダーはピスタチオチョコ配色にて。

俺の色々があった頃にちょうど編んでいたのがこの2つで、それゆえ記憶がかなり曖昧なのだけど、たしかスヌードのサイズ感が大きすぎたか小さすぎたかで、一度全ほどきしてもう1回最初からやり直したような気がする。それでも単純作業で編めるものだから全く苦ではなかったけど。

Auguste KnitのColette Beret
俺が旅立って、抜け殻状態の私が編んだもののひとつ。ごはんも食べていなかったけど手はちゃんと動かせていたようだ。昨年夏のフィンランド旅行で買ってきた編み物本の中にあるベレー帽。メルヘン系の叔母にぴったりだなと思って、これまたキラキラ系の糸をつかって編んだ。



追加:きつねのマフラー
2024年の年末に大学の親友に編んだのが、きつねのマフラー。
第2子が生まれたという高校時代からの地元の親友に、第1子(女子)用に編んでみることにした。まあこれ、大人がつけても可愛らしいし彼女もおそらくこういうのは似合う感じなので、家族の誰がつけてもらってもいいかなと思って。




親友のお子さん、喜んで保育園にも早速つけていったよと写真を送ってくれた。嬉しいことだ。
クリスマスだよ!全員集合
こうして、日本に無事に空輸することができた編み物たち。

最愛の俺の調子が悪くなる前後も、突然旅立ってしまった後も、私が唯一できたのが文章を書くことと編み物だった。そして俺は最期の最期まで、私の膝の上でニッティングアシスタントをしてくれた。
家族への贈り物は、私と俺が一緒に紡いだ最後の作品たちといっていいかもしれない。みんながみんな、喜んでくれてよかったね。
俺がいてくれたおかげで、料理に次ぐどころか料理を凌ぐ勢いで私のライフワークとなった編み物。これからも続けていきたいし、俺との絆を思い起こさせてくれる時間としてずっとずっと大切にしていきたいなと思う。

今は私の背中を温めてくれている
これまたおまけ:妹1用に、Oslo Hat
実家にあった毛糸でいい感じに妹1に似合う色があったので、シンプルなPetiteknitのOslo Hatを編んだ。編み屋に休みは不要のようだ。


