
似たもの探し。
見たものをそのまま描きたいわけではないけれど、描きたいものを描くためのモチーフとしてものを見ることはある。
たとえば、花と星のかたち。近年絵の中に登場するようになったそのモチーフは、なんとなく似ているなと思った形でもあるけれど、実際に、そんな花を見つけたからことからはじまった。なんというか、絵の登場人物が増えたような感覚。
花を描きたいかと言われると、そうではなく、
花の形が星のように見えて、それを実感しながら描きたくて、モデルにする花はわりとあるかもしれない。
ゼロから生み出すことはできないから、自然から生み出される、不思議で人間には作りえないかたちを観察する。すこし憧れているのかもしれない。
最近、度々取材をしている二つの愛らしい雑草がある。絵に登場させるモチーフとしても参考にしている彼らがとても可愛らしいので、勝手に紹介してみる。
オウシュウマンネングサ


なんてことない道で見つけた、黄色い花。春に見かけたから一瞬ミモザが落ちているのかと思った。よく見ると、小さい花が群れになって大きな花の形をつくっている。(わたしが好きなタイプの花……)
爪の先に乗るような小さな花が連なって放射線上に広がって、記号のアスタリスクみたい。
なんとまあ、概念の花らしいかたちをしているんだろうか。そして、黄色だから星のように見える……とイメージがふくらむ。足元にちいさな夜空をみつけた日。
ニワナズナ

これまた、わたしの好きな
花が集まってひとつの花ができるような〜花。
まるいかたちが可愛らしくて、雲みたいだなと思ったのがニワナヅナ。オウシュウマンネングサは星に、ニワナヅナは雲に。空にあるはずのものが地面に生えてるような、たのしさがある。
どうやらわたし、グランドカバーが好きなのかもしれない。日陰でも枯れない、踏まれてもへこたれない強い植物たち。
絵に登場するモチーフは、段々と概念的になり、
つい、手ぐせに任せて描いてしまいがち。
なんだか絵になりすぎてる、挿絵っぽい気がする、
そんな危機感をおぼえたら、植物に答えを聞いてみる。煮詰まる日には散歩に行く。
まだまだ、足元には見るべきものが眠っている気がする。わたしの絵に出てくるかたちの、似たもの探し。