
私小説「嬉しい手紙」の宣伝と裏話
TALESに私小説を投稿しました。
あらすじ
交友関係の少ない主人公に、珍しくも手紙が届く。それは同じ雑誌に連載をしている作家仲間からの連絡で、主人公はその内容にいたく驚くのだった。
実話がもとになっています。フィクション要素も多いですが(時代設定とか)、起きたことは大体実話と同じです。
文体は趣味。
裏話的なもの
そもそも最近、他にも私小説を書いていて(これはこれで後日投稿しようと思う)、なんというか、私小説を書くのにハマりかけていた。
以前も高橋和巳の『わが解体』を読んだ(読破は果たせなかったが)影響で、私小説や随筆の書き味にハマっていたことがある。
「どんなものを書いていたのだったか」と探して、自作品をいくつか読んでいたところ、その中に、その後「嬉しい手紙」の草稿となる無題の私小説を見つけた。
読んでいると当時のことを思い出した。
とてもとても嬉しいことにDMで小説の感想を頂いて、その時に喜びから書いたものだった。
どの名義でどこに投稿したのだったかと探すと、なんとどこにも投稿していなくて驚いた。(もし探し損ねていて本当はどこかにあるなら、誰か教えてほしい)
暫く前に書いたものなので、今読むと拙い点も見えてくる。
そこで、一度書き直してしまうことにした。なにか私小説を書きたい気分だったので、丁度良いネタがあったぞという気持ちでもあった。
ただ、書いていくと、そんな気持ちよりも強くにじんでくる感情が見つかる。
この時、私は本当に嬉しかったなあ、という気持ちだ。
当時の喜びはもう色褪せ、当時そのままの味はしない。けれどドライフルーツみたいに、噛みしめるとにじむ味がする。瑞々しさはないけど、とびきり甘い。
本当に嬉しかった。その気持ちを、過去の自分が、加工保存しておいてくれたのだ。
作品をキッカケに当時のDMをまた見返して、また喜びが沸き起こった。
それはそのDMを貰った初めの、衝撃と同じ喜びとは、別の色をしている。別の味をしている。
だから今の気持ちも残そうと思って、いろいろ加筆してできたのが「嬉しい手紙」という作品だ。
作中のMさんのモデルとなった方には、書きあげてからモデルと投稿の許可を頂いた。突然の連絡となってしまったのに嫌な様子ひとつ見せず快諾してもらえて安心した。この場をお借りして感謝申し上げたい。
多分読む人が読めば作中のMさんが誰なのかは分かってしまうのだけど、ここでは明かさないでおく。許可を貰い損ねたし、一応DMというのはプライベートな空間なので。
私にとっての甘い甘いドライフルーツが、誰かにとっても甘く感じられたら、嬉しい。