
「辞めてもOK!」音楽と、一生の縁〜小さな教室のSDGs〜
「中学に入ると、
音楽教室を辞めてしまう子が増えるね。」
私は、某鍵盤教室を開いている一講師。
仲間の講師と話していると、
度々登場するのが、そのワードだ。
確かに、うちの教室においても、
全員…とまではいかずとも、
中学入学を機に、教室から卒業した生徒が、
これまでに数名いた。
勉強や部活が忙しくなるからなど、
音楽以外に力を入れたいと思えることが、
お子さんの中で増える時期でもある。
そうなると、月謝のこともあるし、
保護者もその「力を入れたい」ことに
費用を回したいと思うだろう。
私も子育てをしてきた中で、
そういうこともちょくちょくあったため、
とても気持ちがわかる。
ただ、
いざ「辞める」と云われると、
講師側としては、
「楽しさを伝えきれなかったんだろうか…。」
「どうするのがベストだったんだろうか…。」
など、自問自答と反省はする。
でも、私自身がぐいぐい来られると
引いてしまう性格でもあることから、
引き止めず、去るものは追わない。
たとえ、それが「突然の別れ」であっても、
爽やかでありたい!をモットーにしている。
そんな「中学の壁」を越すと、
お次は「高校の壁」がある。
それを越えると、
高校卒業まで継続されることが多い。
この小さな教室内でのことだが、
そんな統計がとれている。
一方で、
最近は大人の方が習われることが増えてきた。
子供の頃に習っていた鍵盤を
もう一度やってみたいという方、
忙しい日常の中で
「自分だけの時間」を求めて来られる方、
新たな趣味を見つけたい!と
鍵盤を選ばれる方、
始めた理由はそれぞれではあるが、
一環しているのは、
「皆様、音楽が好き」ということだ。
音楽は、年齢やタイミングを問わず、
人を惹きつける力があるんだなぁと、
改めて感じることが多くなった。
そして同時に、希望も湧いた。
進学や様々な理由で
教室から一度離れたとしても、
また始めたい気持ちがあれば、
彼らが音楽と再会できる日は来るんだろうと。
とは言え、私自身、
音楽教室に通わなくたって、
別にいいと思っている。
「音楽教室講師のアンタが、
それを言っちゃあおしまいよ!」
と、寅さんもびっくりだろうが、
音楽の形は様々だ。
自分なりに音楽を楽しんで、
更には極めてくれたら、
それはもう私の中では大拍手なのだ。
でも、もし、
「ひとりじゃ難しいな…。」
と感じたときには、
思い出してもらえたら嬉しい。
そんな風に迎えてくれる教室が、
たくさんあるといい。
私の教室もそのひとつでありたい。
誰かの「また始めたい」を
そっと支えられるなら、
それも小さなSDGsなのかもしれない。
そう思いながら、
いつもレッスン室に明かりを灯している。