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旅のあと 喜界島

    喜界島に行ってきた。
    もう何年も前から、理由もなくとても惹かれていた島。

    遠くにある小さな島ということくらいしか知らなかったので、初めてちゃんと調べてみた。
    そうしたら実際に見てみたいと思うものは色々あったのだが、なぜかあまりあちこち回る気にならず、今回はとにかくそこに身を置くということを目的とした。

    喜界島はサンゴ礁が隆起してできた島。何万年も前に海の中にあったサンゴ礁が陸となり、緑が茂り、花が咲き、その上で息をしていることを思ったりしながら、ぼーっと海を眺めたり、海の色を映したように青い蝶が目の前をひらひら飛んで行くのを見たり、夕日を待ったりしていた。

    昔は、旅の終わりにはいつも、少なからずストレスがあった。
    満たされたら満たされただけ、この時間が終わってしまうとか、帰りたくないとか、寂しいとか思っていた。
    楽しかったという言葉の中には、本当に楽しかったのだが、この時間だけが突出していて、それはもう終わりという悲しさを含んでいたかもしれない。
    だから今回も、楽しかったのに楽しかったとあまり言いたくない気持ちがうっすらあった。本意でないのに、残念さが添えられてしまうような感覚があるから。
    自分のそういう感覚に気づいた。今はストレスなど感じていない。だから違うな、そういう感覚が染みついてしまっていただけだと。
    楽しかったのだから、そのままの意味だ。だって楽しかった。
    そんな風に思えた。自分に染みついていたものを矯正していこう。自分の中で、いつもの言葉の質が変わったのが分かった。

    次に行く時には島を回って、今回見なかったものを見て、もっとよく知ってみたいなと思いながら、旅から帰った後の楽しみだったお菓子作りをした。喜界島の塩を使ってクッキーを焼いた。
    その土地の塩と黒糖を買って帰るのは島旅の楽しみのひとつ。
    島の土壌の恵みと、この塩が私の手元にやって来るまでに関わるすべての方に感謝して、黙々と手を動かす。
    「喜界島の塩…ふふふ…」とにまにましながら、綺麗な結晶を指につまむ。
    旅のあとにもこんなに心が満たされる。旅の間に見た満天の星に思いを馳せて、星の形に塩をキラキラと。

    目に映すものも、感じるものも、体をつくるものも、自分で選ぶ。そんなことを深く感じられた。
    この塩がなくなる頃にはどこに行きたくなってるかな。なんて楽しみもまたつづく。

     
     

    ユウ

     
     
    旅のこと、思うこと、いろんなジャンルで、書きたいことを書いていこうと思います。