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【詩】覚えたての歌

    覚えたての歌は まるで呪いだ。
    桃の花のしたに,
    あの人が見える。

    覚えたての歌は まるで呪いだ。
    桃の並木にいるのは,
    私ひとりなのに。

    覚えたての歌が 頭ではじけた。
    桃の花にしたことに,
    ごめんなさいといった。

    そのままかえればいいものを,
    春の園,
    紅匂うとつぶやいた。

    覚えたての歌は まるで呪いだ。

    読んでくださっている皆さまへ

    春の園(その) 紅(くれなゐ)にほふ 桃の花 下(した)照(て)る道に 出(い)で立つ乙女

    大伴家持

    今日,植物園に行きました。植物園へと続く道は、家持の歌のように、ハナモモの紅で照らされていました。それで詩を作りました。歌の力ってすごいですね。魔法みたい。ちょっとこわい。そんなことありませんか?

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    心理学・統計学の大学教員。昼はR/Pythonでデータを分析し、夜は詩を書き、物語の研究をする。数式と、感情との間を行き来しています。自分自身の物語を編み直す、自分とはなにか考える旅の記録。Amazonアソシエイト参加中。

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