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【詩】列

    みんな死んでいくのだ。列をなして。
    とぼとぼ歩いているものもいれば,
    軽やかにステップをふむものもいる。
    大きな荷物をもっているものもいれば,
    何ももたずに歌っているものもいる。

    しかし,みんな死んでいくのだ。朝がきて,夜がくるように。
    笑って前をみて歩いているものもいれば,
    後ろ向きに歩いているものもいる。
    自然と前のひとについて歩くものがいれば,
    自分だけは特別だと列から外れようとするものもいる。

    けれども,みんな死んでいくのだ。
    降る雨が,人を選ばないように。
    吹く風が,路地を選ばないように。
    誰であろうと,
    悪人であっても,善人であっても,
    金持であっても,貧乏人であっても,
    死は人を選ばす訪れる。

    悟った顔のものもいれば,わたしはいやだと泣きさけぶものもいる。
    神に祈るものもいれば,
    祈る神ももたないものもいる。
    死を思って夜通し震えているものがいれば,
    死ぬことなど考えたこともないものもいる。

    いろんなひとがいて,いろんな生き方があるけれども,
    結局,みんな,例外なく,死んでいくのだ。

    あるときは,わたしはこれを悲しく思い,
    あるときは,わたしにはこれに救いを見る。

    うろうろ,ぐるぐる,ひきづられているうちに,わたしが,ようやくわかったことは,こういう具合に,ひとは他人とのつながりを回復するのだ。わたしたちは悲しみを手がかりに,もういちど他人を,世界をみつけるのだ。

    世界は思う以上に広くて美しい。永遠とはこういうことをいうのではないだろうか。

    だから,わたしは,こうして,とぼとぼと荷物をかかえて,笑いながら,知ったかぶりの顔で,祈りながら,震えながら,とぼとぼ,とぼとぼ,前のひとについて歩いていることが,今はうれしい。

    履歴

    2026/3/23 15:20
    2026/3/23 22:02 修正
    2026/3/24 7:08 修正

    読んでくださった方へ

    苦しいことがあったり,それが解決しなかったり,それでずっと暗闇のなかにいたことが,こういう発見を生み出すきっかけにだったとは,ずっと知らずにいました。苦しみのさきには,全然しらない世界があるようです。みなさんはどう思われますか。

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    心理学・統計学の大学教員。昼はR/Pythonでデータを分析し、夜は詩を書き、物語の研究をする。数式と、感情との間を行き来しています。自分自身の物語を編み直す、自分とはなにか考える旅の記録。Amazonアソシエイト参加中。

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