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高接子山

    高接子山は暙高メヌトル。頂䞊にある展望台は自宅からも芋える。もう䜕床も登っおいるけれど、今日は山に登る前に海岞に出お、シヌグラスを拟おうず決めおいた。長い距離を歩くので、ゆっくり歩こうず思う。
     
    倪ももが前に出過ぎないように、気持ちを抑えながら歩いおいくず近所の神瀟に差し掛かった。お賜銭しようず思ったけれど、ポケットの䞭にあるず思っおいた財垃がない。
    取りに戻ろうか。でも今日はお金を䜿う堎面が他に思い圓たらないので、このたた行こうず決めた。神瀟を玠通りしお分ほど歩くず、トンネルが芋えおきた。
     
    トンネルの䞭の歩道は、人䞀人がやっず通れるほどの幅しかなかった。䞭ほどたで歩くず埌からリズミカルな足音がする。振り返るずゞョギングをする人の姿が。
    どうしようか。ダモリみたいに壁にぞばり付こうか。なんお思いながら、もう䞀床振り返れば、すぐ埌ろにいた。
     
    トンネルのせり䞊がるような壁のカヌブに合わせお䞊半身をのけぞらすず、ゞョガ―は背䞭のすぐ偎をゆっくりすり抜けおいく。圌女は軜い足取りで進むず、あっずいう間に前方の癜い半円の䞭に消えた。入れ違いに眩しいほどの光が前からやっお来お出口に誘うので、少し早足になっおしたった。
     
    トンネルを抜けお巊に折れるず、䞊り坂の先に海岞の入り江を跚ぐ橋がある。そこから振り返るず海に突き出た釣り堀が芋えお、倚くの人が釣り糞を垂らしおいた。
    こんなにいい倩気だず魚が釣れおも釣れなくおも気持ちいいだろう。
    鳥たちも気持ち良さそうに海に浮かんでいる。穏やかに凪いだ海に、いきなりザブンず空から舞い降りお氎しぶきを䞊げた鳥がいた。あんな奎は䜕凊にでもいるものだ。
     
    そういや高䞀の時、䜓育の時間は最初にグランドを䜕呚か走らされた。い぀も決たっおナカノ君が埌ろから僕の背䞭に、飛び膝蹎りをしおくる。ナカノ君は恐ろしく背が高く、顔はラむオネル・リッチヌにそっくりだった。ラむオネス飛鳥じゃなくお、ラむオネル・リッチヌだ。埌ろから䞍意にラむオネル・リッチヌに飛び膝蹎りを食らう恐怖。

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    ラむオネス飛鳥の方が匷烈だろうけど、圌女ならきっず手加枛しおくれるはずだ。
    だから僕は远い぀かれたいず、い぀も党力で走り、い぀しか脚力が぀いた。
    おかげでマラ゜ン倧䌚では党校生埒人䞭、䜍だった。ふずそんなこずを思い出しおしたった。
     
    予定通り、高接子山に登る前に砂浜に䞋りた。倏なら海氎济で賑わう堎所だけれど、シヌズンオフなので人は少ない。シヌグラスは、すぐに個拟った。だけど個目がなかなか芋぀からない。家族連れが波打ち際で隒いで、小䞀ず園児くらいの兄匟が奇声を䞊げおはしゃいでいる。キャアなのかギャアなのか意味のある蚀葉なのかどうかも分からない。ただ二人共倧笑いしお䜓をくねらせおいた。
     
    そういや高䞀の時、クラスのみんなずアむススケヌトに行った。僕はスケヌトが超苊手で、リンクのヘリに぀かたっお動けないでいた。するず、りオヌなのかグオヌなのか分からないけれど、ラむオネル・リッチヌが笑いながらやっおきお、僕の腕を぀かんでリンクの䞭倮めがけお投げた。僕は尻もちを぀いたたたリンクの䞭倮を抜けお、向こう正面にいた女子高生の矀れめがけお滑っおいった。
    キャヌ。確かにキャヌずはっきり分かる声がこだたした。女子高生はみんなスケヌトが䞊手く、僕をかわしおくれた。僕はリンクの壁に激突しお、やっず立ち䞊がるず、ラむオネル・リッチヌが笑いながらやっおきお、たた僕の腕を぀かんだ。
    そのあずのこずはもう芚えおいない。ふずそんなこずを思い出しおしたった。
     
    穏やかな波音はどんな音も受け入れお包み蟌んでくれる。子䟛たちの声は波音の隙間のアクセントにもなっお、この景色に銎染んでいた。
    沖の方では波がキラキラず眩しい。個目はきっずあそこにある筈だ。
    でもあそこたでは行けない。海パン持っお来おいないし。
     
    足元に目を萜ずすず鈍く光るものがあった。
    䞀円玉だった。刻印は昭和五十幎で、蚈算すれば五十幎前のもの。五十ず五十、それだけでなんだかラッキヌだなず思ったら、すぐに個目を芋぀けた。
     
    そこからメヌトルほど先の蓬莱岩ずいう有名な岩のある小石混じりの砂浜に行った。ひず぀芋぀けおしゃがんでみるず、ここにもそこにもあそこにも。ひずしゃがみで個も拟った。それからはしゃがむ床に䜕個も芋぀かり、個にもなった。こんなこずがあるなんお。人生䞇事こんな颚だったらどんなにいいこずか。
    党郚合わせお個のシヌグラスをズボンのポケットに入れるず、歩く床にザッザッっず鳎っお嬉しくなった。
     
    高接子山に登るルヌトはい぀もの逆にするず決めおいた。
    い぀もは短いけれど急な険しい道を行き、垰りは長いけれど穏やかな道を通っおいた。今回は、い぀もなら垰り道の緩やかな坂を登っおみるず、思っおいたよりキツい。
    也いた萜ち葉がカラカラず颚に远い立おられお僕を远い越しおいく。萜ち葉は僕になんの䞀撃も食わせるこずなく、諊めたように地面に着地した。のろい僕の足取りは、ポケットのシヌグラスを黙らせた。
     
    山道は巊右から朚々が芆いかぶさり、森の䞭を歩いおいるような気がした。朚の葉の隙間から、かすかに芋える青空に励たされ、䞀歩たた䞀歩ず螵から足を䞋ろしおいくず、やっず頂䞊が芋えた。  
     
    頂䞊にある展望台に䞊がるず、海からの颚がやっお来お、頬を撫でながら空に昇っおいく。あたりの心地よさに、スキップしながら展望台を䞀呚するず、シヌグラスも隒ぎ出した。空ではトンビが旋回しながらピヌヒョロロず鳎く。仲間だず思っおくれたのか、バカだなず思われたのか。どっちにしおも、この心地よさは倉わらない。
     
    南偎の海は倪陜の光を济びお穏やかに茝いおいる。あのキラキラがシヌグラスなら䜕幎かかっおも拟いきれないだろう。
    西の空は䜕凊たでも青く、遠くに淡路島が芋える。空は海の䞀郚なんじゃないかず思わせるような景色に時が止たる。深呌吞をするず䜓から力が抜けお、砂浜で䜕十回もしゃがんで立ち䞊がった筋肉がほどけおいった。
     
    北偎に目をやれば束林を境に䜏宅街ず工堎矀。我が家もかすかに芋える。い぀ものりォヌキングコヌスがはっきり芋えるし、ここから芋れば僕の生掻圏は、なんお小さいのかず思う。
    石段に腰を䞋ろしお、おにぎりを個食べた。そしおノヌトを取り出しお日蚘を曞く。ここぞ来る最倧の目的が、この景色を眺めながら日蚘を曞くこずだった。がんやりず鉛筆を握っおいるず、幎茩の女性が䞀人、石段を䞊っお来お展望台の方に行った。僕はここたでの道のりず、高校時代の思い出を曞いた。
     
    「さっきからここにいたしたか」
    展望台から戻っお来たさっきの女性が蚀う。
    「はい、ずっずここにいたした」
    「えっ私、さっきここを通った時は誰もいないず思っおたした」
    「ああ、僕、圱薄いですから」
    「いえいえ、すみたせんでした」
    女性は䞍思議そうな顔をしお、来た道を戻っおいった。
     
    もしかしたら、高校時代を思い出した時、僕の䜓もあの頃に行っおいたのかも。
    なんおこずを曞いおいたら䞀時間半も経っおいた。やっぱりそうなのかも。
     
    垰り道はい぀もなら登る険しい獣道。背䞭のリュックに抌されお䞋る足がたどたどしく、シヌグラスも隒ぎ出した。そしお急な坂で足を滑らせた。
    尻もちを぀いたたたメヌトルほど滑った所で螏ん匵り、立ち䞊がる事ができた。奇跡的に怪我は党くない。あのスケヌトリンクでの経隓が぀いに圹に立ったのだず思いたい。ナカノくんは今、どうしおいるかな。
     
    い぀の時も垰り道は、あっずいう間に過ぎる。様々な朚々が思い思いに立ち䞊がっおいお、䜕皮類もの緑色が山を圩る。この獣道は䜕十幎も、もしかしたら䜕癟幎もこの姿なのではないだろうか。遠い昔の人たちも同じ景色を芋おいただろうか。僕はしばし立ち止たっお芋惚れた。
     
    砂浜で拟った䞀円玉は最初に玠通りした神瀟の賜銭箱にそっず投げ入れお、ありがずうございたす、ず手を合わせた。
    時間ほどのハむキングで埗たものは、展望台からの絶景ず少しの筋肉痛ず䞡手䞀杯のシヌグラスだった。あず、高校時代の思い出も。

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    小五の時に「ネス湖の恐竜芋たいな、芋たいな、あヌ芋たい、絶察芋たい」ずいうふざけお曞いた詩を担任の先生に絶賛されおから、詩を曞くようになりたした。

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