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Photo byhananosu

僕の

    よう

    ゆっくりと僕の乗った舟は進む。

    行き先は決まってない。ここは暗いけど、向こう側がちょっとだけ明るいから少しずつ舟を漕ぐ。

    僕の舟はカラスの巣みたいだ。いろんなものでできている。うれしい、楽しい、悲しい、悔しい。

    全部、僕の宝物。
    集めていたら、舟の上に屋根までできた。

    他の人は、とっくの昔にいなくなったよ。
    僕の湖に魚はいない。僕の舟には出口がない。

    僕の舟は、僕の寄る辺で、家で、宝物で、檻で。

    時間のない世界で舟を漕ぐ。
    あっちは少しだけ明るいから。

    僕はいつからここにいるんだろう。
    時々でいいから、思い出してよ。




    私は昔、一人称が「僕」でした。

    社会に馴染むために「僕」を閉じ込めました。

    ゆっくりと時間をかけて私は今の私になったけど、あの頃の僕はどこに行ったんだろう。


    なんの話をしてたんですっけ?



    ▼「シロクマ文芸部」さんの企画に参加しました。
    お題は「ゆっくりと」から始まる文章。



     
     
     

    よう

     
     
    紙と糸で遊ぶ人。 エッセイ、創作を書き、イラストを描きます。手製本に挑戦中。ZINE作りは趣味。 面白いを気軽に。失敗は次の栄養へ。 11/22(日)にはじめてづくりマーケットに出ます。

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