メインコンテンツへスキップ
見出し画像

入試で差がつく tend / prone / liableなど「~しがち」6語の違いを語源で一気に整理【受験英語攻略編⑦】

    英単語は、孤立していない――語源でひらく意味の地図

    まずは、空所補充問題から。

    以下の単語の中から適切なものを入れましょう。
    [tend / tendency / apt / prone / inclined / liable]

    1. He is _____ to change his mind at the last minute.
      (彼は土壇場で考えを変える傾向がある。)

    2. Many teenagers _____ to stay up late during holidays.
      (多くの10代の若者は、休暇中に夜更かしする傾向がある。)

    3. The roof is _____ to collapse if the snow piles up.
      (雪が積もると、屋根は崩れやすい。)

    4. She felt _____ to accept the offer after thinking it over.
      (よく考えた結果、彼女はその申し出を受け入れたい気持ちになった。)

    5. His _____ for daydreaming sometimes gets him into trouble at work.
      (彼の夢見がちな傾向は、時々職場で問題を引き起こす。)

    6. Drivers are _____ for any damage caused by reckless driving.
      (無謀運転による損害について、運転手は責任を負う。)

    今日のつまずき:tend / tendency / apt / prone / inclined / liable の使い分けができない

    語源で整理する

    英単語の「~しがち」「~する傾向がある」は、
    接頭辞や語根の意味を意識すると分かりやすくなります。


    tend ―「〜する傾向がある」

    語源分解

    • tend(伸ばす・向かう)

    → ある方向へ伸びていく
    → 自然にそちらへ向かう
    → 〜する傾向がある

    個人の感情や意志に関わらず、
    「統計的・客観的に見てそうなりがち」
    という事実や習性を述べる際に
    使われる万能な動詞
    です。

    関連語

    • tendency(傾向、性向)
       tend(傾く)+ -ency(状態)
       → 傾いている状態

    apt ―「〜しがちだ/適している」

    語源分解

    • apt(適した)

    → それに合った性質を持つ
    → そうなりやすい
    →〜しがちだ

    関連語

    • aptitude(能力、性向)
       apt + -itude(状態)
       → 傾向としての能力

    • adapt(適応する)
       ad(〜の方へ)+ apt(合わせる)
       → 状況に合わせる

    prone ―「〜しがちだ(ネガティブ)」

    語源分解

    • prone = pronus(前に傾く)

    → 前に倒れやすい
    → 望ましくない状態に陥りやすい
    → (病気・危険などに)〜しがちだ

    inclined ―「〜したい気がする」

    語源分解

    in(内側に)+ cline(傾く)

    → 内面がそちらへ傾く
    → 心理的に向かう
    → 〜したい気がする

    liable ―「〜しやすい/責任がある」

    語源分解

    li(ligare:結ぶ)+ able(できる状態)

    → 結びつけられた状態
    → リスク・責任と結びついている
    → (問題・責任を)負いやすい

    関連語

    • liability(法的責任)


    👉 ポイント
    同じ「〜しがち」でも、

    • tend:自然にそうなる

    • apt:性質として向いている

    • prone:悪い方向に傾きやすい

    • inclined:心理的に傾く

    • liable:責任・リスクを伴う

    と、傾きの方向や原因が異なります。

    語源を意識すると、
    ネイティブの使い分けが一気に整理できます。

    まとめ:傾く・しがちな性質の単語たち

    • tend / tendency
      「伸ばす、傾く」というラテン語 tendere が語源。

      • tend(動詞):自然に傾く、〜しがちである

      • tendency(名詞):動詞 tend の傾向、性質

    • apt / aptitude / adaptable / adaptor
      ラテン語 aptus(適した)が語源。

      • apt(形容詞):性質として傾きやすい、〜しがち

      • aptitude(名詞):能力や性向

      • adaptable(形容詞):状況に合わせて変化できる

      • adaptor(名詞):適応させるもの

    • prone
      ラテン語 pronus(前に傾く)が語源。

      • prone(形容詞):危険や欠点に傾く、〜しがち

    • inclined
      接頭辞 in(中に)+ cline(傾く)が語源。

      • inclined(形容詞):心理的・意識的な傾向、〜したい気持ちがある

    • liable
      語根 li(ligare:結ぶ)+ able(できる) 「法律や義務に縛り付けられている」→「責任がある/(悪いことが)起こりやすい」

    空所補充の解答

    1. apt

    He is apt to change his mind at the last minute.
    (彼は土壇場で考えを変える傾向がある。)

    解説:この例文では、彼がたまたま考えを変えたのではなく、「優柔不断である」「心変わりしやすい」という彼自身のキャラクター(性質)として、土壇場での変更が「起こるべくして起こっている」ことを示しています。

    2. tend

    Many teenagers tend to stay up late during holidays.
    (多くの10代の若者は、休暇中に夜更かしする傾向がある。)

    解説:tend to do は「自然と〜する傾向がある」という意味の動詞表現です。often のように、一般的な習慣や行動パターンを客観的に述べる際に使います。この位置で動詞として入るのは tend だけです。

    3. prone

    The roof is prone to collapse if the snow piles up.
    (雪が積もると、屋根は崩れやすい。)

    解説:be prone to は「(望ましくないことが)起こりやすい」という意味です。病気・事故・トラブルなど、ネガティブな結果に陥りやすい傾向を表すのが特徴です。

    4. inclined

    She felt inclined to accept the offer after thinking it over.
    (よく考えた結果、彼女はその申し出を受け入れたい気持ちになった。)

    解説:be inclined to do は「心理的に〜する気になる」という意味です。
    本人の意思・判断・気持ちなど、内面的な傾きを表します。

    5. tendency

    His tendency for daydreaming sometimes gets him into trouble at work.
    (彼の夢見がちな傾向は、時々職場で問題を引き起こす。)

    解説:tendency は tend の名詞形で「傾向・性向」という意味です。
    文中では、所有格(his)+名詞(tendency)という形を取っており、
    ここには名詞しか入りません。

    6. liable

    Drivers are liable for any damage caused by reckless driving.
    (無謀運転による損害について、運転手は責任を負う。)

    解説:be liable for は「法的責任がある」という意味の表現です。
    責任・義務・リスクなど、法律的・社会的な文脈で用いられるのが特徴です。

    今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

    今回は語源を手がかりに整理しましたが、ネイティブにも実際の上記の問題を見てもらいました。すると、やはり説明どおりに使い分けがなされており、prone は「よくない結果」に対して使われることが多く、liable は法的な文脈で使われることが多いということでした。

    私たちノンネイティブにとって、このような語彙の細かな違いが分かりづらいのは、どうしても言語体験の量が少ないからかもしれません。ただ、語源を意識して学ぶことで、そうした経験の差を少し埋めるヒントにはなりそうです。

    では、これからも語源ワールドの探検にお付き合いください。

    次回は、
    be composed of / be made up of / consist of の違い 
    【受験英語攻略編⑧】

    このシリーズでは
    受験英語を語源・構造から攻略しています。
    続きはフォローで受け取れます。

    エッセイ編始めました。
    「私は抜け殻を教えていた——30年後に気づいた、言葉の『動き』」

    本書(このシリーズ)では、このような形で単語の語源を解説し、大人の学び直しに役立つ1冊を目指しています。

     
     
    英語教師歴30年以上、語源研究20年。英検1級。フランス語・中国語・ラテン語を学びながら、英単語を語源からたどる連載中。語彙力が英語の土台だと考え、暗記に頼らない語源学習で、受験や資格対策、学び直しに役立つ英語を発信しています。英語学習に悩む人の力になれたらうれしいです。

    あなたへのおすすめ