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【現物給与評価#08】転勤すると都道府県単価も変わりますか?

    ― 転勤時に確認したい「適用する都道府県単価」の考え方 ―


    ※本記事は現物給与評価Q&Aシリーズの一部です。

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    Q1 転勤すると都道府県単価も変わりますか?

    はい、変わる場合があります。
     
    住宅の現物給与価額を算定する際に用いる都道府県単価は、
    住宅の所在地ではなく、原則として被保険者が勤務する事業所の所在地に
    よって適用されます。
     
    そのため、
     ・転勤によって勤務する事業所が変わる
     
    このような場合には、適用する都道府県単価も変更となる場合があります。
     
    例えば、転勤前後で同じ住宅に継続して住んでいる場合でも、
    勤務する事業所が変わることにより、適用する都道府県単価が変わるケースがあります。

     
    「住宅が変わったから評価が変わる」のではなく、
    「勤務する事業所が変わったため評価に用いる単価が変わる」という点は、実務でも見落とされやすいポイントです。


    Q2 住宅の所在地ではないのですか?

    住宅所在地ではありません。
     
    初めて制度を学ぶ方は、
    「東京の住宅だから東京都単価」
    「大阪の住宅だから大阪府単価」
    と考えがちです。
     
    しかし、社会保険の住宅現物給与評価では、住宅がどこにあるかではなく、どの事業所に勤務しているかという考え方が基本となります。
     
    例えば、
     ・東京都の住宅に住んでいる
     ・勤務先は大阪支店
    という場合には、住宅所在地だけでは都道府県単価は決まりません。
     
    実際には、勤務する事業所の所在地などに基づいて適用する単価を確認することになります。
     
    住宅所在地と適用する都道府県単価が一致しないケースもあるため、
    住宅の住所だけで判断しないことが大切です。

    [参考]そもそも「都道府県単価とは何か」「どのように決められているのか」 
                   は、こちらの記事で基本から整理しています。
    ▶【Q&A|都道府県単価とは何ですか?勝手に決められますか?】
    ⚖ 税務・社会保険を詳しく知りたい方


    Q3 転勤すると、現物給与額も変わることがありますか?

    変わる可能性があります。
     
    転勤により適用する都道府県単価が変更されると、
    その結果として住宅現物給与価額が変わる場合があります。

    [参考]都道府県単価が住宅の評価にどのように使われるのかは、
                   こちらの記事で仕組みから整理しています。
    ▶【Q&A|住宅現物給与価額とは何ですか?】
    ⚖ 税務・社会保険を詳しく知りたい方
     

    さらに、
    住宅現物給与価額から従業員負担額(社宅使用料など)を反映して
    算定されるため、最終的な現物給与額にも影響する可能性があります。
     
    ただし、
    転勤したから必ず現物給与額が増減するとは限りません。
     
    住宅の広さや従業員負担額など、
    複数の要素を組み合わせて評価されるため、
    影響の有無や程度は個別の状況によって異なります。

    [参考]「住宅現物給与価額」と、従業員負担額を反映した後の
                  「現物給与額」は別の金額です。両者の違いは
                    こちらで整理しています。
    ▶【Q&A|住宅現物給与価額と現物給与額は何が違いますか?】
    ⚖ 税務・社会保険を詳しく知りたい方

     
    また、転勤に伴って住宅が変わる場合だけでなく、
    同じ住宅に住み続ける場合でも、適用する都道府県単価が変わることで
    評価額が変動する可能性があります。


    Q4 一括適用をしている場合はどうなりますか?

    会社によっては、複数の事業所を社会保険上の一括適用として取り扱って
    いる場合があります。
     
    この場合でも、
    どの都道府県単価を適用するかは、
    一括適用の有無だけで決まるものではありません。

     
    実務では、
     ・どの事業所が適用事業所となるのか
     ・被保険者がどの事業所に所属しているか
    などを踏まえて確認することになります。
     
    そのため、
    「本社で給与計算をしているから東京都単価」
    「住宅が大阪にあるから大阪府単価」
    というように単純に判断できるものではありません。
     
    給与計算や人事管理を本社で一括して行っている場合でも、
    それだけで本社所在地の単価を使用するとは限りません。

     
    実際には、
    社会保険上どの事業所を基準として取り扱うかを確認することが重要です。


    Q5 実務で確認したい留意点

    転勤がある会社では、次のような点を確認しておくと安心です。
     
    ✅ 転勤時に適用する事業所を確認する運用になっているか
    ✅ 都道府県単価の変更漏れがないか
    ✅ 人事異動の情報が、現物給与評価を行う担当者へ確実に連携される
          仕組みになっているか

    ✅ 給与システムの設定が転勤後も正しく反映されるか
    ✅ 2026年10月改正後の評価方法にも対応できるか


    [参考]都道府県単価の確認から現物給与額の算定まで、住宅の現物給与
                   評価を一連の流れで確認したい方はこちらをご覧ください。
    ▶【Q&A|住宅の現物給与評価はどのように決まる?】
    🏢 会社目線で知りたい方

     
    特に借上社宅制度では、
     ・人事担当
     ・給与担当
     ・社会保険担当
     ・社宅担当
    など、複数の部署が関わることも少なくありません。
     
    そのため、転勤情報が関係部署へ適切に共有されないと、
    都道府県単価の変更漏れや評価誤りにつながる可能性があります。

     
    異動時には、人事異動だけでなく、住宅の現物給与評価についても確認する運用を整備しておくことが実務上重要です。
     
    なお、上記は一般的な実務上の確認事項であり、
    これらのみで個別の取扱いが決まるものではありません。
     
    また、都道府県単価は住宅現物給与価額を算定する要素の一つです。
     
    実際の評価額は、
    住宅の広さや従業員負担額なども踏まえて算定されるため、
    都道府県単価だけで現物給与額が決まるわけではありません。


    ■ポイント

    都道府県単価は、住宅所在地ではなく、
    原則として勤務する事業所の所在地に基づいて適用されます。

     
    そのため、転勤によって勤務する事業所が変わると、適用する都道府県単価も変わる場合があります。
     
    また、同じ住宅に住み続ける場合でも、勤務する事業所が変われば、
    住宅現物給与価額や現物給与額に影響する可能性があります。

     
    2026年10月1日からは、住宅現物給与価額の算定方法が、
    畳数基準から総床面積基準へ変更されます。

    [参考]2026年10月改正で「何が変わるのか」を改正前後から
                   確認したい方は、こちらの記事で詳しく整理しています。
    ▶【2026年10月改正|借上社宅の現物給与(社会保険)が変わる】
    📅 制度改正
     
    転勤が多い会社では、改正対応に加え、
     ・適用する都道府県単価の確認
     ・異動時の情報連携
     ・給与システムへの反映
     ・評価方法の見直し
    まで含めて運用を確認しておくことが重要です。


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    借上社宅制度の実務で迷いやすい疑問を、テーマ別に整理しています。
    ▶【借上社宅Q&Aシリーズまとめ|実務で迷う論点一覧】


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    【ご留意事項】
    本記事は、借上社宅制度に関する一般的な情報提供および制度理解を目的として作成しています。記載内容は、一般的な制度上の考え方や実務上の整理を説明するものであり、特定の状況に対する税務・法務・労務上の判断、助言または保証を行うものではありません。
     
    実際の運用にあたっては、会社ごとの制度設計・契約内容・運用実態等によって取扱いが異なる場合があります。個別案件については、必ず税理士、社会保険労務士、弁護士、または管轄の行政機関等へご確認・ご相談ください。
     
    また、制度改正や行政解釈等により、将来的に取扱いが変更される可能性があります。最新情報については、国税庁・厚生労働省等の公表情報をご確認ください。
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    著者
    Yoshihiko Tagawa|借上社宅制度の研究家

    借上社宅制度について、制度運用や社宅管理の観点から
    情報整理・発信を行っています。
    毎月3000戸超の社宅運営に携わる中で、
    借上社宅制度の運用面・管理面に関する情報整理を行ってきました。

    本noteでは、借上社宅制度に関する一般的な仕組みや運用上の考え方を
    情報整理を目的としてまとめています。
    借上社宅制度にはメリットがある一方で、
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    中小企業の制度理解や運用整理に役立つ視点で発信しています。



     
     
    20年超の人事労務キャリア。現在は3,000戸超の借上社宅制度の主担当として、規程運用から従業員対応まで実務の最前線に携わっています。社労士・宅建士・FP試験合格の知見を活かし、所得税法や社会保険が複雑に絡む社宅制度を研究中。人事担当者の視点で「現場で役立つ情報」を発信します。

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