
歌は世につれ、私も歌につれ
レッスンやライブで歌い終わると、
いつも少しいたずらっぽく笑いながら
「キッシー、これ歌いたいんでないのかい?」
と、北海道弁で黒岩さんが声をかけてくれる。
その “ニヤリ” が、なんだかとっても好きなのです。
昨日のライブが終わったときにも声をかけてくれ、
今回はニアピンだったけれど
今日になってみたら黒岩さんに言われた方が
むしろ歌いたい気もしてきました。
セットリストは最後に置いておきます。
さて、どの曲でしょう^^?
♪
昨日のライブでは、黒岩さんにとって
“歌手人生のターニングポイントになった歌”の話を、
それぞれの曲の前にぽつりぽつりと語ってくれた。
若い頃、太く低い声がコンプレックスで
可愛い歌が歌えずに困っていたところ、
外国語の歌を勧められ、“Ella in Berlin” を
毎朝A面・毎晩B面、 くり返し聴いていたこと。
外国語の歌が歌えたことがきっかけで、
米軍慰問でベトナムに行ったこと。
それから60年が経つのに、
まだ戦争がなくならないこと。
独りアメリカに渡ったとき、
お母様を亡くされたとき、
大変な出来事が起こるたびに
何度も「もう歌えない」と思ったこと。
それでもある曲を聴いているうちに、
“私ならこう歌いたい” と思える瞬間があったこと。
その静かな語り口を聞きながら、
私だけでなく他のお客さんもきっと
自分のターニングポイントを思い返していたはず。
♪
私にとっての大きなターニングポイントのひとつは、
黒岩さんと出会えたことそのものだった。
旦那殿と出会ったその日に、
札幌にある黒岩さんのお店・Day By Dayに
連れて行ってもらう約束をした。
初めて黒岩さんの声を聴いたとき、
訳も分からず泣けたっけ。
聴いているだけで嬉しかったっけ。

そのうち黒岩さんがレッスンを始めることになり、
「あんたも受けてみるかい?」と声をかけてもらった。
レッスンを重ねるうちに
大きな声が出るようになり、
音程は良くなくても音域が広がった。
それ以外にも、夏休みに道内や関西や九州に
コンサートツアーにくっついて行ったっけ。
入院中にお見舞いに来てくれたときに、
私ともう2人の患者仲間さんのためだけに
ミニゴスペルコンサートをしてもらったことも。
テクニックだけじゃなくて
歌う意味や声の奥にある“生き方”みたいなものまで、
そっと、たくさん、教えてもらってきた25年。
黒岩さんが昨日のライブで
「私ならこう歌いたいと思えたから、また歌えた」
と話してくれたとき、 私は
「私はこの人に出会えたから、歌いたいと思えたんだ」
と静かに思っていた。
今回のライブでは、
札幌ススキノのお店で 各ステージの最後に歌われ、
お店の名前にもなっている “Day By Day” を聴いて、
泣けてきたことにびっくりした。
63年歌い続けてきた黒岩さんの“今日の声”が、
私の胸の奥の静かな場所に触れた気がした。
♪
札幌パークホテルの建て替え前最後の
ディナーコンサートが8月2日(日)にあるから、
次の川崎レッスンは9月になるだろうか。
そのときは何を歌わせてもらおうか。
そしてその前後、また銀座Swingで聴けるだろうか。
そんなことを思いながら、昨日は帰りました。
今度お会いできるときはまだ暑いでしょうから、
どうか無理せず、でも絶対に、また。
♪
セットリスト(2026/6/27 @銀座Swing)
First Stage:
Black Bird (instrumental)
Let It Be Me
Have I Told You Lately That I Love You
The Gift (Recado Bossa Nova)
There Will Never Be Another You
Don't It Make My Brown Eyes Blue
Can't Take My Eyes Off You
I'm Coming Home Again
Day By Day
Second Stage:
Feel Like Makin' Love (instrumental)
A Lovely Way To Spend An Evening
紙のピアノ
Tennessee Waltz
Mack The Knife
For Once In My Life
人生の扉
My Sweet Lord
Imagine
vo. 黒岩静枝
sax. 吉田 治
p. 小関基之
b. 大西慎吾
dr. 二本柳 守