
「よろこび」がめぐる体質をつくるシンプルなコツ
そろそろ卒業シーズンも峠を越えたかな。卒業式で歌われる歌、最近は「旅立ちの日に」が主流みたいだけど、いっ時は嵐(ARASHI)の「ふるさと」がよく歌われていて、ラジオから流れてくることが多かったように思う。いつごろからだったか、東日本大震災が起きたあとだっただろうか、あの頃のNHK紅白歌合戦のトリの曲は、この「ふるさと」だったはず。ちなみに、この3月は年度の締めくくり(年度末)なので、僕はひとり「勝手に卒業式」みたいなことをやっている。それはつまり、一年の振り返りみたいなこと。そして、この「ふるさと」という曲は、しばらくの間、僕にとっての不動の卒業ソングだった。
小山薫堂さんが作詞したこの嵐の「ふるさと」、その歌詞にはこういうフレーズがある。
雨降る日があるから虹が出る
苦しみぬくから強くなる
英語で言えば、No rain, no rainbow. これ、ハワイのことわざなんだとか。僕らがおおきな「よろこび」を感じる時は、この考え方が土台にある時なんじゃないか、と僕は感じている。今日はこのことについて書いてみたい。
楽しみにしていた遠足。てるてるぼうずをぶら下げて「晴れ」を祈ったはずなのに起きてみたら雨。そんなせつない体験は、だれしも一度は経験してきただろう。部活動で、きつくてくるしい練習に耐えて、迎えた本番の試合前。監督からレギュラーメンバーの発表を受ける。しかし最後まで自分の名前は呼ばれない・・あんなに頑張ったのにあれは何の意味があったんだろう・・そんな体験をしたことがある人もいるだろう。関係性もバッチリの上司と仕事をして順風満帆にいっている職場で、急に会社が買収されて方針が変わる。やりたいことがやれなくなる・・みたいな体験も、この時代なら、明日起きてもおかしくはない。桜が満開と聞いたので週末にお花見をしようと決めたのに、週末はあいにくの雨・・やっと見れたと思ったら葉桜・・こんなことはきっと今年も、そして来年にもふつうにあることだ。
そう、天気が移り変わるのと同じように、時の流れとともに、僕らの日常という空模様は、順調な時と不遇な時とを行ったり来たりする。予想できることもあるけれど、不意に訪れる雷雨、ゲリラ豪雨のような大雨があるのも僕らの日常のワンシーン。
でも、だからこそ、僕らはその場面で「次」に期待する。大雨が降った後、次は晴れますように、とお願いする。そして、待ち望んだ「晴れ」がやってきた時、おおきなおおきなよろこびの感情に包まれて笑顔になる。AIがどれだけ進化しても、それはきっと変わらない。
探していたほしいものが通販サイトですこしだけ安く買えることがわかった時の「よろこび」。それをポチッとしたら翌日に手元に届く「よろこび」。いつも混んでいるお店が意外と空いていてすぐに席に案内される「よろこび」。タクシーアプリで呼んだタクシーがサッときてくれる快適な「よろこび」。席でモバイルオーダーすれば会話をしなくても済む便利さという「よろこび」。日常の中にそういう「よろこび」は無数にある。けれど、その「よろこび」は徐々に意識の中から無意識の中に溶けていき、いつしか「あたりまえ」というものにカタチを変えていく。そして、流れ星のように一瞬にして姿が見えなくなる。
ただ、きっと「虹」は別もの。けっして長くそこにはいないし、もしかしたらしょっちゅう見る人もいるのかもしれないけれど、虹は雨のあとに現れる。いつでもだれにとっても「めぐみの雨」であり、虹とともに「よろこび」を連れてくるんだ!
日々はくるしい。そして、いつもやたらと煩わしい。大好きな人とだけずっと一緒にいられたらそれでいいのに、職場や学校にはなぜだかいつもニガテなヤツがいる。まっしぐらに目的に向かおうとしているのに、なぜだかいつもヤツが邪魔をする。フィルムカメラを現像してできあがった写真を見ると、指が写りこんでいたり逆光で顔が黒かったり。毎日水をやって肥料もあげて、休みの日はいつもお日さまの下にも置いたのに、花は顔を見せることもなく枯れてしまったり。約束をしていた楽しみなディナーに向かう電車が事故で運休・・なんてこと、ひとつも望んでいないイベントごとがカレンダーに記録されていく。どういうこと?ありえないよ、やってらんないよ!!と嘆き、涙し、やり場のない悲しみや失意、怒りや叱責の感情というヤツも、気づけばニヤッとしながら隣に座っていたり。
たぶん、これが生きている、ということ。うまくいかないから、教えてくれる人がいる。悲しいから、慰めてくれる人がいる。絶望して苦しすぎるから、そこから抜け出したいから、もっともっと頑張ろうと考えてアイデアがわいて出てくる。ひとりでは単調だから、一緒にいる仲間とちからをあわせてものすごい感動を分かち合える。
雨降る日があるから虹が出る
苦しみぬくから強くなる
このあとに続く歌詞には
進む道も夢の地図も
すべては心の中にある
とある。
「心からの願い」や「あふれる想い」そして「希望」を持つことは容易じゃない。自信満々ではないし、いくばくかの不安もあるし、覚悟も必要・・だしね。だからこそ「No rain, no rainbow」と考える。こころの中をおだやかにして、とにかく信じる。そして「待つ」。それができたら、進む道も夢の地図も輪郭がはっきりしてくるのかもしれない。そこから素敵なドラマの幕が開くのかもしれない。天気も運も、味方してくれるようになるのかもしれない。そして、ゆっくりゆっくり、おおきな「よろこび」というヤツがやってくるのかもしれない。きっとそう。いや、まちがいない!!

ヤツがどんな顔をしてやってくるかは、わからないけどね(笑)