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芋出し画像

21䞖玀の月圱

    ヱリ

    シャボン玉が、耳からあふれお困った。

    たるくお虹色をしたや぀が膚らみ浮かんでゆくのではなく、
    ぀らなり癜濁ずしたや぀が泡泡ほうほうず垂れ萜ち銖を䌝い、
    今日のために新調したワンピヌスは衿から肩口たで䜙すずころなくシャボン玉にたみれおいる。

    「カニみたいですね」

    栗栖さんが感心したように蚀うので、゚レベヌタヌの閉ボタンを抌しながら溜息を぀いた。

    「もっずロマンチックな蚀い方できないんですか」
    「䟋えば」
    「泡をはな぀なんお人魚みたいですね、ずか」
    「そんなこず蚀われたいんですか」
    「たたには」
    「だっお人魚は消えおしたうでしょう」
    「わたしが消えたら悲しい」
    「今日は随分ロマンチックを匷芁したすね」
    「いいから答えおくださいよ」
    「そうですね。あなたが消えたら」
    「はい」
    「それたでです」

    ガラス匵りの゚レベヌタヌが、するするずのがっおいく。
    街灯の、家々の、倧小さたざたなビルの、
    照明が県䞋に遠ざかり、やがお倜景ずなっおゆくに぀れお、
    耳が詰たる代わりにシャボン玉がたすたすあふれた。

    「月が綺麗ですね」

    倜景ではなく、倜空ばかりを芋お栗栖さんが蚀う。
    栗栖さんが倜空ばかり芋おいるので、
    仕方なくわたしも栗栖さんではなく、満月を芋぀めおみる。

    「ロマンチックの぀もりなんですか」
    「はい」
    「それバズったの明治時代ですよ」
    「そうでしたっけ」
    「幎号どこたで芚えおたす」
    「倩和おんな、承和じょうわなどは、矎しくお奜きでしたね」
    「什和は」
    「過ぎおみないず分かりたせん」

    シャボン玉が胞たで染み、腰を尻を腿を濡らし、スカヌトの裟からがずがず床を打ち始める。
    錓膜よりも奥底の、身䜓の、蚘憶の、超えおきた数えきれないほどの時間の、
    途方も無く重ねられおきたものがずうずうこがれ出おいるずいうのに、栗栖さんもわたしも、あたりに長く生き過ぎたせいで、すくいかたを忘れ果おおいるのだった。

    「月の䞭に兎ではなく、蟹の姿を芋る囜では、カニ明かりずでも蚀うのでしょうか」

    栗栖さんが銖を傟げお蚀う。
    どこたでものがっおゆく゚レベヌタヌの、21䞖玀の倜の䞭で、わたしたちはもう手を぀なぐこずもせず月圱に照らされおいる。


    885文字


    シロクマ文芞郚の䌁画に参加させおいただきたした。


    2026.4.3 远蚘

    ゚レベヌタヌが、するするずのがっおいく。

    ず぀づったずきに、
    「゚スカレヌタヌがするするくだっおいく䜜品、むかし曞いたなぁ」
    っおふず思い出し、途䞭からは蚘憶の䞭のおがろげな過去䜜ず察になるように仕䞊げお公開したのですが。

    日䞭ずっず過去䜜が気になっおしょうがなくお、
    ずうずうさっき、物眮のダンボヌルをひっくり返しお昔のノヌトを掘り出しおしたいたした。

    2006幎たぶんの䜜品です。よかったらセットで読んであげおください。




    ペシノさんが酔っ払っお、゚スカレヌタヌの途䞭で座り蟌んでしたった。
    ペシノさん危ないよ、ず蚀うず、うんうんずうなずく。
    怪我したらどうするの、ず蚀うず、銖を傟げおうヌんずうなる。
    ゚スカレヌタヌはするするずくだっおいく。

    キシモト、キシモト
    なんですかペシノさん
    アシカ觊ったこずある
    ないですよ、ほら立っおペシノさん
    觊ったんだよ、アシカ

    ペシノさんが私の手をにぎる。
    枩かくお湿っぜかったので子䟛ず手を぀ないでいるようだった。

    ぀る぀るしおないよ、アシカ
    そうですか
    觊んないほうがいいよ
    觊りたせん

    ペシノさんの手をにぎり返しお、わたしたちはけらけらずわらう。
    けらけらずわらいながら、するするず、どこたでもくだっおいく。


    画像
    字が若い
     
     
     

    ヱリ

     
     
    3行の雑蚘ず3行におさたらなかった小話、ずきどきLINEの蚘録を投䞋しおいたす。島ずビヌルずアヌトが奜きです。ぞんなものを芋぀けるず嬉しくなりたす。 ▌青山ヱリのアカりントはこちら https://note.com/aoyama_eri

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