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終電は五分前に

    ヱリ

    レシートにうすく赤い線が入っている。

    感熱紙の両端をふちどるように、赤い線が入っているときはロール紙が終わりに近いことを表している。
    いつも不要と放置しているレシートを、今日はお守りみたいに財布の中にしまい込んで、紙コップを店員から受け取った。

    コンビニコーヒーをふたつ作る。外を見る。もうすぐ日付の変わりそうな夜の中で、ニイミさんが電話をしている。

    春宵。春酔。

    酒をしっかり回らせた頭に、赤いレシートばかりが浮かぶ。
    終わらせるためのお守りなのか。
    終わらせないためのお守りなのか。
    ニイミさんの後ろ姿を見つめる。

    コーヒーの香りが立ち始める。


    <266文字>


    シロクマ文芸部の企画に参加させていただきました。

     
     
     

    ヱリ

     
     
    3行の雑記と3行におさまらなかった小話、ときどきLINEの記録を投下しています。島とビールとアートが好きです。へんなものを見つけると嬉しくなります。 ▼青山ヱリのアカウントはこちら https://note.com/aoyama_eri

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