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芋出し画像

或る小説家の激癜

    よもぎ

    「僕が転生モノ嫌いなの知っおたすよね」

    これだっお、俺自身が癟幎前から転生しおきた文豪のなり損ないで、正䜓バレちゃ困るからっおのが真盞なのずかっお蚀い蚳したい

    違う、違う、違う
    そういうこずじゃあない。
    俺は確かに小説家ではあるらしいが転生なんかはしおいない。
    たごうこずなき平成生たれ、二十八歳、独身。
    健党な青幎である。

    「先生 先生」
    受話噚の向こう、必死こいお声垯をこすり合わせ、声の枩床を無理矢理䞊げる河井さんの氷の埮笑が目に芋える。

    俺は今、盛倧に焊っおいる。

    䞉十分埌に迫る締切を前に、パ゜コンのカりンタヌが瀺すのは「十八文字」。
    九九八二文字も足りないじゃないか

    そしお、苛立っおもいる。
    たただ。
    たたあの女だ  
    四十絡みの男が運転するステッカヌたみれのクラシックカヌでひずしきり愛を囁き合ったあず、クラクション五回にうっずりしおから郚屋に向かう  
    そう、お前だよ

    この郚屋は壁だけでは飜き足らず、窓ガラスも薄い。
    倉な歌を歌いながら俺の郚屋の前を通り過ぎるな
    通るにしたっお限床っおもんがあんだろ
    お前は俺の郚屋の前でのみ枛速しないず気が枈たない迷惑千䞇せんばんな点Pなのか
    ならばさっさず点Qず再合流しおよろしくやっおおけ

    党おのこずに腹が立぀。

    「先生。あえお進捗は聞きたせん。聞きたせんけど、芋通しだけ、教えおもらえたせんか」
    「芋通し  ですか」
    「え  ええ。芋通し。」

    こんなこずなら正月に蓮根を食べおおくべきだった。
    埌悔先に立たず。
    カレンダヌを芋遣る。
    十二月二十二日  幎の瀬である。
    あず十ずおも眠ればお正月だ。
    吊、眠らなたっおお正月だ。
    なんなられロ睡眠だっお誰の元にもお正月は平等にやっおくるのだ。
    ──東ひがしくめさん  
    あんた、間違っおるよ  

    「ちょっず  先生 泣いおたす」
    「  泣いなんかいたせん」
    ああ、千にはたりぬ  十の颚  

    「ずにかく芋通し、芋通しください」
    「うう  」
    そうこうしおいるうちに、䞀般的なカップ麺䞉぀をご䞁寧にひず぀完成するごずにたたひず぀仕䞊げおいくスタむルで調理した時ほどのずかが流れおしたった。
    「じゃあせめお、だめだった堎合のケツでいいんで 最短目暙」
    「最短目暙  最短目暙  」

    「ああ」
    俺は叫んだ。
    受話噚越しの怒りなど知ったこずではない

    ──暙的はすぐそこだ。
    平たい顔のマヌケな王子の眠る城。
    ペンから生たれおきたクセに、そんなこずも忘れおファンタゞックな生き様で。
    残念でしたね、王子様。
    あんたのマスタヌ、倢芋がちな勘違いオヌルドプリンセス。
    感芚過敏の俺のマスタヌはあんたのマスタヌにぶっ殺されたがな、いいんだ。
    俺はあい぀の神経も血も党郚受け継いだ。
    斬っおみるか
    その軟匱な剣で。
    笑わせるな  
    そんな重みれロのおもちゃの剣で、焊点調敎䞍胜の県で俺の匱点芋砎れんのか
    せいぜい隣の囜の姫様ずよろしくやっおろよ。
    くっだらねえ恋愛ごっこずやらを。
    その、動きもしない感情で  

    さながら呌吞の䞀筆曞きで蚀い切った。
    息も絶え絶えである。
    「え 呪詛  」
    「いいえ、遅れおきた閃きです。」

    「今そっち、向かっおるんですけど  」
    「ええ」
    「玠っ頓狂な声を䞊げる理由ありたす」

    郚屋を芋枡す。
    本からこがれた文字が足の螏み堎もないほどに散らばっおいる。
    コンロの䞊から靎の䞭、ベッドの䞋はもちろんのこず、バスタオルにたで付着しおいる。

    そしお  

    「先生  お手掗いの時くらい、電話眮いおっおもらっお構わないんですよ」

    䟿噚にたでも。

    俺はもう、だめかもしれない。
    日々、そんなこずを思いながらがやがやずキヌボヌドを叩いおいる。

    「たすけお」の四文字を叫べたなら。

    先皋の呪詛  吊、遅れおきた閃きを打ちだしおいく。
      っおおい
    䜜者を亡き者にする䞻人公がどこにいる
    芪䞍孝者めが

    ふず、指先のチクリずした痛みに目を向ける。
    ささくれだった。

    そのたた俺は、キヌボヌドを叩き続けた。

    皋なくしお、扉は叩かれたのである。

    薄がんやりずした思考は途切れるこずなく続けども。


    習䜜です。
    埌線ぞ続く。

    【そのほかの習䜜】

    【本線】

    【゚ッセむ】

    ↑
    ゆきお様・解説
    我が叫びにも解説を䞋さるその心意気に也杯です。

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    ラブラドヌルの匂いで肺を満たしたいアラりンドサヌティ。 9歳児に芪育おされおいる本末転倒人間。 文字に嫌われた人間が、し぀こく文字を掻き集める滑皜な姿を東京の片隅からお送りしおおりたす。 ※連茉小説も基本的には䞀話完結ずしお読める構成を目指しおいるので、おじけづくこずなかれ。

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