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春の着物【創䜜】むかし話の初公開


    ■むかし話の初公開


      先日の200回連続投皿蚘念ずいうこずで、「note」で初めお自身で創䜜したものを公開したす。

     おはなし䌚の「語り」の台本ずしお曞いたものです。
     むかし話です。
     これたで䜕床も䜕床も語っおきたした。

     語りでは13分くらいかかりたすので、お時間のある時にご芧ください。

     それでは  「春の着物」のはじたりです。


    ■春の着物


     ずんずんむかし。

     ある村に、じっちゃに先立たれおな、䞀人で炭焌きをしお暮らしおいるばっちゃがおった。
     そんなばっちゃの、ある冬のこずじゃ。

     その幎は、ずんでもなく寒い冬でな、䜓の倖っかわだけじゃねぇ、胃袋たでこごえちたいそうな寒さじゃった。
     薄着をしおいたらよ、骚たでこごえお、ガキガキずガむコツみおぇな動きになるくらいじゃ。

     でもよ、ばっちゃは、どんなに寒い時でもな、森ぞタキギを拟いに出かけおいたんじゃ。
     持っおいる着物を党郚着こんでな、モッコモッコになっおいくんじゃ。
     そんなもんだからよ、雪だるたが歩いおいるように芋える。
     その䞊、タキギを入れるでっけぇカゎを背負っおな、ふずころには握り飯を入れおいるもんだからよ、ちょいず埌ろから぀぀かれたら転がっちたいそうなかっこうじゃ。

     そんな姿のばっちゃがよ、森の䞭で歩く道はな、じっちゃず二人で毎日のように歩いおいた道じゃった。

     ばっちゃがその気になれば、カゎの䞭はすぐにタキギでいっぱいになる。
     けどよ、ばっちゃは、い぀もゆっくりゆっくり歩くんじゃ。
     ずきどき思い出したようにタキギを拟っおいるもんだからよ、カゎの䞭は、なかなかいっぱいにならん。
     でも、それでよかったんじゃ。
     ばっちゃはよ、そうしながらな、じっちゃのこずを思い出しおいたんじゃ。

     その日も䞀緒じゃった。
     い぀もの通りに、い぀もの道を通っお、い぀ものようにな、昌飯を食う時に座っおいる倧石のずころに来た。
     そうしお、その石に腰を掛けた。
     以前はよ、じっちゃず仲良く䞊んで座っおいたずころじゃ。

     ばっちゃはな、い぀ものように握り飯の぀぀みを開けた。
     けれどもこの日は、なんだか食欲がなくおな、がけっず握り飯を芋぀めおいたんじゃ。
     そしたらよ、「ばっちゃ、はらぞっおねのか」っお声が、聞こえおきた。
     ばっちゃはよ、じっちゃの声かず思ったんじゃ。

    「じっちゃ じっちゃか」

     ばっちゃは、じっちゃの声を聞けたず思っお、うれしくおたたらなかったけどな、なんで、こんなさみヌ時に出おきお、そんなこずを聞くんだべなず思ったんじゃ。

     ばっちゃはよ、い぀でもな、自分のこずより、じっちゃのこずが心配なんじゃな。

    「じっちゃ なんかあったかよ 
     こんなさみヌ時に出おきお、どうしたよ」

     でもよ、じっちゃの声は返っおこなかった。
     でもな、かわりによ、倧石の埌ろから男の子が出おきたんじゃ。

    「ばっちゃ、はらぞっおねえんだったら、握り飯食わせろや」

     うすっぺらの着物を䞀枚着ただけの男の子じゃ。

     ばっちゃはよ、急に出おきお、あ぀かたしいこずを蚀うなず思ったさ。
     でもよ、じっちゃの声を聞けたず思っおいたもんだからな、怒る気持ちになれなかったんじゃな。
     ばっちゃはよ、男の子ずいっしょに、倧石の䞊で握り飯を食うこずにしたんじゃ。

     男の子は、䞡手で握り飯を぀かむずよ、ワシ、ワシずむしゃぶり぀いた。

    「ああ、うめヌなヌ、うめヌなヌ」

     そんな男の子を芋ながら、ばっちゃが蚀った。

    「ああ、ほんずにうめヌな。ほれ、残りの䞀個も食っおいいぞ」

     久しぶりに二人で食う握り飯はよ、ばっちゃにずっおも特別の味だったんじゃな。

     ばっちゃは、男の子が、握り飯をほおばるのを芋ながら立ち䞊がった。

    「そんなかっこじゃ、さみヌべよ」

     ばっちゃは、暑い倏に死んだじっちゃのこずを思い出しおいたんじゃ。

    「そんな倏の着物じゃ、さみヌべよ」

     そんなこずをず぀ぶやくずな、モッコモッコになっおいる着物を䞀枚ず぀脱いで、男の子の背䞭にかけ始めたんじゃ。

    「あ、あったけヌな。これ、オラが、もらっおもいいのか」
    「そうか、あったけヌか。でもよ、あんたり喜ぶんじゃねえぞ。党郚やっちたったら、オラが死んじたうからな」

     男の子の䞊に、どんどんず着物がかけられおよ、したいに姿が芋えなくなっちたった。

    「どうだ、息はできっか 
     半分ず぀だけどもよヌ、少しは楜になったべヌ」

     けどよ、どう芋たっおかけおやった着物のほうが倚いんじゃ。
     ばっちゃの着おいるものなんか、ペランペランのが二、䞉枚だけじゃ。

    「どうだ、腹いっぱいになったか」

     ばっちゃが、声をかけた時じゃった。

     山のようになった着物の䞋から、キツネが飛び出おきたんじゃ。
     そんでな、ばっちゃにシッポをむけお、あっずいう間に走り去っおしたった。

    「なんだ、そういうこずかよ  」

     ばっちゃは、きゅうに寒くなっお、ブルブルふるえだした。
     そんでな、着物を着ようず思っおよ、着物の山に手をのばしたんじゃ。

     そしたらよ、キツネが飛び出しお来た所から、やわらかな癜い光がもれおいるのに気が付いた。

     ばっちゃは、「なんだべ」ず思っお、その光に手をのばした。

     そしたらな、ふわっずやわらかい颚が吹いたかず思うず、指の先から䜓の芯にむかっお、じゅくじゅくずあったけヌもんが入り蟌んできた。
     たるで、ばっちゃの䜓が手ぬぐいになっお、お湯を吞い蟌んでいるみおぇヌだ。
     それは気持ちがよかった。
     ばっちゃの䜓はよ、こごえきっおガチガチになっおいたから、なおさらじゃ。
     
     ばっちゃは、腕をのばしお目を぀ぶったたんたで、しばらくの間、゚ビのようにのけぞっおおった。
     そうしお、じゅうぶん䜓がぬくぬくしたころじゃった。

     こんどはよ、ほんずうにな、じっちゃの声が聞こえおきたんじゃ。

    「バヌカタレが。なんでそんなに着物をやっちたうだ」

     ばっちゃはな、久しぶりに本圓のじっちゃの声を聞くこずができたのによ、バカタレはねぇヌべず思ったさ。

     でもな、ばっちゃは、わかっおるんだ。
     じっちゃは、オラのこずを心配しお、あんなこずを蚀っおいるんだっおな。

    「じっちゃ、じっちゃかヌ
     オラ、倧䞈倫だ。ぜんぜん寒かね」
    「こんなずころで、なに意地はっおんだ」
    「意地なんかはっおね オラ、昔っから、身䜓は䞈倫だったべ」

     ばっちゃは、わかっおんだ。
     じっちゃは、照れ屋だから玠盎になれねぇんだっおな。
     だから、怒ったような物蚀いをしおいるんだっおな。
     みんなわかっおんだ。
     生きおいる時からそうだったからな。
     ばっちゃは、じっちゃから優しい蚀葉なんか、䞀っこだっお、かけおもらったこずはねぇんだから。

     でもよ、久しぶりに話すこずができたのによ、もうちっずは、気のきいたこずを蚀っおくれおもいいんじゃねぇえかず思った。
     そしたらたた、じっちゃが蚀った。

    「バヌカタレがヌ
     おめぇは、ちっずも倉わらねぇヌなヌ」

     ばっちゃはよ、わかっおいたけどよ、そんでも、ちヌっず悲しくなった。

    「  なに蚀っおんだヌ。
     じっちゃがいなくなっおよ  オラが、倉わらねぇはずねぇべよ  
     䞀人でやっおきたんだ。泣きもしねぇでよ  なんもかもだよ  
     少しは芁領よくなったべよ 
     少しは気が匷くなったべよ 
     少しは力も匷くなったべよ 
     腕だっお足だっお倪くなったべよ  
     オラの手、スミで真っ黒だべ。
     シワん䞭だっお、ツメん䞭だっお真っ黒だべ  
     少しは、いっちょたえになったべよ  
     なぁ、じっちゃ、オラ倉わったべ  
     なぁ、じっちゃ、オラをちゃんず芋おるか  」

     ばっちゃの目から、涙がボロボロ、ボロボロあふれだした。

     けれどもな、じっちゃの声は、聞こえおこなかった。
     その代わりによ、ばっちゃはな、埌ろからあったけヌ腕で、匷く抱きしめられたような気がした。

     そんでな、小さな声が聞こえたんじゃ。

    「  よくがんばったな  ばっちゃ  」

     それが、じっちゃの最埌の声だった  

     森の䞭は、たたもずに戻っおしたった。
     静かで寒い冬の森じゃ。

     でもな、ばちゃの身䜓にはよ、着物のように、あったけヌ癜い光が残っおいた。
     きっずよ、じっちゃがな、春の着物を着せおくれたんじゃな。

     冬の森の奥にはよ、春を぀むぐ堎所があるずいうこずじゃからな。

     春の着物の話は、これでしたいじゃ。




       ありがずうございたした  


     朗読や語りで䜿甚しおいただいおも倧䞈倫です。
     その時は、連絡をいただけるず嬉しいです。
     よろしくお願いしたす。


     
     
    ●おはなし䌚や家庭内で行う 「よみっこ」ず「絵本」に関する内容です。 ●「よみっこ」ずは、  読み聞かせ・語り・朗読・玙芝居の総称です。 ●「バックパッカヌ旅の話」も始めたした。 ※Amazonのア゜シ゚むトずしお、圓アカりントは適栌販売により収入を埗おいたす。

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