
手作り?機械化?お菓子の未来について考えてみた
こんにちは。note編集部・2年目社員の竹川です!
先日公開した、手巻きシガール体験記はいかがでしたか?
今回は、前回語り切れなかった商品部の皆さんの「手作り」に込める熱い想いと、自動化が進む中でお菓子の未来について、あれこれ聞いてみました。
【前回の記事はこちら】

西脇:商品部所属。2023年入社。好きなヨックモックのお菓子は「南青山ロール」
住原:商品部所属。2023年入社。好きなヨックモックのお菓子は「ブラゾン ドゥ ショコラ」
竹川:ブランディング部所属。2023年入社。好きなヨックモックのお菓子は「ポーム ド テール」 高橋:商品部所属。2017年入社。好きなヨックモックのお菓子は「シガール」
濱:商品部所属。2011年入社。好きなヨックモックのお菓子は「ビエ オザマンド」
竹川:前回は、シガールの手巻き体験をしたんですが、すごく大変でした!今回は私が皆さんにお話を聞いていきます!
ー今回、生地はご用意いただいて、型にはめて焼いて巻くというだけでもすごく難しかったです。
高橋:シガールの手巻きも難しいですけど、ヨックモックの特徴でもあるラングドシャー生地を作るのは、とても繊細で難しいんです。同じ配合で作っても、その日の気温や湿度、混ぜ方などで微妙に出来上がりが変わってしまいます。生地の作り方から、シガールであれば巻き方までを習得してようやくヨックモックの商品開発に携われるんです。
ーラングドシャー生地とシガールは、やっぱりヨックモックの基本なんですね。
濱:すごく微妙で繊細な味の差を感じとる能力を養うためにも、手作りの習得はすごく大事なスキルだと思います。そのため、商品開発に配属されたスタッフは、全員必ずラングドシャー生地の手作りとシガールの手巻きを習得するんです。
ー手作りを通して、繊細な感性を養うということですね。
技術を身につけるまで

ーどうやって技術を習得するんですか?
高橋:繰り返し作るしか習得方法がないんです。何度も作ってみて、毎回「何が良くなかったんだろう?」って、その都度、みんなで考えながら勘・コツを磨き上げるんですよ。
濱:研修中に「どこが悪かったと思う?」って問いかけて、自分自身で考えてもらいながらサポートしています。作るだけでなく、必死に考えながらお菓子作りを学んでもらいます。
ー実際に習得中のお二方は学ばれていてどうですか?
西脇:やっとなんとなくですが、半年くらいかけて習得できるようになってきた気がします。同じように作っているのに、毎回全然違うんですよ!同期の住原さんとも、お互いの完成品を食べ合って、気づきを共有できたり、アドバイスをしあえたのはすごく良かったです。
住原:合計何回か分からないくらい作りました。今も完全に習得できたとは言えないですけど、私の場合は西脇さんの生地に比べると食感が硬いのが課題でした。その原因はなんだろうって何度も試しました。

西脇:焼き上がった生地がすごく熱い時は、乳化がうまくいってないのかな?とか、色々話し合って、自分たちでも考えながら少しずつ学びましたよね。
濱:毎回同じクオリティで作るのがすごく難しいんですよね。微妙な違いを繊細に感じ取れる方は、やっぱり上手に焼き上げますね。

住原:あまりうまく言語化できないんですけど、生地がうまくできた時は、ダレたりしないで、ちょっと自立するような硬さになるんです。大抵のお菓子は、1日頑張るとある程度カタチになるんですけど、シガールはいまだに難しいです。こんなにうまくいかないお菓子は、シガールだけかもしれません。
西脇:確かにそうですよね。うまくいったと思っても、次の日作るとまたうまくいかなかったり、すごく難しい。
高橋:今でも完全な機械化だけで大量生産しているわけでなく、現場の方の経験や技術に支えられています。工場の生地を担当されるスタッフが、夏場、冬場など、作業環境によって、生地を最終調整するんですよ。全部が一定に美味しく保てているのは、現場の方の経験と知恵、勘のおかげです。

これからの人間の技術と機械化・自動化のバランス
ー経験・知恵・勘は素晴らしいと思う一方、現在さまざまな業界で人の手を介さない機械化や自動化が進んでいますよね。皆さんはこうした技術を積極的に取り入れていきたいと思いますか?
濱:現状では技術的にも、なかなか難しいと思います。特に原材料も自然界で生まれるものですから、全く一定ということはありません。バターひとつとっても、時期によって脂肪分が変わったりします。それに加えて天候などの様々な条件を組み合わせながら、安定的・安心できるお菓子を作るには、機械と人間の技術、両輪のバランスをとって製造するのが、現代の最良かなと思います。

高橋:菓子製造に関しては、 できないことを自動化するのではなく、人間ができることをもっと便利に自動化するのが重要ですよね。おいしいものを、手に取りやすい価格で、たくさん届けるために省人化する流れはあると思いますが、現状は職人の技術力は、どうしても数字で測りきれないところがまだまだ大きい印象です。
高橋:はい。技術を継承する前に転職してしまう人も増えていますよね。技術の継承をサポートしていくためにも、自動化や機械化を取り入れていくことはとても大事だと思っています。
濱:ポジティブに捉えていくことが重要ですよね。
西脇:私も工場見学に行って最初は「自動化できたら楽なのに!」と思いました。でも自分自身で手作りしてみると、まだまだ人間の技術に自動化が追いついていないって気がついたんです。時間や数値、同じ条件で作ったはずなのに、差が出てしまう。工場の皆さんが、手作業で均一に調整する技術を目の当たりにすると、自動化はまだ難しいように思いました。

住原:工場では「生地の色が明るい/暗い」とかそういうことで判断するシーンもありました。そういう毎日、真剣に見ているからこそわかるんだろうなって思うんです。
濱:自動化するときに「想い」っていうのがとても大事だと思うんです。おいしいものを「多くの人に届けたい」とか「安心安全に届けたい」そういう想いをベースに機械化・自動化するのであれば、私個人は素晴らしいことだと思いますよ。

高橋:そうですよね。機械化することで、良くなることって多いと思います。でも使う側にきちんと「想い」がないと、本末転倒だなって思うんですよね。
西脇:私は、気持ちの部分を表現するのは、作る現場だけでないって思うんです。販売をしてくれている現場のコーディネイター(販売員)が、お客様に気持ちを伝えたくなるお菓子作りができればいいなって思います。
住原:私は、お菓子づくりのどこかにやっぱり手作りのエッセンスが入っていて欲しいと思っています。実際に工場の皆さんと接すると、皆さんがプライドを持って作っているんですよね。機械化・自動化を否定はしませんが、やっぱりそういう手作りの工程が少しでも残っているお菓子が好きだなって思います。

手作りを大事にしている商品部の皆さんの意見は、とっても示唆に富んでいました。自動化・機械化が進む現代において、ヨックモックはどんな未来を描くべきなのでしょうか。
今回の取材を通して改めて、2年目社員である私もお菓子づくりの未来について考えるきっかけになりました。これからも皆さまにヨックモックらしいお菓子と作り手の想いを届けていきたいと思います。
(おわり)
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