甲子園(毎週ショートショートnote)
今年も甲子園に集いし怪物たちが、勝利の女神の髪を掴まんと一球一心の攻防の火花を散らす。
ランナーが得点圏に進むや否や、両アルプスがざわめきに包まれ、次なるバッターの登場と共に、畏怖と期待が入り交じる魔曲が鳴り響く。
あぁ、かの場所に立ちたかった。
あぁ、怪我なんてしたくなかった。
あぁ、見逃したストライクに食らいついていれば……
あぁ、あのボールをきちんと掴み取れていたら……
ありとあらゆる球児たちの無念は、やがて怪奇へと変化し、新たな怪物を育てる。
そうして全工程のうち、名場面と称される攻防は怪談のように繰り返し語り継がれていく。
お題はこちらの「高校野球怪談」から。