
魔女刈り
ここは因習村。
村の女はみな、腰まで届くほど長く髪を伸ばす。
三年に一度、その髪を刈る祭りがある。
髪には、目に見えないものが溜まるという。
三年分の雨、風、怒り、恋、ため息。
そうして重くなった黒髪は、祭りの夜、女たちの手で束ねられ、バリカンでためらいなく刈られていく。
落ちた髪は捨ててはいけない。
夜が明ける前に、残らず拾い集められ、村のどこかへ運ばれていく。
どこへ運ぶのかは、誰も話さない。
祭りのあとには決まって、見覚えのない少女たちが村に現れる。
少女は名を与えられ、家を与えられ、やがて他の女たちと同じように髪を伸ばし始める。
誰も不思議には思わない。
ここは因習村。
村人はみな魔女である。
そして村には、一人も魔法使いはいない。
カミは自分に模して人を創ったという。