久々の摂心
一.
冷房のない書院は蒸し蒸しと暑い。顔から一滴、また一滴、ゆぅっくり、ツー、ポタッ、ツー、ポタッと汗が流れ滴り落ちる
そんな汗を拭うことなく、ただただじっと坐っていると、認識できるすべてが小鳥のさえずりでいっぱいになる
1週間の後半になると鳥のさえずりが終わり、虫の声が聞こえるようになった
ここ数日の間に季節が進んでいる
19:00過ぎの経行後の坐では、蒸し暑かった書院に爽やかな風が吹き込んでくる
微かな花の芳香を伴って
なんて世界は豊かなんだろうか
ただ坐っているだけでこんなにも豊かで満ち足りた気持ちになれる
二.
初日、坐っていると私の全身の細胞が歓喜に打ち震えているように感じた
2日目は頭の左側から何かがボロっと音を立てて剥がれ落ちた
実際には音はしていない
それでも確かに聞こえた
ずいぶん大きなものだった
3日目には畳の縁が白く光りだした
目を開けているのに丹光が現れては流れ、現れては流れていった
最終日は経行の少し前、何かが込み上げてきて涙が止まらなかった
経行中にトイレに行きわんわん泣いた
泣き止まなかったので経行しながら泣いた
この一週間、家に戻った後も夜座をした
最後の夜坐を終え、しみじみ思った
――よくやった
――ほんとうに、よく坐った